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社内ポータルサイトとは?役割と機能、イントラネットとの違いを解説

ヘルプドッグ編集部
社内ポータルサイトとは?

社内ポータルサイトとは、社員が社内の情報を探すときに最初に開く、入口になるWebページです。

全社へのお知らせ、規程やマニュアルなどの社内文書、経費精算や休暇の申請、社内の検索機能を1つの画面に集め、社員は複数のシステムやフォルダを行き来せずに、この画面から目的の情報や手続きへ進めます。

社内ポータルサイトとは

「ポータル(portal)」は、英語で「入口」や「玄関」を意味する言葉です。社内ポータルサイトは、その名前のとおり、社員が社内の情報へ入るための玄関にあたる画面を指します。

社内の情報は、放っておくと部署ごとにばらばらの場所に置かれます。規程は総務のフォルダに、経費精算のシステムは経理の案内ページに、業務マニュアルは各部署の共有フォルダに、という状態です。

社員は、目的の情報がどこにあるかを知らなければ、探すだけで時間を使います。社内ポータルサイトは、この散らばった情報や手続きの置き場所を1つの画面にまとめ、社員が「まずここを開けば見つかる」と迷わず動ける状態をつくります。

異なる職場の社員が共通の情報基盤にアクセスして業務を進める様子

全社ポータルと部門ポータルの違い

社内ポータルサイトは、対象にする範囲によって、全社ポータルと部門ポータルの2つに分かれます。

全社ポータルは、会社のすべての社員が使う画面です。全社へのお知らせ、就業規則などの規程、経費や休暇といった全社員に共通する手続きを置きます。部門ポータルは、営業部や開発部など、特定の部署の社員が使う画面です。その部署の業務マニュアルや、部署内の連絡事項を置きます。

会社の規模が小さいうちは、全社ポータルの1画面だけで足ります。部署が増え、部署ごとの情報量が多くなってきた段階で、全社ポータルの下に部門ポータルをぶら下げる構成に広げていきます。自社がどちらの範囲から始めるかは、社員数と情報量で決まります。

社内ポータルサイトと社内イントラネットの違い

社内ポータルサイトとよく混同される言葉に、社内イントラネットがあります。

社内イントラネットとは、社員だけがアクセスできる、会社の中だけで使う閉じたネットワークを指します。「イントラ(intra)」は、英語で「内側」を意味する言葉です。世界中の誰とでもつながるインターネットに対し、イントラネットは、同じ通信の技術を会社の内側だけで使えるようにしたものです。社外の人はアクセスできないため、社内の情報を安全に置けます。

2つの関係は、土台と入口です。社内イントラネットが、情報をやり取りするネットワークという土台にあたり、社内ポータルサイトは、その土台のうえに置く、社員が見て操作する入口の画面にあたります。実際の現場では両者をほぼ同じ意味で使う会社もありますが、ネットワークそのものを指すのがイントラネット、画面を指すのがポータルサイト、と分けると正確です。

言葉指すもの位置づけ
社内イントラネット社内だけで使う閉じたネットワーク土台(通信のしくみ)
社内ポータルサイト社内情報の入口になる画面土台のうえに置く入口

社内ポータルサイトとファイル共有ツールの違い

Googleドライブなどのファイル共有ツールも、社内の文書を1か所に集める点は社内ポータルサイトと共通します。違いは、文書の保管にとどまるか、そのほかの機能まで備えるかです。

ファイル共有ツールが扱うのは、文書ファイルの保管と共有です。社内ポータルサイトは、文書の保管に加えて、お知らせの掲示、申請の窓口、社内検索、よくある質問への回答といった機能を1つの画面に備えます。文書を保管して共有するだけが目的なら、ファイル共有ツールで足ります。文書のほかに、連絡や手続きや質問対応まで散らばっている状態を解決したいときに、社内ポータルサイトが必要になります。

社内ポータルサイトの代表的な機能

社内ポータルサイトに置く機能は、大きく6つあります。お知らせの掲示、社内文書の保管、各種申請の受付、社内検索、社内向けのFAQシステム、そして社内ブログです。すべてを最初からそろえる必要はなく、自社の社員がよく探す情報から順に置いていきます。

1.お知らせの掲示

全社や部署への連絡事項を載せる機能です。人事異動、社内制度の変更、システムメンテナンスの予定などを、社員が毎日開く画面の目立つ位置に表示します。メールで流すだけの連絡は読まれずに埋もれますが、ポータルの決まった場所に載せておけば、社員は「連絡事項はここを見れば分かる」と確認する場所を1つに絞れます。

