営業活動は、相手先にアポイントを取って訪問するところから始まります。この初回のアポイントを取る手段として、多くの場合に活用されるのが電話です。この電話によるアポイント取得業務は、一般的に「テレアポ」と呼ばれます。
テレアポを成功させるためには、情報や話術が重要ですが、それだけでは不十分です。電話をかける時間帯や時期といったタイミングも、テレアポの成功を大きく左右します。
そこで今回は、テレアポが成功しやすい時間帯や時期について解説します。これを参考に、テレアポの成功率を向上させましょう。
テレアポの成功率と時間帯
テレアポ成功の第一の壁は「担当者と繋がること」
テレアポを成功させるためには、まず電話が担当者と繋がる必要があります。担当者に繋がらなければ、営業活動は進まず、時間と労力が無駄になってしまいます。
一般的な企業の業務時間は9時から17時です。この時間帯に電話をかけることで、担当者に繋がる可能性が高くなります。しかし、単にこの時間帯に電話をすれば良いわけではなく、さらに細かいタイミングを見極めることで、テレアポの成功率は大きく向上します。
テレアポ成功の第二の壁は「話を聞いてもらうこと」
電話が担当者に繋がったとしても、話を聞いてもらうことができなければ、アポイントの取得には繋がりません。「今は忙しいから」「また今度」などと言われると、せっかくのチャンスを逃してしまいます。
そのため、9時から17時の間でどのタイミングで電話をかけるか、また1年のうちどの時期に行うかを考えることが重要です。忙しい時間帯や休憩中に電話をかけても、話をじっくり聞いてもらえる可能性は低くなります。テレアポの成功には、ビジネスマナーを守り、相手の状況を考慮したタイミングが大切です。
次に、具体的に避けた方が良い時間帯や時期について説明します。
テレアポを避けた方が良い時間帯・時期
一般企業の業務時間である9時から17時の間でも、テレアポを避けた方が良い時間帯や時期があります。「相手が今どのような状況か」を考えれば、自然と適切なタイミングが見えてきます。以下の時間帯・時期のテレアポは避けるようにしましょう。タイミングの悪いテレアポは、相手先に悪印象を与える可能性があります。
1. 始業時
始業直後は業務の準備やミーティングなどで忙しい時間帯です。このタイミングでテレアポを行っても、相手に話を聞いてもらえる可能性は低く、「迷惑な営業担当」という印象を与えてしまうかもしれません。始業直後のテレアポは避けましょう。
2. お昼時
お昼時（12時〜14時）は、多くの会社員が休憩を取っている時間帯です。この時間帯にテレアポをしても、電話が繋がらなかったり、相手の休憩時間を妨げてしまう恐れがあります。また、飲食店の場合は、ランチタイムやディナータイムが忙しいため、テレアポは避けるべきです。
3. 終業時
終業1時間前から終業時間にかけては電話が繋がりやすい時間帯ですが、相手が退社準備をしている時間でもあります。このタイミングでテレアポをかけても、しっかりと話を聞いてもらうのは難しく、早く帰りたいと感じている相手にとっては迷惑になることもあります。終業時間帯のテレアポは避け、翌日に電話をかけるようにしましょう。
4. 業務時間外
企業の業務時間外のテレアポも避けるべきです。残業中の社員は目の前の業務に集中しており、営業電話を聞く余裕がないことが予想されます。業務時間外の電話は繋がりにくく、空振りに終わることが多いでしょう。テレアポは、企業の業務時間内に行うことが基本です。
5. 繁忙期
企業や業界には繁忙期があります。この時期にテレアポを行っても、話を聞いてもらえる可能性は低く、営業担当者の印象を下げてしまうかもしれません。事前に相手先の繁忙期を把握し、その時期を避けてテレアポを行うことが大切です。
業界別繁忙期の例
- 不動産業界：12～3月
- 保険業界：2～3月
- 引越し運送業界：2〜4月
- ウエディング業界：4～5月、10～11月
- 旅行業界：3月、7～8月、12月
- 会計税務業界：3月、9月
- 飲食業界：3月、4月、12月
テレアポが成功しやすい時間帯・時期
テレアポを成功させるためには、「相手に余裕があり、忙しくないタイミング」を狙うことが重要です。業種によってもそのタイミングは異なるため、相手先の状況をよく考慮し、適切なタイミングを選びましょう。
ここでは、一般的にテレアポが成功しやすいとされる時間帯・時期について解説します。
1. 始業から1時間程度経過した午前中
テレアポの成功率が高い時間帯は、「相手企業の始業後1時間ほど経った午前中」です。この時間帯では、始業後の業務が落ち着いていると予想されます。また、午前中であれば、相手先の担当者が外出せず会社にいる可能性が高く、繋がりやすいです。
午前中にテレアポが成功すれば、相手のスケジュール次第で、その日中に訪問できる可能性もあります。即日訪問が実現すれば、営業活動が大きく前進します。
2. 飲食店ならランチ後・ディナー前
飲食店にテレアポをする場合、ランチタイムが終わった後やディナータイムの前が狙い目です。これらの時間帯は客足が落ち着いているため、話をゆっくり聞いてもらえる可能性が高まります。ただし、繁忙期には注意が必要です。
一般企業に対しても、14時〜16時は業務が落ち着く時間帯であるため、この時間帯のテレアポも有効です。
3. 閑散期
閑散期のテレアポも成功しやすい傾向にあります。繁忙期とは異なり、業務に余裕があるため、相手が話を聞く時間を持ちやすいからです。業界によって閑散期は異なるので、事前に把握しておくと良いでしょう。
業界別閑散期の例
- 不動産業界：7〜8月
- 引越し運送業界：1月
- ウエディング業界：7〜8月、1〜2月
- 旅行業界：1〜2月（年始以外）、4〜5月（GW以外）、6月
テレアポを成功させるための心構え
1. ポジティブな姿勢を持つ
テレアポでは断られることも多いため、精神的な辛さに対処するためにポジティブな姿勢が重要です。ポジティブな言葉遣いは相手に好印象を与え、信頼関係を築く助けになります。断られても次へのステップと考え、改善点を見つけて次回に活かす姿勢が求められます。
2. 失敗を恐れず挑戦する
テレアポで成功するには、失敗を恐れず挑戦することが大切です。失敗は成功への過程であり、そこから学びを得ることでより良い方法を見つけられます。新しい言葉遣いやトークを試す、新しい顧客層にアプローチするなど、挑戦を続けることでスキルアップが図れます。
3. 仲間と切磋琢磨する
テレアポは一人で取り組むのが難しい業務です。仲間と情報交換し、経験を共有することでノウハウを深め、モチベーションを維持できます。チームで取り組むことでお互いに励まし合い、テレアポの成功に向けて共に成長していくことができます。
まとめ
時間帯や時期を考慮することで、テレアポの成功率は大幅に向上します。相手に良い印象を与え、効果的なアプローチを行うためにも、テレアポのタイミングを見極めることが大切です。
逆に、タイミングを見誤ったテレアポは、相手に悪印象を与えるリスクがあります。相手の立場に立ち、忙しくないタイミングを選ぶことが重要です。
さらに、テレアポの成功率を上げるためには、セールスイネーブルメントツールの活用もおすすめです。これらのツールでは、「相手先に送った営業資料や動画が見られたか」や「どの部分が注目されたか」を可視化することができ、それをもとにより効果的なアプローチが可能になります。テレアポや営業活動の成功率を上げるために、セールスイネーブルメントツールの導入を検討してみてください。