問い合わせ対応を効率化する方法とは?FAQページの導入事例も紹介

コールセンターやヘルプデスクなどの問い合わせ対応部署は、企業にとって重要な役割を担っています。問い合わせ対応を効率化することは、コストを削減しつつ安定した応対サポートを提供するうえで欠かせません。

本記事では、問い合わせ対応を効率化する方法を解説しています。FAQページの導入事例も紹介するため、自社の問い合わせ対応業務を最適化したい方はぜひ参考にしてください。

目次

問い合わせ対応業務の課題

コールセンターやヘルプデスクなどの問い合わせ対応部署が抱える課題点は、どのような業種の企業にもおおむね共通しています。

・問い合わせの件数が多い
・応対にスピードが求められる
・応対品質にばらつきがある

課題を整理し改善につなげるために、以下で詳しく解説します。

課題1 問い合わせの件数が多い

問い合わせ件数が多いことは、ほとんどの企業が抱えている問い合わせ対応業務の問題点です。件数の多さが業務を圧迫し、担当者一人ひとりの負荷が高まることで効率や応対品質を低下させています。

問い合わせ件数の増加は、主に以下の原因によって発生します。

・デジタル化にともなうサービス内容の高度化・複雑化
・問い合わせチャネルの多様化
・顧客への情報提供不足

特に、公式ホームページにおいての情報提供が不十分な場合、同じような内容が複数件寄せられる事態が発生します。増加する問い合わせに対し、応対品質を保ちつつ限られた人員で対応するためには業務の効率化が必要不可欠です。

課題2 応対にスピードが求められる

迅速な課題解決が顧客満足度に直結するため、問い合わせ対応はスピードが命です。特に近年はSNSやチャットの普及により、顧客は即時性のあるコミュニケーションに慣れているため、スピーディな応対を「当たり前品質」として捉える傾向があります。

問い合わせ数が増加すると、当然ながらサービス提供のスピードが鈍化します。結果として顧客を待たせてしまうと、以下のような事態を招くでしょう。

・同じユーザーから何度も問い合わせが寄せられる
・商品・サービス購買の機会損失につながる
・課題解決ができないことで業務が停滞する

このような事態を防ぎ、顧客・社内双方にとって望ましい環境を構築するためには、問い合わせ業務の改善が欠かせません。

課題3 応対品質にばらつきがある

オペレーターの応対品質にばらつきが生じることも、問い合わせ業務の課題です。「オペレーターによって回答が異なる」「知識不足により間違った案内が提供される」という事態が発生すると、企業の信頼問題にも直結します。

応対品質にばらつきが出てしまう理由は、主に以下のようなものが挙げられます。

・オペレーター育成が十分にできない
・ナレッジが属人化している
・オペレーター不足により丁寧な応対を提供できない

応対品質のばらつきは顧客満足度の低下を招き、企業の売上向上を阻害する非常に深刻な問題です。誰が応対しても安定したクオリティを維持するためには、情報やナレッジをシステマチックに管理し業務改善を行うことが重要です。

問い合わせ対応を効率化する方法

問い合わせ対応を効率化することで、コスト削減や生産性向上などさまざまなメリットを享受できます。代表的な施策例は以下のとおりです。

・マニュアルを整備する
・アウトソーシングを活用する
・チャットボットを導入する
・FAQページを設置する

活用のポイントもあわせて解説します。

方法1 マニュアルを整備する

問い合わせ業務を効率化させるためには、業務改善に役立つ知識(ナレッジ)を蓄積してマニュアルに落とし込むことが効果的です。マニュアルを整備することで、誰でも安定したクオリティの応対ができ、対応の均一化を図ることができます。

マニュアルを参照すれば新人オペレーターも自力で応対ができるため、先輩社員へ質問をしたり指示を仰いだりする手間も削減できるでしょう。問い合わせ内容の傾向やベテランスタッフの応対例も含めてマニュアル化することで、社内における業務研修にも活用できます。

マニュアルの整備には、蓄積した情報を文字に起こし、部署全体で共有する作業が必要です。適切に運用するための体制整備や研修、定期的なアップデートも欠かせません。

完成度の高いマニュアルを作成するには、相応の時間と労力を要することを見越しておく必要があります。

方法2 アウトソーシングを活用する

問い合わせ業務の改善には、アウトソーシングを活用する方法もあります。問い合わせ対応部署の業務量が多すぎたり、本来の業務と兼任している担当者がいたりする場合はアウトソーシングするメリットが特に大きいといえます。

外部委託のコールセンターやヘルプデスクは業務の繁閑に左右されないという特徴もあります。どのようなときでも一定した応対品質を保てるため、顧客・従業員満足度が大幅に向上するでしょう。

