営業戦略を立案する6ステップ|営業戦術との違いも徹底解説

営業戦略は、自社の営業活動の方向性を決め、企業の利益を左右する重要な指針です。適切な営業戦略が提示されていなければ、効果的な営業活動は行えず、顧客にどのようなアプローチをするかという具体的な方策も定まりません。

では、適切な営業戦略はどのように立案すればよいのでしょうか。
今回は、営業戦略の立案ステップや活用したいフレームワークに加え、営業戦略と営業戦術との違いについても解説していきます。

目次

営業戦略とは

営業戦略とは、企業が目標を達成するために掲げる長期的な方策のことです。市場や期間、ターゲット、商品・サービスなどを、目標(売り上げや成長)へとどう繋げていくかという方向性を示し、それをこれから行う具体的な施策の基盤として設定します。営業チームは、営業戦略に沿って施策を行動に移していきます。

常に変わり続ける市場の中で自社の競争優位性を構築するにあたって、営業戦略は重要な役割を果たすものです。営業戦略の立案は、企業の業績を左右すると言っても過言ではないでしょう。

営業戦略と営業戦術との違い

営業戦略と同時に使われることが多い言葉に、営業戦術があります。この言葉の使い分けは、戦略立案においても非常に重要です。

営業戦術とは、営業戦略にもとづいで行う具体的かつ中短期的な方法を指す言葉です。「営業戦略を達成・実現するためにどうするか」という手段が、営業戦術にあたります。
営業戦略は大まかな方策、営業戦術は具体的な方法と考えると良いでしょう。

営業戦術は、中短期的な手段であり、うまくいかない時には見直しを行って戦術を変更することもあります。営業チームは、営業戦術を試行錯誤して行いながら、営業戦略の実現を目指すことになります。

営業戦略の立案ステップ

営業戦略は、ステップを踏んで進めていくことで、より現状と目標に合った内容で立案することができます。
ここからは、営業戦略の6つの立案ステップについて見ていきます。

STEP1 市場環境の理解

営業戦略の立案にあたってまず行いたいのが、現状の市場を理解することです。
市場環境を反映できていない営業戦略では、戦略による効果をうまく引き出せず、戦略自体が的外れになってしまう恐れがあります。有効な営業戦略を練るためには、顧客のニーズや競合の現状などといった市場環境を調査して分析し、その結果を戦略案に落とし込む必要があります。

STEP2 自社の現状分析

自社の現状を分析することも、営業戦略立案の事前準備として欠かせません。自社の現状分析によって課題を把握し、その課題に対する解決策を営業戦略に落とし込んでいきます。
自社の現状分析は、自社の経営状況や商品などといった「内部状況」と、業界内での自社の立ち位置や競合との関係などといった「外部状況」の2面から行います。

STEP3 目標設定

営業戦略の立案時には、目標を設定しておく必要があります。目標が明確に定められていなければ、戦略内容があいまいになったり社内での目標共有が難しくなったりする恐れがあります。
目標は、「売り上げ前年比120%」「成約率20%アップ」など、数字を用いたシンプルで明確なものに設定してください。数字を用いたわかりやすい目標は、戦略立案時にも戦略実行時にも意識しやすく、社内の方向性としても共有しやすいためです。

また、目標数値は、努力することで達成可能な範囲の数値で設定しましょう。手の届かない目標設定は、社員のモチベーション低下を引き起こします。

STEP4 営業戦略の立案

市場環境や自社の現状を分析をし、目標を設定したら、具体的な営業戦略の立案に入ります。目標と同じく、戦略自体もできるだけシンプルで明確なものにし、誰もが同じ解釈ができるものに意識しましょう。

STEP5 営業戦術の立案

営業戦略が決まったら、次は営業戦術の立案に入ります。目標や営業戦略をもとに、それを設定するための具体的な方法を決めていきます。
営業戦術の手法の例としては、インサイドセールスやツールの導入、組織改革などさまざまなものがあります。戦術立案では、市場や自社の現状も踏まえながら最適な手段を選択していきます。

STEP6 評価・改善

立案した営業戦略や営業戦術を実行し結果が出たら、その成果を評価、分析し、今後に向けた改善を行っていきます。
各戦略・戦術に対し毎回見直しを行って、「計画」「実行」「評価」「改善」というPCDAサイクルを回すことで、次の戦略に向けた既存戦略のブラッシュアップを続けることが可能になります。

営業戦略の立案に便利なフレームワーク

営業戦略立案のための情報分析には、多くの場合既存のフレームワークが用いられます。ここでは、営業戦略の立案に役立つ代表的なフレームワークを2つご紹介します。

SWOT分析

営業戦略の立案に役立つフレームワークとしてよく使われるのが、SWOT(スウォット)分析です。SWOTとは、以下の単語の頭文字を繋げたもので、4つの視点から分析を行い、その結果を経営戦略の立案に活用します。

プラスの要素 マイナスの要素
内部環境 Strength=強み Weakness=弱み
外部環境 Opportunity=機会 Threat=脅威

SWOT分析では、この4つをさらにプラスの要素とマイナスの要素、「内部環境」と「外部環境」に分け、分析を行っていきます。Strength(強み)・Weakness(弱み)は自社でコントロール可能な「内部環境」、Opportunity(機会)およびThreat(脅威)は自社でのコントロールができない「外部環境」にあたります。

このように、外部環境までを見据えることで、広い視野のもと戦略の立案ができるのが、SWOT分析の特徴です。プラスとマイナスを同時に捉えることで、機会を狙いながら脅威は回避するといった戦略策定も可能になります。

RFM分析

RFM分析とは、指標を基準に顧客にランクをつけ、そのランクごとに顧客のグループ分けを行う分析方法です。ランクに応じた性質の異なるグループごとに、適したマーケティングアプローチをするため行われます。
RFM分析の指標となるのは、以下の3つの視点です。

・Recency (直近の購入日)
・Frequency(来店頻度)
・Monetary (購入金額)

RFM分析では、「直近の購入日」「来店頻度」「購入金額」という3つの指標のもと、顧客を「新規顧客」「休眠顧客」「安定顧客」「優良顧客」などといった3〜5程度のグループに分け、アプローチを行います。例えば、Recency (直近の購入日) の数値が低い休眠顧客には新商品やキャンペーンの情報を送る、3つの数値全てが高い優良顧客には優待セールを案内するなどです。
そうすることで、顧客の性質に合わせた営業戦略をグループごとに策定することができ、顧客の育成も可能になります。

まとめ

営業戦略の立案は、成約率や売り上げに直結する重要なプロセスです。営業戦略の立案時にはあらゆる情報の分析を重ねながら、慎重にステップを進めていきましょう。ご紹介したSWOT分析やRFM分析のような既存のフレームワークを適宜用い、広く的確な視点から分析を行って、環境に即した戦略を練ることが大切です。

また、営業戦略は、部署の垣根を越えたあらゆる施策を総括的に捉え立案していくことで、より効率的で効果的なものになります。セールスイネーブルメントツールは、営業に関わる施策を総括的に管理・共有できるツールです。各施策の実績を可視化することで、営業戦略の立案をサポートします。
営業戦略および営業組織自体を強化していくには、セールスイネーブルメントツールの導入も検討すると良いでしょう。

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