顧客はなぜ値引き交渉するのか?値引き交渉されないコツを解説

営業活動をしていると、顧客から値引き交渉を受けることがあり、多くの営業担当がその対応に悩んでいます。顧客の希望に応えて値引きを行うと、その場では成約を得られるかもしれませんが、結果的に利益につながらない可能性が高くなります。

この記事では、値引きに応じることの問題点と、そもそも値引き交渉を避けるためのコツを解説します。毎回の値引き交渉に悩んでいる営業担当の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

顧客が値引き交渉を行う理由

顧客が値引き交渉を行う理由にはいくつかのパターンが考えられます。過去に値引き交渉を受けた経験がある方は、その顧客がどのパターンに該当していたのかを振り返ってみましょう。

1. 商品を購入したいが予算が足りない

どんなに顧客のニーズにマッチした商品であっても、予算的な問題があれば話を進めることはできません。予算不足が理由で値引き交渉をする顧客は、今後も継続的な購入が期待できるため、場合によっては値引きを検討するのも一つの方法です。

2. 価格に見合った価値がないと考えられている

顧客が商品自体に魅力を感じていても、その価値と価格が見合っていないと判断し、値引き交渉をしてくることがあります。商品の価値が十分に伝わっていない場合には、理解を深めてもらう努力が必要ですが、それでも値引きを希望される場合は、無理に値引きをする必要はないでしょう。

3. 特に理由がない

顧客の中には、特に理由がなく「なんとなく」値引き交渉をする方もいます。「できるだけ安く手に入れたい」という心理は誰にでもあるもので、毎回の値引き交渉が慣例化していることもあるでしょう。このような顧客に対して値引きを行う必要はありません。

値引きしない方がよい理由

基本的に、値引き交渉には応じるべきではありません。ここでは、その理由を説明します。

理由1. 2%の値引きで利益が50%減少する

「少しの値引きで成約が得られるなら」と考えてしまう営業担当もいるかもしれませんが、商品の売上が100%会社の利益になるわけではありません。売上と利益が異なることを理解せずに値引きをしてしまうと、たった2%の値引きで会社の利益が50%も減少することがあります。

具体的に説明すると、多くの商品で利益率は4%未満とされています。例えば、売上が100万円で利益率が4%の場合、利益は4万円程度で、その他の96万円は経費に充てられます。

ここで100万円の商品を2%値引きし、98万円で販売したとします。もちろん、値引きを行っても経費は変わりませんので、売上の98万円から96万円の経費を引くと、企業が得られる利益は2万円となり、たった2%の値引きで利益が半分に減ってしまう結果となります。

わずかな値引きが、利益を大幅に減少させる可能性があるのです。

理由2. リピートにつながる可能性が低い

値引き交渉によって安く商品を手に入れることを好む顧客は、より安い価格で類似商品を販売している会社を見つけると、すぐに乗り換えてしまう傾向があります。そのため、リピートにつながる可能性が低いと言えるでしょう。値引き交渉のない顧客のアフターフォローを充実させ、長期的な利用を促進した方が効果的です。

顧客との信頼関係を築ければ、「安心して利用できる企業」として認められ、無理な値引きを求められることもなくなるでしょう。

値引きした方がよいケース

値引きによる利益の減少やリピートにつながりにくい点について説明しましたが、中には値引きを検討しても良いケースもあります。先ほど「顧客が値引き交渉を行う理由」でも説明したように、予算不足で成約が見送られる場合、顧客の状況を理解した上で必要な値引きを検討することも一つの方法です。また、競合に勝る付加価値が自社商品にない場合、値引きをせざるを得ないこともあります。

いずれのケースでも、顧客の状況やニーズをしっかりとヒアリングし、本当に値引きが必要かどうかを慎重に見極めることが重要です。

顧客から値引き交渉されないためのコツ

顧客から値引き交渉をされると、どう断れば良いのか悩む営業担当も多いでしょう。商談の雰囲気を悪くしないように注意しつつ、値引きを断るのは難しい場合もあります。そもそも値引き交渉をされないためのコツを知っておきましょう。

コツ1. 顧客に課題を提示した上で提案を行う

営業活動は「顧客の課題を解決する手段として自社の商品を提案する」ことが基本ですが、顧客が自分の抱えている課題を自覚していない状態で商品を提案しても、コストをかける価値があるものだと理解されにくいです。

「お金はかかるが、解決できるなら仕方ない」と顧客に感じてもらうためには、最初に現在抱えている課題を十分に理解してもらう必要があります。課題の解決に商品の購入が不可欠であることが伝われば、値引き交渉なしに成約につながります。

コツ2. 商品を購入する効果やメリットを伝える

商品の購入によって得られる効果やメリットを明確に伝えましょう。顧客の課題を解決するだけでなく、さらなる効果やメリットが期待できることを強調します。

この際、抽象的な表現は避け、「売上〇〇%UP」「作業時間〇〇時間削減」など、数字を使った説明が効果的です。より相手に商品の価値が伝わりやすくなります。

コツ3. 選択肢を先に提示する

商品を購入する際、多くの顧客は競合商品と比較して決定します。「もっと価格が安い商品はないか」「もっと機能が優れた商品はないか」といった比較が行われることが一般的です。特にコスト面は比較されやすいポイントです。

営業担当があらかじめ競合商品のコストや特徴を調べ、商談時に顧客に提示することで、顧客は競合商品の比較検討の手間を省くことができます。さらに、自社商品が競合他社に比べてどう優れているかを伝えることができるでしょう。

たとえ競合が低価格で商品を提供していたとしても、「便利な機能が搭載されている」「万全のアフターフォローが用意されている」など、自社の特徴をアピールすることで、値引き交渉を避けることができます。

コツ4. 価格の理由を丁寧に説明する

自社商品の価格設定について、丁寧に説明しましょう。競合商品より価格設定が高い場合、その価値を納得してもらうことが重要です。

また、競合商品よりも低価格である場合、値段だけを強調すると「安いから品質が劣っているのでは」と疑われる可能性があるため、コストダウンに成功した理由もしっかり伝えるようにしましょう。

コツ5. 決裁権を持つ人物にアプローチする

商談相手が必ずしも決裁権を持っているとは限りません。決裁権のない相手に商品をアピールし続けても、スムーズに商談が進まないでしょう。決裁者へのアプローチは、営業担当が成約を得るための基本的なポイントです。

「コストがかかっても必要な商品だ」と決裁者に感じてもらえれば、値引き交渉をされることもないでしょう。

まとめ

営業の仕事をしていれば、誰もが値引き交渉を受けた経験があるでしょう。値引き交渉には基本的に応じないことが重要ですが、中には値引きを検討すべきケースも存在します。顧客の状況や意向をしっかりヒアリングし、最適な対応を心がけてください。

また、売上や利益を最大化するためには、値引き交渉をしてくる顧客に対しても優先順位をつけて対応することが重要です。そのためには、顧客情報を管理し、最適なアプローチタイミングを分析できる営業ツールやセールスイネーブルメントツールの活用が効果的です。値引き交渉を避ける工夫だけでなく、営業をサポートするツールを活用し、自社商品の価値を理解してくれる顧客へのフォローを手厚く行うことで、売上アップを目指しましょう。

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