FAQのメリット・デメリットとは?選ぶポイント等も解説

よくある質問へ自動的に回答を提供する「FAQ」は、今や企業にとっては無くてはならない定番コンテンツとなりました。

本記事ではFAQコンテンツを管理する、FAQシステムのメリット・デメリットや選定ポイントを解説しています。「問い合わせ対応を効率化したい」とお考えの方はぜひ参考にしてください。

目次

FAQシステムのメリット

FAQシステムは、社内・社外から寄せられるさまざまな疑問に回答を提供し、以下のメリットをもたらすナレッジツールです。

1. 問い合わせ件数を削減できる
2. サポートを24時間365日提供できる
3. 応対時間が短縮される
4. 機会損失・業務停滞を防止できる
5. ナレッジを蓄積できる

それぞれの内容を具体的に紹介します。

メリット1  問い合わせ件数を削減できる

FAQシステムを導入する一番のメリットは、問い合わせ件数を削減できることです。FAQが充実していると、顧客と社員双方が疑問を自己解決できます。
問い合わせ対応部署は、同じような質問に何度も対応する必要がなくなるため、高度な問い合わせにリソースを集中できるようになります。

FAQシステムは、問い合わせ対応人員の負担軽減と業務全体の効率化に直接寄与するツールです。

メリット2  サポートを24時間365日提供できる

チャットやSNSが普及した現代において、問い合わせ対応時間が限られ課題解決にタイムロスが生じることは、ユーザーの不満につながります。FAQシステムは疑問の即時解決を可能にするため、顧客満足度の向上につながるでしょう。

社内においては、問い合わせ対応部署の業務時間外にも課題解決が可能になります。24時間営業や年中無休店舗を複数抱えている企業の場合は、特に享受できるメリットが大きいツールです。

メリット3 応対時間が短縮される

問い合わせ対応部署が即座に回答できない質問を受けたとき、FAQがない場合の対応は以下の2択になります。

・部署のメンバーに質問する/サポートを依頼する
・該当する情報をマニュアルから探す

いずれにおいても、回答までに時間がかかり顧客や社員を待たせることになります。
FAQシステムがあれば、上記の対応をすることなくFAQで課題解決が可能になるため、質問への即時回答を実現できます。顧客や社員の待ち時間短縮に加え、問い合わせ対応部署の業務効率化にもつながるのです。

メリット4  機会損失・業務停滞を防止できる

質問や困りごとがあった際、FAQで即時に課題解決が実現することで顧客や社員の利便性が向上します。FAQがない場合、わざわざ「問い合わせる」という行動を起こさなければならないため、課題解決を諦めるユーザーも出てくるでしょう。

問い合わせを諦めたユーザーが顧客の場合は機会損失になり、社員の場合は業務の停滞につながります。FAQシステムはこのような事態を回避し、顧客と企業双方にとって好ましい状況を作り出せるツールなのです。

メリット5 ナレッジを蓄積できる

FAQシステムがない場合、問い合わせ内容は担当者各々が管理することになり「特定の担当者でないと状況がわからない」という業務の属人化を招きます。FAQシステムによって問い合わせ履歴と回答内容を蓄積することで、その情報を参照すれば誰でも応対が可能になるのです。

顧客や社員から寄せられた情報(ナレッジ)を蓄積することは「どのようなことでつまずいているのか」の傾向を部署内で共有することにもつながります。質問を受けやすい項目を事前に把握することで、応対品質の均一化・向上にも寄与するでしょう。

FAQシステムのデメリット

FAQシステムは、導入するだけで飛躍的な効果が見込めるツールではありません。効果的な運用のためには、それなりの工数を覚悟しておく必要があります。

以下ではFAQシステムを導入するデメリット(注意点)を解説します。

デメリット1 導入費用が発生する

当然ながら、FAQシステムの導入にはコストがかかります。必要な費用の具体例は以下のとおりですが、導入するシステムの型によって詳細は異なります。

・初期費用
・月額費用
・保守運用費用
・増設費用
・オプション料金

FAQシステムの費用対効果を最大限高めるために、導入目的をあらかじめ明確にしておきましょう。FAQには機能の異なるさまざまな種類のシステムがあるため、目的に合ったシステムを比較検討して選択することをおすすめします。

トータル費用のみにとらわれず、自社の課題を解決できるシステムなのかを多角的に検証することが大切です。

デメリット2 作成・運用に手間がかかる

FAQの作成・効果的な運用には、相応の手間が発生します。作成の大まかなフローは以下のとおりです。

1. FAQに掲載する情報を収集する
2. 収集した情報の優先順位を整理する
3. 回答内容を用意する
4. FAQ内のレギュレーションを整備する
5. 作成のうえ、承認・チェックをして公開する

FAQを効果的に運用するためには、上記に加え定期的な更新も欠かせません。日々寄せられるさまざまな情報の取捨選択をすることで、より精度の高いFAQを実現できるためです。
更新を怠ると、困りごとを解決するツールとして機能しなくなるため、やがてシステムの形骸化を招きます。

