進捗管理が出来ていないと適切な判断や対処が難しくなってしまうため、プロジェクトを円滑に進めるために進捗管理は欠かせません。正しい進捗管理が行われていれば、目標を達成できる可能性を高められるでしょう。
この記事では進捗管理の方法やポイントについて分かりやすく説明いたしますので、ぜひ参考にしてください。
進捗管理とは
進捗管理とはプロジェクトや業務の進捗を定期的に確認することを言い、計画と現状にズレがないかを把握するために行います。
計画が予定通りに進んでいるかを知り、必要であれば軌道修正や計画変更を実施します。
そのため進捗管理を分かりやすく例えると、プロジェクトの目的であるゴールに向けて使用する地図やコンパスのような役割があると考えられるでしょう。
また、業種によって管理する内容や方法が変わるため、自社の業務に最適な方法で進捗管理を実施しなくてはいけません。
進捗管理が必要な理由
進捗管理を行っていないプロジェクトでは、今自分たちがプロジェクトのどの段階にいるのかが分かりにくく、自分の進むべき道筋や目標を忘れがちです。
プロジェクトの全体像が見えにくいことから、目の前にある作業だけに目を向けるようになり、目標に対しての意識も低くなるでしょう。
その結果、社員のモチベーションや企業全体の生産性が下がってしまうのです。
また進捗を把握しなければプロジェクトの過程で現状を把握できないため、軌道修正も出来ません。
進捗管理が出来ていないということは納期の遅れ、作業漏れ、非効率な作業が生まれやすくなり、大きな損失につながる恐れもあるのです。
進捗管理のメリット
進捗管理を行うことで企業が得られるメリットには、下記のようなものがあります。
１ 納期が守られる
進捗管理を実施すると、ゴールまでのスケジュールが可視化され、チームのメンバー全員がスケジュールを意識した働き方が出来ます。
遅れが生じた場合も早い段階で遅延に気づき、納期に間に合うような対処をすることが可能でしょう。
納期の遅れは企業の信頼を損ねる行為ですので、進捗管理によって納期が厳守出来る環境を整えるべきです。
２ 生産性の向上
進捗管理をしながらプロジェクトを続けると「効率的な作業を行うためにはどうしたら良いか」をメンバーが考えやすくなります。
ただ目の前にある作業をこなすという態度ではなく、プロジェクト全体を見据えた行動が取れるようになるのです。
メンバーのモチベーションだけでなく生産性の向上にもつながるでしょう。
３ プロジェクトの軌道修正ができる
定期的に進捗管理を行えば、スケジュールの遅れや課題、トラブルに気が付きやすくなります。
必要に応じて軌道修正を実施することで、最終的に期限内に目標達成することが出来るのです。
本来プロジェクトには軌道修正や改善が必要であり、そのためにも進捗管理が欠かせないということです。
４ 優先順位を明確にできる
進捗管理をすればプロジェクト内のスケジュールとタスクが可視化できます。
その結果、プロジェクトを円滑に進めるために、何を優先すれば良いのかの判断がつきやすくなります。
プロジェクトの過程で新たな課題が発生した場合にも、早い段階で気づけるでしょう。
５ 軌道修正・進捗管理のノウハウが蓄積出来る
進捗管理そのものや、行った軌道修正は全てノウハウとして残ります。
問題発生時にどう対処したのか？なぜ問題が発生してしまったのか？が分かれば、今後のプロジェクト管理に役立てるでしょう。
進捗管理で失敗する要因
進捗管理を行っても、その方法に間違いがある場合には、期待するような効果が得られません。
進捗管理が失敗しやすい要因について説明しましょう。
１ 目標の設定が曖昧
プロジェクトの目標設定がはっきりとしていない場合、ゴールが見えないまま進捗管理を実施することになり、進捗管理の意味がなくなってしまいます。
目指すべきゴールを明確にしてから進捗管理を行いましょう。
プロジェクトのゴールが数値化可能なものであれば、可能な限り数字を用いた目標を立てると良いです。
２ チーム内の信頼関係不足
チーム内でネガティブな報告を避け、作業の遅れやミスを隠すようになってしまうと、進捗管理そのものが正常に機能しません。
ネガティブな報告に対してのマネージャーの対応次第で、チーム内の信頼関係が崩れ、このような事態に陥ってしまうのです。
相談・報告しやすい環境作りを行い、正しい進捗管理が実施されるようにしてください。
３ タスク完了の認識にズレがある
タスクが完了したかどうかの明確なルールがないと、メンバーはそれを主観で判断し、進捗報告を行うでしょう。
その結果、人によって進捗に違いが生まれ、進捗管理にズレが発生してしまいます。
一度生まれてしまったズレを修正するには多くの労力が必要でしょう。
４ 進捗状況が共有出来ていない
自分以外のメンバーの進捗状況やプロジェクト全体の進捗が共有できていないと、進捗管理で得られる効果は低くなってしまいます。
また共有自体は出来ていたとしても、その確認に手間がかかるような場合は、進捗状況を積極的に確認するメンバーは限られるでしょう。
情報共有ツールなどを導入して、全てのメンバーがプロジェクトの進捗を把握しやすい環境を整えてください。
進捗管理をスムーズに行うためのポイント
進捗管理を成功させるために、知っておくべきポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
１ 進捗管理のルールを決めておく
進捗率や進捗管理の方法に個人差が生まれてしまわないように進捗管理の方法をルール化します。
進捗管理は頻繁に行うものなので、より分かりやすく簡潔なルールを作るようにしてください。
また、進捗管理はメンバー全員で容易に共有出来るシステムも用意しましょう。
２ 進捗を報告しやすい環境を整える
作業の遅れなどの問題が正確に報告出来る雰囲気の職場環境を整えます。
メンバーが感じた疑問もすぐに質問出来るような環境が理想的です。
信頼関係の構築は一朝一夕で完成するようなものではありませんので、長期的に取り組む必要があるでしょう。
進捗管理の方法
進捗管理を行うには下記のような方法があります。自社に最適なものを導入するようにしてください。
①Excelを使った進捗管理
Excelでは無料のテンプレートが豊富に用意されているため、簡単に進捗管理を始められます。
多くの人が業務で日常的に利用しているソフトであるため、抵抗なく導入が出来るでしょう。
ただしデータ共有時に他のメンバーがデータを誤って上書きしてしまったり、コピーしたファイルが増えて管理が難しくなったりするなどのデメリットもあります。
②進捗管理ツールを使った管理
数多くの進捗管理ツールがあり、リアルタイムで進捗状況の共有が可能です。
さらにクラウド型のツールであれば、外出先やリモートワーク時にも進捗の確認や報告が出来るでしょう。
それぞれのツールには独自の機能などもありますが、簡単に進捗が把握できる工夫がされており、パソコンの操作に不慣れなメンバーでも扱いやすい操作性の優れたツールを選ぶといいでしょう。
まとめ
進捗管理のメリットや注意するべきポイントを紹介いたしました。プロジェクトを成功させるためには進捗管理が欠かせません。進捗管理を行えば、問題が発生した際の軌道修正も行いやすくなり、より目標達成に近づけられるでしょう。
進捗管理はメンバーで共有することでそのメリットが得られるものですので、プロジェクト管理ツールや情報共有ツールなどを活用して全メンバーで進捗を把握するようにしてください。
