プレゼンスキルを向上させる4つの方法｜必要なスキルも具体的に解説

相手に自社の商品やサービスの魅力と導入メリットが伝えられなければ、営業は上手く進みません。特に営業プレゼンの場では営業担当のプレゼンテーションスキルによって、成約が叶うかどうかが左右されると言えるでしょう。

しかし残念ながら日本は弁論文化よりも文章文化が強いことから、プレゼンテーションスキルが養われにくく、プレゼンに苦手意識を持っている方が多いです。

この記事ではプレゼンテーションスキルについての基本的な知識とともに、プレゼンテーションスキルを向上させる方法を紹介しましょう。プレゼン力を高めたいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。

プレゼンテーションにスキルが重要な理由

営業の場だけでなく、自分の意見や提案を通すためにもプレゼンテーションスキルが重要になります。プレゼンテーションスキルがあれば、自分の意図したように相手の意思決定を促せるでしょう。

プレゼンテーションスキルが活かさせる代表的なビジネスシーンは次のようなものです。

このような公式な集まりでなく、上司に対して自分の考えを述べるなどの場面でもプレゼンテーションスキルが求められます。

良いプレゼンの特徴

プレゼンテーションスキルが高い方は、良いプレゼンが行えます。ここでは最初に「良いプレゼン」とはどのようなものであるかを説明しましょう。

特徴１　プレゼンの内容が簡潔で分かりやすい

プレゼンは定められた時間を有効に使って「簡潔で分かりやすい」ものが良いとされています。情報を詰め込み過ぎたり、情報が上手くまとめられていなかったりすると、聞き手を混乱させてしまうためです。

良いプレゼンでは、複雑な内容の説明には図表や図形を用いるなどの方法を用いて、聞き手の立場に立った説明が行われています。

特徴２　聞き手がプレゼンに集中している

特に参加者の多いプレゼンでは、一定数の参加者がプレゼンをただ傍観してしまったり、飽きてしまったりすることがあります。これらはプレゼンの内容が相手にとって興味のない内容であったり、聞き手の反応を確認せずに一方的に情報を伝えていたりするプレゼンで起こりやすい問題です。

聞き手が注目したくなるようなプレゼンでは、聞き手の興味を引きながら相手の反応に合わせて臨機応変な対応が出来ているのです。

特徴３　伝えたい主張が明確になっている

プレゼンでは最終的に”聞き手に伝えるべき主張”が定まっていますが、その主張が明確でないと「結局何が言いたかったのかが分からない」状態に陥ってしまいます。営業プレゼンでは商品の魅力と導入メリットを聞き手に理解してもらうことが”聞き手に伝えるべき主張”だと言えますが、その主張が曖昧になってしまうと成約につながりません。

“聞き手に伝えるべき主張”が明確なプレゼンは、プレゼン後に顧客との商談を進めやすくなるものです。

プレゼンテーションに必要なスキル

良いプレゼンを行うためのプレゼンテーションスキルは、大きく分けて4つのスキルに分けられます。ここではそれぞれのスキルについて説明しましょう。

スキル１　論理的な思考能力

論理的思考（ロジカルシンキング）とは、物事を体系的に整理して、矛盾や飛躍のない筋道を立てる思考法のことです。論理的思考はプレゼンテーションスキルだけでなく、さまざまなビジネスシーンで役立ちます。

論理的な考え方が身につくと課題や問題の解決能力が向上し、相手に伝わりやすい提案が可能になります。論理的な説明が行えるようになるため、顧客からはもちろん社内でも説得力のある話が出来る人間として信頼されるでしょう。

スキル２　相手のニーズに気が付く力

顧客は自分がメリットを得られる提案に対して興味を持ち、導入を検討します。顧客の抱えるニーズが分からなければ、効果的なプレゼンは出来ないと言えるでしょう。

顧客の中には自社の課題に気づいていない潜在ニーズを抱えている場合もあるため、プレゼン前には十分な調査を実施して相手が何を求めているのかを把握しなくてはいけません。

