世の中には数えきれないほどの営業マンがいますが、高い営業力を持った売れる営業マンは、トップセールスマンとして企業に多くの利益をもたらします。そもそも、売れる営業マンと売れない営業マンには、どのような違いがあるのでしょうか?
この記事では、売れない営業マンを売れる営業マンに変えるための取り組みや、両者の決定的な違いについてまとめました。営業マンの営業力を高めたいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。
営業力とは
営業力とは、顧客に営業をかけて商品を売り込み、継続的に利益を生み続ける力のことを指しています。その営業力を構成する能力は、次のようなものです。
人間力
人としての魅力を感じない相手と、顧客は付き合いたいとは思いません。どんなに優れた提案であっても、2度と会いたくないと感じるような相手と取引は続けられないでしょう。
人間力は元々の性格に関係する部分であり、努力だけで手に入れることは難しいですが、心から顧客の利益を考える姿勢や取り組みが人間力に繋がります。そのためには、自分に不足している知識はないか、もっと良い提案はできないかを考え、常に改善していくことが大切です。積極的に改善に取り組んでいる中で、人間力以外の営業力も徐々に身についていくでしょう。
また、人間力とは、人としての魅力とも言えます。人としての魅力は、内面の魅力です。お客様を相手にする時だけでなく、誰が相手であっても真摯に対応し、気持ちよく仕事ができるようにしましょう。ビジネスの場に限らず、日々の行動が自分の人間力を培っていきます。
技術力
営業の場で言う技術力とは、伝わりやすいプレゼンテーションが出来たり、スムーズに交渉が進められたりするなどの、営業スキルを指しています。
営業マンに求められる話し方や話の聞き方を学ぶことで向上出来る能力であり、そのほかの能力に比べて比較的身につけやすいと言えるでしょう。
トップセールスの先輩営業マンの営業活動に同行することで、お客様との接し方や話の進め方などを勉強することができます。アドバイスを求めることでも勉強にはなると思いますが、実際の営業活動の場に立ち会うことで、より実践的な学びが得られるでしょう。
知識力
営業の場では、自社商品に対する知識だけでなく、社会の流れや顧客の情報などさまざまな知識を持っていなくてはいけません。知識不足の営業マンは顧客から信頼を得られないでしょう。
また、人間は同じ知識を持っている相手に親近感を抱きやすいことから、業務上の知識に限らず、顧客の趣味の知識も習得するなどの方法で、顧客との距離を縮められる場合もあります。
つまり、営業マンには業界や商品に関する知識以外にも、幅広い知識が必要なのです。
話題になっている本はもちろん、業界関係者が執筆したコラムや情報誌、著作の本などに目を通し、自身の知識を蓄えてください。そのために、常にアンテナを張り、取り入れるべき知識がないか情報収集するようにしましょう。
思考力
思考力とは、顧客のニーズを読み取って自ら動く力のことです。顧客本人も気づいていないような潜在ニーズまで掘り下げられるようになれば、どのようなアプローチが契約につながるのかが見えてくるでしょう。
思考力を養うためには、多くの営業経験を積み重ねていく必要がありますが、一朝一夕で向上するものではありません。
すぐに取り掛かれることとしては、事前準備を行い、その中で顧客の課題とその解決策を考えることです。これもすぐに考えつくものではありませんが、継続していくことが大切です。
自社の商品やサービスの情報、顧客の情報、顧客の業界の情報などを整理し、仮説を立て、解決策としてどのように自社の商品やサービスを提案するか、このような事前準備を繰り返していくことで思考力が身についていきます。
たとえ事前に準備した提案が上手くいかなかったとしても、上手くいかなかった経験として残ります。また、そこから次に向けて事前準備を始めれば良いのです。思考力は、このように繰り返していくことで少しずつ身につくでしょう。
売れる営業マンと売れない営業マンの違い
売れる営業マンと売れない営業マンにはどのような違いがあるのでしょうか?ここでは両者の大きな違いについて説明しましょう。
違い1 時間のコントロールが出来ているか
営業マンは自分でスケジュールやタスクを管理しなくてはいけません。顧客と約束していた訪問時間に遅れたり、用意するはずだった見積書・請求書などを忘れたりすることがあると、顧客からの信頼が得られなくなってしまうでしょう。
売れる営業マンは、スケジュール管理やタスク管理はもちろん、仕事の優先順位を決めながら業務を確実に進めていきます。
違い2 伝わりやすい説明が出来ているか
