MAツールとは?MAツールの主な機能やツールの選び方を解説

MA(マーケティングオートメーション)のマーケティングとオートメーションそれぞれの意味を見てみると、マーケティングは「企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにするための概念である」とされており、つまりは「ビジネスに関わる商品開発、市場調査、広告活動から検証にいたる最初から最後までの活動のこと」を指します。オートメーションは「自動化」ですので、マーケティングオートメーションは「ビジネス活動の自動化」といった意味になります。

MAを導入する主な目的は収益向上ですが、他にも見込み客一人ひとりの興味関心に合わせたコミュニケーションを行うことによって良好な関係を築くことも可能になります。

MAについて詳しく知っていくと共に、MAにはどういった機能があるのか、導入のメリットや代表的なMAツールの紹介をしていきますので、MAについて知りたい方はぜひ参考にしてください。

目次

MA(マーケティングオートメーション)とは

前述したとおりMAを言葉通り受け取ると「ビジネス活動の自動化」となりますが、実際には「マーケティング活動全般を支援するツール」のことを指します。
具体的には以下のプロセスを支援してくれるツールのことです。

  1. 見込み客のデータ収集
  2. 収集したデータの整理
  3. 潜在客を見込み客に育成する
  4. 見込み客の中から成約確率の高い客に絞る(選別する)

見込み客は「自社の商品やサービスに対して関心や購買の可能性がある顧客のこと」で、潜在客は「自社の商品やサービスを知らない顧客のうち、自社の商品やサービスを知ることで見込み顧客になる可能性がある顧客」のことを言います。

例えば、自社のサイトを訪れたユーザーのIPアドレスから「会社名」や「業種」「所在地」などの企業情報を取得することができます。
取得した情報は、見込み客のデータとして営業に渡され、営業がコンタクトを取ることで商談につなげていきます。
このように、MAは見込み客に対して商品の認知を高めたり、購買意欲に働きかけたりすることができ、商談や購買、利用につなげる支援をしてくれるものなのです。

MAツールの主な機能

MAツールは国内外の多くの企業から提供されています。
MAを導入する前に基本的な機能を知り、ビジネス活動に対する活用法を理解しておきましょう。

①セグメントメール配信
見込み客を育成する手法の1つである「メールマーケティング」を行う機能です。
MAは見込み客をセグメント(特定の基準をもとに細分化した一つ一つの要素)ごとに分類して必要な情報をメールで送付します。
例えば「このページを閲覧したユーザーに製品事例のコンテンツを送る」「製品事例を見たユーザーには特典の案内を送る」といった設定をして、ユーザーが求めるタイミングに合わせた情報提供できるようになるのです。

②Webサイト構築
見込み客の動向から新たに情報を提供する必要が出てきた場合のコンテンツ掲載や、新たな切り口で見込み客を集めるための会員サイトやダウンロード資料の設置を行う際に役立つ機能です。

③トラッキング機能
見込み客ごとに行動を把握することができる「アクセスログ分析機能(後述)」を使うために、見込み客の登録データとブラウザのキャッシュ、所属企業情報とIPアドレスを紐づける機能です。

④スコアリング機能
見込み客の行動一つひとつを「メールを開封する…1点、特定の製品ページを見る…2点、製品データをダウンロードする…3点」といったように点数を設定し、一定の点数を超えたら特定の情報を送信するという機能です。
見込み客がそれぞれ持つ点数によって見込みの高さを測り、一定の点数を超えたら特定の情報を送信する仕組みとなります。

⑤SFA・CRM連動機能
MAは商談を作り出すまでを担うシステムとなっています。
ビジネスのシステムとして一緒に取り上げられるSFA(営業支援システム)は営業フェーズを担い、CRM(顧客関係管理ツール)は顧客育成に用いられます。
既に導入されているこれらのシステムや持っている顧客情報と連動させることで効率よくMAの機能を発揮することができるようになるため、多くのMAはSFAやCRMと連動するようになっています。

⑥パーソナライズ機能
見込み客ごとにコンテンツの出し分け(自動的に展開)ができる機能です。
例えば、サイトの初訪ユーザーと再訪者とでは異なるメインイメージやデザインのバナーを表示させるといったことができるようになります。

