ビジネスの現場では、情報の整理や共有は欠かせない課題です。特にドキュメントの作成は、効率的な業務運営や従業員教育において重要な役割を果たします。この記事では、これらの作業を支える「ドキュメント作成ツール」や「マニュアル作成ツール」のメリットについて詳しく解説し、最適なツールを選ぶためのポイントを考察します。
デジタル化が進む現代において、これらのツールは単なる補助ではなく、企業の成長を支える重要な要素となっています。この記事を最適なツール選びの参考にしてください。
ドキュメント作成ツールとは
「ドキュメント」には次のような意味があります。
①記録。文書。文献。
②コンピューターで、ソフトウエアの仕様書、開発の過程を記録した文書、使用方法の説明書などの総称。
ビジネス用語として「ドキュメント」と言う場合、Wordで作成するような文章をイメージするとわかりやすいでしょう。
この記事では、マニュアル作成におすすめのドキュメント作成ツールについてお伝えします。もちろんWordで作成することも可能ですが、ここで紹介したいのは、Wordよりも簡単に作成でき、オンライン上で操作可能なドキュメント作成ツールです。
ドキュメント作成ツールを導入するメリット
ドキュメント作成ツールを利用するメリットには次のようなものがあります。
メリット1: テンプレート機能がついている
テンプレート機能とは、文書のひな形を指します。この機能を使えば、デザインやレイアウトがあらかじめ設定されているため、必要な情報を入力するだけで簡単にマニュアルを完成させることができます。
メリット2: 画像の挿入が簡単
Wordでも画像や動画の挿入は可能ですが、ドキュメント作成ツールではクラウドを介して、スマホで撮った画像をPCに取り込む手間がなく、すぐに使用することができます。また、Wordで作成する場合、画像を多く貼り付けるとファイルが重くなる心配がありますが、オンラインで作成するため、容量を気にする必要もありません。
メリット3: 既存のマニュアルを再利用できる
ツールによっては、既存のマニュアルをコピーして使用できるものもあります。これにより、マニュアル作成をスムーズに進めることができ、フォーマットの統一(文字サイズ、フォント、フォルダ形式など)も容易になります。企業内で統一されたマニュアルを作成することが可能です。
その他のメリット
- VideoStepは、動画マニュアルの作成ツールです。現場マニュアルや手順書、研修動画などを簡単に作成して共有することができます。AndroidやiOSにも対応しており、オフライン環境でも動画マニュアルを視聴可能です。
さらに、レポート機能を搭載しており、「いつ」「誰が」「何秒間」「どの箇所を」見たのかを詳細に把握することができます。この情報は、CSV形式のレポートとして出力でき、マニュアルの利用状況や学習の進捗を効率的に管理するのに役立ちます。
ドキュメント作成ツールの主な機能
1. テンプレート
ドキュメント作成ツールにはテンプレート機能があり、白紙からマニュアルを作る手間を省くことができます。既存のデザインやレイアウトを使用することで、フォントや文字サイズなどのフォーマットを統一し、見やすいマニュアルを作成することが可能です。
2. 編集機能
オンライン上でのマニュアルは画像や動画を使って、わかりやすい内容にできます。例えば、一連の作業手順を画像や動画で説明する場合、ドキュメント作成ツールのキャプチャ機能を利用すれば、作業の手間を省くことができます。また、PDF化機能を活用すれば、大容量のファイルにも対応可能です。
3. マルチデバイス対応
オンラインで共有されるため、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスで利用できます。これにより、複数人が同時にアクセスでき、外出先でも確認が可能です。
4. eラーニング
ツールによってはeラーニング機能が備わっているものもあります。この機能を利用することで、従業員の教育が効率的になり、集合研修のコストを削減できます。特に、新型コロナウイルスの影響で研修が困難な状況において、この機能は重要です。
ドキュメント作成ツールを選定するポイント
目的に合ったものを選ぶ
接客マニュアルや手順書、作業マニュアルなどマニュアルには様々な種類があります。
作ろうとしているマニュアルは何なのか、画像を多用したいのか、動画を多用したいのか、パソコンを主なデバイスとして使うのかなどという点も考えておかなければなりません。
どういった種類のマニュアルをどういった目的で、どういった作り方をするのかなどを明確にして、それらを達成できるツールを選ぶ必要があります。
操作しやすいものを選ぶ
すでにITツールを利用していて新しいITツールの導入に抵抗のない会社と、これまで全くITツールを利用してこなかった会社では、適したツールは異なります。
同じツールを導入したとしても、一方では使いやすく、他方では使うのが難しいと感じることもあるでしょう。
使いこなせないツールを導入してしまうと、慣れるまでに時間を要してしまい、使えないので「使わない」という結果になる可能性があります。
使わないということは、目的を果たすことができない結果になってしまいます。
そのため、従業員全員が使うことができるツールを選択することが大切です。
サポートが充実しているものを選ぶ
ツール導入後に利用方法の問い合わせや機能の追加などに柔軟に対応してくれるものを選んでおいたほうが良いでしょう。
