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    サイレントカスタマーとは?放置するリスクや対策方法等を解説

    多くの顧客は、商品・サービスに不満を感じても企業へ訴えることなく利用をやめてしまいます。このような「サイレントカスタマー」は顧客の過半数にのぼり、放置することで大きな経済的損失が懸念される存在です。

    本記事では、サイレントカスタマーの割合や放置するリスク、具体的な対策方法などを解説しています。

    目次

    サイレントカスタマーとは

    サイレントカスタマーとは、商品・サービスに対する不安や悩みを抱えていても、それを企業に伝えずに黙って去る顧客のことです。

    不満や疑問を「問い合わせ」や「クレーム」として一報してくれれば、企業側は対応の余地があるでしょう。しかしサイレントカスタマーはそうした行動を起こさず、時にネットのレビューサイトやSNSにおいて不満を発信することもあります。

    サイレントカスタマーは、類義語である「サイレントクレーマー」のように、企業にとって否定的なニュアンスを含みます。対応を怠ると大きな機会損失を生む可能性がある、注意が必要な顧客層です。

    「グッドマンの法則」と「サイレントカスタマーを放置する危険性」

    「グッドマンの法則」とは、ジョン・グッドマン氏が代表を務めていたアメリカのマーケティング調査会社「TRAP」が行った苦情処理調査の結果を、佐藤知恭氏が法則としてまとめたものです。

    【第一法則】クレームを伝えた際の企業の対応に満足した顧客は、苦情なしの顧客よりリピート購入率が高い
    【第二法則】不満に関する口コミは、好意的な口コミの2倍の影響力がある
    【第三法則】企業の適切な情報提供により信頼度が向上すると、好意的な口コミを呼び市場拡大につながる

    上記のなかで最も注目すべきは第一法則・第二法則です。

    クレームに対する企業の対応に満足した顧客は、その過半数がリピート購入を行います。しかしサイレントカスタマーはクレームを申し立てないため、適切な対応を取ることすらできません。このような状態ではリピート率を高められないばかりか、顧客の離反理由にも気付けなくなります。

    さらに、サイレントカスタマーは直接的に不満を伝えなくても、ネットやSNSにネガティブな評判を流す可能性があります。

    サイレントカスタマーの数は、クレームを伝える顧客よりも圧倒的に多いため、放置することにより既存顧客・潜在顧客の双方を失う恐れがあるのです。

    サイレントカスタマーの割合

    日本におけるサイレントカスタマーの割合は7割にのぼり、海外と比較して特に多いことがわかっています。

    株式会社日経リサーチとCCMC社の合同調査において「過去1年間に商品・サービスに対して不満を抱いた経験のある人」の割合を集計したところ、日本・アメリカともに65%を超えていました。国を問わず、過半数の顧客がプロダクトに対し何かしらの不満を抱えることがわかります。

    両国の異なる点は、不満を抱いた顧客の「その後の行動」です。アメリカ人は、不満を抱いた顧客のうち51%が企業に申し立てを行うのに対し、日本人は27.5%しか直接不満を述べないことがわかっています。

    「クレームが少ないこと=良いこと」と安易に判断すると、サイレントカスタマーを見逃します。7割にも及ぶ声なき顧客の影響は計り知れず、適切な対策が必要です。

    (参照 株式会社日経リサーチ レポート「クレームしない日本人、「痛点」に先回りし顧客離れ防ぐ」

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    サイレントカスタマーを放置するリスク

    サイレントカスタマーを放置することにより想定されるリスクは以下のとおりです。

    ・リピーターが増えず利益率が下がる
    ・ネガティブな口コミにより潜在顧客を失う
    ・プロダクトの改善点に気付かない

    それぞれの影響を以下で詳しく解説します。

    リスク1 リピーターが増えず利益率が下がる

    グッドマンの第一法則にあるとおり、適切なクレーム対応はリピート率を向上させます。

    企業に直接的なアプローチを行わないサイレントカスタマーが増えると、リピートにつながり得る適切な対処ができません。結果として「一回限り」の購買で離反する顧客が増え、延々と新規顧客の獲得で補填するという負のスパイラルに陥ります。

    アメリカの大手コンサル会社のフレデリック・F・ライクヘルドが導いた「1:5の法則」によると、既存顧客と同等の売り上げを新規顧客から生み出すためには、5倍のコストが必要です。