⑦アクセスログ分析機能
WebサイトやSNSなどのアクセス解析を行える機能です。
アクセスログ分析ではトラッキング機能で紐付けた情報をもとに「誰がどのページを見たか」など個人を特定して把握することができます。
行われる分析は主に「Webアクセス」「メール開封」「ファイルダウンロード」の3つです。
これらの情報を複数を掛け合わせることで見込み客の検索ができたり、メールグループを作成したりすることができるようになります。

⑧広告連動・広告管理機能
広告を出稿した後に見込み客がどのように広告媒体に触れたか、その結果どういった影響を受けたかなどを把握するために広告と連動したり、広告の管理するための機能です。複数のデバイスに対して登録された広告がそれぞれどのくらい接触されたか、どれだけクリックされたか、そのうち何件が成約したかなどのデータを取得できます。
また、デバイスごとの比較や前月比・前年度比といったデータ分析も行えます。
ツールによってはレポート作成までカバーしてくれます。

MAツールの導入メリット、効果

ブランド価値向上

パーソナライズされた情報を発信することにより顧客との良好な関係構築ができ、ブランド価値が向上することが挙げられます。
現代の消費者はテレビコマーシャルなどで情報を得るというよりは、自分にとって重要な情報を自分で選別しています。
パーソナライズされた情報の発信は、この動向からかなり重要なものとなります。MAを導入すれば、見込み客のニーズをいち早く察知して情報提供やフォローをすることができるので、「自分だけに提供された情報」「今の自分に最適な情報」を提供をすることで、企業や製品・サービスなどのブランド価値の向上をすることができます。

収益向上

例えば
・購入意欲が高まっている見込み客に優先的にマーケティングを行うことで受注率を向上させることができる
・失注した見込み客に対して別のマーケティングを行うことができる
・CRM・SFAツールとの連携して既存顧客に対するマーケティングを行える
・複雑化したデジタル時代の消費者一人ひとりに対して効率よく「生産的で価値のあるマーケティング活動」を行える
など、効率よくマーケティングを行えることや新規顧客に頼らなくてもよくなるため収益向上に繋がります。

MAツールの選定ポイント

ここまでの内容を踏まえた上で、MAの導入選定を行う前提としてMAに入れる見込み客のデータは持っておいたほうが良いでしょう。
その上で
・持っているデータを読み込んで整理できるのか
・見込み客を育成するコンテンツがあるのか
・営業部門と足並みをそろえて獲得できる見込み客の定義はあるのか
・確度の高い見込み客に営業・電話をしていく仕組みがあるのか
など最終的に「商談を生み出す仕組み」を企業に備えておかなければ、MAを導入しても使いこなせないということになります。
まずはこれらのポイントを事前に押さえた上で導入するようにしましょう。

では実際に導入するツールはどのように選べば良いのかという点について確認していきましょう。

①MAツールを導入する目的を明らかにしておく

ライバル企業が導入しているからといって自社で導入したとしても、必ずしも自社で使いこなすことができるとは限りません。
どのような機能を必要としていて、どのような方法で、誰に対してマーケティングを行いたいのかといったことを整理して、導入する目的を明確にしておくことが重要です。

MAツールの種類や持っている機能は、例えばWebコンテンツの作成に特化しているものがあればメールマーケティングの機能が優れているものがあるなど、ツールごとに異なります。
また、高度な機能を持つツールがあれば、機能を限定して安価に利用することができるツールもあります。
そのため、目的を明確にしておかなければどれを選んで良いかわからないままツールを選択してしまい、結果として使いこなすことができないというケースも少なくありません。
目的を明らかにすることで「自社が求める機能がある」ツール、「費用対効果を得ることができる」ツールなどを選ぶことができるのです。

②自社の体制に合ったものを選ぶ

導入するMAツールに合わせて企業の体制を変えるというケースもありますが、多くの場合自社の体制に合ったツールを選んだ方が導入がスムーズに行えるでしょう。
前述したように「自社のデータを読み込むことができる」ことや、「自社の既存システムと連携することができる」「予算内で導入・運用することができる」「強化したいマーケティング内容を達成することができる」など目的を達成することに加えて、自社の体制に合ったものを選ぶと導入や運用が上手くいくでしょう。

