議事録の書き方の基本|まとめ方のポイントを事例で解説

議事録とは「会議の内容を文章にまとめたもの」のことですが、単に会議の内容を書き起こしただけのものではありません。

会議に参加していない人でも、議事録を読むことで会議の内容を十分に理解できるようにする必要があります。この記事では、議事録作成時に理解しておくべきポイントや、議事録の書き方について分かりやすく説明します。

目次

議事録の基本と重要性

議事録を読めば、会議に参加していない人でも会議の内容や決定事項を把握できます。また、会議の参加者にとっては備忘録として機能します。

さらに、文字として会議の内容が残るため、「言った・言わない」のトラブルを防ぎ、「誰がどのような経緯で、何を決定したのか」を明確にし、多くの人に周知することが可能です。

議事録の重要性

議事録は会議の内容を記録し、関係者全員に情報を共有するために非常に重要です。議事録は、会議で話し合われた内容、決定事項、今後のアクションプランなどを明確に記録することで、参加者全員が同じ認識を持ち、スムーズなコミュニケーションを促進する役割を果たします。

また、議事録は、会議の決定事項に基づいて行動を起こすための指針となり、プロジェクトの進捗状況を把握したり、責任の所在を明確にする上でも重要な役割を担います。

議事録が求められる理由

議事録を適切に作成することで、プロジェクトの進行管理や意思決定の記録が容易になります。議事録は、会議の内容を正確に記録し、関係者間で共有することで、以下のメリットをもたらします。

意思決定の明確化

会議で決定された事項を明確に記録することで、参加者全員が同じ認識を持ち、誤解や混乱を防ぐことができます。

責任の所在の明確化

議事録に誰がどのような発言をしたのか、誰がどのような決定をしたのかを記録することで、責任の所在を明確にすることができます。

プロジェクトの進捗管理

議事録にプロジェクトの進捗状況や課題などを記録することで、プロジェクトの進捗状況を把握し、必要な対策を講じることができます。

情報共有の促進

議事録を関係者全員に共有することで、会議の内容を把握し、必要な情報を得ることができます。

過去の記録の保存

議事録は、過去の会議の内容を記録しておくことで、将来の意思決定や行動の参考にすることができます。

議事録の形式

議事録には大きく分けて要約形式と会話形式の2種類があり、会議の内容に応じて形式を使い分ける必要があります。ここでは、それぞれの形式の特徴や使い分けの方法を説明します。

会話形式の議事録

会話形式の議事録は、会議中の会話を時系列に記録するもので、会議の流れや決定事項に至る経緯が分かりやすい形式です。誰が何を発言したかを詳細に記録するため、会議の雰囲気も伝わりやすくなります。

しかし、会話のやりとりが中心となるため、会議の決定事項や重要な要素が伝わりにくいというデメリットがあります。また、会話全てを文字に起こすと、議事録が分かりにくくなるため、文型を整えたり話し言葉を修正するなどの工夫が必要です。この形式は作成に時間がかかり非効率的であるため、最近では利用される機会が減少していますが、質疑応答が多い会議などでは有用です。

要約形式の議事録

要約形式の議事録は、多くの会議で利用される形式で、会議の内容を整理し簡潔にまとめたものです。会話形式とは異なり、内容が時系列である必要はなく、箇条書きなどを用いて分かりやすく会議の内容をまとめます。

この形式は、会議の決定事項や重要な点が議事録を読む相手に伝わりやすいため、多くの企業で採用されています。

メモを取る際のポイント

どんなに短い会議でも、人間の記憶には限界があります。そのため、議事録を作成する際には、会議中にメモを取ることが必要です。誰がどのような発言をしたかを含め、可能な限りすべての内容を記録するようにしましょう。

メモを取る際には、自分の意見や主観に影響されないように注意することが重要です。また、会議中の雑談や余談にも会議の内容に関連する情報が含まれていることがありますので、すべての発言に耳を傾ける必要があります。

メモの形式は手書きでもデジタルでも構いません。自分が使いやすい方法でメモを作成しましょう。初めてのうちは、何をメモするべきかわからないこともあるかもしれませんが、回数を重ねるうちに効率よくメモを取ることができ、議事録作成の労力を軽減できます。

議事録のまとめ方

議事録は、会議の内容を正確に文章にまとめ、読む相手に分かりやすく伝えることが重要です。ただ会議の内容を文字に起こすだけでは、正確な議事録とは言えません。

ここでは、具体的な会議の内容を利用して、どのように議事録としてまとめるかを説明します。議事録作成のスキルを身につけることで、報告書や日報の作成にも応用できます。

発言の参考例とまとめ方

以下に会議中の発言例を示し、議事録にまとめる流れを説明します。

A社員
「新商品Aの販促イベントについて、営業部からの提案を募っています。また、当面は関東圏でのイベントになる予定です。現在、内容も含めて開催場所を検討中です。」

B係長
「発売と同時にできるだけ多くの話題を集めたいので、イベントもCM同様に全国展開で行うべきだ。他の支店と協力してA商品の販促を進めてほしい。この方向で提案を今週末…いや、やっぱり今月末までにまとめて欲しい。」