問い合わせが特定の時期に集中する場合も、アウトソーシングは柔軟な体制変更が可能なため高い費用対効果が見込めます。

一方で、アウトソーシングの活用には以下のようなデメリットもあります。

・情報漏えいのリスクがある
・委託業者へ情報を共有するため、別途マニュアル作成が必要になる
・アウトソースを管理する業務が発生する

外部委託のメリット・デメリットを踏まえ、業務を部分的にアウトソーシングする企業も増加しています。

方法3 チャットボットを導入する

チャットボットとは、顧客からの質問に回答してくれる自動会話プログラムです。よくある質問をチャットボットに誘導できれば、大幅な問い合わせ削減が見込めます。
コールセンターやヘルプデスクにおいて業務効率化を図る手段として、チャットボットの導入は有益です。

チャットボット導入の主なメリットは以下のとおりです。

・対応を均質化できる
・オペレーターの負担を軽減できる
・24時間365日対応できる

ただし、チャットボットはデータをもとにした回答を提供するものであり、すべての問い合わせをさばくことはできません。また、適切な回答を提供できるようになるまでには膨大なデータ・学習量が必要になるため、導入にある程度の手間がかかります。

方法4 FAQページを設置する

よくある質問へ自動的に回答を提供する「FAQ」は、今や企業にとってなくてはならない定番コンテンツです。課題の自己解決を促す手段として、最も有効なコンテンツのひとつになります。

FAQページは顧客と社内双方にとって、以下のようなメリットがあります。

<顧客におけるメリット>
・いつでも即座に疑問を解決できる
・キーワード検索やカテゴリ検索ができるため探している情報を見つけやすい
・「問い合わせる」ための手間をかけなくて済む
<社内におけるメリット>
・問い合わせが削減できる
・検索エンジン経由でアクセスが見込めるため、Web集客につながる
・利用分析によりナレッジを蓄積できる

すでに現時点でFAQページを設置しているにもかかわらず効果を感じられない場合、FAQの改善が必要な可能性があります。以下の項目を確認し、不十分な点があれば改善策を探ることをおすすめします。

・探しているFAQを見つけやすいか
・FAQで課題の自己解決ができるか
・定期的にFAQがアップデートされているか

ユーザビリティの高いFAQページに改善するために、運用しやすいFAQシステムの導入を検討することも大切です。

FAQページの導入事例

FAQページを効率的に運用するためには、使い勝手の優れたFAQシステムを導入することが大切です。ここではFAQシステムを導入し、問い合わせ業務の効率化に成功した3社の事例を紹介します。

クレジットカード会社|会員数の増加にかかわらず入電量を減少

ある大手クレジットカード会社は、新たなFAQシステムの導入によって、会員数が増加するなかでも入電数を削減することに成功しました。

<抱えていた課題>
・会員数の増加やキャッシュレス決済に伴う利用金額の増加によって、コンタクトセンターへの入電量が増加
・FAQの運用ルールが曖昧なことによるシステムの形骸化
<FAQシステム導入の成果>
・FAQページのアクセス数が2倍に増加
・入電数が20%減少
・顧客ニーズの可視化によるサービス改善

コンサルティング会社|問い合わせ数を半分以下に削減

あるコンサルティング企業は、FAQシステムの導入によってメール・電話での問い合わせ数を55%削減することに成功しました。

<抱えていた課題>
・電話やメールで寄せられる問い合わせ管理の煩雑化
・一方的なコミュニケーションや受動的な対応による情報発信力の弱さ
<FAQシステム導入の成果>
・メールや電話による問い合わせ数を55%削減
・自社サポートサイトの利用者が毎年20%ずつ増加
・経営戦略策定に役立つユーザーニーズの把握

地方銀行|コールセンターへの電話件数を安定的に削減

とある地方銀行は、新たなFAQシステムの導入により電話問い合わせを毎月15%コンスタントに削減することに成功しました。

<抱えていた課題>
・FAQで解決可能な内容の電話での問い合わせ数が増加
・回答に金融知識が必要なためエスカレーションが頻繁に発生
・寄せられた問い合わせデータの未管理
<FAQシステム導入の成果>
・電話問い合わせが月15%削減
・顧客ニーズに沿った情報提供が可能に
・FAQ利用者からのポジティブな評価(FAQが役に立ったかどうかのアンケートにおける評価)の増加

まとめ

問い合わせ対応の効率化を実現するためには、マニュアルの整備や最適なツールの導入が欠かせません。それぞれの手段にメリット・デメリットがあるため、自社の課題に沿った最適な方法を検討することが大切です。

近年のデジタル化にともない、問い合わせ対応部署にも変革が求められています。ツールを効果的に活用し、顧客と社内双方にとって最適な環境を構築しましょう。

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