2.社内文書の保管

就業規則などの規程、業務マニュアル、議事録、提案書のひな形といった文書を、分類して置いておく機能です。文書が各部署の共有フォルダに分かれて置かれていると、社員はどのフォルダを開けばよいかから調べることになります。ポータルに分類してまとめておけば、社員は文書の置き場所を覚えずに済みます。

3.各種申請の受付

経費精算、休暇、備品の購入といった社内の手続きの窓口を置く機能です。申請のシステム自体は別にあることが多く、ポータルには各システムへのリンクと、申請の手順の説明を並べます。社員は「どこから申請するんだっけ」と探し回らずに、ポータルから該当の手続きへ進めます。

4.社内検索

ポータルに置かれた文書やお知らせを、キーワードで探せる機能です。文書の数が増えるほど、分類をたどって探すより検索のほうが速くなります。検索が使いものになるかどうかは、文書のタイトルの付け方に左右されるため、「経費精算の手順」のように、社員が入力しそうな言葉をタイトルに含めておく運用とセットで機能します。

5.社内向けのFAQ

社員からよく尋ねられる質問と答えを、Q&A形式でまとめて公開する機能です。「年末調整の書類はいつまでに出すか」「経費で落とせるものはどこまでか」といった、総務・経理・情シスに繰り返し届く質問の答えを載せておきます。質問したい社員がFAQで自分で答えを見つけられるようになると、答える側の部署は、同じ質問に何度も回答する時間を減らせます。

6.社内ブログ

社長からの経営方針、事業部門長からのメッセージ、新入社員の紹介、新製品の開発ストーリーといった、会社の動きを伝える読みものを載せる機能です。規程や手続きの情報と違い、社員が「調べる」ためではなく「知る」ために読むコンテンツです。

社内ブログには、ポータル全体の利用を支える役割があります。規程や申請は、必要なときにしか開かれません。読みものが定期的に更新されていると、社員がポータルを開く頻度そのものが上がり、お知らせや文書にも目が届きやすくなります。

全国の社員がポータルサイトを通じて情報共有するイメージ

6つの機能の整理

6つの機能は、3つの層に分かれます。お知らせ・文書・申請は情報の置き場所を1つにまとめる機能、社内検索と社内向けのFAQシステムは社員が自分で答えを見つける速さを上げる機能、社内ブログは社員がポータルを開く頻度を上げる機能です。

機能社員がすること置くもの・中身
お知らせの掲示毎日の連絡事項を確認する人事異動、制度変更、メンテナンス予定
社内文書の保管分類から文書を開く規程、業務マニュアル、議事録、ひな形
各種申請の受付手続きの窓口へ進む経費精算・休暇・備品購入のリンクと手順
社内検索キーワードで探すポータル内の文書・お知らせ
社内向けのFAQシステム質問の答えを自分で見つけるよくある質問と答え(Q&A形式)
社内ブログ会社の動きを読む経営方針、メッセージ、新入社員紹介、開発ストーリー

なぜ社内ポータルサイトが必要か

社内ポータルサイトが解決するのは、「情報がどこにあるか分からない」「同じ質問が特定の部署に集中する」「連絡が全員に届かない」という、社内の情報のやり取りで起きる3つの問題です。

それぞれの問題と、ポータルの導入で何が変わるかを、順にご説明します。

社員が情報を探す時間を減らす

米国のコンサルティング会社McKinsey & Company社の調査部門による調査では、知識労働者は勤務時間のおよそ2割を、情報を探し集めることに費やしていると推計されています(出典:McKinsey Global Institute「The social economy: Unlocking value and productivity through social technologies」2012年)。週5日勤務なら、およそ1日分にあたる時間です。

社内の情報が部署ごとのフォルダやシステムに散らばっていると、社員は「どこにあるか」を調べる時間と、「中身を読む」時間の両方を使います。このうち前者は、情報の置き場所が1つにまとまっていれば発生しない時間です。社内ポータルサイトは、この探す時間を削り、社員の時間を本来の業務に戻します。

総務・情シスに集中する、同じ質問への対応を減らす

社内の手続きや規程の質問は、答えを知っている部署に集中します。年末調整の時期には総務に同じ質問が並び、パスワードの再設定やシステムの使い方は情シスに繰り返し届きます。質問する社員は1回ずつでも、受ける側の部署は同じ回答を何十回と書くことになります。