利用してみないとわからない点や、追加したい機能ができたときにサポートを受けることができたほうがスムーズに運用ができる可能性が高くなります。
無料期間やトライアルの時点で企業の担当者と連絡を取って、どういったサポートを受けることができるのか確認しておきましょう。
おすすめのドキュメント作成ツール
トースターチーム
トースターチームは、「誰でも」「簡単に」使えるAI搭載型のマニュアル作成管理ツールです。マニュアル作成の未経験者でも、AIが自動でマニュアルを数秒で作成する機能、多言語への自動翻訳機能、PC画面を動画マニュアルとして収録する機能、スマホで撮影した動画をマニュアル化できる機能、社内や業界用語を用語辞典として管理できる機能など、業務に必要なあらゆるナレッジベースをひとつにまとめ、組織で作成、管理、運用できるクラウドサービスです。企業規模問わず導入しやすい利用料金を設定し、月額35,000円から即日活用できます。
【トースターチームのプラン例】
・ライトプラン/月額35,000円
・スタンダードプラン/月額60,000円
・ビジネスプラン/月額120,000円
Googleドキュメント
Googleドキュメントとは、Googleが提供するクラウドベースのドキュメント作成ツールです。このツールは、複数のユーザーが同時にドキュメントを編集できることが特徴であり、内部のチームメンバーだけでなく外部の人とも簡単にドキュメントを共有することができます。
Googleドキュメントは、Wordに近い形で利用できるツールですが、いくつかの大きな違いがあります。それは以下の点です。
- インストールの必要が無い(Googleアカウントが必要)
- データはクラウドで保存・管理される
- 共有したドキュメントはリアルタイムで反映される
- 編集履歴が自動保存される(バックアップの必要が無い)
- 更新履歴を遡って過去のデータを確認できる
- チェック機能が付いている(文字カウント、スペルチェック、データ検索など)
- デフォルトの書式設定が可能
- 形式を選択してダウンロード可能(WordやPDF形式など)
Googleドキュメントの魅力は、Wordに近い使いやすさに加え、無料で利用できる点です。また、クラウドでの管理によって、どこからでもアクセス可能であり、共同作業が非常にスムーズになります。
Microsoft Office365
Microsoft 365(旧 Microsoft Office)は、Googleドキュメントと同様にクラウドベースで様々なツールを提供しています。Microsoftアカウントを持っていれば、WordやExcel、PowerPoint、OneNote、Outlook、Skypeなど、多彩なツールをクラウドで利用することが可能です。
Googleドキュメントとの主な違いとして、使用できるテンプレートの数が限られている点が挙げられます。テンプレートを検索すれば多くの種類が見つかりますが、そのほとんどはMicrosoft 365を契約しないと使用できません。また、ユーザー独自のスタイルを作成することも制限されています。
さらに、Microsoft 365には契約が必要な機能が多く含まれているため、契約しないと利用できない機能があり、不便に感じる場合があります。この点はデメリットと言えるでしょう。
Dropbox Paper
Dropbox Paperは、Dropboxが提供しているクラウドベースのサービスで、Googleドキュメントなどと同様にクラウドを利用しています。このサービスは、Dropboxに登録していればパソコンでもスマホでも利用可能です。個人だけでなく、チームや組織など複数人で1つのドキュメントを同時に編集することができ、世界中で5億人以上が利用しています。オンラインでの共同作業に最適なワークスペースとして広く活用されています。
Dropbox Paperには便利な機能が多く、以下のような利用方法が挙げられます。
- 会議の議事録を作成する
- ブログのコンテンツを作成する
- プロジェクトのタスクリストを作成する
- ブレーンストーミングのツールとして活用する
- 報告書やレポートを作成する
- 書籍などの文章コンテンツを作成する
仕事以外でも、例えばバースデーパーティーの企画を共有し、アイデアを出し合ったりコメントをするなど、多様な使い方ができます。
さらに、Dropbox Paperには便利な機能がいくつかあります。例えば、作業中のドキュメントから現在そのドキュメントで作業していないメンバーを呼び出す機能があります。この機能では、呼び出されたメンバーに「一緒に作業してください」という通知が送られます。また、パソコンに保存されている画像や、YouTubeなどの外部サイトの動画をドキュメントに貼り付けることも可能です。ドキュメント内にスケジュールを貼り付けて、他のメンバーのスケジュールを把握することもできます。
Wordと比較すると、慣れるまで使いにくい部分もありますが、使い慣れると非常に便利です。統一されたフォントやレイアウトを使用することで、見やすくわかりやすいドキュメントを作成することができ、使いやすいマニュアルの作成にも適しています。
Canva Docs
