インターネットの普及と同時にBtoB営業の方法も多様化しましたが、今もなおテレアポは重要な営業手段です。テレアポはメールを使った営業とは異なり、顧客と直接話ができるため、話ができれば良い方向に進められる可能性が高まります。
しかし、「法人向けのテレアポは個人向けのものよりもアポイントが取りにくい」という意見も多いです。多くの場合、テレアポでは電話した企業の受付に繋がり、担当者に電話を回してもらうことが難しいのです。
この記事では、法人向けのテレアポの問題点と、アポイントを取るためのコツを紹介します。法人向けのテレアポが上手くいかないと悩んでいるなら、ぜひ参考にしてください。
テレアポする際のポイント
法人向けのテレアポでアポイントを取るためには、知っておくと良いポイントがあります。これらのポイントを意識するだけでテレアポの成功率が上がるため、ぜひ試してみてください。
ポイント1 アポイントを得ることに集中する
テレアポの目的は「アポイントを得ること」であり、商材の詳細な情報を伝えたり、顧客との距離を縮めたりすることは商談の場で行うべきことです。
目的が明確になっていれば、ダラダラと商材の説明をしてしまったり、顧客との距離感が掴めずに相手に不快感を与えたりする心配もありません。テレアポで行うべきは、自社の商材に興味を持ってもらえるトークです。
ポイント2 結論から話し始める
テレアポの営業先は「相手が何を言いたいのか分からない状態」で電話を受け取るため、結論から話し始める必要があります。結論の見えない話し方では「何が言いたいのか」分からないまま話が進み、相手にストレスを感じさせてしまうでしょう。
ポイント3 聞き取りやすいテンポで話す
テレアポは「明るく元気にハキハキと話す」ことが良いと言われる場合もありますが、何より「相手に聞き取りやすい話し方」を重視すべきです。緊張すると早口になってしまう方もいるため、自分の話し方のペースやトーンを録音などで確認し、聞き取りにくさを感じるようであれば改善してください。第三者に意見を聞くのも良いでしょう。
ポイント4 答えやすい返答を用意する
テレアポの目的はアポイントの取得です。そのため、電話の最後にはアポイントをいただけるかどうかを、“イエスかノー”の二択で確認します。具体的には「お会いするお時間をいただけますか」という質問が良いでしょう。
相手に今後の流れを決めさせてしまう「どうしますか」「どう思われましたか」のような質問では、アポイントにつながらない可能性があります。また、アポイントを断られた場合には、資料を送らせていただきたいなどの流れに移行するようにしましょう。
ポイント5 無理に引き止めない
アポイントの取得が難しく、営業相手が電話を切りたそうにしている時には無理に引き止めないようにしましょう。基本的に、電話を切ろうと考えている相手の気持ちを変えることは不可能です。あまりにしつこい営業は企業そのものの印象を悪くしてしまうため、相手から拒否反応を感じた場合には、すぐに引き下がるようにしてください。
法人向けテレアポの問題点
法人向けのテレアポの代表的な問題点は次のようなものです。誰もがつまずくポイントを知っておきましょう。
問題点1 担当者につないでもらえない
法人向けの営業では、営業時間内の電話には必ず出てもらえるものの、受付の方などが最初に電話を受けて担当者に取り次ぐ流れになります。営業の電話は多くの場合、受付などで断られてしまうため、担当者に取り次がれないのです。これでは担当者と話をすることすらできず、アポイントも得られません。
問題点2 アポイントが取れない
担当者に電話をつないでもらえても、簡単にアポイントが取れるものではありません。忙しい担当者ほど話をゆっくり聞いている時間が取れないものです。営業の電話だと分かった途端に、急ぎ足で電話を切られてしまう場合もあるでしょう。
【事前準備】法人営業のテレアポを成功させる秘訣
正確な営業リストを作成する
法人営業のテレアポでは、ターゲットとなる企業を絞り込み、正確な営業リストを作成することが重要です。営業リストを作成する際には、企業の規模、業種、売上高、従業員数、経営状況、競合他社など、様々な情報を収集し、自社の商品やサービスがニーズに合致する企業をリストアップする必要があります。
また、リストアップした企業に対して、担当者名、役職、電話番号、メールアドレスなどの情報を収集することも重要です。正確な営業リストを作成することで、無駄な電話をかけることを避け、効率的に営業活動を進めることができます。
リサーチを徹底する
営業リストを作成したら、次に、ターゲットとなる企業について、徹底的なリサーチを行う必要があります。企業のホームページや業界誌、新聞記事などを参考に、企業の事業内容、経営状況、競合他社、最近の動向などを調査します。
また、企業のSNSアカウントがあれば、そこから情報収集することも可能です。リサーチを通して、企業のニーズや課題を把握することで、より効果的な営業トークを作成することができます。
効果的なトークスクリプトを作成する
リサーチに基づいて、効果的なトークスクリプトを作成します。トークスクリプトは、テレアポで話す内容を事前に決めておくことで、スムーズな会話と効率的な営業活動を実現するためのものです。トークスクリプトを作成する際には、以下の点を意識することが重要です。
- 自己紹介と会社の紹介: 最初に、自分の名前と所属会社を伝え、簡潔に会社の事業内容を紹介します。
- 相手のニーズを引き出す:相手の企業や担当者のニーズを把握するために、質問を投げかけます。
- 自社の商品やサービスの提案:相手のニーズに基づいて、自社の商品やサービスがどのように役立つのかを説明します。