社内ポータルサイトに、よくある質問の答えを社内向けのFAQシステムとして載せておくと、社員は総務や情シスに聞く前に、自分で答えを見つけられます。答える側の部署は、繰り返しの回答に使っていた時間を、制度の改善や本来の業務に振り向けられます。

連絡事項の見落としを防ぐ

全社への連絡をメールだけで流すと、社員ごとに受信の状況が変わります。読んだ社員と読んでいない社員が分かれ、あとから「聞いていない」というやり取りが発生します。連絡した側も、全員に届いたかを確かめる手段がありません。

社内ポータルサイトにお知らせの定位置があると、連絡事項は常に同じ場所に載ります。社員は「ここを見れば全部ある」と確認でき、連絡する側は、流れて消えるメールと違い、掲示が残る場所に載せたという事実を残せます。全員が同じ情報を同じ場所で見る状態は、周知の抜けをなくすうえで、メールの一斉送信より確実です。

社内ポータルサイトが必要になるタイミング

「何名になったら必要」という明確な基準はありません。

導入のきっかけとして多いのは、人数が増えたときと、支店・営業所が増えたときの2つです。どちらも、「人に聞けば分かる」「口頭で伝われば足りる」という、少人数・1拠点の前提が崩れるタイミングにあたります。

人数が増えたとき

社員数が30名程度までの会社では、全員がお互いの顔と担当を知っています。誰が何の情報を持っているかが分かるため、情報は口頭やチャットで直接聞けば手に入ります。この規模では、ポータルを作る手間のほうが、探す手間より大きくなります。

社員数が50名を超えるころには、この前提が崩れ始めます。部署が分かれ、他部署の誰が何を担当しているかが分からない社員が出てきます。中途や新卒の入社が続けば、入社のたびに同じ社内ルールを口頭で説明することになります。人に聞くやり方が人数の増加で成り立たなくなったとき、情報の置き場所を1つにまとめる仕組みが必要になります。

社員が職場で互いに歓迎し合う様子を描いたイラスト

支店・営業所が増えたとき

拠点が1つの間は、口頭の連絡や紙の掲示でも全員に届きます。支店や営業所ができると、この伝え方は本社の中でしか通用しなくなります。本社で決まったルールの変更が支店に伝わらない、拠点ごとに手続きのやり方がばらつく、といった形で、伝わらない問題が拠点の数だけ増えていきます。

社内ポータルサイトがあると、どの拠点の社員も、同じ場所で同じ情報を見られます。本社と拠点の間の伝達は、電話やメールで個別に流す形から、「ポータルに載せれば全拠点に届く」形に変わります。拠点を増やす計画がある会社は、拠点が2つになる時点で用意しておくと、拠点ごとの情報のばらつきが起きる前に防げます。

人数・拠点より確かな3つのサイン

人数や拠点の数は目安にすぎません。実際の判断では、次の3つのサインのほうが確かです。1つでも当てはまれば、規模を問わず導入を考える段階にあります。

1つめは、入社した社員への説明を、毎回口頭で繰り返しているサインです。社内ルール、システムの使い方、申請の手順を、入社のたびに誰かが時間を取って説明しているなら、その説明はポータルに文書として置くほうが、双方の時間を使わずに済みます。

2つめは、「あの資料はどこですか」というやり取りが、社内チャットで日常的に流れているサインです。情報の置き場所を人に聞かないと分からない状態は、聞く側と答える側の両方の時間を消費しています。

3つめは、リモートワークやシフト制で、全員が同じ時間・同じ場所にそろわないサインです。朝礼や口頭の共有が前提の伝え方は、そろわない働き方では機能しません。全員が自分のタイミングで同じ情報を見られる場所が必要になります。

少人数・1拠点でも、先に作っておく必要がある場合

これから採用や拠点を増やす計画がある会社では、先にポータルの土台を作っておく判断があります。情報が散らばってから1か所に集め直すより、散らばる前に置き場所を決めておくほうが、集める作業が小さく済むためです。入社や開設が続いてから慌てて作ると、説明に追われながら文書を書くことになります。

社内ポータルサイトは誰が運用・管理するか

社内ポータルサイトの運用は、1つの部署だけでは完結しません。

ポータルという仕組みを動かす管理と、そこに載せる中身を作る管理の2つに分かれ、担う部署が異なります。この2つを分けずに「誰かがやるだろう」のまま始めると、公開後に更新が止まります。

システムの管理は情シス、載せる中身の管理は総務が担うことが多い

仕組みを動かす管理とは、ポータルのツールの契約、社員のアカウントの発行と削除、アクセス権限の設定、不具合が起きたときの対応です。社内のシステムを扱う仕事のため、情報システム部門が担うことが多い役割です。情シスの専任者がいない会社では、システムに詳しい社員が兼任で受け持ちます。