    企業の利益率を向上させるためには、新規顧客の獲得に頼りすぎずとも売上が安定するようリピーターを増やす必要があります。サイレントカスタマーを放置せず、潜在的な不満を解消する取り組みを積極的に行うことが大切です。

    リスク2 ネガティブな口コミにより潜在顧客を失う

    グッドマンの第二法則にあるとおり、ネガティブな口コミはポジティブな口コミの2倍の影響力があります。

    SNSの普及にともない、近年は個人が気軽に情報発信できる世の中になりました。世間への影響力が大きい人物(インフルエンサー)も増加傾向にあるため、一件のネガティブな口コミが、何万もの人々に届く可能性も否定できません。

    サイレントカスタマーを放置することで、負の影響力が周りに大きく波及します。多くの潜在顧客を失う可能性を考慮し、適切な対応を検討することが大切です。

    リスク3 プロダクトの改善点に気付かない

    商品やサービスの改善において「顧客の声」は非常に重要です。たとえクレームであっても、実際にプロダクトを使用したユーザーの生の声は、企業にとって有益な情報であることに変わりありません。

    サイレントカスタマーが増えると、顧客の意見・要望を把握できなくなります。結果として商品・サービスのブラッシュアップができなくなると、顧客ニーズを満たせなくなるため企業の競争力が弱まります。

    このような事態を防ぐためには「クレームが少ないこと」の危険性を認識することが大切です。サイレントカスタマーの存在を常に念頭に置いたうえで、適切な対策を講じましょう。

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    サイレントカスタマーの対策方法

    サイレントカスタマーへの有効な対策は以下のとおりです。

    ・顧客向けのFAQを整備する
    ・問い合わせへのハードルを下げる
    ・SNSを活用する

    顧客を「サイレントカスタマー化させない」ことが最大のポイントです。以下で詳細を解説します。

    方法1 顧客向けのFAQを整備する

    サイレントカスタマーを生まないためには、顧客向けFAQを整備することが有効です。

    企業への問い合わせに対し「面倒だ」や「聞きにくい」など何かしらのハードルを感じている顧客は、最終的にサイレントカスタマー化しやすい傾向にあります。

    FAQが整備されていれば、顧客の不満となりうる疑問を先回りして解消できます。自社サイトやVOC(顧客の声)分析を徹底し、顧客の抱える課題を的確に解決できるコンテンツを制作しましょう。

    方法2 問い合わせへのハードルを下げる

    顧客が「問い合わせをしたい」と思い立った際、問い合わせフォームが見つけられなかったり、問合せ時間が限られていたりするとどのように感じるでしょうか。「探すのが面倒だ」「今すぐ解決できないならもういいや」という諦めの心理が働き、サイレントカスタマーを生み出す原因になるでしょう。

    顧客が問い合わせをしやすい環境を構築するためには、以下の施策が有効に働きます。

    ・Webサイト上の問い合わせフォームを見つけやすい位置に配置する
    ・24時間対応のチャットボットを導入する
    ・SNS経由で問い合わせをできる環境を構築する

    問い合わせへの心理的ハードルを下げることは、顧客をサイレントカスタマー化させないことに加え、サイレントカスタマーから意見を引き出すことにも役立ちます。

    方法3 SNSを活用する

    SNSは、顧客の率直な意見を収集する媒体として有効活用できます。口コミ分析により顧客ニーズが明確になるため、不満を生じさせないプロダクトを提供できるようになります。

    口コミに対して企業アカウントで返信をすることも効果的です。双方向のコミュニケーションが発生するため、サイレントカスタマーに声を発する機会を与えることができます。

    人の手によるVOC収集には手間とコストがかかるため、リソースが足りない場合は自動収集ツールを活用することもひとつの方法です。

    まとめ

    カスタマーサポートをはじめとする顧客対応部門は、声をあげる顧客への対応が優先となるでしょう。しかし、最も注視すべきは顧客の7割以上を占めるサイレントカスタマーです。

    潜在顧客・既存顧客を失うリスクを最小限に抑えるためには、顧客が声を発しやすい環境を構築することが大切です。顧客目線に立った真摯なサポートがサイレントカスタマーをすくい上げ、ひいては市場拡大へつながります。自社で取り入れやすい施策からひとつずつ着手していきましょう。

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