カスタマーサポートや営業部門などにおいて、メールアドレスを複数人で管理する「メール共有」は欠かせない機能です。メール対応漏れの削減やチームメンバーの育成に活用できるため、部門全体の応対レベル向上につながります。
本記事では、メール共有のメリットやGmail・Outlookにおいての設定方法を詳しく解説しています。
メール共有とは
メール共有とは、複数名で1つのメールアドレスを共有し、メールの送受信を行うことです。共有メールアドレス宛てに届くメールは、あらかじめ受信設定をしたメンバーが受信でき、返信の際も送信元を共有メールアドレスにできます。
基本的にすべてのメールサービスでメール共有の設定が可能ですが、やり方はそれぞれ異なります。GmailとOutlookにおいての詳しい設定方法は後述します。
メール共有のメリット
メールを特定の担当者ひとりではなく複数人で管理することには、以下のようなメリットがあります。
・メール対応漏れ・遅れを防ぐことができる
・メール対応の属人化を防ぐことができる
・ナレッジ共有によりメールの応対品質が向上する
・リモートワークの導入がスムーズになる
・業務効率が上がる
トラブルを防ぐことにもつながるため、積極的に活用することをおすすめします。
メリット1 メール対応漏れ・遅れを防ぐことができる
特定の担当者にメール対応を一任すると、対応漏れや遅れが発生するリスクを避けられません。
メール共有を行うと、返信が漏れているメールがあればメンバーの誰かが気付けます。担当者が休暇の際も相手を待たせることなく返信ができるため、応対品質の向上にもつながるでしょう。
メリット2 メール対応の属人化を防ぐことができる
メール共有をしていないと「特定の担当者に聞かなければ詳細がわからない」という状況が発生しやすくなります。他のメンバーはやり取りが把握できないため、担当者不在時は対処のしようがありません。結果として対応の遅延が生じ、顧客満足度の低下を招くことにつながります。
メール共有をすると対応状況が「見える化」されるため、担当者以外のメンバーの代理対応が容易になります。
メリット3 ナレッジ共有によりメールの応対品質が向上する
メール共有をしていると、ベテラン社員が対応したメールのやり取りを他の人が参考にすることができます。応対履歴から実践的な対応方法が学べるため、ナレッジ共有による人材育成につながるでしょう。
過去の履歴を参照することで情報の引継ぎもスムーズになるため、異動によりメンバーが入れ替わった際も業務が円滑に進みます。
メリット4 リモートワークの導入がスムーズになる
メール共有によって対応状況が可視化されるため、部署内における口頭での進捗確認が省けます。
顔を合わせずとも情報の共有がスムーズになるため、リモートワークを導入する際も柔軟な対応ができるでしょう。
メリット5 業務効率が上がる
「転送」や「CCへの追加」などでメールを共有する必要がなくなります。各メンバーが同じタイミングでメールを受信できるため、情報共有の工数が減り業務効率化が期待できます。
メール共有の設定方法
ここでは比較的利用者の多いGmailとOutlookにおいて、メール共有の設定方法を解説します。
【Gmail】メール共有の設定方法
Gmailでメール共有する方法は、以下の4種類があります。
・Googleグループを利用する方法
・メールを自動転送する方法
・IMAPを使う方法
・委任設定でアクセス権限を付与する方法
それぞれの手順を紹介します。
1 Googleグループを利用する方法
Googleグループには共同トレイ機能があり、受信したメールに複数人で対応できます。会話の割り当てや「完了・対応不要」などのひと目でわかるマーク付けができるため、業務分担がスムーズに進められることが特徴です。
設定には「オーナー」「マネージャー」権限が必要であるためご注意ください。
①Google グループにアクセスし「グループを作成」をクリックする。
②「グループ名」「グループメール」「グループの説明」を入力し「次へ」をクリックする。
③プライバシー設定を選択し「次へ」をクリックする。
④追加したいメンバーと招待メッセージを入力のうえ「グループ作成」をクリックする。
⑤左のメニューの「グループ設定」を選択する。
⑥「追加のGoogleグループの機能を有効にする」の「共同トレイ」にチェックを入れ「変更を保存」をクリックすると完了。
2 メールを自動転送する方法
他のメンバーに実行してほしいアクションが「メールの閲覧のみ」の場合は、自動転送機能も活用できます。
①Gmail右上の歯車マークをクリックし「すべての設定を表示」をクリックする。
②「メール転送とPOP/IMAP」タブを選択し「転送先アドレスを追加」をクリックする。
③「メールの転送先として追加します」のメッセージを確認し「続行」をクリックする。
④入力したメールアドレス宛てに届く「Gmail転送の確認」のメールに記載されているリンクをクリックすると完了。
3 IMAPを使う方法
IMAPを使用すると、任意のデバイスから場所を問わずメールにアクセスできます。そのため複数人でメールデータの共有が可能です。
①Gmail右上の歯車マークをクリックし「すべての設定を表示」をクリックする。
②「メール転送とPOP/IMAP」タブを選択する。
③「IMAPアクセス」の「IMAPを有効にする」をチェックする。
④「変更を保存」をクリックすると完了。
4 委任設定でアクセス権限を付与する方法
この方法はGmailのみならず、GoogleカレンダーやGoogleドライブなどの共有にも活用できます。
①Gmail右上の歯車マークをクリックし「すべての設定を表示」を選択する。
②「アカウントとインポート」タブ、または「アカウント」タブに切り替える。
③「アカウントへのアクセスを許可」欄の「別のアカウントを追加」をクリックする。(会社によっては、この機能に制限を設けている場合があります。表示されない場合は、委任設定の機能が制限されています。)
④「アカウントへのアクセスを許可する」の画面上で、共有したい相手のメールアドレスを入力し「次のステップ」をクリックする。
⑤「よろしいですか?」の確認画面上で「メールを送信してアクセスを許可」をクリックする。
⑥④で入力した共有相手のメールアドレスにメールが届く。
⑦共有相手がメールに記載されているリンクをクリックすると完了。
【Outlook】メール共有の設定方法
Outlookでは共有メールボックス機能を活用することにより、各メンバーの画面に共有メールボックスが自動反映されます。
設定には管理者権限が必要です。管理者アカウントでのサインインが必要になるためご注意ください。
①管理センターで「チームとグループ」>共有メールボックスに移動する。
②「+共有メールボックスを追加」を選択し、共有メールボックスの名前を入力する。
③「変更を保存」をクリックする。
④「次のステップ」で「このメールボックスにメンバーを追加する」を選択する。
⑤「+メンバーの追加」をクリックし、共有したいメンバーにチェックをつけ「保存」をクリックすると完了。
まとめ
本記事では、メール共有のメリットや設定手順を解説しました。メール対応のミスを防ぎ迅速な応答を実現することは、顧客満足度の向上に直結します。
人材育成やリモートワーク導入にも効果を発揮する機能であるため、部門全体の応対品質向上を目指してぜひ積極的に活用しましょう。
既存ツールとの連携を鑑みつつ、自社にとって最適なメール管理の方法を検討してみてください。