新型コロナウイルスの影響を受けて、多くの企業でテレワークが導入されています。その一方で、印鑑文化や書類による情報管理がテレワークの導入を妨げている企業もあるでしょう。そのような企業に欠かせないのがペーパーレス化です。
この記事では、ペーパーレス化のメリットやポイントを紹介します。紙の書類によってテレワークの導入が思うように進まない方は、ぜひ参考にしてください。
テレワークにペーパーレス化が必要な理由
まずは、テレワークにペーパーレス化が欠かせない理由を理解しましょう。
理由1 書類のために出社をしなくてはいけなくなる
取引先への請求書や発注書、社内での稟議書や決裁書などがペーパーレス化出来ていない企業では、テレワーク中も書類を用意するために出社しなくてはいけなくなります。
本来テレワークが可能な業務であるのに、そのような理由でオフィスに出向くことは、非常に非効率だと言えるでしょう。
また、書類自体は電子化出来ていても電子印が用意されていない場合には、同じように承認のために出社しなくてはいけません。
理由2 情報共有が滞る
電子化されていない紙の情報は、テレワークをしている社員に伝わりにくくなります。
その結果、情報共有不足による生産性の低下やトラブルを招く恐れもあるでしょう。
電子化された情報は周知だけでなく訂正もスムーズに行え、最新の情報を速やかに社員に伝えられます。
理由3 情報漏洩のリスクがある
ペーパーレス化されていない企業でテレワークを実施すると、仕事に必要な紙の書類は社員の自宅に持ち出されることになります。
そのため、紛失や盗難によって重要な情報が流出してしまう恐れがあるのです。
電子化された情報は、正しいセキュリティ対策が用意されていれば、テレワーク時も安全に管理出来るでしょう。
ペーパーレス化のメリット
ペーパーレス化をした企業はテレワークの導入に関わらず、多くのメリットが得られます。
そのメリットについて説明しましょう。
メリット1 生産性が向上する
紙による情報管理では、必要な情報を探すために時間と手間がかかります。書類を管理するための人員や場所も確保しなくてはいけません。
ペーパーレス化され、社内の情報が電子化されれば、必要な情報はパソコンやスマホで検索するだけで手に入ります。
書類を探すために必要な時間がなくなれば、効率良く業務を進められるでしょう。
情報の独占や業務の属人化も起こりにくくなります。
メリット2 テレワークの導入が進めやすい
電子化された情報があれば、どこにいても最新の情報を確認出来るようになります。
テレワークだけでなく、出張先や移動中でも情報の確認や発信も可能なのです。
場所を選ばない働き方を叶えるために、ペーパーレス化が重要であることが分かるでしょう。
メリット3 コスト削減
資料を印刷するには印刷コストがかかります。
用紙代や印刷代の他にも、書類管理のための人件費や書類を保管するための維持費なども必要でしょう。
このような印刷コスト、書類の管理コストは、ペーパーレス化によって大幅に削減可能です。
メリット4 セキュリティ対策
紙資料は紛失や盗難以外にも、処分時の扱いにも留意しなくてはいけません。
万が一、情報が流出してしまった場合は企業のイメージは損なわれ、甚大なダメージを受けることになるでしょう。
電子化されたデータは半永久的に保管することが可能で、劣化の恐れもありません。
データのバックアップを分けて保管しておけば、災害発生時に情報を失うリスクも防げるのです。
ペーパーレス化する際のポイント
ペーパーレス化を進めるためには、万全の準備が必要です。
ここからはペーパーレス化を進める準備のために、知っておくべきポイントを説明しましょう。
ポイント1 社員の理解を得てから導入を進める
今までにない新しい試みに抵抗感を示す人もいます。
特に書類文化や印鑑文化の中で働いてきた経験豊富な年代の社員にとって、ペーパーレス化は受け入れられにくいかもしれません。
まずは、ペーパーレス化で企業や社員が得られる効果やメリットを十分に伝え、導入の意義や目的を理解してもらいましょう。
