営業のパイプライン管理とは?営業効率を高めるメリットと手順を解説

ビジネスにおけるマネジメント手法のひとつに、「パイプライン管理」があります。パイプライン管理では、営業活動をパイプラインに見立てて管理することにより、営業の効率化や的確なマーケティングを図ることができます。

今回はパイプライン管理について、定義やメリット、手順など詳しく解説していきます。営業効率化を目指す担当者の方は、ぜひ参考になさってください。

目次

パイプラインとは

パイプラインとは、営業活動の一連のプロセスのことです。

営業活動には多くのプロセスがあり、営業担当は順にプロセスを踏んで成約を目指します。
具体的な営業プロセスを挙げるとすれば、「①アポイントメントや問い合わせ ②初回訪問 ③ヒアリング ④提案 ⑤見積もり ⑥クロージング ⑦成約・受注」という流れが一般的でしょう。

このアポイントメントや問い合わせから成約までの連続したプロセスを指す言葉が、パイプラインです。

パイプライン管理とは

パイプライン管理とは、パイプライン、つまり営業活動の一連のプロセスを可視化し、分析や改善を行っていくマネジメント手法を指します。

営業活動のプロセスは不透明になりやすく、これにより非効率やリスクが生じますが、パイプライン管理では営業活動のプロセスを可視化し、一連の流れとして分析・管理していきます。この手法により、「一連の流れの中でどこに問題があるのか」というボトルネックを効率的に発見や改善をし、営業の効率化を図ることができます。

そもそも、ビジネス外で使用されるパイプラインという言葉は、液体や燃料を輸送するための管路(かんろ)のことです。
ビジネスにおいてはこの管路を営業プロセスの可視化に例え、案件が透明なパイプの中をプロセスを踏みながら順に進んでいくようなイメージから、パイプラインおよびパイプライン管理という用語が生まれました。

パイプライン管理は、ボトルネックの把握以外に、見込み顧客の把握や売上計画の立案、目標指標の設定などにも役立ちます。

パイプライン管理と各ポジションのメリット

ここからは、パイプライン管理のメリットを、営業マネージャーと営業担当それぞれのポジションから見ていきましょう。

営業マネージャーのポジションにおけるメリット

まずは、営業マネージャーのポジションにおけるパイプライン管理の主要なメリットを2つ挙げます。

メリット1 営業担当の的確なマネジメントが行える

パイプライン管理を行えば、営業担当の活動も可視化されていきます。営業マネージャーは、各営業担当の課題がどこにあるのか的確に把握し、指導に繋げることができます。
これにより、営業のボトルネックを解消できるほか、営業担当の効率的な成長を促すことも可能です。

メリット2 適切な行動計画の策定が可能に

パイプライン管理では、BtoBにおける中長期的な営業活動や見込み顧客を管理し、その情報を可視化、蓄積していきます。可視化されたデータを活用すれば、受注の見込みや課題を明確に導き出すことができます

これにより、営業マネージャーは目標達成に向けた適切な行動計画を立てたり、軌道修正を行ったりすることが可能になります。パイプライン管理による情報は、マーケティングにも行かせます。

営業担当のポジションにおけるメリット

次に、営業担当のポジションにおけるパイプライン管理の主要なメリットを2つ挙げます。

メリット1 自身の営業活動を明確に把握できる

営業活動の状況が不透明になっていると、営業担当の目標に対する意識や課題の把握度は低下してしまいます。

営業活動が可視化されるパイプライン管理においては、営業担当は自身の目標に対する進捗や課題を目で把握することができます。進捗や課題を把握することで、取るべき行動や改善すべき点は明らかになり、営業担当は目標達成に向け効果的な活動を続けていくことができます。

メリット2 段階ごとの目標が設定できる

パイプライン管理では、複数ある営業のフェーズを明確に定義し、区切ります。これによりフェーズごとにゴールができる形になり、営業担当は各フェーズのゴールを目標に行動することができます。

