営業担当必見|成約率を高めるためのクロージングテクニック9選

商談におけるクロージングは、成約に直結する重要なフェーズです。クロージングでの優れたトークテクニックは、相手の背中を押し、顧客に契約を決断してもらうきっかけとなります。営業担当にとって、優れたクロージングテクニックを持つことは大きな強みになるでしょう。

そこで今回は、営業担当が知っておきたい成約率を上げるためのクロージングテクニックをご紹介します。

目次

クロージングとは

クロージングとは、営業活動の最終フェーズにあたる「顧客と契約を締結すること」もしくは、「契約に至るまでの一連のプロセス」を指すビジネス用語です。

営業活動は、主に以下のような流れで行います。

①ヒアリング
②課題の把握・合意
③課題解決策の提案・商品説明
④クロージング
⑤契約

契約の前に行うクロージングは、顧客の決断を促すフェーズであり、テクニックが求められるプロセスです。成約率を向上させるには、効果的なトークテクニックを意識したクロージングを行うことが大切です。

クロージングの重要性

クロージングは、成約を左右する重要なプロセスです。

クロージングでのトークによって、うまく顧客の背中を押せたり、納得させたりすることができれば、顧客が購入を決断する可能性は高くなります。
逆に、クロージングのタイミングを逃したり、強引に購入を迫ったりしてしまうと、成約の可能性は下がります。クロージングでの失敗によって、契約しようと思っていた顧客を逃すことも珍しくはありません。

適切なタイミングや方法でのクロージングは、成約率アップに繋がります。そのため、営業担当には、相手に自然と購入を決意させるようなクロージングスキルが求められます。

成約率を上げるクロージングテクニック

テクニックを意識して、商談をクロージングまで持っていくことで、成約率は高められます。顧客との会話の中で使いたいクロージングテクニックを9種ご紹介します。

1 BANT

BANTは、営業ヒアリングにおいて顧客から聞き出しておくべき基本事項です。

①Budget(予算)・・・予算はどれくらいか
②Authority(決裁権)・・・決裁権は誰にあるのか
③Needs(ニーズ)・・・誰のニーズか、ニーズの強度はどれくらいか
④Timeframe(導入時期)・・・導入時期とスケジュール

これら4つの項目を明確に把握しておくことで、営業担当は顧客に対し確度の高いアプローチを行うことができます。BANTを踏まえたアプローチは、より良いクロージングに繋がりやすくなります。

2 イエスセット法を使用

イエスセット法とは、「イエス」の答えが続くと次の質問にも「イエス」と答えてしまうという人間の心理を利用した話法です。
必ず「イエス」と答えてもらえるような質問を重ねてから本命の質問をすることで、本命の質問にも「イエス」と答えてもらいやすくなります。例を挙げてみましょう。

営業担当:御社の抱えておられる課題は〇〇なのですね。
顧客:そうなんです。
営業担当:課題解決には【施策】が効果的ですよね。
顧客:そうですね。それができればいいのですが。
営業担当:この商品では【施策】が実現できます。御社の課題解決の役に立ちそうではないですか?
顧客:そうかもしれないね。
営業担当:では、この商品をご検討いただいてはどうでしょうか。
顧客:そうですね。検討する価値はありそうですね。

うまく「イエス」のやり取りを続けることで、クロージングの成功率は上がります。
ただし、イエスセット話法を用いる場合には、顧客のニーズに合った商品を提案するということが大前提です。

3 ドア・イン・ザ・フェイステクニックを使用

ドア・イン・ザ・フェイステクニックとは、人間の持つ「返報性の原理」を利用した話法です。「返報性の原理」とは、他人から何かをしてもらった場合に、人にはお返しをしなければという心理が働くことを言います。

ドア・イン・ザ・フェイステクニックを用いたクロージングでは、こちらが譲歩した提案をすることで相手からも譲歩を引き出します。例を挙げてみましょう。

営業担当:あらゆる機能が搭載された50万円のシステムを導入するのはいかがでしょう。
顧客:50万円は高すぎますね。
営業担当:それなら、ベーシックな機能が揃った10万円のシステム(本命)もございますよ。まずはこちらでスモールスタートを目指すのもひとつではないですか?
顧客:(だいぶ値段を下げてもらったし)その値段なら導入できるかもしれません。