スキル３　聞き手の興味を引くトーク力

どんなに優れた内容のプレゼンでも話し方に問題がある場合は聞き手に内容が十分伝えられません。具体的には、メモの棒読み、聞き取りにくい話し方、自信のない態度などがその例です。

プレゼンの場ではプレゼンの内容と同時に話し手の人間性も評価されています。相手に聞き取りやすいトーンやスピードの話し方、効果的なジェスチャーを使って、聞き手の興味を引きましょう。

スキル４　聞き手の反応に合わせる対応力

一方的に情報を伝えるだけではプレゼンは上手くいきません。参加者である顧客の様子を見ながら適度なタイミングで問いかけを行い、その場にいる全員をプレゼンに参加させられるようにしましょう。

こうすることで、聞き手の一部がプレゼンから離脱してしまったりプレゼンに飽きられてしまったりする状態を防げます。

プレゼンテーションスキルを向上させる方法

最後に、プレゼンテーションスキルを高めるために効果のある方法を紹介します。どの方法も、プレゼン前の事前準備が重要なポイントになると言えるでしょう。

方法１　プレゼンの構成ごとのポイントを理解する

プレゼンの基本的な構成はイントロダクション・ボディ・クロージングの3つであり、それぞれの構成の役割を理解する必要があります。

①イントロダクション

聞き手の参加意識を高める役割があり、聞き手との距離を縮めます。聞き手に安心感を与えた後にプレゼンに意識を集中してもらうのです。

また、プレゼンの本題をイントロダクションで伝えるようにすれば「何のためのプレゼンなのか？」が明らかになるでしょう。

②ボディ

プレゼンのメインに当たる構成であり、プレゼンで”聞き手に伝えたいこと”とその根拠、理由、事例などを聞き手に理解してもらいます。分かりやすく説得力を高める説明をするためには、結論から述べて結論に至った根拠を提示しましょう。

③クロージング

クロージングでは、質疑応答の時間を設けながらプレゼン内容をまとめ、営業プレゼンの場合は顧客を次のステップに促します。また、プレゼンの機会をいただいたことへの御礼をしっかり伝えましょう。

方法２　分かりやすいプレゼン資料を作る

プレゼンはスクリーンなどを用いてプレゼン資料を共有することが多いです。そのため使用するプレゼン資料がシンプルで分かりやすいものであれば、話し手も話を進めやすく聞き手も理解しやすいプレゼンになるでしょう。

“1スライドに1テーマ”を意識すると、シンプルかつ聞き手に伝わるプレゼン資料に仕上がります。補足情報は口頭で伝えるなどの方法で、プレゼン資料自体に情報を詰め込まないようにすると良いです。

方法３　動画を撮影して練習を繰り返す

プレゼンの練習は録音だけでなく動画として撮影し、自分の話し方やジェスチャー、目線、動きまで細かくチェックします。

初めは動画撮影に恥ずかしさを感じる方もいるようですが、最も自分を客観的に評価できる方法だと言えるでしょう。動画撮影に慣れることで本番のプレゼンでの緊張感を和らげる効果も期待出来ます。

方法４　模擬プレゼンを実施する

模擬プレゼンは先ほど紹介した動画撮影などで自主練習が済んだ後に実施します。可能な限り本番のプレゼン会場に近い環境を用意し、上司や同僚に協力してもらうと良いでしょう。模擬プレゼンの参加者からあえて難しい質問を受け取れば、臨機応変な対応力も磨かれます。

模擬プレゼン終了後はフィードバックを受け取り、改善に役立ててください。

まとめ

プレゼンテーションスキルは営業に限らずさまざまなビジネスシーンで役立つ能力です。プレゼンテーションスキルを磨いて、論理的かつ説得力のある話が出来る人間であるということがアピール出来れば、社内外からの信頼が集められます。プレゼンテーションスキルの向上は、ビジネスパーソンとしての成長につながると理解し、プレゼンテーションスキルを高めて自分の武器にしていきましょう。