細かなゴールの設定はモチベーション維持に効果的で、また各フェーズのスキルを上げていくこたにより、確実な成果アップを狙えます。

パイプライン管理を行う手順

パイプライン管理を始めるにあたっては、営業部全体で取り組むこと、またパイプラインの各フェーズを明確に定義することが大切です。
ここでは、パイプライン管理を行うための大まかな手順をご紹介します。

手順1 営業プロセスの細分化

パイプライン管理を行うには、まず営業プロセスを細分化する必要があります。顧客の購買プロセスを踏まえて、営業プロセスをフェーズ分けしましょう。

例えば、パイプラインの概要説明で挙げた「①アポイントメントや問い合わせ ②初回訪問 ③ヒアリング ④提案 ⑤見積もり ⑥クロージング ⑦成約・受注」も、営業プロセスをフェーズ分けしたものになります。

手順2 商談フェーズに対する定義付け

営業プロセスを細分化しフェーズ分けしたら、各商談フェーズに対する定義付けを行います。

ここでは、定義付けを具体的で明確な内容で行うことが大切です。各フェーズの定義が明確でなければ、人によって認識に差が生まれ、パイプライン管理はうまくいきません。

手順3 各商談フェーズのゴールを明確化する

各商談フェーズには、明確なゴールも設定する必要があります。次のフェーズに移るためのアクションをゴールとして設定することで、営業活動の方向性を示すことが可能になります。

ゴールはなるべく具体的なものにし、人による認識の差が起きないよう気をつけてください。

手順4 各商談フェーズの顧客数と転換率を算出

フェーズが確立できたら、それを自社の営業活動の現状に当てはめ、見込み顧客数や転換率(CVR)を算出してみます。この作業の中でうまく見込み顧客をフェーズ分けできなければ、フェーズの定義付けやゴール設定に不備があることになります。

必要な場合には手順を戻して修正しながら、パイプラインを整えていきます。

パイプライン管理を活用した分析方法

パイプライン管理を活用した分析では、各フェーズや全体の流れの変化を分析することで、ボトルネックを見つけ出していきます。各フェーズの顧客数およびCVRをもとに、営業活動の状況を数字で確認していきます。
分析時に確認したいポイントは、状況や目的によって変わりますが、基本的なポイントは以下の4つです。

・各フェーズにおける顧客数の増減と理由
・フェーズが進む(後退する)顧客の把握
・売上目標の達成可否に対するペース確認
・売上未達の対抗策

これらの項目を毎週確認することで、ボトルネックやその解決法を導き出すことができます。
パイプラインの確認は、できるだけ部署およびチーム全員で行い、方向性を共有するのが理想です。

パイプライン管理にはツールの活用を

パイプライン管理には、セールスイネーブルメントツールやSFAツールなどの営業活動をサポートするツールの活用がおすすめです。

エクセルなどでもパイプライン管理を行うことは可能ですが、その場合リアルタイムでの情報共有ができず、課題の把握や分析にも手間がかかります。

ツールを活用すれば、ツール上で情報を一括管理でき、社員間のリアルタイムでの情報共有はしやすくなります。分析の精度も上がり、課題や見込みもより正確に把握できるようになるでしょう。

まとめ

パイプライン管理は、効率的な営業活動を実現するために効果的な手法です。この手法を取り入れることで、営業担当は自身の課題を見つけて成長でき、マネージャーによるマネジメントもしやすくなります。

また、効率的なパイプライン管理を目指すなら、セールスイネーブルメントツールの導入も検討してください。
セールスイネーブルメントツールは、ツール上で営業活動を一括管理して可視化し、スムーズなパイプライン管理をサポートします。アプローチすべき顧客やタイミングを提示するツールを選べば、営業効率化のさらなる促進が期待できます。
便利なツールを用い、ストレスのない快適な管理体制を整えれば、パイプライン管理は多くの社員の協力のもと、積極的に活用されていくでしょう。

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