承認フローの問題点を改善|ワークフローシステムを導入するメリットを解説

ビジネスでは、業務を進める際に上司の承認が必要になることがあります。この承認は、直属の上司だけにもらえばいい場合も、複数の役職者にもらわなければならない場合もあり、担当者が承認による許可を受けて実際に業務を進めるには、一定の時間がかかります。

この非効率なフローを効率化するのが、承認フローシステムおよびワークフローシステムです。このシステムを活用すれば、スピード感を持って承認フローを進めることができます。

そこで今回は、従来の承認フローの問題点とシステム導入による解決について解説していきます。

目次

承認フローとは

担当者が業務を進める際には、権限を持つ他の人の許可(承認)が必要になることがあります。例えば、顧客との契約を進める前や休暇や経費の申請を行う時には、承認権限を持つ上司に申請を上げ、許可(承認)を得てから実際の手続きを進めなければなりません。
このように、担当者が権限を持つ人に申請をし、権限を持つ人がそれを承認して決裁が完了する一連の流れを、承認フローと呼びます。

従来の承認フローでは、申請者となる担当者が申請書類を作成し、その書類の承認権限を持つ役職者に順に回覧して、承認として押印してもらうという形が一般的でした。

しかしこの方法には複数の課題があることから、それを解決すべく、近年では多くの企業で承認フローのシステム化が進められています。

承認フローの問題点

では、従来の承認フローにはどのような問題点があるのでしょうか。
ここでは、その問題点を申請側・管理側に分けてご紹介します。

申請側の問題点

まずは、申請側の問題点について見ていきましょう。

1 時間がかかる

従来の承認フローでは、申請者が書類作成をしてから最終的な決裁を得るまでに時間がかかります。
複数の承認を得なければならない場合は特に時間がかかり、時には多数の決裁を抱える承認者のところで申請書類が止まってしまったり、承認者が外出中や休暇中で許可を得られなかったりすることもあります。
規定の承認がなかなか得られなければ、担当者は業務や手続きを進めることができず、業務効率は落ちてしまいます

2 書式や承認ルートが都度異なる

承認フローでは、対象の物事によって書式や承認ルートが異なります。
書式は複数あるため複雑で、もし書式を間違えてしまっては書類を作り直さなければなりません。また、追加の承認が必要になったり全ての役職者を経由しなければならなかったりと、申請の内容や重要度によって承認ルートも都度変わります。

このような書式や承認ルートの複雑化も、申請者側にとっての負担になり得ます。

3 進捗がわからない

従来の承認フローでは、「今申請書類がどこにあるのか」という進捗がわかりません。なかなか決裁が降りなくても、承認フローのどこで書類が止まっているのかわからないため対処が難しく、手続きを迅速に進められない点は、大きな課題です。

管理側の問題点

次に、管理側の問題点を確認していきます。

1 申請・承認のルール作りが必要

前述のとおり、申請の内容や重要度によって承認フローは異なります。この仕組みを成り立たせるためには、まず管理側は、申請と承認のルール作りを行わなくてはなりません。
必要に応じてルールの新設定や見直しを行う必要もあり、この作業は管理側の負担となります。

2 承認後の書類管理に手間とコストがかかる

紙の申請書類を回覧して押印する場合、承認・決裁後の書類管理に手間がかかります。ファイリングや仕分け、破棄等、管理の手間は決して小さなものではありません。
また、書類を保管するためのスペースを確保する必要も生じ、これには固定的なコストがかかります。

3 進捗がわからない

申請側でも述べましたが、承認フローの進捗がわからないという点は、管理側にとってもデメリットとなります。
進捗が不明であることは、業務の遅れや不正にも繋がりかねません。適切に承認フローを進めるためには、管理側でも進捗管理が必要なのです。

承認フローの問題点を改善する方法

従来の承認フローには、前章でご紹介したような複数の問題点があります。この問題点を解決するポイントとなるのが、「承認フローの可視化」「承認フローのシステム化」です。

承認フローが可視化されれば、進捗はもちろん、申請内容によって異なる複雑な承認ルートや書式、その他のルールもひと目でわかるようになり、フローをスピーディに進めることが可能になります。
また、システム化による自動化や書類のデータ管理も実現でき、これは申請側・管理側の抱える問題の解決に繋がります。

業務効率が向上する承認フローシステムとは

承認フローの問題点を解決し、業務効率化を目指すには、「承認フローの可視化」と「システム化」が有効です。これを実現するのが、承認フローシステム(ワークフローシステム・電子稟議システム)です。

承認フローシステムとは、承認フローを一括管理するWebシステムのことで、従来の紙による申請・承認を全てデータ化し、書類作成・申請・承認・書類保管と一連のフローをシステム上で完結させることができます。

このシステムでは、該当の承認フローや進捗を可視化することが可能で、一部の申請については自動化で対応することもできます。
決裁後の書類は全てデータとして整理された状態でシステム内に保管され、検索をかければ必要な時に見直すことも可能です。

承認フローシステムは、その効率性の高さから導入が進んでおり、多くの企業で活用されています。

承認フローシステムを導入するメリット

承認フローシステムの導入には、次の4つのメリットが期待できます。

メリット1 業務効率化・スピード感のある意思決定

承認フローシステムでは、システム上で申請・承認が可能なので、パソコンやその他のデバイスさえあれば承認フローを進めることが可能です。これにより、申請書類が他の書類に埋もれてしまうことはなくなり、外出先からも承認ができるようになります。
また、フローの可視化によりどこで承認が滞っているかわかるため、対処もしやすくなります。

これらのことは、スピード感のある意思決定を可能にし、業務効率を向上させます。

メリット2 コスト削減

承認フローシステムでは、全ての申請・承認をデータで行います。
データはシステム内に保管できるため、従来の紙の書類を保管するために必要だった手間や場所は不要になります。

これにより、紙代や印刷代、書類保管にかかっていた人的コストや場所代を削減することが可能です。

メリット3 内部統制の強化

承認フローシステムの導入は、内部統制の強化にも有効です。

システムによって、統一的なルールのもと確実に承認フローが進められるようになれば、ミスや不正は起こりにくくなります。
書類の紛失や承認者以外の人による押印もなくすことができ、アクセス権限の付与により情報のセキュリティを高めることも可能です。

メリット4 働き方の多様化への対応

近年、テレワークが広く普及するようになりました。承認フローシステムは、このような働き方の多様化にも役立ちます。

承認がシステム化されていれば、パソコンやスマートフォンを通して、フローを自宅から進めることができます。紙の書類のように、「その場にいなければ押印できずフローが進まない」という事態を避けることができるのです。

まとめ

複雑な承認フローを可視化し、統一的に管理するには、承認フローシステムの導入が効果的です。
このシステムを活用すれば、承認フローにおける複数の課題を解決でき、業務をより効率的で安全に進められるようになります。

このように、業務の課題を解決し効率化させるには、システムの活用が必須です。例えば、営業業務を効率化させるなら営業支援システム、経理業務を効率化させるなら会計システム等の導入を検討すべきです。自社に合ったシステム導入で、業務の課題解決を目指しましょう。

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