テレアポとは、テレホンアポインターの略で、電話を通じて顧客に営業活動を行う仕事・行為を指します。電話を利用することで、遠方の顧客や直接訪問が難しい顧客にも営業することが可能です。
しかし、無計画に電話をかけて営業するだけでは、高い成功率を得ることはできません。テレアポで新規顧客を開拓するためには、いくつかのコツがあります。この記事では、テレアポの成功率を上げるための15のコツをご紹介します。
テレアポの基本の流れ
テレアポの基本的な流れを以下に説明します。
1. 顧客リストを作成する
まず、ターゲットとなる顧客リストを作成します。
2. 顧客に電話をかける
リストの顧客に電話をかけていきます。相手が企業の場合は、担当者に繋いでもらいます。
3. 商品・サービスを説明する
電話で商品やサービスの説明を行います。
4. クロージングトーク
説明後、クロージングトークで顧客の興味を引き、成約に近づけます。
5. アポイントを取得する
クロージングトークが成功したら、アポイントを取得します。
6. 訪問して直接説明・契約
アポイントの日時に顧客を訪問し、直接説明を行い、契約や購入につなげます。
この流れは、相手が個人であれ企業であれ変わりません。
テレアポの成功率を上げるコツ
テレアポのテクニック
テレアポは簡単にアポイントが取れるものではありません。顧客が自社の商品やサービスを必要としていない場合はもちろん、電話対応をする時間がない、電話対応を面倒に感じているなどの理由で、商品やサービスの話に持ち込むことすらできないことも多いでしょう。
しかし、テレアポの成功率は、コツを知っているかどうかで大きく変わります。ここからは、テレアポの成功率を上げる具体的なコツをご紹介します。
コツ① 事前調査をする
営業相手が個人の場合は情報入手が難しいですが、企業相手にテレアポを行う際には必ず事前調査を行いましょう。事前調査で確認しておきたい点は以下の2点です。
- 過去にその企業が導入した類似商品やサービス
- その企業が抱えている課題やニーズ
これらの情報が手に入らない場合は、ウェブ検索を使って相手企業の業務内容だけでも理解しておいてください。
コツ② 落ち着いたトーンで話す
電話対応では、緊張や焦りから早口や不自然なほど高い声になってしまうことがあります。確かに相手に聞き取りやすいようにハキハキと話すことは大切ですが、違和感を感じるほどの作り声は良くありません。特に、不快感を抱かれないように話すスピードに注意し、ゆっくりと落ち着いたトーンで話すことを心がけましょう。
コツ③ 時間帯・タイミングを相手に合わせる
どんなに魅力的な提案でも、顧客が忙しい時間帯にアプローチしてしまうと、話を聞いてもらうことすら難しくなります。ターゲットの活動パターンを想定し、電話をかける最適な時間帯やタイミングを計りましょう。電話をして相手が不在だった場合には戻り時間を聞き、次回の電話はその時間帯に行うようにしてください。
コツ④ 自分から名乗る
自分から名乗らない電話は、どのような内容であっても印象が悪くなります。テレアポで一度悪い印象を受けてしまうと、次のステップに進むことは非常に難しくなるでしょう。通常の電話と同様に、テレアポでも自分が最初に名乗ることは守らなくてはいけない基本事項です。電話がつながったら、まず丁寧な挨拶をし、自分の会社名と名前を伝えましょう。
コツ⑤ 簡潔に説明する
テレアポで自社の商品やサービスの魅力をすべて伝えたいと考えてしまう方もいますが、テレアポは顧客に最終決定を促すためのものではありません。
アポイントの取得がテレアポの目的であることを再認識し、顧客に「もっと詳細な情報を聞きたい」という気持ちになってもらうためのトークを行いましょう。相手によって導入時に知りたいと感じる情報が異なるため、臨機応変に説明内容を調整する必要があります。
コツ⑥ メリットを伝える
誰もがメリットを感じられないもののために時間を割こうとは思わないものです。紹介する商品やサービスを使うことで、顧客にどのようなメリットがあるのかを簡潔かつ明確に説明しましょう。例えば「郵送費を20%削減できる」「サイト集客率を10%向上可能」など、数字を使ったシンプルなメリットを伝えるようにしてください。
