会社に勤めていると、日報に加えて週報の提出を指示されることがあると思いますが、日報と週報の具体的な違いを知らない方も多いようです。この記事では、日報と週報の違いを解説し、週報についての理解を深めていただきます。
また、具体的な週報の書き方や作成時の注意点も紹介しますので、これから週報を作成する必要がある方は、ぜひ参考にしてください。
日報と週報の違い
まず、日報と週報は報告の単位が1日単位と1週間単位で異なりますが、違いはそれだけではありません。
日報は、その日に行った業務を時間刻みで細かく報告するものです。一方、週報は毎日実施した業務を整理した上で、1週間単位でまとめたものです。このため、一般的に週報では日報のように業務内容の詳細までは記載しません。代わりに、中期的な目標を設定し、その達成度を評価することが多いです。
「日報を1週間分つなげたものが週報である」と考えるのは誤りであり、週報を分割して日報にすることもできません。日報と週報の両方を提出する企業も多いため、この2つの違いを「期間だけ」と捉えないようにしましょう。
週報の目的
週報は何のために作成されるのでしょうか?ここでは週報作成の目的についてまとめました。週報の目的を理解することで、より優れた週報を作成できるようになるでしょう。
業務の進捗を上司に伝える
週報の最大の目的は、部下の業務を上司が把握するために作成されることです。一般的に、上司は多くのメンバーの業務の進捗を把握しなければなりません。週報があれば、業務の進捗が予定通りに進んでいるかを短時間で把握でき、遅れている業務があれば早期に対策を講じることが可能です。
つまり、週報はチーム全体で業務を円滑に進めるために欠かせないものです。さらに、週報がチームや部署内で共有されることで、メンバー同士でも業務の進捗を確認し合い、協力しやすい環境が整います。
業務へのフィードバックをもらう
週報がチーム内で共有されることで、自分では気づかなかった業務上の課題を、上司や先輩から指摘され、改善することが可能になります。早い段階で必要なフィードバックを受けることで、トラブルを未然に防いだり、業務の効率化を図ることが期待できます。
また、上司に対して疑問や相談がある場合でも、上司の空き時間が分からないときには週報を活用すると良いでしょう。週報は一方的に上司に送るだけのものではなく、上司と部下のコミュニケーションツールとしても機能します。
自分の業務内容を見直す
週報を作成することで、毎週自分の行った業務を見直す機会が得られます。これにより、業務の改善点や課題に気づき、自らの手で業務を改善していくことができます。自分の業務を客観的に見つめるのは難しいですが、週報という形で文書化することでそれが可能になります。
さらに、毎週目標を設定し、その目標と結果を週報で記載することで、目標を意識した働き方ができるようになります。目標は毎週成果を報告することになるので、達成可能で現実的なものを設定することが重要です。
考える癖が身に付く
毎週の成果を文書に残す習慣がつけば、「なぜこの結果になったのか?理由は何か?次はどうすべきか?」と考える習慣が自然と身についていきます。これは本来、トレーニングを通じて養う能力ですが、週報の作成によって結果分析の能力を高めることができます。この能力が向上すれば、自分を飛躍的に成長させることができるでしょう。
週報の例文
週報は毎週作成するものなので、作りやすく伝わりやすい構成でテンプレートを用意しておくと、効率よく週報を作成できます。ここでは、週報のテンプレートを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
週報のテンプレート
【先週の目標と結果】
週報には、なるべく数字を使った定量的な目標を設定し、その目標に対する結果を記載しましょう。また、その次の週につながる目標を考えておくと良いです。
【業務内容】
日報のように毎日の業務を時間刻みで細かく記載するのではなく、1週間で行った業務を分かりやすくまとめます。形式に特定のルールはありませんが、業務の内容に応じて適切な構成を選びましょう。自分の業務が最も伝わりやすい形を考えてください。
【所感】
