ホワイトペーパーの作り方:目的・種類・事例についても解説

ホワイトペーパーは、企業にとっても顧客にとっても有益なマーケティングコンテンツのひとつ。特にBtoBビジネス分野において活用が進んでいます。
実際に、ホワイトペーパーの整備を検討している企業も多いのではないでしょうか。

今回は、ホワイトペーパーの作成について、事例を交えながら詳しく解説していきます。ホワイトペーパーの検討・作成にお役立てください。

目次

ホワイトペーパーとは

ホワイトペーパーとは、企業がターゲット顧客に有益な情報を提供するための報告書および資料のことです。顧客の抱える課題や疑問を解決する情報を発信することで、自社の商品やサービスに興味を持ってもらうために作成されています。
ホワイトペーパーの具体的な内容は、その分野に関する基本知識や事例、市場調査の結果など多様であり、顧客の知識向上や商品・サービス選定に役立っています。

ホワイトペーパーは、BtoBビジネスにおいて活用されることが多いツールです。多くの場合、顧客情報の入力を条件に、Web上でダウンロードできる仕組みが採用されており、顧客は課題解決のための有益な情報を、企業はリード(見込み顧客)情報を得られるようになっています。

ホワイトペーパーの目的

ホワイトペーパーというツールの目的は、「顧客の抱える課題や疑問を解決すること」です。ホワイトペーパーの内容は、営業資料のように自社商品・サービスをアピールするためではなく、顧客の課題解決のために作成されています。

では、ホワイトペーパーはなぜ顧客の課題解決を目的とするのでしょうか。その理由は、顧客の課題を解決する情報を提供することで、以下の3つの目的を達成できるからです。

1.リード情報の獲得

課題解決に有効な情報の詰まったホワイトペーパーを無料ダウンロードできるのは、課題を抱える顧客にとって大きな魅力であり、個人情報と引き換えだとしても、一定の需要が見込めます。
ホワイトペーパーの情報を無料提供する代わりに、企業はリード情報を手に入れることができます。リード情報があれば、企業はリードに対し、その後のアプローチを続けられます。

2.リードナーチャリング(見込み顧客の育成)

顧客の課題解決が進めば、その業界や分野、商品・サービスなどに関する顧客の知識は向上し、企業に対する興味や関心も高まります。直接アプローチする前に、顧客にあらかじめ知識や関心を持っておいてもらうことで、リードの顧客への育成はスムーズに進みます。

3.顧客満足度向上

ホワイトペーパーを通して自身の抱える課題を解決できれば、顧客の満足度は高まります。情報を提供した企業に対する評価や興味も向上し、自社商品・サービスを検討してもらえる可能性が上がります。

ホワイトペーパーの作成に際しての課題

ホワイトペーパーの作成にあたっては、以下のような課題がよく挙げられます。

・どんな内容のものを作ればいいかわからない
・時間的、技術的リソースに限りがある

ホワイトペーパー作成時には、「顧客の抱える課題は何か」「どんな情報が求められているか」などといったターゲット顧客の情報ニーズを分析することが大切です。顧客ニーズに応じた内容で作成することで、ホワイトペーパーはより活用されるようになります。

また、内容選定にあたっては、既存のホワイトペーパーを参考にするのもひとつの方法です。
既存のホワイトペーパーは、顧客の一般的なニーズに応じて、いくつかの種類に分けることができます。その種類をもとに内容を決めれば、テーマ選定も作成作業もしやすくなるでしょう。

ホワイトペーパーの一般的な種類については、次章でご紹介します。

ホワイトペーパーの種類

一般的なホワイトペーパーは、「課題解決型」「事例紹介型」「調査・レポート型」の大きく3種に分けられます。
ただし、ホワイトペーパーの内容は企業によってさまざまで、これらの種類に当てはまらないものもあります。種類だけに囚われず、ターゲット顧客のニーズに応じて内容を選定することが大切です。

1.課題解決型

もっとも多いのが、課題解決型のホワイトペーパー。「よくある課題」をテーマとして挙げ、その解決策を提示していきます。
具体例としては、基礎知識や用語集、ノウハウ資料などが課題解決型のホワイトペーパーにあたります。

2.事例紹介型

自社の商品・サービス導入により課題を解決した事例を挙げたものが、事例紹介型のホワイトペーパー。数字を用いた詳細な内容をまとめることで、リードは商品・サービス導入による課題解決をリアルに想像しやすくなります。
具体例としては、導入の成功事例集や使い方事例集など。

3.調査・レポート型

市場調査やセミナーの内容、アンケート結果などをレポートとして提供するのが、調査・レポート型のホワイトペーパー。
具体例としては、市場調査資料、最新情報資料、研究結果報告書、展示会レポート、セミナーレポート、アンケートレポートなどが挙げられます。