Canva Docsは、オンラインで利用できる無料のグラフィックデザインツール「Canva」の文書エディター機能です。このツールを使うことで、Canvaの豊富なデザイン機能を活用しつつ、画像・動画・グラフなどを取り入れたビジュアル中心のドキュメントを簡単に作成・編集できます。企画書や報告書など、社内文書に最適な豊富なテンプレートがあらかじめ用意されているのも大きな特徴です。
さらに、Canva DocsにはOpenAIを活用したAI文章作成機能「Magic Write」が搭載されており、文章作成をサポートします。複数人での同時編集が可能なリアルタイムコラボレーション機能も備わっており、効率的な共同作業が実現します。これらの機能により、Canva Docsは文書作成ツールとして非常に優れた選択肢となっています。
Zoho WorkDrive(旧 Zoho Docs)
Zohoは、オンライン上でビジネスアプリケーションを提供するサービスで、世界中で600万人以上が会員登録しています。Zoho WorkDrive(旧 Zoho Docs)は、オンラインドキュメント編集ツールであり、ユーザーが作業に集中できるようなシンプルな設計が特徴です。
Wordで可能な多くの機能がZoho Docsでも利用でき、ヘッダーやフッターの追加、ブログ投稿の作成などが可能です。また、電子署名のサポートなどの高度なオプションも備えています。さらに、チャット機能も付いており、他のメンバーとリアルタイムでコミュニケーションを取りながら作業を進めることができます。
その使いやすさから、マニュアル作成にも適したツールと言えるでしょう。
COCOMITE
COCOMITEは、コニカミノルタ株式会社が提供するドキュメント作成サービスで、特に業務マニュアルの作成に特化したツールです。このサービスを利用することで、簡単にドキュメントを作成して共有できます。
基本レイアウトに沿って情報を入力するだけで、マルチデバイス対応のマニュアルを作成できるのが特徴です。また、作成したドキュメントはフォルダごとにアクセス管理を設定できるため、情報のセキュリティと管理がしやすくなっています。
料金プランは、利用人数に応じた3つのプランが提供されており、30日間の無料トライアルも用意されています。これにより、企業は自社のニーズに合わせて適切なプランを選ぶことができます。
Dojo
Dojoは、株式会社テンダが提供するマニュアル作成に特化したドキュメント作成ツールです。特にPCの操作方法をマニュアル化するのに便利で、対象のソフトウェアを操作すると、その操作内容やキャプチャを自動で取得・編集し、ドキュメントや動画として出力できます。
また、Dojo以外にも、システム操作をナビゲートする「Dojoナビ」や、ドキュメントマニュアルの作成に特化した「Dojoウェブマニュアル」といった関連サービスも提供されています。これらのツールを活用することで、効率的にわかりやすいマニュアルを作成でき、ユーザーの学習や業務効率の向上に寄与します。
iTutor
iTutorは、株式会社ブルーポートが提供するマニュアル作成用のドキュメント作成ツールです。このツールでは、PCの操作を自動的にキャプチャしてスライド化し、そのスライドを編集することができます。作成・編集したスライドは、PDFやパワーポイントなどのさまざまな形式で出力可能です。
また、動画マニュアルの作成も可能で、キャプチャした操作内容だけでなく、別途撮影した動画も取り込んで編集できます。この機能により、視覚的にわかりやすいマニュアルを作成することができます。
さらに、iTutorではマニュアルだけでなく、◯✕形式のクイズなども作成できるため、eラーニングコンテンツの作成ツールとしても利用可能です。これにより、教育や研修の場でも効果的に活用できます。
tebiki
tebikiは、動画マニュアルを簡単に作成できるクラウド型の教育システムです。特に現場作業者の教育向けに利用されており、OJT(On-the-Job Training)で教える内容をスマートフォンで撮影すると、自動で字幕が生成され、動画マニュアルとして提供されます。さらに、100カ国以上の言語に対応した自動翻訳機能を備えているため、外国人スタッフがいる会社でも活用できます。
また、作成した動画マニュアルは、誰がどの程度見たのかをレポートとして可視化できる機能があり、マニュアルの活用状況を把握するのに役立ちます。これにより、教育やトレーニングの効果を測定し、必要な改善を行うことが可能です。
VideoStep
VideoStepは、動画マニュアルの作成ツールです。現場マニュアルや手順書、研修動画などを簡単に作成して共有することができます。AndroidやiOSにも対応しており、オフライン環境でも動画マニュアルを視聴可能です。
さらに、レポート機能を搭載しており、「いつ」「誰が」「何秒間」「どの箇所を」見たのかを詳細に把握することができます。この情報は、CSV形式のレポートとして出力でき、マニュアルの利用状況や学習の進捗を効率的に管理するのに役立ちます。
まとめ
現代では、スマートフォンを持っていない人はほとんどいないため、クラウド型のドキュメント作成ツールを利用してマニュアルを作成することは非常におすすめです。これにより、従業員はどこでも気軽にマニュアルにアクセスでき、効率的に業務を進めることができます。
ツールを導入する際には、導入の目的や操作性を考慮し、自社に最も適したツールを選ぶことが重要です。適切なツールを選ぶことで、作業効率の向上や従業員の学習を促進することができるでしょう。