訪問や商談のアポイントメントを取るため、お客さまに電話をかけて営業活動を行うこと、またはその業務を行う人のことを、テレフォンアポインター、通称テレアポと呼びます。
テレアポは以前から行われてきた営業スタイルのひとつです。担当者は1日に何件もの電話をかけるため、テレアポはきついと感じる人が多い仕事でもあります。
では、その理由は何なのでしょうか。今回は、テレアポがきつい理由とその克服方法について詳しく解説します。
テレアポがきついと言われる理由
まずは、テレアポがなぜきついと言われるのか、その3つの理由について見ていきましょう。
理由１ 断られることが多い
テレアポは、断られることが多い仕事です。
テレアポは新規顧客の獲得方法としてよく用いられる方法ですが、いきなり電話で営業をかけても、成約につながる可能性は決して高くありません。時には相手に話を聞いてもらえなかったり強い口調で返されたりすることもあるでしょう。
テレアポの成功率は1〜3%とも言われています。
1日に何度も断られることで、ストレスが溜まってしまう担当者は多く、それがテレアポがきついと言われる理由のひとつになっています。
理由２ ノルマがある
多くの企業では、テレアポにノルマや目標が課せられています。例えば、電話をかける回数や成約に繋がった数などです。
現在ではノルマ未達に対するペナルティは設定されていないことが多いようですが、ノルマを達成してもすぐに次のノルマがやってくるため、担当者は常にノルマに追われている形になります。その結果、ノルマが大きな精神的負担となり、仕事をきつく感じる人は少なくありません。
理由３ 仕事内容に変化がない
リストに沿って電話をかけ続けるのが、テレアポの仕事です。資料作りをしたり、会議や外出があったりすることはほとんどなく、担当者は毎日電話営業を担当します。
働く人の中には、このような変化のない仕事を毎日続けることを負担に感じる人もいます。それが成功体験を得にくい仕事だとなると、尚更でしょう。
テレアポに向いている人の特徴
テレアポには、向いている人と向いていない人がいます。一般的に、次のような人はテレアポの仕事に向いていると考えられています。
１ 人と話すことが好きな人
先ほどご紹介した通り、テレアポはお客さまへの電話営業を行う仕事です。1日に何度も電話をかけ、老若男女さまざまなお客さまと話すことになります。
そのためこの仕事には、人と話すことが好きで人見知りもしにくい人が向いていると考えられます。
２ マイペース・ポジティブな人
テレアポには、マイペースさやポジティブさも必要です。
テレアポでは、話を聞いてもらえずいきなり電話を切られたり、怒鳴られたりすることも少なくありません。
そこで大事なのは、相手のペースに飲まれてネガティブにならず、次へ気持ちを切り替えることです。辛い経験も「勉強になった」と思えるポジティブさがある人は、テレアポに向いています。
３ 受け流しが上手な人
電話営業をしていると、関係のない話を長々と聞かされたり、冷たい言葉をかけられたりすることがあります。毎日何件も電話をするのですから、このような話や言葉は間に受けず、うまく受け流して話の主導権を自分に移すことが大切です。
高い受け流しスキルは、テレアポ担当者の強みになります。
テレアポに向いていない人の特徴
次に、テレアポに向いていない人の特徴を3つご紹介します。
１ 相手の気持ちに共感しやすい人
毎日何件もの電話営業を行い、多くのお客さまと話をするテレアポですが、お客さまの中にはさまざまな意見を持った人や話し方の人がいます。お客さまへの共感は営業にとって重要ではあるものの、共感しすぎてしまっては、担当者側の気持ちが保てません。
そのため、相手の気持ちに共感しすぎてしまう人には、テレアポはあまり向いていません。
２ 傷つきやすい人
傷つきやすい人も、テレアポには不向きです。
電話営業に苦手意識を持っているお客さまは多く、電話をかけてもそっけない対応をされたり、怒鳴られたりすることがよくあります。その度に傷ついていたのでは、毎日が辛くなり、仕事を続けることは困難です。
ある程度精神的にタフでなければ、テレアポは務まりません。
３ 考えすぎてしまう人
考えすぎてしまう人も要注意です。
何件もの電話を行うテレアポでは、毎回相手の言葉を全て受け止め深く考えていたのでは、仕事になりません。ストレスも溜まってしまいます。
テレアポでは、考えすぎずにうまく受け流し、気持ちを切り替えることが大切です。
テレアポを経験すると得られるメリット
きついと言われるテレアポですが、仕事としての人気は高く、多くの人がテレアポに就いています。その理由は、テレアポにはメリットがあるためです。