ホワイトペーパーの作り方・ポイント

上質なホワイトペーパーを作成するには、押さえておきたいいくつかのポイントがあります。ここでは、ホワイトペーパーの作り方に関するポイントを6つに分けて解説していきます。

1.ターゲットを明確に決める

ホワイトペーパー作成の準備としてもっとも重要なのが、ターゲットを決めること。ターゲットをどんな層に決めるかによって、ホワイトペーパーの内容も表現方法も変わってきます。
ターゲット像はなるべく明確に定め、ホワイトペーパー作成中は常に意識するようにしてください。

2.テーマ選定、全体の構成決定へ

ターゲットが決まったら、ターゲットが抱えているであろう課題を分析し、テーマを選定します。テーマは具体的に決め、それに基づいて全体の構成を決めていきましょう。
ホワイトペーパーの構成は、【①課題の提示②課題の分析③課題の解決④自社ソリューションの紹介(課題解決型の場合)】流れになるのが一般的です。
構成がまとまったら、資料のボリュームも決めておいてください。一般的なホワイトペーパーのボリュームは、4〜20ページ程度。長すぎる資料では読者が離脱する可能性があるので、端的にまとめるよう意識してください。

3.ターゲットを引きつけるタイトル付け

ホワイトペーパーがダウンロードされるかどうかは、タイトルによって決まるといっても過言ではありません。ホワイトペーパーには、ターゲットを引きつけるタイトルを付ける必要があります。

コツとしては、「ターゲットをタイトルに入れる」「課題の解決をタイトルに入れる」という方法が有効です。
例えば、「経理担当者が知っておくべき〜」「ヒアリングが上達する〜」など。
また、「〜のポイント」「〜のコツ」「〜の方法」などといった言葉を用いたり、「120%売上アップを目指せる〜」のように数字を用いたりするのもおすすめです。

4.結論は先に明示しておく

ホワイトペーパーでは、結論は先に明示します。
リード分や本文の最初で結論を述べてから、その説明を展開していくようにしてください。
そうすることで、結論が後回しになることによる読者の離脱を防げます。

5.専門用語は使わずわかりやすい内容で

専門用語を多用したり難しい表現ばかりを使ったりしたホワイトペーパーは、顧客にとってわかりやすい情報とは言えません。ホワイトペーパーには、専門用語や難しい言い回しではなく、誰にでもわかる端的な表現が適しています。

また、文字と写真、イラスト、グラフなど全体のビジュアルバランスも大切です。パッと見てわかりやすい紙面を目指しましょう。

6.数字データを活用

数字データを活用することで、内容の信憑性や具体性は一気に上がります。顧客も、内容についてのリアルなイメージを持ちやすくなるでしょう。
ホワイトペーパーには、数字データを積極的に取り入れ、情報の根拠となるデータも記載しておくようにしましょう。

ホワイトペーパーの事例

実際の企業で提供されているホワイトペーパーの事例を2つご紹介します。

株式会社キーエンス

計測機器や情報機器の開発・製造・販売を行う株式会社キーエンスは、ホワイトペーパーの作成に力を入れています。
多数のホワイトペーパーが用意されており、種類も内容も多様。細かなテーマ分けでホワイトペーパーを作成することで、顧客のニーズに応えながら、その後の営業アプローチを確率の高いものにしていると考えられます。
https://www.keyence.co.jp/downloads/?mode=tg&ie=utf8
https://www.keyence.co.jp/ss/products/sensor/sensorbasics/download/

Google

世界でインターネット関連事業を手掛けるGoogleでは、製品や技術や、セキュリティなど、さまざまなトピックのホワイトペーパーを提供。Googleのシステムに関する課題が解決できる情報のほか、「COVID-19の影響」や「クラウドへの移行を成功させる方法」など、知識として役立つ情報も多数配信しています。
ソリューション紹介や分析レポートも豊富です。
https://cloud.google.com/whitepapers?hl=ja

まとめ

上質なホワイトペーパーを作るには、綿密な事前準備と顧客の興味を引く工夫が必要です。ご紹介したポイントを参考に、顧客のニーズに合ったテーマおよび内容作成を心がけてください。

また、ホワイトペーパーを有効活用するには、セールスイネーブルメントツールの利用が有効です。
セールスイネーブルメントツールを使えば、ホワイトペーパーをはじめとしたあらゆる資料がツール上で管理・送付できるようになります。ツールでは資料に対する顧客の反応を把握できるので、それをもとに、各顧客に最適なアプローチを行うことも可能でしょう。

せっかく上質なホワイトペーパーを作成しても、うまく活用されなかったりアプローチに繋げられなかったりしては、意味がありません。
ホワイトペーパー作成時にはツール導入も検討し、より良い活用を目指しましょう。

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