載せる中身の管理とは、お知らせの掲載、文書の追加と差し替え、分類の見直しです。全社に共通するお知らせや文書を扱うため、総務部門が取りまとめを担うことが多い役割です。

ここで重要なのは、総務がすべての文書を書くわけではない点です。業務マニュアルはその業務の部署が、経理の手続きは経理が書きます。総務は、各部署が書いた文書を載せる場所と分類を決め、全体を揃える役割を受け持ちます。

部署ごとの分担を、文書の種類で決めておく

「どの文書を誰が書き、誰が更新するか」を文書の種類ごとに決めておくと、公開後の迷いがなくなります。分担の例をご紹介します。

文書・情報の種類書く・更新する部署
全社のお知らせ、社内行事の案内総務
就業規則、人事評価、採用・異動の手続き人事
経費精算、給与、年末調整の手続き経理・労務
契約書のひな形、押印・契約の手続き、コンプライアンス関連法務
社内システムの使い方、パスワード関連情報システム
各部署の業務マニュアルその業務の部署

部署の分け方は会社によって異なります。

人事や法務の専任部署がない会社では、総務が兼ねる形で構いません。この分担で決めるのは、書く人だけではありません。制度や手続きが変わったとき、対応する文書を書き換える責任も、同じ部署が持ちます。書いた部署が更新も持つ、と揃えておくと、「誰も書き換えないまま古い情報が残る」事態を防げます。

チームが協力してウェブサイトを構築・整備するようす

更新が止まらないために、責任者を1人決める

社内ポータルサイトの運用で最も多い失敗は、公開後に更新が止まることです。載っている情報が古いと社員に一度思われると、社員はポータルを開かずに直接質問する元のやり方に戻り、ポータルは使われなくなります。

これを防ぐには、部署の分担とは別に、ポータル全体の責任者を1人決めます。責任者の仕事は、自分で全部を書くことではなく、更新が止まっている場所を見つけて、担当の部署に書き換えを促すことです。

あわせて、「制度が変わったら1週間以内に文書を書き換える」「半年に一度、古い文書がないかを見直す」のように、書き換えのタイミングをルールとして決めておくと、責任者の声かけが個人の頑張りに頼らずに回ります。

社内ポータルサイトを作る方法

社内ポータルサイトを作る方法は、大きく3つあります。すでに使っているグループウェアの機能で作る、Webサイト作成の仕組み(CMS)で自作する、社内向けのFAQシステムで作る、の3つです。どの方法を選ぶかは、いま社内で使っているツールと、ポータルに置きたい機能で決まります。

グループウェアの機能で作る

グループウェアとは、メール・カレンダー・文書共有など、社内の共同作業の機能をひとまとめにしたツールです。代表的なものに、米Microsoft社のMicrosoft 365や、米Google社のGoogle Workspaceがあります。多くのグループウェアには、お知らせや文書へのリンクを並べたページを作る機能が含まれており、これを使えば、新しいツールを契約せずにポータルを作れます。

すでにグループウェアを全社で使っている会社なら、社員は使い慣れた画面の中でポータルを開けるため、最初の方法として選びやすい形です。一方で、ページの見た目や構成の自由度はツールの範囲に限られます。

Webサイト作成の仕組み(CMS)で自作する

CMS(シーエムエス、Content Management Systemの略)とは、Webサイトのページを作成・管理する仕組みです。WordPressなどのCMSを社内向けに設置すれば、ページの構成やデザインを自社の思いどおりに作れます。

ただし、この方法にはシステムを自社で持つ負担が伴います。サーバーの契約、社外からアクセスできないようにする設定、ソフトウェアの更新やセキュリティの管理を、自社で続ける必要があります。システムの管理を担える社員がいることが前提の方法です。

社内向けのFAQシステムで作る

社内向けのFAQシステムとは、社員からよく尋ねられる質問と答えを、Q&A形式で作成・公開するための仕組みです。「代表的な機能」の章でご説明したとおり、ポータルに置く機能の1つですが、社内の質問対応を減らすことが導入の主目的なら、このFAQシステム自体をポータルの本体として使う方法があります。

この方法では、規程・手続き・システムの使い方といった社内の情報を、最初からすべて「質問と答え」の形で載せていきます。「年末調整の書類はいつまでに出すか」「経費精算はどこから申請するか」のように、社員が知りたいことは質問の形になっていることが多いため、文書を分類して並べるより、社員が答えを見つけやすくなります。お知らせや申請の窓口へのリンクも、FAQの記事として載せられます。

