職場では、多少なりとも何らかの社内用語が使われているものです。しかし、その運用に関しては、多くの企業が以下のような悩みを抱えているのではないでしょうか。
- 業務の遂行に必要にもかかわらず、なかなか社内用語が浸透しない
- 人によって用語の解釈が異なるため、意思疎通が難しい
- 用語が追加されたり、定義が変更されたりした際の更新作業が煩雑
これらの課題を解決することは、スムーズな業務の遂行に欠かせません。本記事では、まず社内用語の重要性と用語集の役割を解説し、その後、用語集の作成やメンテナンスに適した方法について紹介します。
社内用語とは?
社内用語の重要性を解説する前に、その定義を明確にする必要があります。社内用語は、業界用語や専門用語と同一ではないため、それぞれの違いを確認することも重要です。
社内用語の定義
社内用語とは、特定のチームや会社内でのみ通じる用語を指します。これにより、会社特有の業務や状況を簡潔に表現し、業務を円滑に進めることができます。また、社内用語は状況に応じて既存の用語を再定義したり、新たに作成したりすることが可能です。
ただし、同じ会社内でもチームごとに社内用語が異なる場合や、同じ用語でも事業部によって意味が異なる場合があります。このため、社内用語であっても社内の全員に通じるとは限らない点に注意が必要です。
また、社内用語は社内の関係者だけが知っていればよい情報であり、そのため社外秘として扱われることも多いです。
業界用語や専門用語との違い
社内用語は、業界用語や専門用語とは異なります。これらの用語の違いを以下の表で説明します。
種類 | 意味 |
---|---|
社内用語 | 社内、またはチーム内で通じる用語。一般的な辞書には載っていない。 |
業界用語 | 同じ業界の方同士で通じる用語。略語や隠語も多く、一般的な辞書に載っているとは限らない。 |
専門用語 | 特定の業界や職種で通じる用語。辞書や百科事典などで調べられる。 |
たとえば、得意先に対して社内用語を使用すると、意思疎通が取れない場合があります。このため、社内用語は「仕事に必要だが、社内でしか通じない」という点を意識し、業界用語や専門用語とは別に覚えておく必要があります。
社内用語のメリット
社内用語を使うことには、大きく3つのメリットがあります。それぞれのメリットについて順に解説します。
1. 用語の意味が決まっているため、誰が聞いても同じように理解できる
社内用語は、一般的な解釈にとらわれず、その意味を一意に定めることができます。あらかじめ意味を定義し、関係者に周知することで、人による解釈の違いを防ぎ、明確な意思疎通が可能になります。これにより、誰が聞いても同じ理解を得ることができます。
例えば、企業の経営支援を行う「株式会社武蔵野」では、自社の用語集を作成し、従業員に周知徹底しています。この用語集には、「あきらめる」や「アフターサービス」といった一般的な言葉も再定義されています。これにより、コミュニケーションのミスマッチを防ぎ、共通の目標に向かって足並みを揃えることが可能です。
2. 秘匿性の高い情報も円滑にやり取りできる
社内用語は、秘匿性の高い情報を関係者以外がいる場でも円滑にやり取りできる点でもメリットがあります。
例えば、店舗で働いている従業員がトイレに行きたい場合、顧客の前で「トイレ」と話すと不快感を与えるかもしれません。国立国語研究所によると、百貨店ではトイレに行くことを「遠方」「すけんや」「さんさん」などと表現します。これらは「隠語」とも呼ばれ、秘密裏に情報を伝える場面で有効です。
3. チームの結束やチームカルチャーの醸成につなげられる
社内用語は、チームの結束力を高め、チームカルチャーを醸成する手段としても活用できます。用語を覚えて使いこなすことで、チームメンバーとしての一体感を感じることができます。これにより、共通言語が形成され、帰属意識を高めることができます。
一例として、クラウド会計を展開するfreee社では、キャッチーで前向きな社内用語が多く使われています。例えば、バグを「ハッピー」と呼ぶなど、ポジティブな言葉が使用されており、これが活発で活気のある職場づくりに寄与しています。
社内用語を浸透させるには、用語集の活用がポイント
社内用語を作成するだけでは、チーム内で効果的に活用されず、すぐに忘れられてしまいます。社内用語を浸透させるためには、組織内での意識づけとともに、用語集の活用が重要です。
チームメンバーが認識を共有する上で、用語集は欠かせない
社内用語を有効に活用するためには、チーム全員が同じ認識を持つことが重要です。同じ用語でもメンバー間で解釈が異なると、かえって業務効率を下げてしまいます。そこで、用語の定義が明確に記載されている用語集が必要です。
社内用語を覚えてもらうには、見やすく検索しやすい用語集が必要
社内用語を覚えてもらうためには、見やすく、必要な情報にアクセスしやすい用語集が必要です。新しい社内用語を覚えるのは手間がかかるため、見にくい用語集では覚えることが困難になり、結果的に効果的な業務遂行ができなくなります。そのため、電子化された用語集は検索性が高く、紙ベースのものよりも便利です。
社内用語集を導入する5つのメリット
