従業員の業績や会社への貢献度・職務の遂行度などを一定の基準に基づいて評価する人事評価は、社員の昇給・昇進・賞与に反映される重要なことです。
社員一人ひとりのモチベーションに直結する部分といえ、正確でいて適正な運用が欠かせません。そのため、多くの企業では人事評価のシステム化が進んでいます。
この記事では、人事評価システムの基本的な情報や選び方を紹介しましょう。これから人事評価制度をシステム化したいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。
人事評価システムとは
人事評価システムには、人事評価をするために必要な機能が揃っています。
企業には独自の人事評価制度が用意されているものですが、その制度が複雑になる・組織の規模が大きいほど多くの労力や時間を必要としていました。人事評価システムを活用することにより、その作業自体を効率よく正確に行うことが出来るのです。
また、システムを利用すれば今までは閉鎖的なイメージのあった人事評価が社内で共有しやすいスタイルに変わるため、人事制度の不正も発生しにくくなり、人事評価への信頼度も高くなります。
従業員に分かりやすく信頼される人事評価が出来れば、従業員のモチベーションの向上にもつながるでしょう。
人事評価システムを導入するメリット、効果
人事評価システムは多くの企業で導入されていることをお伝えしましたが、まずは、システムの導入で得られる効果やメリットについて理解しましょう。
1 人事評価業務を効率化する
人事評価システムを導入すれば、人事評価にかかっていた労力や時間を大幅に削減でき、業務全体を効率化可能です。
今までのように人事評価のためにデータのやりとりをしたり、評価のフィードバックを共有するなどの手間がなくなり、スムーズに業務が進められるでしょう。
システムでは人事評価の進捗も一目で確認出来るので、業務の滞りも防げます。
2 社員のモチベーションを向上させる
今までは人事評価は一部の担当者のみが管理することが多かったと思います。分かりにくく透明性に欠けていると感じていた従業員もいるでしょう。
人事評価に対しての不信感が生まれてしまうと「努力をしても正当に評価されない」「自分よりも成果を出していない従業員が評価されている」などという不満につながり、従業員のモチベーションが下がり、従業員の流出が増えてしまうおそれもあります。
人事評価システムでは柔軟な閲覧権限を利用した人事評価の共有が可能なので、従業員に評価の正当性が伝わりやすいのです。
3 人事情報の管理がしやすい
通常人事評価には非常に多くの個人情報が関わっており、その管理は複雑です。人事評価システムを導入すれば、人事評価の情報以外にも職務経歴・異動履歴・履歴書などの人事に関係する全てのデータを一元管理することが可能です。
従業員の情報を知りたいと思った時に、情報が一元化されていれば得たい情報をすぐに手に入れられるようになるため、情報検索に時間を取られることもないでしょう。
4 適切な人材配置が出来る
組織における人材配置は円滑に業務を進めるため、従業員の育成のために非常に重要なことです。
今までは個人の意見や評価でその配置が決定されていましたが、人事評価システムを導入すれば、よりその人材に適した業務を与えることが出来るでしょう。
特に規模が大きな企業では人材が埋もれてしまいやすい傾向がありましたが、システムによっては業務ごとに最適な人材を検索する機能が搭載されているため、人材配置がスムーズに行えるのです。
人事評価システムの主な機能
人事評価システムには人事評価に必要な機能が備わっているとお伝えいたしましたが、具体的にはどのような機能があるのでしょうか?
一般的な人事評価システムの機能は下記のようなものです。
・評価業務の進捗管理
・チームや部署の目標設定・目標管理
・評価項目、評価シートの設定
・面談記録の保存
・ステータス管理
・評価ワークフローの設定
・ユーザーごとの使用権限・閲覧権限の設定
使用するシステムによっては独自の機能を搭載している場合もあるため、それぞれのシステムの特徴を理解する必要があるでしょう。
人事評価システムの選定ポイント
人事評価システムの重要性が周知されたことにより、非常に豊富な種類のシステムが社会に流通しています。
そのため、システムの選定には多くの時間が必要でしょう。ここからは、人事評価システムを選ぶ時に知っておくべきポイントを説明します。
ポイント1 誰にでも使いやすい操作性
人事評価システムは多くの社員が利用するものです。そのため、パソコンの知識に長けていない社員でも簡単に使用出来るように、分かりやすい操作が可能なシステムを導入しなくてはいけません。
人事評価システムでは、非常に多くの情報を取り扱うため、シンプルでいて見やすいインターフェイスのシステムが望ましいでしょう。
ポイント2 既存のシステムと連携可能か
人事評価システムを導入する前から、別のシステムを使って勤怠管理・日報管理・給与管理などを行っている企業は多いです。
スムーズに人事評価システムを浸透させるためには、既存のシステムと連携可能なものを選ぶとよいでしょう。社内で点在している情報が一元化されれば、人事評価のみでなく組織全体の生産性を高める効果が期待出来ます。
ポイント3 自社の人事評価制度との相性がよいか
人事評価制度は会社によって大きく変わります。そのため人気の人事評価システムを導入すれば、うまくいくとは限らないのです。
自社の評価制度の運用に対しての自由度を確認した上で、柔軟性の高いシステムを選ぶようにしてください。目標管理制度や360度評価などを採用しているのなら、システムがこれらの制度に対応しているかも確認しておきましょう。
ポイント4 組織の規模に適したものを選ぶ
組織の規模が大きくなると、承認フローや人事情報の共有に必要なステップが必然的に増えます。それとは逆に、人事評価システムに搭載されている機能の中には、小さな組織では不要と感じるものもあるでしょう。
自社に最適なシステムは、組織の規模によって変わるということです。
主要の人事評価システムを比較
ここからは、多くの企業に導入が進められている主要の人事評価システムを紹介します。人事評価システム選びのポイントを理解して、自社に最適なシステムを選びましょう。
カオナビ
カオナビはクラウド型の人事評価システムで、人材情報を一元化・見える化することにより優秀な社員の発掘から退職者の予測までが可能です。
プロジェクトに合致する人材の検索や抽出も出来るため、適切な人材配置が行えるでしょう。人件費やスキル値を確認しながら要員をシミュレーションすれば、人材配置後の人件費変動などを見ながら議論でき、その結果はデータで残せます。
顔写真が人事情報に結びつけられるので、大きな企業でも社員全員の顔を見ながら人事評価が進めらます。
【カオナビのプラン】
・データベースプラン
人材情報を一元化するためのプランです。
・パフォーマンスプラン
人材情報の一元化の他に、評価のワークフロー設定や社員アンケートが可能になります。
・ストラテジープラン
人材情報の一元化・評価・人材配置のバランス図・社員データグラフなど多くの機能が利用出来ます。
※登録人数によって費用が変わるため、見積もりが必要です。
まとめ
人事評価システムについての情報や、おすすめの人事評価システムを紹介いたしました。
自社で定めている人事評価制度や、今後使用したいと考えている機能を考えた上で、最適な人事評価システムを探しましょう。
また、情報を一元的に管理すると効率的に進められる業務は、人事評価業務だけではありません。社内のあらゆる情報を一元的に管理できれば、情報共有が簡単になり、全ての業務がより円滑に進められるでしょう。人事評価システムの導入を検討しているのであれば、併せて社内全体の情報共有のためのシステム導入も検討してみてはいかがでしょうか。