グループウェアやCMSと違い、検索とQ&Aの作成に特化した仕組みのため、サーバーの管理は不要で、画面の操作だけで作成・公開できます。ヘルプドッグのように、社員だけが見られる認証を付けて社内向けのFAQサイトを公開できるサービスであれば、社外に情報が漏れる心配なく運用できます。

ECサイト上でAIチャット・よくある質問・問い合わせフォームが連携して動作している様子

選び方の考え方

3つの方法は、向いている会社が異なります。すでに全社でグループウェアを使っているなら、その機能で小さく始めるのが最短です。ページの構成やデザインを自社の思いどおりに作りたく、システム管理の体制もあるなら、CMSでの自作が選択肢になります。総務・情シスへの質問対応を減らすことが主目的なら、社内向けのFAQシステムを本体にする方法が、目的に最も合います。

最初から大きく作らないことも重要です。前の章でご説明したとおり、ポータルは更新が止まると使われなくなります。最初は「お知らせ」と「よく探される文書10件」だけでもかまいません。小さく公開し、社員に聞かれた内容を足していくほうが、作り込んでから公開するより、使われるポータルになります。

まとめ

私が支援するお客様で、こんな話がありました。社内ポータルサイトを開設したものの、時間がたつと誰もアクセスしなくなった。コストをかけたのに、利用が乏しいままだというのです。原因をたどると、行き着いたのは単純なことでした。社員の皆さんに、ポータルを開く必然性がなかったのです。

必然性をつくるには、逆算の考え方が要ります。社員の皆さんが必要としているコンテンツや機能は何でしょうか。書類やファイルを格納するだけであれば、Googleドライブのようなファイル共有ツールだけで十分です。そうではない何かを提供するからこそ、ポータルを作る意味があります。どの機能を提供することで、社員のどんな困りごとを解決し、どんなベネフィットを生むのか。ここから逆算して設計することが大事です。

もう1つ、実は非常に重要なのが、社員の皆さんが毎日、毎週アクセスする仕組みづくりです。たとえば社内ブログで、社長からの経営方針、事業部門長からのメッセージ、新入社員の紹介、新製品の開発ストーリーを載せる。社員の皆さんがこれらを知ることで、経営、事業、製品、そして一緒に働く仲間への理解が深まり、企業活動を前進させることができます。

社内ポータルサイトを、情報の置き場として作って終わりにすると、冒頭のお客様と同じ道をたどります。今いる社員の皆さんの一歩を後押しする運用にするためにも、なぜ社内ポータルサイトが必要なのか、導入してどのような姿になりたいのか、それにはどういう体制で、どういう運用があるべきなのか。この設計から始めてください。

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FAQ・よくある質問

Q1

グループウェアをすでに使っていれば、社内ポータルサイトは不要ですか?

A

グループウェアのページ作成の機能で、ポータルの役割を果たせている会社もあります。判断の基準は、社員が「どこを見ればよいか」を迷っていないかです。グループウェアの中でも文書や連絡が散らばり、探す時間や同じ質問が発生しているなら、入口を1つに定めるポータルの構成に見直す段階です。

Q2

パートやアルバイトを含めて、全員に同じ内容を見せてよいですか?

A

全員に見せる情報と、範囲を限る情報を分けるのが一般的です。多くのツールには、アカウントごとに見られる範囲を設定する権限の機能があります。給与や人事評価に関わる文書は正社員の管理職までに限る、といった分け方ができるかを、ツールの選定時に確認してください。

Q3

社内ポータルサイトの効果は、何で測りますか?

A

2つの数字で測れます。1つは、ポータルのアクセス数です。公開直後だけ高く、その後に下がり続けているなら、開く必然性が足りていません。もう1つは、総務・情シスに届く質問の件数です。ポータルに答えを載せた質問が実際に減っているかを、載せる前と比べて確認します。

堀辺 憲
筆者

堀辺 憲 noco株式会社 代表取締役

クボタ、住友スリーエム、DeNAなどを経て2017年にnoco株式会社を創業。AIサポートシステム「ヘルプドッグ」等の開発プロデューサーを務める。数多くの企業のサポート部門・現場業務のDXを支援してきた実績から得た、カスタマーサポート領域およびナレッジマネジメントに関する深い知見をもとに、CS基盤の構築・改善に直結するノウハウを解説する。