飛び込み営業は時代遅れ?その理由と注目されるインサイドセールスについて徹底解説

飛び込み営業は、古くから行われてきた営業手法の一つです。特にインターネットが普及する前は、飛び込み営業が主流であり、営業担当者は多数の訪問先を回って売り込みを行う、いわゆる「足で稼ぐ」形で営業活動を行ってきました。

しかし、近年ではこの飛び込み営業という手法は時代遅れとされ、主流はインサイドセールスへと移りつつあります。

そこで今回は、飛び込み営業が時代遅れとされる理由や、インサイドセールスのメリットについて詳しく解説します。

目次

飛び込み営業とは

飛び込み営業とは、アポイントメントを取らずに会社や店舗、個人宅へ訪問し、取り扱っている商品やサービスを売り込む営業手法です。

飛び込み営業のメリットとしては、顧客と対面で話すことで、場合によっては初回から信頼関係を築いたり、商談を行えたりする可能性がある点が挙げられます。このため、現在でも飛び込み営業を続けている企業は少なくありません。

しかし、事前のアポイントメントなく訪問することで、相手に警戒されやすいというデメリットもあります。相手の警戒心を和らげ、話を聞いてもらうためには、営業担当者は身だしなみや振る舞い、会話に気を配り、相手に良い印象を与えるよう工夫することが求められます。

飛び込み営業が時代遅れとされる理由

飛び込み営業は古くから採用されてきた営業方法ですが、近年、その数は減少傾向にあります。これは、飛び込み営業が「時代遅れ」と見なされるためです。飛び込み営業が時代遅れとされる理由は、主に以下の4つです。

理由1: 営業効率が悪い

飛び込み営業では、「契約件数=訪問数×成約率」となるため、営業担当者はできるだけ多くの訪問をこなします。しかし、アポイントメントがないために話を聞いてもらえない、あるいは聞いてもらっても断られることが多く、契約を取るには多くの時間と手間がかかります。

つまり、飛び込み営業は「数を撃てば当たる」という考えに基づいており、営業効率が悪いのです。業務の効率化が重視される現代において、営業活動でも効率化が求められており、効率の悪い飛び込み営業をやめる企業が増えています。

理由2: 営業担当の負担が大きい

飛び込み営業では、訪問先で断られることが多く、営業担当者にとって心理的・体力的負担が大きいです。

アポイントメントなしの訪問は、相手に警戒感を与えやすく、時には強い言葉で拒絶されることもあります。また、訪問件数を増やすには体力が必要ですが、件数を稼いだからといって必ずしも契約が取れるわけではありません。

営業担当者に過度な負担がかかる点からも、飛び込み営業は時代遅れの手法と見なされています。

理由3: 相手の迷惑になる可能性がある

アポイントメントなしで訪問する飛び込み営業は、相手に迷惑をかける可能性があります。忙しい時に訪問されて対応を迫られたり、必要のない製品の提案に時間を取られたりすると、相手の業務が滞ってしまう可能性があります。その結果、営業担当者に対する印象が悪くなり、契約に結びつけることが難しくなります。

アポイントメントなしに訪問すること自体が、ビジネスマナーに反するという考えもあります。

理由4: インターネットの普及

近年では、インターネットが普及し、それを利用したビジネスが主流となっています。さまざまなビジネスツールも登場し、業務に活用されています。

営業活動においては、メールやチャット、オンラインミーティングツール、営業支援ツールなどが普及し、インターネットを通じて営業を行うことが可能になりました。新規顧客を開拓するためにわざわざ直接訪問する必要がなくなり、インターネットを介してリモートで相手にアプローチできるようになっています。

このようなインターネットの普及により、直接訪問して確率の低い飛び込み営業を行う必要性は次第に薄れています。

近年注目されるインサイドセールス

近年注目されている営業手法に、インサイドセールスがあります。

この注目の背景には、インターネットの普及が影響していますが、特に大きな影響を与えたのは新型コロナウイルスの流行です。コロナ禍において人と直接会うことが避けられる中、直接会わずに営業活動が行えるインサイドセールスが積極的に採用されるようになりました。反対に、コロナ禍の影響で、アポイントメントなしで直接訪問する飛び込み営業は敬遠されるようになりました。