1. 情報の一元化
社内の情報を一箇所に集約することで、必要な情報を迅速に取得できるようになります。例えば、新入社員が業務で初めて耳にする専門用語や略語があった場合、社内用語集があればすぐに意味を調べられ、スムーズに業務に取り組むことができます。
また、情報を集約することで、情報を探す手間を省き、業務効率の向上に繋がります。さらに、情報が分散していることによる情報漏洩のリスクも軽減できます。
2. 属人化の防止
特定の社員だけが知っている情報を防ぎ、組織全体で共有することで、業務の属人化を防ぎます。社内用語集は、特定の社員に依存した業務プロセスを可視化し、誰でも理解できる共通言語を確立する役割を果たします。
これにより、社員の離職や休暇による業務停滞を防ぎ、組織全体の安定的な運用を促進します。また、属人化を防ぐことで、組織全体の知識やノウハウの蓄積にも貢献します。
3. 新人教育の効率化
新人社員が早期に業務に慣れるための教育ツールとしても役立ちます。社内用語集は、新人社員が業務で使用する専門用語や略語を理解するための基礎知識を提供します。これにより、新人社員はスムーズに業務に参画し、早期に戦力となることが期待できます。
また、社内用語集は、新人社員が業務に関する疑問点を解決するためのツールとしても活用できます。
4. コミュニケーションの円滑化
社内用語集は、社員間のコミュニケーションを円滑にする効果もあります。社内用語集を共有することで、社員は共通の理解に基づいてコミュニケーションを取ることができ、誤解や認識のずれを防ぐことができます。特に、異なる部署やチーム間でのコミュニケーションにおいて、社内用語集は非常に有効です。
5. 業務効率の向上
社内用語集は、業務効率の向上にも貢献します。社内用語集を活用することで、社員は業務に必要な情報を迅速に取得でき、無駄な時間を削減できます。また、社内用語集は、業務プロセスを標準化し、業務の効率化を促進する役割も担います。
社内用語を活用する際の注意点
社内用語を効果的に活用するためには、以下の注意点も考慮する必要があります。
ビジネスの現状にあわせ、定期的に更新する
社内用語はビジネスの変化に伴って新たに追加されたり、意味が変更されたりすることがあります。したがって、用語集を定期的に更新し、従業員への周知徹底を行う必要があります。
この点で、Web上の用語集は更新が簡単で、全従業員がいつでも最新の情報を利用できるという利点があります。
社内用語の使用はTPOをわきまえること
社内用語の使用にはTPOをわきまえることが重要です。社内用語は企業秘密であることが多く、社外で不用意に使用することは避けるべきです。
また、一部の社内用語は一般常識では「ふざけている」と受け取られる可能性があり、社外の方との会話で使用すると、ビジネスマナーに欠けていると見なされることがあります。この点にも注意が必要です。
社内用語の管理は、トースターチームがおすすめ
社内用語を効果的に業務に活かすためには、用語集の活用が重要です。トースターチームでは、チームに合った用語集を作成し、メンバーで共有することができます。ここでは、Excelでの管理と比較しながら、その利点を解説します。
Excelでの管理には、さまざまな課題がある
社内用語の管理において、一覧表にまとめられるExcelを使うことは一般的です。Excelは誰でも使い方を知っていて、簡単に使えるという大きなメリットがあります。
しかし、Excelでの管理には以下のような課題があります。
- ファイルが複数コピーされると、どれが最新かわからなくなる
- 不明な用語を確認する際に、毎回Excelを開く必要がある
- 社外からのアクセスが難しい
- セルに埋め込まれた数式や関数が、他の人によって意図せず壊されたり、消されたりする可能性がある
これらの課題を解決するためには、Excel以外のツールを用いた管理が求められます。
トースターチームなら業務で使う共通用語を一括管理できる
トースターチームでは、『用語集』機能を搭載しており、社内用語や業界用語、専門用語など業務で使う共通用語を一括管理することができます。これにより、以下のメリットが得られます。
- 社内用語などを簡単に登録できる
- 一覧画面で用語の説明や更新日を確認できる
- 用語集にある用語をマニュアル内で使用すると、カーソルを合わせると説明文がポップアップで表示される
トースターチームを利用することで、用語を簡単に登録できるだけでなく、不明な言葉をすぐに調べることができるため、業務の理解がスムーズに進み、効率が向上します。
トースターチームなら社内用語を簡単に理解でき、仕事をスムーズに進められる
社内用語は、チームで仕事を進める際の共通言語として重要な役割を果たしています。メンバーが社内用語を理解し、正しく使用するためには、用語集の活用が不可欠です。
トースターチームでは、社内用語を一覧で確認できるだけでなく、マニュアルに記載された用語の説明も自動で表示されます。これにより、難しい社内用語でもスムーズに活用でき、仕事の進行がスムーズになります。
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