ここでは、具体的なメリットを3つご紹介します。
メリット１ 柔軟な働き方ができる
テレアポは、比較的働き方の自由度が高い仕事です。社員として働く人も、パートやアルバイトとして働く人もおり、勤務形態や時間はさまざまです。服装や髪型の制限もないことが多く、自分のライフスタイルに合った働き方が叶います。
メリット２ 営業スキルが上達する
電話での顧客開拓は、営業の中でもハードルの高い仕事です。情報の少ない相手とうまく会話を繋ぎ、情報を聞き出さなくてはなりません。
この業務を続けることで、担当者の話術は鍛えられ、営業スキルは上達します。このスキルは、将来的なキャリアアップにも有効です。
メリット３ 収入が高い
テレアポは、アルバイトやパートでの募集も多いですが、その時給は他の飲食業やサービス業と比べ、高い傾向にあります。社員の場合でも、他の業種に比べ基本給は高く設定されることが多いようです。
また、営業成績によってはインセンティブがつく場合もあり、収入面で有利なこともテレアポの大きなメリットです。
テレアポで感じるストレスへの対処法
テレアポを仕事にしていると、どんなに人と話すのが好きな人でも、どんなにポジティブな人でも、ストレスが溜まります。
このストレスへの対処法としては、趣味や食事、友人と会うなど、自分に合った方法でのストレス解消が重要です。また、規則正しい生活や適度な運動などを通し、メンタルケアを行うことも忘れてはいけません。
さらに、仕事に目標ややりがいを持つということもストレス対策になります。ただ毎日電話営業をこなすだけだとストレスは大きくなりますが、明確な目標ややりがいを持ち、その実現のために工夫してみることで、仕事に楽しさが生まれるかもしれません。
ストレスを放置してしまうと、それが心身の不調に繋がる恐れもあります。仕事のストレスにはきちんと対処し、こまめに解消することが重要です。
テレアポで感じる「きつい」を克服する方法
最後に、テレアポのきつさを克服するために効果的な方法を4つご紹介します。
方法１ 「断られて当たり前」の精神を持つ
先ほどご紹介したように、テレアポの成功率は1〜3%程度なので、断られるのが当たり前です。顧客に期待しすぎず、「断られて当たり前」という気持ちで仕事に臨みましょう。これにより少し気持ちが軽くなれば、いつもよりも気楽でスムーズにお客さまと話せるかもしれません。
方法２ 営業スキルを磨く
「断られて当たり前」と思うことは、手を抜くことではありません。テレアポ担当者として、営業スキルは常に磨く必要があります。
例えば、トークスクリプトを頭に入れる、相手に合わせて応用する、営業テクニックを活用するなどです。
こうして営業スキルが向上していけば、結果は出やすくなり、段々と仕事に対するやりがいも実感できるようになります。これらはテレアポに感じるきつさの軽減に効果的です。
方法３ 自信を持つ
相手に何を聞かれるかという不安も、テレアポのきつさに繋がります。また、押しが弱く、相手にしっかり営業できないという人もいるでしょう。
このような場合には、自信を持つことが重要です。商品・サービスについての知識を深め、あらゆるパターンの対応をトークスクリプトなどで学び、自分に自信をつけましょう。
自信とそれに見合う能力があれば、テレアポのスキルは向上し、きつさも感じにくくなります。
方法４ 営業ツールを活用する
ここまでご紹介した方法は、すぐに実践できるものではありません。長い時間をかけて培っていくものです。
短期間でテレアポのきつさを軽減させたいなら、営業ツールの活用が有効です。
ツールによっては、お客さまの興味や関心を把握した状態からのアプローチが可能になるため、テレアポの成功率向上が期待できます。また、相手のニーズがある程度事前把握できることにより、電話をかける前の不安も払拭でき、テレアポのきつさを克服することが可能です。
まとめ
テレアポは、あらゆる面でのスキルが必要な仕事です。きつさを感じやすい仕事でもありますが、それをうまく克服できれば、テレアポの経験は大きな強みになります。
テレアポを続けるには、精神的なタフさと営業スキルを身に付けることが大切です。自信がつけば精神的なタフさもついてくることが多いので、まずはそのために知識やスキルを磨くと良いです。
また、テレアポのきつさを軽減させ、担当者の生産性を上げるには、経営者側による環境整備も必須です。そのひとつが、営業ツールの導入です。「営業成績を上げたい」「営業活動を効率化したい」「人材を定着させたい」などのニーズをお持ちなら、ぜひ営業ツールの導入をご検討ください。
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