- アポイントメント取得:最後に、商談や面談のアポイントメント取得を目指します。
トークスクリプトは、事前にしっかりと練習しておくことで、よりスムーズな会話に繋げることができます。
切り返しトークを用意する
テレアポでは、相手から様々な質問や異議申し立てを受けることがあります。そのため、事前に切り返しトークを用意しておくことが重要です。
切り返しトークは、相手の質問や異議申し立てに対して、適切な回答を準備しておくことで、スムーズな会話と説得力のある営業トークを実現するためのものです。切り返しトークを用意する際には、以下の点を意識することが重要です。
- 相手の質問や異議申し立てを理解する: 相手の質問や異議申し立てをしっかりと理解し、その意図を汲み取ることが重要です。
- 具体的な回答を用意する:抽象的な回答ではなく、具体的な事例やデータなどを用いて、相手に納得してもらえるような回答を用意します。
- 相手の立場に立った説明をする:相手の立場に立って、共感できるような説明をすることで、より効果的に伝えられます。
切り返しトークを事前に準備しておくことで、相手の質問や異議申し立てに慌てずに対応することができます。
【実践編】法人向けのテレアポを成功へ導く方法
ビジネスマナーを徹底する
法人営業のテレアポでは、ビジネスマナーを徹底することが重要です。
電話をかける時間帯、言葉遣い、電話の受け答え、名刺の交換など、様々な場面で、相手に失礼のない丁寧な対応を心がける必要があります。特に、初めて電話をかける場合は、相手の名前や役職を正しく確認し、敬称を正しく使うなど、基本的なビジネスマナーを意識することが重要です。
適切な時間帯を選ぶ
法人営業のテレアポでは、適切な時間帯を選ぶことが重要です。
一般的に、午前中の9時~11時頃や午後の14時~16時頃が、相手が比較的落ち着いて電話に出られる時間帯と言われています。ただし、企業や担当者によって、電話に出やすい時間帯は異なるため、事前にリサーチしておくことが重要です。また、相手の会社の営業時間や休憩時間などを考慮し、電話をかける時間帯を調整する必要があります。
相手のニーズを引き出す
法人営業のテレアポでは、相手のニーズを引き出すことが重要です。
相手のニーズを把握することで、自社の商品やサービスがどのように役立つのかを説明することができます。相手のニーズを引き出すためには、以下の質問を投げかけることが有効です。
1.現状の課題や問題点
相手の企業が抱えている課題や問題点を具体的に聞き出します。
2. 今後の目標や計画
相手の企業が今後どのような目標や計画を持っているのかを聞き出します。
3. 改善したい点
相手の企業が改善したいと考えている点を具体的に聞き出します。相手のニーズを理解することで、より効果的な営業トークを展開することができます。
【改善編】法人テレアポの成功率を上げるためのポイント
数をこなして経験を積む
法人営業のテレアポでは、数をこなして経験を積むことが重要です。数をこなすことで、電話をかける際の緊張感が薄れ、スムーズな会話ができるようになります。また、様々な企業や担当者と話すことで、相手の反応やニーズを理解することができます。さらに、数をこなすことで、自分のトークスキルや営業力も向上していきます。
ロールプレイングを実施する
テレアポの成功率を上げるためには、ロールプレイングを実施することが有効です。ロールプレイングは、実際に電話をかける前に、同僚や上司と練習することで、スムーズな会話と効果的な営業トークを身につけるためのものです。ロールプレイングでは、相手役を演じることで、様々な質問や異議申し立てにどのように対応するかを練習することができます。また、ロールプレイングを通して、自分のトークスキルや営業力を客観的に評価することもできます。
トークスクリプトを見直す
テレアポの成功率を上げるためには、トークスクリプトを見直すことが重要です。トークスクリプトは、事前に作成したものでも、実際に電話をかけてみて、改善点が見つかることがあります。例えば、相手の反応が良くない場合や、会話がスムーズに進まない場合は、トークスクリプトの内容を見直す必要があります。トークスクリプトを見直す際には、以下の点を意識することが重要です。
1.相手の反応を分析する
相手の反応を分析し、どのような言葉に反応したのか、どのような言葉に反応しなかったのかを把握します。
2.トークスクリプトの内容を修正する
相手の反応に基づいて、トークスクリプトの内容を修正します。
3. より効果的なトークスクリプトを作成する
修正したトークスクリプトを元に、より効果的なトークスクリプトを作成します。トークスクリプトを見直すことで、より効果的な営業トークを展開することができます。
成功事例を分析する
テレアポの成功率を上げるためには、成功事例を分析することが重要です。成功事例を分析することで、どのようなトークや戦略が効果的だったのかを学ぶことができます。成功事例を分析する際には、以下の点を意識することが重要です。
1.成功事例を収集する
社内外の成功事例を収集します。
2. 成功事例の内容を分析する
成功事例の内容を分析し、どのようなトークや戦略が効果的だったのかを把握します。
3. 自社のテレアポに活かす
分析結果を参考に、自社のテレアポに活かせるポイントを探します。成功事例を分析することで、より効果的なテレアポ戦略を立てることができます。
まとめ
法人向けのテレアポは個人向けのものに比べてアポ獲得までの障壁が多く、なかなかアポイントが取得できずに悩む営業担当もいます。この記事を参考に、法人向けのテレアポを成功させるポイントやコツを知り、テレアポをうまく進められるようにしましょう。