A社員
「分かりました。それでは、今月末までに全国展開での販促イベント案を提出させていただきます。」

この会話をそのまま記録すると長文になりますが、議事録で重要なのは決定事項です。上記の発言を簡潔にまとめてみましょう。

A社員: 関東圏でのA商品販促イベント案・開催場所を検討中

B係長: A商品販促イベントは他の支店と連携した全国展開で開催するべき、3月末までに提案をしてほしい

A社員: 全国での開催という方針でA商品販促イベント案を3月末までに提案

次に、先ほどの簡潔にまとめた内容を議事録にしてみます。

議事録の例

会議名: A商品開発会議
日時: 2024年3月1日(金)10:00〜11:00
場所: 3階小会議室B
出席者: C課長、B係長、A社員

議題

  • A商品の販促イベントについて

決定事項

  • A商品の販促イベントは他支店と連携して全国展開する
  • 3月末までにA商品のイベント案をまとめる(担当: A社員)

議論内容

  • A社員: A商品は関東圏での販促イベントを前提とする提案
  • B係長: A商品の販促イベントは他支店と連携して全国展開するべきと指示。イベント案を2024年3月末までに提出すること

懸念事項

  • 各支店との密なコミュニケーションが必要

このように、会話の中から重要なポイントを抽出して簡潔にまとめることで、分かりやすい議事録を作成できます。

議事録に関するよくある質問と解答

敬称の使用方法

議事録において、参加者の名前に敬称を付けるかどうかについて解説します。議事録における敬称の使い方は、会社や組織によって異なります。一般的には、社内会議では敬称を省略することが多く、社外会議では敬称を付けることが多いです。

敬称を省略する場合には、参加者全員が同意していることを確認する必要があります。また、敬称を省略する場合でも、議事録の冒頭には、参加者の名前を敬称をつけて記載することが推奨されます。

敬称の使い方は、会社の慣習や会議の状況に合わせて判断する必要があります。

議事録を訂正する方法

議事録に誤りがあった場合の訂正方法について説明します。議事録に誤りがあった場合は、以下の手順で訂正を行います。

  1. 修正箇所を特定:議事録に誤りがある箇所を特定します。
  2. 修正内容を決定: 誤りを修正するために、どのような修正を行うかを決定します。
  3. 修正箇所を明記:議事録に修正箇所を明記します。修正箇所を明確に示すために、修正箇所を二重線で消し、その横に修正内容を記載します。
  4. 修正日時と修正者名を記載:修正日時と修正者名を記載します。修正日時と修正者名を記載することで、修正内容の透明性を高めることができます。
  5. 関係者に確認:修正内容を関係者に確認してもらいます。修正内容に誤りがないか、関係者全員が同意していることを確認します。
  6. 承認:関係者全員が修正内容に同意したら、議事録を承認します。

議事録の訂正は、議事録の信頼性を維持するために非常に重要です。

迅速に議事録を作成するコツ

議事録作成のスピードを上げるための具体的な方法を紹介します。議事録作成は、会議後に行う作業なので、できるだけ短時間で作成することが重要です。以下に、議事録作成を迅速に行うためのコツを紹介します。

  1. 会議中にメモを取る: 会議中に重要なポイントをメモすることで、議事録作成の時間を短縮することができます。
  2. 議事録テンプレートを活用:議事録テンプレートを活用することで、議事録作成の時間を短縮することができます。
  3. 簡潔に記述:議事録は、簡潔に要点をまとめることが重要です。不要な情報は省略し、簡潔な言葉遣いを心がけましょう。
  4. デジタルツールを活用:デジタルツールを活用することで、議事録作成の効率を高めることができます。デジタルツールには、議事録作成ソフト、メモアプリ、クラウドストレージなどがあります。
  5. 議事録作成を分担:議事録作成を複数人で分担することで、作成時間を短縮することができます。

議事録作成のスピードを上げることで、会議後の作業時間を短縮し、業務効率を高めることができます。

文字起こしツールの活用

議事録の作成にはメモが欠かせませんが、会議のスピードが早い、発表が多いなどの理由で、メモが追いつかないことがあります。また、メモに集中しすぎて会議の内容が頭に入ってこないこともあります。そのような時には、文字起こしツールを活用することで、会議に集中しながら議事録を作成できるでしょう。

文字起こしツールの具体的な機能

  1. 会議中の音声のテキスト化
  2. 作成したテキストからタスクの抽出
  3. 音声やテキストの翻訳

文字起こしツールを使えば、議事録作成にかかる手間を大幅に削減できます。ただし、ツールに任せきりにするのは避けるべきです。文字起こしツールと並行してメモや録音を導入しておけば、ツールに不具合があった際にもバックアップデータとして活用できます。

まとめ

分かりやすい議事録を作成するための方法についてまとめました。議事録は作成するだけでなく、誰が読んでも分かりやすい内容に仕上げる必要があります。多くの人に会議の決定事項をしっかりと伝えるために、優れた議事録を作成しましょう。

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