コールドメールとは、面識のない相手に突然メールを送る方法のことを指します。多くの人にとっては、ハードルの高い行為かもしれません。「いきなり知らない相手からメールが届いたら読まない」「知らない相手に勝手にメールを送るのは失礼だ」と感じる人も少なくないでしょう。
しかし、コールドメールは以前から存在する連絡手段です。かつては「著名人と直接連絡を取る方法」として知られていましたが、現在ではビジネスシーンでの営業活動にも広く活用されています。
この記事では、コールドメールに関する基本的な情報と、すぐに活用できる例文をご紹介します。コールドメールを使った営業活動に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
コールドメールとは
コールドメールとは、面識のない相手にメールを送ることを指します。これと同様に、知らない相手に電話をかけて営業を行う方法は「コールドコール」と呼ばれます。
知らない相手に対する営業手法には他にも、ハガキやニュースレターを郵便で送るダイレクトメールや、街中でチラシや広告付きのティッシュを配る行為などがあります。これらの手法の中から、自社に最適なアプローチを選ぶことで、新規顧客開拓のチャンスを掴むことができます。
「コールドメール」という言葉を聞いたことがない方でも、日常生活の中で似たような営業活動を受けた経験があるでしょう。
コールドメールが効果的な理由
営業活動において、知らない相手にメールを送ることに抵抗を感じる方もいるかもしれません。しかし、コールドメールは古くからある営業手法であり、特にBtoB営業では受け取る側もそのようなアプローチに慣れている場合が多いです。コールドメールは失礼な行為ではなく、相手に商材の魅力を伝えるための手段として捉えるべきです。
ここでは、コールドメールが営業活動の中で効果的な理由を説明します。
理由1: 効率的にリードを獲得できる
コールドメールは、営業担当が実際に顧客と対面したり、電話をかけたりする営業活動に比べて、少ない労力や費用で実施できます。このため、コールドメールを通じたリードの発掘作業は非常に効率的と言えるでしょう。人材不足で営業活動の拡大が難しい企業でも、リードを増やす手段としておすすめです。
理由2: 販路の拡大・新規顧客の開拓
コールドメールは、これまで接点のなかった顧客にアプローチできる手段です。これにより、通常とは異なる販路や新規顧客に対して、自社の商材をアピールすることができます。
仮にすぐに良い反応が得られなくても、顧客の記憶に残ることで、顧客にニーズが生まれた際には、最初に連絡をもらえる可能性が高まります。また、営業手段がオンラインであるため、遠方の顧客にも問題なく営業活動を行うことができます。
返信率が上がるコールドメールの例文
コールドメールが効果的な営業手段であることはお伝えしましたが、メールの内容を工夫しなければ、期待するような成果を得ることは難しいでしょう。ここでは、返信率を上げるためにすぐに活用できるコールドメールの例文を紹介します。
タイトルの例
「業務効率化ツール〇〇によって得られるメリットについて:株式会社〇〇」
コールドメールは、受信者にとっては「知らない相手からのメール」であるため、開封されないことも少なくありません。開封前のメールはタイトルだけで判断されるため、限られた文字数で受信者が「内容を確認したい」と感じるタイトルにすることが重要です。内容が分かりにくいタイトルや、メリットが感じられないタイトルは避けるべきでしょう。
冒頭文例
初めまして、私は〇〇株式会社〇〇部の〇〇と申します。
この度、〇〇業界の業務効率化についての相談があり、コンタクトしております。
簡単に私の紹介をいたしますと、〇〇業界で10年以上の経験があり、〇〇業界の知識や習慣を学び経験していますが、〇〇業界の中でも〇〇・〇〇の作業が非効率であると感じていました。この問題を解決しなくては、〇〇業界の次なる発展が困難であると考え業務効率化ツール〇〇を開発いたしました。
貴社のホームページなどを拝見し、自社の業務効率化ツール〇○の導入によって作業の効率化・生産性の向上に役立てると確信し、この度のコンタクトに至っております。
こちらが冒頭文の例文です。コールドメールの中には送り主の名前が記載されていないものや、送り主の正体が分かりにくいものも存在しますが、それでは相手からの信頼を得ることはできません。
