企画書は、自分のアイデアや提案を相手に明確かつ効果的に伝えるために必要不可欠なツールです。しかし、その重要性から、企画書作成に対して苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、特に多くの方に利用されているパワーポイントを使って、効果的な企画書を作成するためのポイントを詳細に解説します。パワーポイントの基本的な使い方から、デザインのコツ、そして具体的なテンプレートの活用方法まで紹介します。
これから企画書を作成しようと考えている方は、この記事を参考にして、効果的で説得力のある企画書を作成してください。具体的なテクニックやヒントを活用することで、あなたのアイデアがより伝わりやすくなり、成功の可能性が高まるでしょう。
企画書とは
企画書とは、イベントや新商品開発などの際に、自分のアイデアや計画を具体的に記載した書類です。提案する企画の魅力や期待できる成果・効果を、読む相手に伝えるために、さまざまなシーンで作成されます。
ただ予定やフローを記載するだけでは、企画書としては不十分です。企画書の目的は「行動につながる」ことにあります。そのため、読むだけで企画の魅力や内容、詳細が伝わるように作成する必要があります。
具体的には、以下の要素を含めることが重要です
- 目的と背景:企画の目的とその背景を明確に記載し、読者に企画の重要性を理解させます。
- 提案内容:具体的なアイデアや計画を詳細に説明し、どのように実現するかを示します。
- 期待効果:企画が実現した場合の成果や効果を具体的に述べ、読者にメリットを伝えます。
- 実行計画:実行のステップやスケジュールを明確にし、実現可能性を示します。
企画が実現されるかどうかは、企画書の出来にかかっていると言っても過言ではありません。効果的な企画書を作成することで、相手の理解と支持を得やすくなり、企画の成功に近づくことができます。
良い企画書とは
企画は、企業が抱えているさまざまな課題を解決するために作成されます。例えば、「材料費の節約」や「サービスのターゲット層を広げる」といった具体的な課題が考えられます。
中でも「良い企画書」とは、提案されている企画がこれらの課題をどのように解決するかを明確に記載しているものです。企画自体に魅力があったとしても、課題が不明瞭であったり、課題と企画にズレがあるような企画書では効果が半減してしまいます。
通常、企画を考える際には、まず解決すべき課題を明確に意識します。しかし、もし企画のアイデアが先に浮かんだ場合には、「この企画を実行することで得られる効果」を考慮し、そこから関連する課題を掘り下げることが重要です。
さらに、優れた内容の企画書でも、文章が伝わりにくければ「良い企画書」とは言えません。ビジネス文書全般に言えることですが、企画書全体では、分かりやすく簡潔な文章を書くよう心がけましょう。
パワーポイントでの企画書デザインのコツ
企画書は印刷して配布するだけでなく、プレゼン資料としても活用しやすいパワーポイントで作成している方が多いようです。
ここからは優れた企画書をパワーポイントを使って作成する時のポイントを説明しましょう。どのポイントも難しいものではありませんので、ぜひ参考にしてください。
フォントの選び方
一貫性を持たせるために、フォントは基本的に一種類を使用しましょう。
ただし、見出しや強調したい部分には、別のフォントを使用しても構いません。フォントの種類によって印象が大きく変わるため、企画書のテーマやターゲット層に合ったフォントを選びましょう。例えば、ビジネス向けの企画書では、読みやすく信頼感のあるゴシック体や明朝体が適しています。一方、クリエイティブな企画書では、デザイン性の高いフォントを使用することで、個性を表現できます。
また、近年では、ユニバーサルデザインの観点から、老眼の方やディスレクシアの方にも読みやすいフォントを選ぶことが重要視されています。
色使いのポイント
企画書の色は3色以内に抑え、ブランドカラーを反映させるのをおすすめします。
色は、人間の感情や行動に影響を与えるため、適切な色を選ぶことが重要です。例えば、青色は信頼感や冷静さを、赤色は情熱や行動力を、緑色は安心感や安定感を、それぞれイメージさせる効果があります。企画書のテーマや伝えたいメッセージに合わせて、効果的な色使いを心がけましょう。
また、色覚多様性への配慮も必要です。例えば、赤と緑の組み合わせは、色覚の違いによって識別が難しい場合があります。
レイアウトの基本
文字サイズと配置を統一することで、読みやすさが向上します。
見出しは大きく、本文は小さく、重要な情報は太字にするなど、視覚的なメリハリをつけることで、読者の注目を集めることができます。また、余白を適切に確保することで、情報が整理され、見やすくなります。
人間の目は、左上から右下へと情報を追う傾向があるため、重要な情報を左上に配置することで、読者にスムーズに情報を伝えることができます。
市場調査とデータの活用
信頼性を上げるためのデータ収集
信頼できるデータソースから情報を収集し、企画書に反映させます。企画書に根拠となるデータを示すことで、説得力を高めることができます。
データソースとしては、政府機関や業界団体、市場調査会社などが発行する統計データ、学術論文、業界レポートなどが挙げられます。データの信頼性を確保するため、データの出典は必ず明記しましょう。
市場調査のツール
総務省統計局や経済産業省などの公的データベースを活用しましょう。これらのデータベースには、人口統計、産業統計、経済統計など、様々なデータが公開されています。
また、インターネット上の市場調査ツールを利用することで、特定の市場や顧客に関する情報を収集することができます。市場調査ツールには、アンケート調査、インタビュー調査、グループインタビューなど、様々な種類があります。
データの視覚化
データをわかりやすく示すために、グラフや表を使って視覚化します。データの視覚化は、複雑な情報を簡潔に伝えるために非常に有効です。
グラフや表の種類は、データの特性に合わせて適切に選択しましょう。また、データの視覚化には、データ分析ツールやグラフ作成ソフトなどを活用することができます。例えば、Excelなどの表計算ソフトは、データの集計やグラフの作成機能が充実しており、データの視覚化に役立ちます。
企画書テンプレートの入手方法
企画書のテンプレートは、インターネットで手に入れることができます。お気に入りのテンプレートがあれば、ぜひ利用してみましょう。
bizocean
bizoceanでは、50種類以上の企画書テンプレートが用意されており、用途別に使いやすいスタイルを探すことができます。パワーポイント以外にも多くのファイル形式に対応しているため、多くの利用者に支持されています。
https://www.bizocean.jp/doc/category/22/
Microsoft
Microsoftでは、デザイン性の高いパワーポイントの企画書テンプレートが配布されています。無料とは思えない完成度のテンプレートが揃っており、短時間で手の込んだ印象を与える企画書を作成することができます。
https://www.microsoft.com/ja-jp/office/pipc/template/result.aspx?id=13276
テンプレートBANK
テンプレートBANKでは、豊富なパワーポイントの企画書テンプレートが配布されており、カテゴリ別にテンプレートが分けられています。そのため、自分が求めているテンプレートを見つけやすいという特徴があります。企画の種類ごとにテンプレートを使い分けることも可能です。
https://www.templatebank.com/category/proposal-templates
まとめ
パワーポイントを使った企画書作成のコツを紹介しました。フォントの統一や色使い、データの視覚化を心がけることで、より説得力のある企画書を作成できます。
企画書は、プロジェクトの成功に不可欠な要素です。魅力的な企画書を作成し、関係者の理解と協力を得ることで、プロジェクトをスムーズに進めることができます。
企画書作成のスキルをさらに向上させたい方は、専門書やオンライン講座を活用してみてください。企画書作成に関する書籍や講座は、様々なレベルに対応しており、初心者から上級者まで、スキルアップに役立ちます。また、企画書作成のセミナーやワークショップに参加することで、実践的な知識やノウハウを学ぶことができます。