③運用フローの整備

導入したからといってそれがすぐに軌道に乗り、継続してその効果を得られるとは限りません。
常に顧客が求めるものは変化していきますので、それを把握して運用を変更したり施策改善をしたりと柔軟な対応が求められます。
そのため、導入後はMAツールの分析や改善を行うことができる専任の担当者を決めて、前述の「MAとは?」で挙げたプロセスをうまく回して運用していくことが重要です。

自社に運用することができる担当者がいるか、継続して運用していくことができるかなど、運用フローをあらかじめ整備しておいたほうがよいでしょう。

主なMAツールの比較

SATORI

SATORIは「あなたのマーケティング活動を一歩先へ」をミッションとしている国産のMAツールです。
日本語でシンプルに構成されていますのでMA運用経験の少ない初心者でも使いやすいツールとなっており、1,000社を超える導入実績があります。
サポートも充実しており、日本人スタッフが日本語でMAの使い方や設定方法のサポートを行ってくれますし、セミナーやユーザー会も開催されています。

基本機能として以下の機能をそろえています。
・リード(見込み客のこと)管理機能(見込み客の管理やリスト作成、サイトを閲覧している企業名の判別やユーザーのグループ化など)
・リードジェネレーション(ウェブページ作成、プッシュ通知など)
・リードナーチャリング(見込み顧客に対するメール送信など)
・リードクオリフィケーション(見込み顧客の点数設定など)
・オートメーション(見込み顧客の点数の設定条件を満たした場合のメール送信やGoogle、Yahooなどとの広告連携)
・レポート(目標達成件数やメール送信件数などの各種レポート)

【料金プラン】
初期費用:300,000円
月額費用:148,000円(有料機能を利用する場合は別途料金が必要)

https://satori.marketing/

Marketo Engage

Marketo Engageはアメリカ発のMAツールで、全世界で5,000社以上の導入実績があります。
日本国内でも大企業から中小企業まで幅広く導入されており、MAツール導入を検討する第一候補ともいえます。
基本的な機能はSATORIとそれほど変わりませんが、開封率やクリック率だけの単純なマーケティングだけでなく各マーケティングプログラムと各チャネルがどれほど収益に影響を与えているかを素早く測定してくれます。

【料金プラン】
こちらは全てデータベースサイズによって変動するため要問い合わせとなっています。
プランは基本プランの「SELECT」から高度なニーズに合わせてカスタマイズできる「ENTERPRISE」まで4種類揃えられています。

https://jp.marketo.com/

Salesforce Pardot

Salesforce Pardotは、セールスフォース・ドットコム社が提供するMAツールで、BtoB(「Business to Business」の略で、 企業が企業に対して物やサービスなどを提供すること)に特化しています。

一番の強みはMAとしての機能だけにとどまらず、売り上げにつながるセールス活動を行える点です。
具体的には以下のような機能を備えています。

・トラッキング
リードのWeb上の動きを把握し、誰が・何に・どれほど興味があるのかといったことを知ることができます。

・メール配信
リードの行動に伴ってメールによるコミュニケーションを行います。これは受注につながる重要な行動となります。テンプレートを使ってメールを作成し、シナリオに応じた送信を自動で行います。リードがメールに対してどのような行動をしたかというところまで計測しているので、送ったシナリオが正しかったのかどうかを検証を行うこともできます。

・レポート
リードがWebサイトで行った動きなど様々な情報を確認できる機能です。メールの開封率やクリック率、投資対効果(投資に対してどれだけ利益をあげたのかを示す指標)、リードの動きをリアルタイムで通知してくれる機能などが備わっており、様々な場面で役立ちます。

【料金プラン】
Growth:150,000円/月
Plus:300,000円/月
Advanced:480,000円/月
Premium:1,800,000円/月

https://www.salesforce.com/jp/products/pardot/overview/

まとめ

顧客が自分で情報を取捨選択する時代になりましたので、それに合わせたマーケティングを行う必要があります。
そのためにMAツールは大いに役に立つでしょう。
MAツールを選ぶ際は、使い勝手や必要な機能を搭載しているかなどをよく比較検討し、自社に合ったものを選んで運用できるようにしていきましょう。

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