多くの会社で導入され、利用されている社内ポータルサイト。社内ポータルサイトは、会社の膨大な情報の円滑な共有・管理に役立ちます。
今回は、社内ポータルサイトについて、機能やメリット、類似サービスとの違いなど詳しくご紹介します。
社内ポータルサイトとは
「ポータル」とは、「玄関」「入り口」といった意味を持つ言葉です。
「社内ポータルサイト」とは、社内のさまざまなアプリケーションにアクセスするための入り口となるサイトを指します。社内サイトにおけるYahoo!やGoogleのような検索エンジンをイメージすると良いでしょう。
社内ポータルサイトを活用すれば、異なるシステム上にある情報に社内ポータルサイト1箇所からアクセスができ、社員は必要な情報をすぐに手に入れることができます。
他サービスとの違い
社内ポータルサイトと類似したサービスは多く存在し、あらゆる企業で活用されています。それぞれの違いを見ていきましょう。
社内ポータルサイトとポータルサイトの違い
ポータルサイトとは、誰もがアクセスできるインターネット上の玄関サイトのことです。具体的には、GoogleやYahoo!などといった検索エンジンサイトが挙げられます。
一方、社内ポータルサイトにアクセスできるのは会社の人間だけです。
社内ポータルサイトとポータルサイトには、アクセスできる人の範囲に違いがあります。
社内ポータルサイトと社内SNSの違い
社内SNSとは、社内に限定したSNSのことです。TwitterやInstagramのようなSNSを社内の人間だけで楽しむコミュニケーションツールだと考えると良いでしょう。
社内SNSは、検索エンジンのような役割を果たす社内ポータルサイトからアクセスできる一機能だと考えると良いでしょう。
社内ポータルサイトとグループウェアの違い
グループウェアとは、情報共有のためのツールがまとめられたソフトウェアのことです。スケジュール管理やメール機能、ファイル共有といった複数のツールをグループウェアから利用できます。
グループウェアは、社内の人と情報を共有し合うためのサービスです。
これも、社内ポータルサイトからアクセスできるひとつの機能です。
社内ポータルサイトの機能
社内ポータルサイトには、多数の機能が備わっています。主な機能をご紹介しましょう。
・プロジェクト管理機能
・ワークフロー機能
・コミュニケーション機能
・掲示板機能
・勤怠管理機能
・情報検索、wiki、Q&A機能
・レポート機能
・ストレージ機能
・外部サービスとの連携機能
上記のように、社内ポータルサイトには多様な機能があり、これらの全てに社内ポータルサイトからシンプルな手順でアクセスすることが可能です。
社内ポータルサイトの導入メリット
社内ポータルサイトの導入・活用は、社員にとっても会社にとってもメリットとなります。社内ポータルサイトの導入メリットを具体的に挙げていきましょう。
メリット1 情報を一元的に管理できる
社内ポータルサイトは、1箇所からあらゆる社内情報へのアクセスを可能にします。情報がバラバラにならず一元的に管理できるため、情報の管理は楽になるでしょう。
欲しい情報がある時も、社内ポータルサイトを通せば、シンプルな手順で素早く情報を得られます。
メリット2 情報共有が迅速に行える
情報共有が迅速に行えるのも、社内ポータルサイト導入のメリットです。
紙の資料を回したり、一人一人にファイルをメール送信する手間は、社内ポータルサイトを使えば不要になります。社内ポータルサイトに搭載されている掲示板機能やストレージ機能を利用することで、知らせたい情報や共有したい資料をすぐに相手に確認してもらうことができます。
メールより手軽なチャット機能がある場合も多く、社内ポータルサイトによって情報共有のスピードは向上します。
メリット3 業務効率が上がる
社内ポータルサイトを利用すれば、情報の共有は迅速でスムーズになります。
業務中に疑問が発生しても、社内ポータルサイトから情報を検索して自分で必要な情報を得られるため、素早い疑問の解決が可能です。
疑問の発生によって業務の手が止まる時間は短くなり、質問するために他の社員の手を止めることもありません。
社内での情報のやり取りやファイル共有もシンプルな手順で行え、わざわざファイルを送信したり紙の資料を回覧したりする手間は不要です。
社内ポータルサイトの導入には業務の効率化を期待できます。
メリット4 コミュニケーションが活発になる
社内ポータルサイトによって情報を共有しやすい環境が整えば、社内のコミュニケーションは活発化します。部署や事業所の垣根を超えた情報共有がしやすくなって人間関係の幅は広がり、チャットの利用により気軽なコミュニケーションも増えるでしょう。
社内コミュニケーションの活発化は、社員のモチベーションアップや斬新な発案に繋がり、会社にとって良い影響を与えます。
メリット5 社員全体のスキルを底上げできる
社内ポータルサイトによって情報を得やすくなれば、社員は自分自身で多くの情報を得て知識を増やすことができます。知識が増えればできる業務も増えるため、社員のスキルは向上していくでしょう。
あらゆる業務の情報を得られる社内ポータルサイトは、業務の属人化防止にも効果的です。
社内ポータルサイトを導入しても活用されない理由