コツ⑦ セールス感が出ない言葉選びをする
「ご提案」「販売」「お得」「期間限定」など、セールス感が強い言葉に対して、多くの人は拒否感を抱きます。テレアポでは、押し売りのようなイメージを与える言葉を使わないように注意しましょう。
コツ⑧ 主観的な表現は使わない
事実だとしても、自分が提案する商品やサービスに対して「多くのお客様に喜んでいただいています」「本当に素晴らしい商品なんです」などの主観的な表現は避けるべきです。そうした主観的な意見は、顧客に「押し売り」や「売り込み」といった印象を与えてしまいます。テレアポでは客観的な表現のみを使用し、相手に説得力があるトークだと感じてもらうようにしましょう。
コツ⑨ 沈黙を怖がらない
電話中や会話中の沈黙に恐怖を感じる方は多いですが、テレアポでは相手のペースに合わせた話し方を心がける必要があります。沈黙を埋めるために一人で話し続けてしまうと、それを不快に感じる顧客が多いです。相手の反応を見ながら、相手のペースに合わせたトークができるようにしましょう。
コツ⑩ 断られる要因を自分から作らない
社内や取引先に電話をする際、「今お時間よろしいでしょうか?」と相手の状況を確認することが習慣化されていると思いますが、テレアポでこの言葉を使ってしまうと、相手に電話を断る要因を与えてしまいます。テレアポではこのような表現は使用せず、「お忙しいところ失礼します」という簡潔な表現を用いましょう。
コツ⑪ 相手との距離を縮める
テレアポで営業を受ける顧客は、顔も見えない相手の話を聞くことになります。「見知らぬ相手」という不信感を顧客に与えないために、お互いの共通点を見つけて距離感を縮めると良いでしょう。共通点は出身地や趣味など、提案内容に関係のないもので構いません。
コツ⑫ トークスクリプトを相手に合わせて変化させる
マニュアル通りのトークは機械的な印象を与え、相手に煙たがられてしまう恐れがあります。他の相手にもしている対応を行っていると感じられないように、顧客の情報を交えながら相手に合わせてトークスクリプトを変化させてください。例えば、顧客企業の最新情報を確認し、新商品や新サービスについての話題を含めたトークを行えば、話が盛り上がりやすくなるでしょう。
コツ⑬ 仮説ベースで話す
一般的に、人は「絶対」「100%」と言い切られると、安心感ではなく不信感を感じるものです。どんなに顧客のニーズと一致している提案だとしても、仮説ベースで説明を行いましょう。「このサービスを使えば絶対に売り上げが上がります」ではなく、「このサービスが売り上げ向上に役立つかもしれません」と、言い切るのではなくオブラートに包んだ表現を使うと良いです。
コツ⑭ 導入事例を紹介する
顧客に商品やサービスのメリットが伝わった場合でも、導入後の状態が想像しにくいことがあります。しかし、導入事例を紹介することで、顧客はより具体的に導入後の状態をイメージしやすくなり、商品やサービスを信頼できるようになります。顧客と環境が似ている事例を紹介すると、より高い効果が期待できます。
コツ⑮ クロージングを工夫する
クロージングはアポイントを取るために行いますが、相手と会う約束を取り付けたいからといって、「明日ご説明に伺ってもよろしいでしょうか?」という尋ね方をしてはいけません。このような表現では、自分の都合を相手に押し付ける形となり、相手にアポイントを断るチャンスを与えてしまいます。「月曜日と火曜日であればどちらの方がお時間が取りやすいでしょうか?」など、相手に「Yes」「No」以外の選択肢を与える尋ね方をしましょう。
まとめ
テレアポで新規顧客を開拓するために知っておくべき15のコツを紹介しました。このコツを実践すれば、テレアポの成功率を高めることができるでしょう。コツを完全に習得するためには経験が必要ですが、慣れるまではシミュレーションを行い、万全の準備をすることが重要です。
また、営業活動の情報は営業ツールなどを使って管理することで、テレアポ後のアフターフォローに漏れが発生することも防げます。テレアポのスキル向上と併せて、営業活動全体の効率化を考えることが大切です。