マニュアル・手順書・規定集・取扱説明書の違いを徹底解説

業務における文書は多岐にわたりますが、特に以下の文書は頻繁に使用されます。これらの役割や違いを明確に理解している人は少ないかもしれません。

  • マニュアル
  • 手順書/作業標準書
  • 規定集
  • 取扱説明書

これらの文書は、業務フローを「見える化」し、作業の標準化を推進するために重要な役割を果たします。文書の活用方法次第で、チームの成果や働き方に大きな影響を与えることができます。

この記事では、それぞれの文書にどういった違いがあるのかを解説します。

目次

業務フローの可視化とその重要性

業務における文書の多くは、業務フローを基に作成されます。業務フローとは、業務の進行状況を一目で理解できる図のことで、日本工業規格などにより使用される記号が定められています。この図により、「いつ、どのような状況で、何をすべきか」が明確にわかるため、業務の判断基準として機能します。

業務フローは、業務の流れを可視化し、予期せぬ事態にも対応できるようにするために欠かせません。業務フローの可視化は、以下のようなメリットをもたらします。

  • ミスや手戻りを減らし、工数を削減できる
  • 経験の浅い社員でも業務を任せやすくなる
  • 業務の属人化を防ぎ、ベテラン社員のリソースを高次の業務に振り向ける

反対に、業務フローを可視化しない場合、以下のデメリットが生じる可能性があります。

  • 業務の属人化が進み、特定の人材が離職すると業務に支障が出る
  • 業務の進め方が担当者ごとに異なり、品質が一定しない
  • 異動時に前任者の業務引き継ぎが困難になる

企業がリスクを低減し、効率を向上させるためには、業務フローの可視化が重要です。

マニュアル・手順書・規定集・取扱説明書の違いを徹底解説 それぞれの種類と役割

では、それぞれの業務文書にはどういった特徴・違いがあるのでしょうか?目的・役割・項目の3つに分けて違いを見ていきます。

それぞれの目的

では、それぞれの業務文書にはどういった特徴・違いがあるのでしょうか?目的・役割・項目の3つに分けて違いを見ていきます。

マニュアルの目的

マニュアルは、製品やサービス、システムなどの使用方法や運用方法を説明する文書です

目的は、ユーザーが製品やサービス、システムを正しく理解し、安全に、効果的に使用できるようにすることです。マニュアルは、ユーザーが製品やサービス、システムを理解し、使いこなせるようにすることを目指しています。

手順書の目的

手順書は、特定の作業や業務を遂行するための具体的な手順を記述した文書です

目的は、作業者が手順書に沿って作業を行うことで、作業の標準化、効率化、品質向上、ミス防止を実現することです。手順書は、作業の再現性を高め、誰でも同じように作業ができるようにすることを目指しています。

規定集の目的

規定集は、組織や業務におけるルールや基準をまとめた文書です

目的は、組織の活動を統一し、効率化を図り、品質を向上させることです。規定集は、組織全体で共通のルールや基準を共有し、組織の活動を円滑に進めることを目指しています。

取扱説明書の目的

取扱説明書は、製品やサービス、システムなどの使用方法を説明する文書です

目的は、ユーザーが製品やサービス、システムを安全に、正しく使用できるようにすることです。取扱説明書は、ユーザーが製品やサービス、システムを安全に、正しく使用できるようにすることを目指しています。

それぞれの役割

マニュアルの役割

マニュアルは、ユーザーが製品やサービス、システムを正しく理解し、安全に、効果的に使用できるようにするために重要な役割を果たします。以下がその主な役割です:

  1. 正しい理解と使用:ユーザーが製品やサービス、システムの使い方を理解し、効果的に利用できるように支援します。
  2. 満足度向上:適切な使用方法の説明により、ユーザーの満足度と利用率が向上します。
  3. 安全確保:正しい使用方法を提供することで、ユーザーが安全に製品やサービスを使用できるようにします。
  4. トラブル防止:誤った操作を防ぐことで、製品やサービスのトラブル発生を抑制します。