社内ポータルサイトは、うまく活用することで多くのメリットを得られます。その一方で、社内ポータルサイトを導入しても活用しきれていないというケースがあるのも事実です。
なぜ活用されないケースが起こるのか、その主な理由を3つご紹介します。
理由1 使いにくい、使い方がわからない
使いにくい社内ポータルサイトは、社員に活用されません。スムーズな操作ができないと、社内ポータルサイトを使うことによって逆に業務効率が落ちてしまうためです。
また、直感的に操作がわかりにくいデザインの社内ポータルサイトも同様です。サイトを操作するためにいちいち資料を読んだり、システム担当者に確認したりする必要があるようでは、情報共有の円滑さが魅力の社内ポータルサイトの運用はうまくいきません。
理由2 情報が更新されない、最新でない
情報がこまめに更新されないことも、社内ポータルサイトが活用されなくなる要因のひとつです。古い情報ばかりでは最新の正確な情報を得られず、社員は社内ポータルサイトを利用しなくなってしまいます。
理由3 情報投稿のハードルが高い
社内ポータルサイトでは、社員が情報を得るだけでなく、情報の投稿を行うことで有益な情報を蓄積していきます。
しかし社員にとって、全社員に共有される情報を投稿するのはハードルが高いものです。積極的な情報投稿によって社内ポータルサイトの利用を活性化するには、テンプレートの準備や投稿に対するスコア付けを行うなど、情報投稿のハードルを下げる工夫が必要です。
社内ポータルサイトを構築する際のポイント
社内ポータルサイトを構築する際には以下のポイントに注意しましょう。
ポイント1 社内ポータルサイトを統合する
社内ポータルサイトは、社内全体の情報を一元管理することでさまざまなメリットを得られる手段です。
会社によっては、部署ごとに社内ポータルサイトを運営しているケースもあります。社内に複数のポータルサイトが存在するようでは、情報がバラバラになってしまい、十分に社内ポータルサイトのメリットを得られません。
社内ポータルサイトはひとつに統合し、会社の情報を一元管理できるようにしましょう。
ポイント2 導入目的を明確にしておく
「社内ポータルサイトの導入によってどんな効果を得たいのか」「何を目指すのか」という目的を明確化しておくことは、社内ポータルサイト導入にあたって重要です。目的が明確になっていないと、効果的に運用できる社内ポータルサイトの構築はできません。
明確にした目的は、全社員にも共有するようにしましょう。目的が分かれば、自身へのメリットも理解しやすくなり、社内ポータルサイトの活用に積極的になるでしょう。また、目的と同時に、運用の責任者も決めておくと良いでしょう。
ポイント3 使いやすいデザインにする
社内ポータルサイトは、使いやすくなければ活用されません。
シンプルな手順で直感的な操作ができるよう、操作性とデザインにこだわって構築を行いましょう。
ポイント4 セキュリティ対策は万全に
社内ポータルサイトを安全に運営するには、セキュリティが大切です。会社のあらゆる重要な情報を共有・保管する社内ポータルサイトから、情報が漏洩してしまっては損失につながる恐れもありますし、会社への信用にも影響します。
セキュリティ対策は万全にしておくようにしましょう。
おすすめの社内ポータルサイト
Google サイト
Google サイトはGoogleが開発・提供しているWebサイト作成サービスです。プログラミングやデザインなどの専門知識がなくても、ドラッグ&ドロップでWebサイトの作成・編集ができます。共同編集も可能で、チームでWebサイトの更新を行う場合にも便利です。
Google ドキュメントのように共有・オーナーの権限設定も簡単にできるため、情報の共有レベルに合わせた公開も可能です。
Googleアカウントを持っていれば無料で利用でき、Google カレンダーやGoogle ドキュメントなどを簡単に埋め込むこともできるため、Google Workspaceを導入している企業には特におすすめのサービスです。
料金:無料(Google アカウント必須)
WordPress
WordPressは無料で利用できるオープンソースのCMS(Contents Management System)です。専門知識がなくても簡単にページの追加や更新が可能です。WordPressには「テーマ」と呼ばれるテンプレートが数多く提供されているため、デザインの知識がなくとも見やすいWebサイトを制作できます。プラグインを追加すれば各種機能をサイトに追加できる点も特徴です。
基本的にはオープンソースのシステムであるため無料で利用できますが、サーバーやドメインが必要となります。また、社内ポータル専用のシステムではなく、比較的自由度が高いツールとなるため、セキュリティ面には注意が必要です。
料金:無料(別途サーバー・ドメインが必要)
XOOPS Cube
XOOPS Cubeは会員制のポータルサイトを構築できるCMSである「XOOPS」のマルチバイト版です。「テーマ」呼ばれるテンプレートを切り替えることで簡単にデザインを切り替えられる点や、モジュールと呼ばれる機能を追加できる点が特徴です。
基本的にはオープンソースのシステムであるため無料で利用できますが、サーバーやドメインが必要となります。
料金:無料(別途サーバー・ドメインが必要)
concrete5
