適切なマニュアル運用と整備しやすいマニュアル 4つのポイント

多くの会社では、業務を円滑に進めるためにマニュアルを活用しています。しかし、マニュアルは一度作成したら終わりではありません。マニュアルは完成後も適切に運用しなければ、効果的に機能しなくなってしまいます。

この記事では、マニュアルの管理方法に関するコツやポイントをまとめました。マニュアルが作成後に放置されないよう、ぜひ参考にしてください。

目次

マニュアルを放置しているとこうなる

マニュアルは作成後に適切な運用が必要ですが、もし放置してしまうとどのような問題が生じるのでしょうか?ここでは、マニュアルを放置することによって生まれるリスクについて説明します。

マニュアルが改善されない

運用前に完璧なマニュアルを仕上げることは難しいため、本来、マニュアルは運用しながら内容を改善する必要があります。放置されたマニュアルは精査されることなく、現場の人にとって優れたマニュアルとはいえないままになる可能性があります。このような状態が続くと、次第にマニュアルが活用されなくなることもあるでしょう。

業界やシステムの変化に対応できなくなる

現代では新しい技術が日々生まれ、世の中に浸透していきます。企業でもこのような新しい流れの影響を受け、業務内容や作業内容に変更が生じることが多いでしょう。放置されたマニュアルは作成された段階で時間が止まってしまい、記載されている情報が古いままになってしまいます。情報が古いマニュアルを使用しても、求めている知識を得ることは難しくなります。マニュアルは常に最新の状態でなければなりません。

マニュアルを適切な状態に保つための4つのポイント

マニュアルを放置することによって生じるリスクを理解したうえで、必要な対応を行うことでマニュアルを適切な状態に保つことができます。ここからは、マニュアルを運用するために知っておくべきポイントをお伝えします。

1. マニュアル使用者にヒアリングを実施する

マニュアルは使用者にとって分かりやすいものでなければなりません。使用者がマニュアルに感じる不満点を改善できるよう、マニュアルの運用を開始してから数週間後に複数の使用者に対してヒアリングを実施しましょう。集まった意見を反映すれば、より実務に役立つマニュアルに仕上がります。このヒアリングを定期的に実施することで、常に使用者が求めるマニュアルの状態を維持できます。

2. マニュアルの管理担当者を決める

マニュアルの管理担当者を決め、定期的に内容を確認し、必要に応じて更新する体制を整えましょう。一般的に、担当者でない限り自らマニュアルの更新を行う人は少なく、業務に大きな変更があってもマニュアルの更新が滞る可能性があります。担当者を決めることで、最新の状態に適したマニュアルを常に用意できるようになります。管理者は部署ごとやチームごとに細かく設定し、マニュアルに記載されている業務に詳しい人を選ぶとよいでしょう。

3. 定期的なマニュアルのメンテナンスルールを決める

業務内容に変更があったとき、業務のフローを変更する対応のみが優先され、マニュアルの更新が忘れられることがよくあります。こうした事態を防ぐために、マニュアルのメンテナンスを行うタイミングのルールを決めるとよいでしょう。タイミングはマニュアルごと、管理担当者ごと、業務の区切りごとなど、企業にとって最適な設定を行ってください。これにより、業務内容が変更されるたびにマニュアルを更新する手間が省け、更新漏れも発生しにくくなります。

4. 更新前のマニュアルを残しておく

マニュアルを最新の状態に更新した後、古いマニュアルは不要だと考える人もいますが、これは誤りです。古いマニュアルが残されていないと、過去の方法を確認したり、急遽、古いシステムを利用する必要が生じた場合に対応できなくなります。あらゆる問題に迅速に対応できるよう、可能な限り更新前のマニュアルも保存しておくとよいでしょう。印刷されたマニュアルは最新のものと混同される可能性があるため、データのみを保管する方法がお勧めです。

整備しやすいマニュアルを作るには

作成したマニュアルを最適に運用するためには、初めから整備しやすい状態を整えておくことが重要です。これにより、更新作業が非常にスムーズに進められます。ここでは、整備しやすいマニュアルを作成するための具体的な方法について説明します。

1. マニュアルのフォーマットを統一する

業務内容が変更された際には、複数のマニュアルを更新することがあるでしょう。マニュアルのフォーマットが統一されていると、作成者でなくても構成をすぐに理解でき、更新すべき箇所を見つけやすくなります。これにより、必要な更新部分が抜けてしまうといったトラブルを防ぐことができます。

2. マニュアルの更新履歴を作成する

マニュアルは定期的に更新されますが、更新頻度が高い場合、「この変更はマニュアルに反映されているのか?」「最新版のマニュアルなのか?」といった疑問が生じることがあります。マニュアルがいつ更新されたのか、またその際の更新内容が分かるようにするため、更新履歴をマニュアルに添付しましょう。可能であれば、マニュアル内で更新箇所に色をつけるなどの工夫をすることで、更新箇所を確認したい人にも伝わりやすくなります。

3. 凝りすぎたデザインや作成方法を避ける

マニュアルのデザインにこだわること自体は悪いことではありませんが、デザインに凝りすぎた結果、一部の人しか使用できないソフトを使ってしまったり、更新に手間がかかるようなデザインを選ぶことは避けましょう。マニュアルの更新は常に作成者が行うものではなく、長期的に運用されるものですので、更新の難易度を上げるような状態は避けるべきです。

4. ページ番号を通番にしない

複数の業務を一つのマニュアルにまとめる場合、それぞれの項目ごとにページ番号を分けた方が更新しやすくなります。たとえば、300ページのマニュアルに人事・総務・購買の項目がある場合、「1〜300」のように通し番号を付けるのではなく、「人事-10」のように項目ごとに番号を付けると良いでしょう。これにより、マニュアルの更新時にページの追加や削除があっても、直接関係のない項目のページ番号を変更する必要がなくなります。

まとめ

効果的なマニュアル整備・更新と運用は、企業の競争力強化に不可欠です。業務の標準化、新人教育の効率化、業務引継ぎの円滑化など、様々なメリットをもたらします。

この記事で紹介したポイントを参考に、自社の業務に最適なマニュアルを整備し、運用していくことで、組織全体の業務効率向上と競争力強化を実現しましょう。

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