手順書の役割

手順書は、作業の標準化、効率化、品質向上、ミス防止を実現するために重要な役割を果たします。以下がその主な役割です:

  1. 作業の標準化:手順書に従うことで、作業者が一貫した方法で作業を行えるようになり、作業のばらつきを減らすことができます。
  2. 効率化:明確な手順が示されているため、作業時間を短縮し、生産性を向上させることができます。
  3. 品質向上:一貫した作業手順により、品質の安定化が図れます。
  4. ミス防止:詳細な手順に従うことで、作業者がミスを犯しにくくなり、結果として品質の向上に寄与します。

規定集の役割

規定集は、組織の活動を統一し、効率化を図り、品質を向上させるために重要な役割を果たします。以下がその主な役割です:

  1. 活動の統一:組織全体で共通のルールや基準を共有し、組織の活動を円滑に進めます。
  2. 効率性向上:明確なルールにより、業務がスムーズに進行し、効率化が促進されます。
  3. 品質向上:共通の基準を設けることで、組織全体の品質の向上を図ります。
  4. コンプライアンス遵守:法令や規制を守るための基準を提供し、社会的責任を果たします。

取扱説明書の役割

取扱説明書は、ユーザーが製品やサービス、システムを安全に、正しく使用できるようにするために重要な役割を果たします。以下がその主な役割です:

  1. 正しい使用方法の提供:ユーザーが製品やサービスを理解し、安全に使用できるようにサポートします。
  2. ユーザー満足度向上:適切な説明により、ユーザーが製品やサービスを最大限に活用できるようにします。
  3. 安全確保:誤操作を防ぎ、ユーザーの安全を守ります。
  4. トラブル防止:正しい操作手順を示すことで、誤った使用によるトラブルを未然に防ぎます。

それぞれの記載項目の違い

マニュアルに記載する項目

マニュアルは、製品やサービス、システムの使用方法や運用方法を説明する文書です。ユーザーが製品やサービスを正しく理解し、安全に使用するための情報を提供します。一般的には以下の項目が含まれます:

  • 製品やサービス、システムの概要
  • 使用方法
  • 機能説明
  • 操作方法
  • トラブルシューティング
  • 安全上の注意
  • 保守方法
  • 仕様
  • 用語集

手順書に記載する項目

手順書は、特定の作業や業務を遂行するための具体的な手順を記載した文書です。作業者が作業をスムーズに行うために必要な情報を提供します。一般的には以下の項目が含まれます:

  • 作業の目的
  • 作業手順
  • 必要な材料や工具
  • 注意点
  • 検査項目
  • 記録項目
  • 関連資料

    規定集に記載する項目

    規定集は、組織や業務におけるルールや基準をまとめた文書です。組織全体で共通のルールや基準を共有し、活動を統一するための情報を提供します。一般的には以下の項目が含まれます:

    • 組織の目的
    • 組織の理念
    • 倫理規定
    • 業務規程
    • 勤怠管理規定
    • 安全衛生規定
    • 情報セキュリティ規定
    • 品質管理規定
    • 顧客対応規定
    • 会計処理規定

    取扱説明書に記載する項目

    取扱説明書は、製品やサービス、システムの使用方法を説明する文書です。ユーザーが安全に、正しく使用できるようにするための情報を提供します。一般的には以下の項目が含まれます:

    • 製品やサービス、システムの概要
    • 使用方法
    • 機能説明
    • 操作方法
    • 安全上の注意
    • トラブルシューティング
    • 保守方法
    • 仕様
    • 用語集

    これらの項目により、各文書は目的に応じた情報を提供し、ユーザーや作業者が適切に行動できるよう支援します。

    まとめ

    この記事では、マニュアル、手順書、規定集、取扱説明書の違いについて徹底解説しました。各文書は、それぞれ異なる目的と役割を持ち、具体的な記載項目が異なります。

    これらの文書を適切に活用することで、組織の運営効率や製品・サービスの品質を向上させることが可能です。しっかりとした文書作成と活用が、組織全体の成功と安定に貢献するでしょう。

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