効率良く営業活動を進める方法として、ステップメールを活用する企業が増えています。ステップメールを導入すれば、最小限の労力でリードの育成や既存顧客のアフターフォローが出来るでしょう。
この記事ではステップメールの基礎知識とともに、メルマガとの違いや具体的な作成方法についてまとめました。ステップメールに興味を持っているのなら、ぜひ参考にしてください。
ステップメールとは
ステップメールはメールマーケティングの一つです。商品を購入したユーザーや、無料会員登録・資料請求など設定しておいたアクションを起こしたユーザーに対して、企業側があらかじめ準備しておいたメールをスケジュールに沿って配信します。
「自社サイトからの資料ダウンロード」をステップメールの開始アクションとして設定した場合の具体的な流れの例は、下記のようなものです。
②2日後:ダウンロードされた資料に関連する事例記事の案内
③1週間後:ダウンロードされた資料に関連した直近のセミナーの案内
④1ヶ月後:ダウンロードされた資料に関連した最新のセミナーの案内
ステップメールに記入したリンクURLのクリック率によって、次のメールの内容を変えるなど細かな設定をする場合もあります。
ステップメールとメルマガの違い
ステップメールと同じように、メルマガもメールマーケティングの一つの手法です。メルマガでは、会員登録済のリードや既存顧客に対して、キャンペーンや新商品の情報など顧客に有益な情報を定期的に配信します。メルマガ配信停止や退会をしない限り、その配信はずっと続きます。
両者の違いは、メルマガは企業がユーザーに伝えたい情報を永続的に配信するのに対し、ステップメールはユーザーが求める情報を企業が定めたタイミングで3〜5回に分けて配信するという点です。
メルマガとステップメールでは、そのメールの内容やアプローチ方法、配信期間が変わることを知っておきましょう。
ステップメールのメリット
ステップメールを活用することで、企業が得られるメリットについてまとめました。
メリット1 リードを育てられる
ステップメールを開始するアクションとして設定した会員登録や資料請求などを行ったユーザーは、商品や企業そのものに興味を持っているリードであると言えます。しかし、そのリードが全て成約に至るわけではありません。
特にBtoBでは購買プロセスに時間が掛かる傾向がありますが、ステップメールを使えばリードが求めている情報の提供や継続的なコミュニケーションが取れるでしょう。ステップメールによってリードを育成出来るということです。
メリット2 ブランドの認知度を高める
複数の企業に対して資料請求やダウンロードをしたユーザーの多くは、一つ一つのブランドについて深く認知出来ず、時間の経過とともにその記憶も薄れてしまいます。ステップメールによって繰り返しアプローチをすることで、ブランドの認知度を高められるでしょう。
ブランド認知度が高くなれば、今回は成約に至らなかったとしても、顧客が再度商品に興味を持った時に思い出してもらえる可能性があります。
ステップメールのデメリット
ステップメールのデメリットには次のようなものがあります。
デメリット1 メールアドレスを収集しなくてはいけない
ステップメールを送るためには、ユーザーのメールアドレスを知らなくてはいけません。会員登録をステップメールの開始アクションと定めているのであれば、サイトの集客や会員の特典を増やすなど、多くの労力がかかるでしょう。
ステップメールの開始アクション自体の数を増やすためには、既存のサービスの見直しが必要な場合もあります。
デメリット2 ステップメール作成に手間がかかる
ステップメールの作成には、顧客に最適なタイミングや内容を検討しなくてはいけません。内容に複数の関係者が関わる場合は、より多くの労力が必要でしょう。
ステップメールの作成機能がついたメール配信システムを導入すれば、スムーズにステップメールを作成可能です。
ステップメールの活用が効果的なケース
ステップメールの活用効果がより発揮されるケースは、ユーザーが商品について十分理解をしたり、商品の購入を検討したりするために十分な時間が必要な場合です。
ステップメールで段階を踏んだ営業活動を行うことで、ユーザーと信頼関係を構築してユーザーの購買意欲を育てます。ユーザーの購買意欲が高められていない状態で営業メールを送ってしまわないように、予定している件数に合わせて営業をかけるメールを絞るなど、アプローチのタイミングを工夫する必要があるでしょう。
ステップメールの作成手順
ここからは、ステップメールの作成手順を説明します。
STEP1 ステップメールの目的を決める
ステップメールはさまざまな目的に活用出来ます。「リードの育成」などの大きな目的ではなく「セミナーの参加者を募る」「トライアル登録者を募る」など細かな設定をすると良いでしょう。
STEP2 ターゲットを決める
ターゲットとして、ステップメールを開始するアクションを決定します。先ほどもお伝えしたように「会員登録」「資料請求」「セミナー参加」の他、既存顧客などがその例です。
STEP3 カスタマージャーニーマップを作る
ターゲットの購買意欲がどう進んでいくのかを明らかにしたカスタマージャーニーマップを作ります。購買意欲の段階を分けて、それぞれのタイミングでユーザーに与えるべき情報を考察してください。
STEP4 シナリオの作成
作成したカスタマージャーニーマップを元に、シナリオを設計します。各メールで送るべき内容を具体的に決めてください。
STEP5 メール本文の作成
シナリオを参考にメールの本文を作ります。分かりやすく読みやすい文章を作成し、リードの心が掴めるようにしましょう。
STEP6 配信設定をする
カスタマージャーニーマップにて想定されたスケジュールから、配信日時を設定します。初めに定めた目的が達成可能な配信設定を行いましょう。
STEP7 チェックと改善
ステップメール導入後は、使用しているメール配信システムでステップメールの開封率・クリック率・配信停止率を確認して効果検証を行い、必要であれば内容を改善してください。
ステップメールの成功事例
BtoBで営業効率化ツールを販売する会社でのステップメールの内容は次のようなものです。
・問題の原因を明らかにする「その問題の原因は〇〇です。その理由は・・」
・問題の解決策を提示する「自社商材であれば、その問題が解決出来ます」
・他社との違いをアピールする「一般的な営業効率化ツールでは・・・ですが、自社商材は・・」
・既存顧客の事例紹介「弊社のツールを導入いただいた〇〇様の事例を紹介します」
このようなユーザーが知りたい情報を段階を踏んで伝えれば、ステップメールが営業担当の代わりになるでしょう。同様に、既存顧客へのアフターフォローをステップメール化することも可能です。
まとめ
ステップメールのメリット・デメリットとともに、具体的な作成方法をお伝えしました。ステップメールは導入前に十分な準備が必要ですが、優れたステップメールを作成出来れば、最小限の労力でリードの育成や既存顧客のアフターフォローが出来るでしょう。この記事を参考に、自社に最適なステップメールの導入方法について考えてみてください。
また、ステップメールは送って終わりではなく、メールを送った後の効果検証が重要です。営業ツールやセールスイネーブルメントツールの中には、メールで送った資料のうち、どのページがどのくらい閲覧されているかが分かるものもあり、顧客の興味関心やアプローチするタイミングを把握するためには、活用するのが良いでしょう。