このように、はじめに大きな要求を出し、その後に譲歩として本命となる小さな要求を出すことで、「返報性の原理」が働き、顧客からの良い返答を引き出しやすくなります。
ただし、この話法も顧客のニーズに合った商品を提案するということが大前提です。

4 選択肢を挙げる

選択肢をいくつか提示した上で顧客に選んでもらうやり方は、成約に繋がりやすい傾向にあります。顧客が「自分で選ぶ」ことで、納得感を持つことができるためです。

クロージングでは、2つ以上の選択肢を提示し、顧客に選択してもらうと効果的です。
人には真ん中のものを選びやすい心理があるため、3つの選択肢を提示できる場合には、本命の選択肢を真ん中に置くようにすると良いでしょう。

5 顧客に考える時間を与える

アプローチの中では、顧客に考える時間を与えることが大切です。
商談中に沈黙ができると、不安になって沈黙をどうにか破ろうとしてしまう営業担当は多いですが、沈黙は商談に必要な時間です。顧客が商品の購買を決定するには考えるための時間がいるからです。

思案中の顧客に対して、さらなる情報を与えてしまうと顧客は結論を出しにくくなります。営業担当は、沈黙を恐れず、顧客に考える時間を提供するようにしましょう。

6 決断に至らない3つの理由を解決する

顧客が購入を決断できない場合には、以下のような問題を抱えているケースが多いです。

①もっと安いものはないのか
②もっと良いものはないのか
③相手の営業担当を信用していいのか

クロージングでこの3点を解決できれば、成約の可能性は高まります。

これらの問題を解決するには、他社商品と価格を比較して安さを示すことやこれ以上良い商品はないと断言することが効果的です。また、本当に良いと思う商品を勧め、真摯に対応する姿勢も必要でしょう。

7 テストクロージングを行う

テストクロージングとは、商談の途中で、顧客に成約の意思がどのくらいあるのかを確かめるプロセスのことです。営業担当はテストクロージングによって温度感を掴み、顧客の温度感に応じてクロージングまでの流れを構築していきます。

テストクロージングのトーク例を見てみましょう。

「説明は以上ですが、こちらの商品はいかがでしょうか?」
「説明の中で不明点や疑問点はありますか?」
「こちらの商品は、御社の課題解決に役立ちそうですか?」
「契約にあたって、確認しておきたいことはございませんか?」

このようなテストクロージングのトークの中では、前述のイエスセット話法を使用するのも効果的です。

8 成約後をイメージしてもらう

顧客に成約後をイメージしてもらうことは、クロージングの大切な要素です。
商品を購入するかどうか検討している顧客に、成約後の流れを提案していくことで、顧客の思考は「商品を購入するかどうか」から「導入後に商品をどう運用するか」に移り変わっていきます。成約後の話をすることで、顧客も購入を前提として前向きに話を進めてくれる可能性が高くなります。

9 ツールの活用

効果的にクロージングを進めるには、ツールを活用して営業プロセス全体を管理することも有効です。セールスイネーブルメントツールやSFAツールなどを用いれば、営業プロセスや顧客の興味、温度感などをデータで把握できるため、クロージングの適切なタイミングを図ったり、事前に最適なクロージングの流れを組んだりすることができます。
営業活動自体も効率的に行えるので、ツールの活用はクロージングだけでなく、あらゆる営業活動に役立つでしょう。

まとめ

クロージングテクニックを磨くことで、商談の成功率は上がります。社内でロールプレイングを行うなどしてテクニックに慣れれば、実際の商談の中でも柔軟にテクニックを用いることができるようになるでしょう。

また、クロージングはもちろん、営業活動全体を効率的に進めるためにも、ツールの活用は効果的です。ツールで営業プロセスを正確に管理し、顧客の温度感を数字で把握しておけば、適切なタイミングで適切な内容のアプローチができます。適切なアプローチは顧客のニーズにマッチし、成約へと繋がるでしょう。

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