回りくどい話し方や結論が伝わりにくい話し方では、顧客の心を掴むことは出来ません。話をする時には結論を最初に伝え、その結論に至るまでの過程・理由を後から説明するようにしてください。
特に質問に対して、答えを先延ばしする説明をしていると、相手に「何を言いたいのかが分からない」「結局結論は何だろう」と思われてしまう可能性があるでしょう。
他の営業マンを参考にするなどの方法で、練習を繰り返すことで身につけられる能力です。
違い3 押し売り・お願い・急かさない
利益につなげたいという気持ちが強すぎる営業では、顧客に押し売り・お願い・急かされているような感覚を与えてしまうことがあります。
売れる営業マンは、顧客の不安やニーズの解決策を提示し、顧客自身に意思決定権を委ねます。「売りたい」という気持ちを顧客に気づかせず、あくまで顧客の利益を優先させるような表情や説明、行動をしているのです。
違い4 自信のある決断が出来ているか
自信のない返答をする営業マンから商品を購入したいと考える人は少ないです。そのため、顧客からの質問が答えにくいものであった場合でも、自分の決断をはっきりと伝えることが重要です。
例えば「難しい質問ですね、判断がしにくいですね。」よりも「私は〇〇だと考えます。なぜなら、〇〇などのメリットがあるためです。しかし〇〇という懸念点があることも把握しておく必要があります。」という答えの方が自信があり、十分な知識を持った営業マンだと感じられるでしょう。
営業力を強化するために個人が取り組むべきこと
営業力を強化するために、営業マンが個人で取り組むべきことは次の3つです。
1 営業スキルを向上させる
営業力の1つである技術力、つまり営業スキルは、個人の努力で向上させることが可能です。相手に気持ちよく話をしてもらい信頼を得て、お互いの距離を短時間で縮めるようなテクニックを身につければ、多くの案件で利益につながりやすくなるでしょう。
営業スキルについては営業の場だけでなく、書籍やセミナーなどから知識を得ることが可能です。
2 常にアンテナを張って情報を集める
情報や知識は日々変化し、更新されています。そのため、今ある知識だけに固執せず、常日頃から情報収集をする癖をつけましょう。気になった疑問点は調べたり、有識者に聞くようにし、また同時にアウトプットも行うことで、手に入れた情報を自分の知識として活用出来るようになります。
3 トライ&エラーを繰り返す
実際の営業経験を積まなくては、実用的な営業力は身につきません。何度もトライ&エラーを繰り返しながら、自分の力を磨きましょう。顧客との接点が増やしにくいという方は、ロープレを行って練習を行うのもお勧めです。
失敗を改善し続けるだけでなく、契約獲得時の成功理由を振り返ることも大切です。
営業力を強化するために組織が取り組むべきこと
営業マンの営業力を強化するために、組織が取り組むべきことは次の2つです。
1 効率良く営業活動が進められる営業ツールを導入する
営業活動以外の業務に多くの時間を割く必要があったり、営業活動が非効率で無駄が多かったりする状態では、営業マンの本来の力を発揮しきれているとは言えません。また、時間が捻出できなければ、営業マンの営業力強化の妨げにもなります。営業資料の共有や商談管理機能のある営業ツールを導入し、営業活動自体を効率化させるべきでしょう。
営業ツールを導入することで、営業マンが営業活動に集中可能な環境が整えられれば、営業マンは手に入れた時間を営業力強化のために使えるようになります。営業ツールの導入には一定のコストがかかりますが、営業マンの売上が向上すれば回収可能だと言えるでしょう。
2 組織全体で営業力強化に取り組む
営業力の強化を営業マン個人だけに委ねてはいけません。個人で出来ることには限界があるからです。営業力の強化は、組織全体で取り組むことが重要です。
前述した営業ツールの導入をはじめ、商談などの営業活動のロープレをしてフィードバックを行ったり、成功事例の共有をしたりするなど、組織全体として営業力を底上げできるような施策を積極的に行っていくべきでしょう。
また、営業ツールに蓄積した顧客情報や営業活動情報を分析することで、営業活動の最適化や商品の改善を進めることもできます。多くの情報を蓄積し、分析していくには、組織全体で取り組む必要があるのです。
まとめ
営業力は、人間力・技術力・知識力・思考力で構成されており、営業マンが日々向上させるべき能力です。営業力を高めるためには、個人的な学びと情報収集の他、組織で営業マンが成長しやすい環境を用意するべきでしょう。
営業活動の効率化には、営業ツールの活用が欠かせません。自社に最適な営業ツールを導入し、自社の営業マンの営業力を強化させてください。