concrete5は無料で利用できるオープンソースのCMSです。簡単かつ直感的にWebサイトの作成・更新ができます。テーマやアドオンを追加することでデザインや機能を簡単に追加できる点も特徴の1つです。
国内でも多くの企業が利用しており、社内ポータルサイトやコーポレートサイトの構築に用いられています。
基本的にはオープンソースのシステムであるため無料で利用できますが、サーバーやドメインが必要となります。
料金:無料(別途サーバー・ドメインが必要)
Office 365 SharePoint Online
Office 365 SharePoint OnlineはMicrosoftが提供しているファイル共有・管理システムです。ファイルの共有・管理に加えて、社内ポータルの作成機能があり、簡単に社内ポータルサイトを構築できます。さまざまなテンプレートが提供されているため、簡単にサイトの構築や更新が可能です。
アクセス制限機能も搭載されているため、企業でも安心して利用できる点も特徴的です。
Microsoft 365を導入済みの企業であれば追加料金なしで利用できるほか、「SharePoint Online」と呼ばれる単体プランも提供されています。
【Office 365 SharePoint Onlineの料金プラン例】
・SharePoint Online(プラン1):¥540 / ユーザー / 月(税抜)
ユーザー 1 人あたり 1 TB の OneDrive ストレージ
・SharePoint Online (プラン2):¥1,090 / ユーザー / 月(税抜)
無制限の個人用クラウド ストレージ
kintone
kintoneはサイボウズ株式会社が提供する業務アプリ構築サービスです。社内ポータルの構築も可能であり、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で簡単にページを作成できます。全文検索機能で添付資料の中身まで検索可能なため、必要な情報やファイルをすぐに見つけられるアクセス性の高さも特徴です。
kintoneは機能の異なる2種類のプランが提供されており、30日間の無料トライアルも用意されています。
【kintoneの料金プラン】
・ライトコース:¥780 / ユーザー / 月
アプリ200個まで
・スタンダードコース:¥1,500 / ユーザー / 月
外部サービス連携・アプリ1,000個まで
Global Portal
Global Portalはパナソニック ソリューションテクノロジー株式会社の提供する企業向けのポータルサイト構築システムです。HTMLなどの専門知識不要で簡単にポータルサイトを構築できます。また、アクセス権限をユーザーまたはグループ単位で設定できるなど企業での利用でも安心して利用できます。
同社が提供する文書管理システム「Global Doc」やワークフローシステム「Global Flow」との連携ができる点も特徴です。
料金:非公開
Garoon
Garoonはサイボウズ株式会社が提供するグループウェアです。ドラッグ&ドロップで簡単に社内ポータルを作成できるだけでなく、さまざまテンプレートが用意されているため、サイト制作に慣れていない方でも簡単に使いやすいポータルサイトを作成できます。
ポータルやパーツ単位でアクセス権限を柔軟に設定できるため、セキュリティ面でも安心です。また、同社の提供する業務アプリ構築サービス「kintone」との連携ができる点も特徴です。
クラウド版とパッケージ版がそれぞれ提供されており、利用人数によって価格が異なります。30日間の無料トライアルも用意されています。
【Garoonの料金プラン】
クラウド版
・〜300ユーザー:¥845 / ユーザー / 月、¥9,935 / ユーザー / 年
・301〜1,000ユーザー:¥800 / ユーザー / 月、¥9,405 / ユーザー / 年
・1,001ユーザー以上:要問合せ
パッケージ版
・〜50ユーザー:¥600,000 / 50ユーザー
・51〜249ユーザー:¥11,000 / 1ユーザー
・250〜499ユーザー:¥10,000 / 1ユーザー
・500〜999ユーザー:¥9,000 / 1ユーザー
・1,000〜2,499ユーザー:¥8,000 / 1ユーザー
・2,500〜4,999ユーザー:¥7,500 / 1ユーザー
・5,000ユーザー以上:要問合せ
まとめ
社内ポータルサイトの運用は、業務の効率化や社員のスムーズな情報共有、コミュニケーションに役立ちます。社内ポータルサイトの積極的な活用は、やがて企業競争力の向上にも繋がるでしょう。
社内ポータルサイトを構築するには、既存の情報共有ツールを利用するのもおすすめです。情報共有ツールを使えば、汎用性・操作性の高いサイト構築を手軽に行うことが可能です。社内ポータルサイト導入時には、情報共有ツールの利用も検討しましょう。
「toaster team トースターチーム」なら、業務手順書やマニュアル、業務プロセス、ワークフローを誰でも簡単に作成できます。社員・スタッフの知識・経験を見える化・仕組み化し、社内のあらゆる業務に関する情報をクラウドで一括管理できます。新人の即戦力化や業務の属人化の解消を通じて、組織の業務効率化と生産性向上につながるため、是非ご検討ください。