電子署名法が2020年に成立してから、一定の基準を満たす電子契約は紙の契約と同様に法的に有効であることが定められました。
ペーパーレス化やテレワークが進んだ今では、紙の契約は非常に不便なものになったといっても過言ではありません。
この記事では、電子契約システムについての基礎知識や、おすすめのサービスを紹介したいと思います。電子契約システムの導入を検討しているのなら、ぜひ参考にしてください。
電子契約システムとは
電子契約システムとは、契約書だけでなく業務を進めるために必要な書面を全てクラウド上で作成・管理することをいいます。
このシステムを活用すれば、今まで行ってきた書類を印刷する・書類を持っていく(郵送する)・書類に押印またはサインをしてもらうなどの流れを完全にペーパーレスで実行出来るようになるのです。
今まで、遠方にいる相手との契約を結ぶには書類の往復時間が必要でしたが、非常にスムーズな流れで業務を進められるでしょう。テレワーク時にも、承認をもらうために出社するような非効率なことが起こりません。
電子契約システムの主な機能
電子契約システムを提供しているサービスには非常に豊富な機能が搭載されています。ここからは電子契約システムの代表的な機能について紹介しましょう。
サービスによっては独自の機能を搭載している場合もありますので、自社が必要としている機能は何かをよく考えておくとよいです。
①電子署名
電子署名は信頼できる第三者機関(電子認証局)が本人の証明であることを証明するもので、印鑑証明書と同じ効力を持っています。
本人が作成し改ざんされていないことの確認などが必要なので、利用時には事前の登録が必要です。申請には数週間かかる場合もありますので、時間に余裕を持って準備をしましょう。
②電子サイン
電子契約時の意思表示のために使用されるのが電子サインです。本人確認はメールアドレス・パスワードなどを用いて実施されます。
作成の負担が少ないために気軽に導入出来ますが、電子署名に比べると法的効力が弱くなってしまうことがあります。
③タイムスタンプ
電子署名・電子サインを行った日時・電子書類の送信日時を記録するものがタイムスタンプです。
タイムスタンプがなければ、最終更新日や契約の日付が曖昧になってしまうので、契約書が改ざんされるおそれがあるでしょう。
④原本保管機能
電子契約書も紙の契約書のように原本を保管しなくてはいけません。紙のように金庫や倉庫に保管するのではなく、電子契約システム上で契約書データを保管しておくのです。
⑤進捗管理機能
契約の承認がどこまで進んでいるかを管理する機能です。紙の契約書でもよくある問題ですが、業務に追われるうちに承認作業が滞ってしまうことを防ぎます。
契約書の承認期限や更新期限などを定め、アラーム機能を導入することも出来るでしょう。
⑥テンプレート
契約書を一から作成するためには法務関係の知識が必要なこともあり、非常に多くの労力が必要です。多くの電子契約システムでは優れたテンプレートが用意されているため、契約書作成の手間も省けます。
⑦セキュリティ機能
電子契約システムは非常に重要な情報を取り扱うため、強固なセキュリティが確保されている必要があります。サイバー攻撃のターゲットにならないように、使用する電子契約システム選びには注意してください。
電子契約システムを導入するメリット、効果
電子契約システムを導入することで、企業は非常に多くのメリットや効果を得られます。
1 業務効率化
契約書を作成する・郵送する・保管するような手間が省けるため、電子契約は書面契約よりもずっと効率的であるといえます。
また、数年後に契約書を確認したいと思った時にも検索機能を使えば、すぐに必要な契約書を探し出せるでしょう。
2 コンプライアンスが強化される
書面の契約では、書面の複製・改ざんというリスクが常にありますが、電子契約システムでは全ての履歴が残るため、そのリスクを大幅に下げることが可能です。
3 コストダウン
書面の契約書には紙代・郵送費・収入印紙の費用などがかかりますが、電子契約では不要です。契約書を作成・管理する人件費も削減できるでしょう。
電子契約システムの選定ポイント
電子契約システムは現在多くの組織で必要とされているため、非常に多くの種類が流通しており、その選定には時間がかかってしまうでしょう。ここでは、電子契約システムを選ぶ時のポイントをお伝えします。
ポイント1 取引先に負担なく契約が締結できるか
電子契約システムは取引先にも利用してもらわなくてはいけません。承認を依頼する取引先が行わなくてはいけない手間が多いと、相手に負担と感じられてしまうでしょう。
ポイント2 万全なセキュリティが用意されているか
電子契約には万全なセキュリティが欠かせません。十分なセキュリティが確保されているかしっかり確認してください。
ポイント3 社員が簡単に操作できるか
電子契約システムは社内の多くの担当者が利用します。どの社員も操作に戸惑うことのないようにシンプルで分かりやすい使い心地のものを選びましょう。
主要の電子契約システムを比較
電子契約システムが業務を効率化させるために有効であることをお伝えいたしましたが、ここからは主要の電子契約システムの特徴や費用について比較しましょう。
自社に最適なサービスは何かを考えてみてください。
クラウドサイン
弁護士ドットコムが運営する電子契約サービスであるクラウドサインは非常にシンプルな使い心地で契約書がサクサクと作成でき、承認自体の手間もかかりません。
そのため非常に多くの企業に採用されており、契約にかかる労力・コストを大幅に節約できるのです。
【クラウドサインの費用(1ヶ月)】
・Standard 10,000円〜 書類作成・送信、電子署名・タイムスタンプ
・Standard plus 20,000円〜 Standardの機能+紙の書類のインポート機能
・Business 100,000円〜 Standard plusの機能+承認権限機能+高度な管理機能など
※送信件数ごとに200円必要
※月5件までの無料プランでお試し体験
GMO電子印鑑Agree
AgreeはGMOが運営する電子契約システムです。押印に関わるワークフローをそのまま電子化することが可能で、電子帳簿保護法にも対応しています。
厳格な身元確認を行うことで、契約員相当と実印相当の法的効力がある電子署名が可能であるという特徴もあり、非常に信頼のできる電子契約システムだといえるでしょう。
【Agreeの費用(1ヶ月)】
・フリープラン 0円 契約印タイプのみ・ユーザー1名
・契約印&実印プラン 8,800円 契約印タイプ・実印タイプ・ユーザー無制限
※セキュリティパック・本人確認パックなどのオプションあり
NINJA SIGN
契約業務の多くのプロセスをワンストップで管理する電子契約サービスであるNINJA SIGNは、社内承認をリモートで可能にし、承認のためのタイムロスを発生させません。
過去の契約書も一括で保管できるので、膨大な量の契約があっても管理にかかる労力を節約できるでしょう。
【NINJA SIGNの費用(1ヶ月)】
・Free 0円 1アカウント・毎月5通まで
・Light 4,980円 1アカウント・毎月50通まで
・Light Plus 19,800円 1~6アカウント
・Pro 50,000円 1~20アカウント
・Pro Plus 120,000円 1~100アカウント
まとめ
電子契約システムについての基本的な情報や、システムの選び方と主要サービスについて説明いたしました。
自社に最適な電子契約システムを導入し、契約はもちろん業務全体の効率化を目指しましょう。