同じ企業に所属し、同じ教育を受け、同じ商品を販売している営業マンであっても、多くの成約を獲得するトップセールスマンと、そうでない普通の営業マンに分かれます。多くの企業では、トップセールスマンが活躍し、営業部を支えています。
この記事では、トップセールスマンの共通点と、トップセールスマンと普通の営業マンの違いについてまとめました。自分がトップセールスマンを目指したい方はもちろん、トップセールスマンを育成したいと考えている方も、ぜひ参考にしてください。
トップセールスマンの共通点
トップセールスマンには、扱う商材が違っていても、いくつかの共通点が存在します。その共通点を知ることで、トップセールスマンに近づく方法が見えてくるでしょう。
1. 清潔感がありトップセールスマンらしい外見をしている
トップセールスマンは外見を整える努力を怠りません。初対面の相手は人を見た目で判断するものだからです。
髪・爪・男性は髭などをしっかり手入れし、靴・鞄・服装や時計は「稼いでいるトップセールスマン」というアピールができるブランド品をさりげなく取り入れます。
稼ぎが良いということは、顧客に「成果の出る提案をする営業マン」という印象を持ってもらいやすくなるためです。自分は見定められているという意識を持ち、仕事の前から身だしなみを整えているのです。
2. 絶対に約束を守る
トップセールスマンは、仕事で交わした約束をどんな些細なことでも守ります。顧客から依頼された追加の資料や質問に対しての回答を忘れることはありません。たとえ直接利益に結びつかない約束でも、必ず守っているのです。
また、約束に対して自ら期限を設けるのもトップセールスマンの特徴です。例えば、顧客から追加の資料を請求された際に「かしこまりました。明日の17時までに資料を提出いたします」と自分から期限を決めて伝えます。
早めの期限を設定し、明確な期限をすぐに提示することで、顧客は「優遇されている」「優先して対応されている」と感じるでしょう。
3. 目標達成に対して強い執着心を持ち道筋を整理している
トップセールスマンは目標達成に対して強い執着心を持ち、目標達成までの道筋を先に整理しています。ただ闇雲に進むのではなく、ゴールまでの道のりを明確にした上で、正しい方向へ着実に前進していくのです。道筋を明らかにすることでスケジュールが組み立てやすくなり、定期的に目標に対して何が不足しているのかを確認することで、取り組むべき事柄も分かりやすくなるでしょう。
トップセールスマンは、目標達成のために必要な受注件数、1件の受注のために必要な提案件数、提案に行くために必要なヒアリング件数、ヒアリングのために必要な初回面談の件数などを逆算し、自分がアプローチすべき顧客の数を把握しています。
4. 常に新しい知識を吸収している
トップセールスマンは業務中や私生活でも、常に役立つかもしれない新しい知識を吸収することを怠りません。
上司や先輩の成功事例を真似したり、客先で聞いたことやニュース、最新情報などをすべて吸収し、自分の知識にしています。一見業務に直結しないような事柄でも、顧客との会話を弾ませるために役立つ可能性があります。
5. フィードバックを受け取って次に繋げている
トップセールスマンであっても、毎回商談を成功させているわけではありません。商談がうまく進まなかった場合は、可能な限りその理由を聞き、今後の営業を改善しています。
また、成約済みの顧客からも、提案書や企画書に分かりにくい部分がなかったかなどフィードバックを求めます。評価を恐れずに積極的に動く姿勢が、トップセールスマンが常に成長を続ける理由だと言えるでしょう。
6. 用意周到に十分な準備を行っている
トップセールスマンは商談の前にさまざまな状況を想定し、対策を用意しています。
「ライバル社の営業と比較されるかもしれない」「導入事例を見せて欲しいと言われるかもしれない」「回答しにくい角度からの質問がくるかもしれない」など、起こり得るさまざまな可能性を想定し、必要な資料や返答を準備しています。
一見すると、その場で臨機応変な対応をしているように見えるトップセールスマンですが、実際には用意周到な準備を済ませた上で商談に臨んでいるのです。
トップセールスマンと売れない営業マンの違い
トップセールスマンの共通点を説明しましたが、トップセールスマンと売れない営業マンにはどのような違いがあるのでしょうか。違いを理解し、営業マンが取るべき行動を考えてみましょう。
1. 顧客によって態度を変えない
顧客の会社の規模や役職によって態度を変える営業マンは、トップセールスマンにはなれません。「今日は大手企業への営業だから資料を作り込んだ」「社長とのアポが取れたから本気を出す」というような営業スタイルでは、顧客から信頼を得ることは難しいでしょう。
もちろん、顧客の企業規模や役職によって効果的なアプローチを考えるのは優れた営業手法ですが、肩書きで態度を変えるような行動は避けるべきです。
2. 決めつけない・仮説を持って動く
顧客のニーズは一人一人異なりますが、多くの顧客と接しているうちに、顧客のニーズを決めつけてしまう営業マンがいます。「こういう顧客のニーズはこれに決まっている」と考えてしまうと、顧客の本当のニーズに気づけなくなります。
いくつもの仮説を持ち、仮説をもとに行動することで、顧客のニーズを探りながら、最適な提案ができるでしょう。
3. 説得力がある話し方ができる
トップセールスマンは、常に数字を使った明確なデータに基づいて話し、考えています。
例えば、「このツールを導入すると売上が上がります」という提案よりも、「ツールの利用で売上が10%程度向上した企業が100社以上あります」と説明した方が、顧客にとってはずっと説得力があります。
顧客への提案時だけでなく、日常的に数字を使った考え方が身についていれば、常に状況を正しく把握できるでしょう。
4. 相手に伝わりやすい話し方をしている
顧客よりも営業マンの方が商品について詳しいのは当然のことです。しかし、営業マンの中には、自分の知識を誇示するために難しい言葉を使い、商談で主導権を握ろうとする人もいますが、これでは顧客に良い印象を与えません。
トップセールスマンは専門用語を避け、誰にでも分かりやすい言葉を使って商談を進めます。相手に話の内容が伝わらなければ、商談が成功することはないでしょう。
5. 顧客の話を聞くことを重要視する
顧客との会話において重要なのは、自分がどれだけ多く話すかではなく、顧客にたくさん話してもらい、信頼関係を築くことです。顧客の話の中からニーズを探ることが、優れた営業の基本です。
商品のアピールに固執して営業マンが一方的に話してしまうと、顧客の求めているものが見えなくなり、正しいアプローチができなくなってしまいます。優れたトップセールスマンは、聞き役に徹することが上手であり、決して一方的に話し続けることはありません。
6. メリットだけでなくデメリットやリスクの説明もする
成約が欲しいばかりにメリットばかりを話す営業マンは、後々大きな問題に発展する可能性があります。
どのような商品にもデメリットやリスクが存在するものです。顧客との信頼関係を築くためには、商材のデメリットやリスクについても十分に説明することが必要です。
まとめ
トップセールスマンの共通点と、普通の営業マンとの違いについて説明しました。トップセールスマンが実践していることは、特殊な才能を持った人だけができるわけではありません。確かに努力は必要ですが、毎日の積み重ねによって、誰もが実現可能な事柄ばかりです。トップセールスマンの共通点を理解し、多くの成約を獲得できる優れた営業マンを目指してください。