この1週間で気づいた業務上の課題や、それに対する改善策を考えます。良い改善策が見つからない場合には、相談という形をとっても構いません。ただの感想に終始してしまうと、幼稚な文章という印象を与えてしまう恐れがあるので注意が必要です。
【今週の予定】
次の週の予定を記載します。同時に翌週の目標も考えておくようにしましょう。
週報を書くための効果的なコツ
シンプルに記載する
週報は、簡潔で分かりやすい文章で記述することが重要です。上司や関係者は多くの週報を読む必要があるため、長文や難解な文章は読みにくく、理解されにくいことがあります。
短く要点をまとめる
文章は短くまとめ、要点を明確にしましょう。これにより、読み手が重要な情報を迅速に把握できるようになります。
難しい言葉を使わない
専門用語や難解な言葉は避け、誰にでも理解できる表現を心がけましょう。
箇条書きや表を活用する
複数の項目を記述する際には、箇条書きや表を使うことで視覚的に整理しやすくなります。
図表などを活用する
必要に応じて図や表を使い、情報をより分かりやすく伝えましょう。
具体的な数字を使う
週報を書く際には、「たくさん増やす」「多くする」などの抽象的な表現は避け、「○件受注する」「○社訪問する」など、具体的な数字を使うようにしましょう。
数字を活用するメリット
具体的な数字を使うことで、目標や成果が明確になり、成果に対する改善策も考えやすくなります。
改善策が思い浮かばない時には気づきを記載する
課題に対して最適な改善策が浮かばない場合もあるでしょう。そのような時には、気づきとして週報に記載しましょう。
気づきを記載する重要性
業務に対する「気づき」は会社の財産となり、社内全体の業務改善につながる可能性があります。
提出前に誤字脱字がないかチェックする
週報は他の人に読んでもらうものですので、提出前には必ず誤字脱字がないかチェックし、全体的に読みにくい文章になっていないかを見直しましょう。
ケアレスミスを防ぐための対策
毎週提出している書類であるため、慣れからケアレスミスが生じやすくなりますが、週報はあなたの評価対象でもあることを忘れないようにしましょう。
行った業務内容だけを書かないようにする
週報は行った業務内容を書くものだと思いがちですが、業務の成果に触れず、実施した業務のみを記載する人がいます。
成果を伝える週報の書き方
週報を作成する際には、自分が得たことや成長できた部分も上司に伝えるようにしましょう。
PDCAサイクルを活用する
PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つのステップを繰り返すことで、業務を改善していくサイクルのことです。
週報にPDCAサイクルを導入する手順
- Plan(計画):今週の目標や計画を明確に記述します。
- Do(実行):計画に基づいて業務を実行します。
- Check(評価):今週の業務成果を評価し、目標達成度や課題などを分析します。
- Action(改善):評価結果に基づいて、今後の業務計画を改善します。
フィードバックを得る
週報は、上司や関係者からのフィードバックを得るためのツールとしても活用できます。
フィードバックを得るためのポイント
- 具体的な質問をする
- フィードバックを積極的に求める
- フィードバックを真摯に受け止める
フィードバックを積極的に求めることで、自分の業務をより改善することができます。
週報と日報は両方活用した方がよい?
週報と日報にはそれぞれ異なるメリットがあります。
たとえば、日報は毎日の細かな業務内容を把握するのに役立ちます。一方、週報では中期的な目標とその結果を上司に伝え、自分の成長につなげることが可能です。週報を作成することで、日報だけでは見えてこなかった広い視点から自分の業務を見直すことができるようになります。
そのため、日報と週報の両方を業務に取り入れて、それぞれのメリットを享受するのが良いでしょう。会社がどちらか一方の提出しか求めていない場合でも、自主的に日報と週報の両方を作成し、活用することをおすすめします。
まとめ
週報を作成する目的や、作成時のポイントについて詳しく紹介しました。日報と週報は提出する期間が異なるだけでなく、それぞれに異なるメリットがあることがご理解いただけたかと思います。
自分の業務を見直し、改善させるためにも、優れた週報を作成できるようになりましょう。