FAQにおける作成・運用は避けて通れないことから、作業に手間取らない簡便なシステムを導入することが大切です。

デメリット3 システムを浸透させる取り組みが必要になる

せっかくシステムを導入し、手間をかけて作成・更新を行っても、使ってくれるユーザーがいなければ意味がありません。顧客と社員双方にFAQを活用してもらうためには、以下の施策が有効になります。

・WebサイトからFAQへの導線をわかりやすくする
・FAQシステムの情報発信を行う
・FAQシステムのアンケート調査を実施し、社員の声を反映する
・問い合わせ対応の際、FAQの周知・宣伝を徹底する

システムを浸透させるための工夫を凝らし、網羅性の高いFAQを作成できれば、おのずと利用率は上がります。

FAQシステムを選ぶ際のポイント

FAQシステムにはたくさんの種類があり、それぞれのもつ機能もさまざまです。自社の課題に合ったシステムを選ぶために、ここでは大前提としておさえておきたい選定ポイントを解説します。

ポイント1 顧客と社員双方の使い勝手を重視して選ぶ

大前提として、顧客や社員が使いやすいシステムを選択することが重要です。「使いやすいシステム」とは、具体的に以下のような特徴をもつシステムを指します。

・マルチデバイスに対応している
・求めている情報を探しやすい
・IT知識がない人でも使いこなせる

使い勝手が悪いシステムは、利用率の低下によるシステムの形骸化を招きます。利便性を重視することで、業務効率化と顧客満足度向上につながるのです。

ポイント2 更新やメンテナンスが容易なものを選ぶ

精度の高いFAQを作成するためには、日々蓄積する情報を精査し、更新する作業が欠かせません。更新・メンテナンスは手間がかかるため、なるべく作業が容易に進められるシステムを選びましょう。
たとえば以下の特徴をもつシステムは、運用がしやすくおすすめです。

・テンプレート機能がありFAQ作成が容易に進む
・情報をカテゴリ別に整理できる
・既存システムとの連携に強い

運用保守が大変なシステムを選ぶと、作業が効率的に進まないためかえって業務効率を圧迫してしまいます。システム自体の機能だけではなく、メンテナンスのしやすいチーム編成や作業フローも同時に整えていきましょう。

ポイント3 対応言語が多いものを選ぶ

デジタル技術の発展にともない、コミュニケーション活動の多言語化も急速に進んでいます。海外の顧客や日本人以外の社員が使用できる多言語対応のFAQは、今後さらに重要性が増していくでしょう。

多言語対応のFAQシステムを選択すると、コールセンターにおける外国語対応を削減できるため、部署全体の業務効率化が進みます。
さらに「日本語版」「英語版」のようにFAQを独立して運用する必要がなくなるため、更新・メンテナンス作業の効率化も期待できます。

ポイント4 システムの型で選ぶ

FAQシステムには、オンプレミス型とクラウド型の2種類があります。オンプレミス型とクラウド型それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット デメリット
オンプレミス型 ・既存システムとの連携が容易
・セキュリティ強度が高い
・初期費用がかさむ
・メンテナンス費用がかかる
クラウド型 ・ネット環境があればどこからでもアクセス可能
・短期間で導入作業が完了する
・初期費用が安い
・カスタマイズ性が低い
・企業によってサービスの提供価格に差がある

現在のFAQシステムにおいてはクラウド型が急速に浸透しつつありますが、自社の課題や導入目的にあわせて選ぶことが大切です。

FAQシステムを導入する前に押さえること

FAQシステムの効果を最大化させるためには、導入前の準備が必要不可欠です。以下の内容を明確にしたうえで、システムの比較検討をしてみてください。

1 導入の目的を明確にする

はじめに、以下のようなFAQの導入目的を一つひとつ明確にしておきましょう。

・社内・社外どちらの課題を解決するのか
・問い合わせ数の何%削減を目指すのか
・顧客満足度をどれくらい高めたいのか

達成したい目的によって重視する機能が異なるため、事前に固めておきたいポイントです。目的を達成できるシステムを複数ピックアップしたのち、費用や使い勝手を重視して最善のものを絞り込みましょう。

2 問い合わせを分析し質問内容をまとめる

問い合わせ内容を分析のうえ、よくある質問と回答をあらかじめまとめておきましょう。質問のキーワードや寄せられる数などを整理しておくことで、システム導入後にタイムロスなく有効活用できます。

コンテンツ数が極端に多いと疑問を解決するヒントにたどりつきづらくなり、かえって利便性が低下します。はじめは主要な質問を簡潔にまとめることが大切です。

3 運用ルールや管理者を決める

FAQシステムを有効活用するためには、定期的な更新・メンテナンスが欠かせません。運用のルールや管理者を決めないまま導入すると、更新が滞りシステムが使い物にならなくなります。

管理・運用は特定の個人に任せるのではなく、チーム作業を行うことが望ましいです。更新作業を行うチームと、チェック・公開を行うチームを分けるなど、繁忙期でもコンスタントに継続できる環境を構築しましょう。

まとめ

本記事ではFAQシステムのメリット・デメリットや選定ポイントを紹介しました。メンテナンスを徹底したFAQシステムは、問い合わせ数の削減や顧客満足度の向上、業務の効率化などさまざまな恩恵をもたらします。

活用目的や運用方法を事前に固め、最善のシステムを選定することで自社のビジネスを加速させましょう。

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