そのため、冒頭では自己紹介とメールを送った理由を明確に記載することが重要です。「これは自分には関係ないメールだ」と感じられないよう、この2点をできるだけ早い段階で伝えるようにしましょう。
また、送り先の企業について事前にリサーチし、不特定多数に送っているメールではないことをアピールしましょう。事前調査をしておくことで、相手から問い合わせがあった際にも迅速に対応できます。冒頭文が長すぎると相手に飽きられてしまうため、ワンスクロール程度で内容が読める文量に収めましょう。
本文例
・〇〇
・〇〇
この機能によって具体的に得られるメリットには作業効率向上と人件費の削減があり、〇〇業界にてすでにツールを導入いただいた会社様では期待通りの効果が得られました。
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株式会社〇〇 〇〇部 〇〇
メールアドレス:〇〇@〇〇
ホームページURL:https://www.〇〇〇〇
本文まで読んでもらえた場合、多くは冒頭文で相手の興味を引くことができた状態です。本文ではより具体的な内容を伝えましょう。ただし、冒頭文と同様に、長々とした文章は避け、シンプルかつ簡潔な表現を心掛けます。
実績がある場合は、できる限り具体的に記載し、商材導入によって得られるメリットをわかりやすく伝えてください。コールドメールでは、URLや添付資料を用いて詳細な情報を伝えることが一般的ですが、相手が資料を開くには、ある程度の興味を引く必要があります。商材に関する情報が不十分な状態で「詳細はこちらをクリック」とだけ記載するのは避けるべきでしょう。
また、コールドメールを受け取った相手がすぐに連絡を取れるように、署名を必ず記載してください。
コールドメールの成功と失敗のポイント
よくある失敗例
コールドメールで最も多い失敗は、メールが開封されない・開封率が低いことです。これは、件名が曖昧であったり、メールの内容が長すぎたりすることが原因です。コールドメールは相手にとって突然の連絡であり、そのメールを開封してもらうためには、件名で興味を引くことが非常に重要です。
たとえば、具体的な数字や問題提起、相手の関心を引く質問を盛り込むことで、メールの開封率を高めることができます。また、メールの内容は簡潔で要点を絞り、相手の時間を無駄にしない配慮が必要です。
成功のためのコツ
コールドメールで成功するためには、ターゲットを明確にし、パーソナライズされた内容を送ることが求められます。まず、コールドメールを送る前に、ターゲットとなる顧客層をしっかりと分析し、その顧客層に合わせた内容にすることが重要です。
相手の会社や業界に関する情報を事前に調査し、それに基づいた具体的な内容をメールに盛り込むことで、相手に特別感を与え、メールを開封してもらえる可能性が高まります。また、相手のニーズや課題を理解し、それに対する具体的な解決策を提示することで、メールの効果を最大化することができます。
フォローアップの重要性
コールドメールを送った後のフォローアップは、返信率を上げるために非常に重要なステップです。コールドメールがすぐに開封されなかったり、返信がなかったりしても、諦めずにフォローアップを行うことが大切です。
たとえば、数日後に再度メールを送信したり、電話で連絡を取ったりすることで、相手の関心を引き続けることができます。フォローアップでは、前回のメールの内容を踏まえた上で、さらに具体的な提案や情報を提供することで、相手に再度メールを開封してもらい、興味を持ってもらえる可能性を高めます。
まとめ
コールドメールは販路開拓において有効な手段であり、飛び込み営業に比べてはるかに少ない労力や費用で新たなリードを発掘することが可能です。感染症対策や労働力不足により新しい働き方が求められている今、コールドメールは導入を検討すべき営業手法と言えるでしょう。
しかし、すべてのコールドメールが必ず読まれるわけではありませんし、どんなに優れた商材でも、送った相手全員にニーズがあるとは限りません。そこで、送信先の興味やニーズの有無を判断するために、資料の閲覧状況をトラッキングできるツールの活用が効果的です。このようなツールを利用すれば、送った営業資料が閲覧されたかどうか、どのページが閲覧されたかを把握でき、確度の高い相手に優先的にアプローチすることが可能になります。
コールドメールで営業資料を送付する際は、その後のアプローチを効率化するために、トラッキングツールの導入も検討し、営業活動全体の効率化を図ることをお勧めします。