さらに、企業間の競争が激化する中で、業務効率化に取り組む企業が増えたこともインサイドセールスの注目理由の一つです。営業活動の効率化を図るため、飛び込み営業や訪問営業よりも効率の良いインサイドセールスが注目を集めています。

インサイドセールスとは

では、前章で触れたインサイドセールスとは、どのような営業手法なのでしょうか。

インサイドセールスとは、各種マーケティング施策によって獲得した見込み顧客(リード)に対し、非対面で行う営業活動のことを指します。逆に、飛び込み営業や訪問営業など、直接顧客のもとを訪れて行う営業活動は、フィールドセールスと呼ばれます。

近年では、インターネットやWebツールの普及により、インサイドセールスの手段も多様になりました。例えば、以下のような手段による営業活動がインサイドセールスに該当します。

  • メール
  • 電話
  • オンライン商談
  • チャット
  • Webツール など

インサイドセールスでは、これらの手段を用いて情報提供やニーズ把握を行い、見込み顧客とコミュニケーションを取り、そのニーズを顕在化させていきます(リードナーチャリング)。そして、購買意欲が高まった段階でフィールドセールスに引き継ぐことで、確度の高い商談を実現します。

インサイドセールスのメリット

では、注目されるインサイドセールスのメリットとは何でしょうか。ここでは、インサイドセールスに期待できる3つのメリットをご紹介します。

メリット1: 営業の効率化

インサイドセールスでは、広告やセミナー、資料請求など、各種マーケティング施策によって獲得した見込み顧客(リード)に対し、メールや電話でアプローチを行います。商品への興味が不明な飛び込み営業とは異なり、商品に興味のある顧客に対してのみアプローチを行うため、効率的な営業活動が可能です。

このアプローチでは、売り込みに偏らず、見込み顧客のニーズに応じた情報提供を行い、相手の購買意欲を育てていきます。これにより、購買や契約の確度を高めることが可能です。

メリット2: 最適な分業が可能

前述の通り、インサイドセールスはマーケティングによって獲得した見込み顧客に対しリードナーチャリングを行い、その購買意欲を高めます。そして、購買意欲が高まった段階でフィールドセールスに引き継ぐことで、確度の高い商談を可能にします。

つまり、マーケティングからインサイドセールス、フィールドセールスへと、営業活動が分業化されています。それぞれの担当者が分業された各業務を確実にこなすことで、営業担当者への負担が過度に大きくなることを防ぎます。

メリット3: 属人化の解消・標準化の実現

従来の営業活動では、人によってスキルが異なり、属人化しやすい点が課題でした。しかし、インサイドセールスではトークスクリプトやテンプレート、マニュアルを活用できるため、人によって営業スキルや成果に大きな差が生じにくくなります。これにより、経験の浅い新入社員や転職者でも迅速にスキルを習得することが可能です。

このように、インサイドセールスはフィールドセールスに比べ、業務の標準化が実現しやすいというメリットもあります。

飛び込み営業とインサイドセールス

前述の通り、飛び込み営業だけで営業活動を行うのは非効率です。直接相手先を訪問するフィールドセールスを成功させるには、インサイドセールスと連携し、適切なタイミングを狙う必要があります。

ここで重要となるのは、インサイドセールスからフィールドセールスへ繋ぐタイミングです。インサイドセールスによって見込み顧客の購買意欲が最大限に高まったタイミングでフィールドセールスに繋ぐことが基本です。リードナーチャリングが十分でない段階でフィールドセールスに繋ぐと、成約の機会を逃してしまう可能性があります。このタイミングの見極めは、インサイドセールスとフィールドセールスの双方にとって非常に重要です。

さらに、このタイミングを測るためには、見込み顧客の情報を一元管理し、その行動を可視化できるツールの導入が効果的です。行動を可視化することで、購買意欲が高まったタイミングを正確に把握することができます。これらの機能は、MA(マーケティングオートメーション)ツールなどの営業活動を支援するツールにも搭載されています。

まとめ

アポイントメントなしで直接訪問する飛び込み営業は、効率の悪さや社会的背景の影響から時代遅れの手法とされ、採用する企業は減少傾向にあります。その代わりに注目され、採用されているのがインサイドセールスです。見込み顧客に非対面の手段でアプローチし、その購買意欲を高めるインサイドセールスは、効率的な営業活動に欠かせない手法となっています。

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