その内容を分かりやすくまとめたマニュアルや研修会などを用意し、ペーパーレス化がスムーズに進みやすい環境を整えるのも大切です。
ポイント2 電子化可能な書類を分別する
ペーパーレス化をしたとしても、全ての書類が電子化出来るわけではありません。
法律や行政関連の書類の中には、紙での保管が義務付けられているものがあるのです。
ペーパーレス化を開始する前に、社内で扱っている書類のうち、電子化可能な書類・不可能な書類を整理してください。
中には電子印が認められない書類も存在するため、注意しましょう。
ポイント3 今ある情報を整理・管理しやすい状態にする
社内には膨大な量の情報が点在しています。その中には、重複した情報や不必要な情報も混ざっているでしょう。
データの保存先を不要なデータで圧迫しないためには、ペーパーレス化のタイミングで情報の取捨選択を行うと良いです。
同時に情報にタグをつけるなどの方法で分別し、誰もが情報を見つけやすい環境を整えてください。
ポイント4 情報を扱うルールを決める
ペーパーレス化には多くのメリットがありますが、情報の取扱いに一定のルールが設けられていないと、膨大な量の情報が散乱してしまいます。
情報の電子化にはルールの設定が欠かせないのです。
ファイル名やフォルダ名の付け方、情報更新の方法、使用テンプレートの指定など情報を管理しやすいルールを定め、社員全員が正しい方法で情報を作成・整理出来るようにしましょう。
もちろんデータの整理や取捨選択は必要ですが、社員がデータ管理のルールを理解すれば、情報が散乱することを防げます。
また、部署ごと・チームごとなど細かな区切りで情報の管理者を設定しておくと、常に情報が整理された状態を維持出来るようになります。
ポイント5 最適な情報共有ツールを選ぶ
共有フォルダを利用してペーパーレス化された情報を共有するという方法もありますが、テレワークでのセキュリティや利便性を考えると、情報共有ツールを導入して情報を扱うと良いでしょう。
情報共有ツールはペーパーレス化された情報の管理に優れており、一つの情報のリアルタイム編集や複数メンバーでの閲覧、コミュニケーションを促すコメント機能などが用意されています。
そのため情報共有ツールを導入すると、ただ情報を電子化して共有するだけでなく、今までになかったアプローチを実現し、テレワーク導入時に発生しやすいコミュニケーション不足も防げるようになるでしょう。
情報共有ツールは多くの種類がありますが、操作方法が複雑なものは社員に嫌煙されてしまう恐れがあるため、シンプルな使い心地のツールを選びしょう。
多くの情報共有ツールには無料の試用期間が設けられているので、実際の使い心地を確認しながらツールを選んでください。
ポイント6 マニュアルを電子化する
書類のペーパーレス化と同時にマニュアルの電子化を進めると、よりペーパーレス化のメリットを感じられるようになります。電子マニュアルは紙のマニュアルに比べて更新や管理が容易であり、紙の書類管理に要していた時間を大幅に削減できるためです。
マニュアル作成に特化したツールを利用すれば、マニュアルの作成自体にかかる手間や時間も減るので、今までマニュアル化されていなかった業務のマニュアルも作りやすくなるでしょう。
テレワークの際は、直接質問したり、教えてもらったりすることができません。マニュアルを作成・共有し、誰もがいつでも見られる状態であれば、疑問が生まれた時にすぐに確認することができます。テレワークを実施するのであれば、マニュアルがあった方が効率よく業務を進められるでしょう。
ペーパーレス化し、テレワークをスムーズに進めるのであれば、マニュアル化やマニュアルの電子化も重要なポイントになります。
まとめ
ペーパーレス化のメリットや導入のポイントを紹介いたしました。テレワークを円滑に進めるためには、ペーパーレス化が欠かせないことが伝わったかと思います。テレワークを成功させるためには、情報共有ツールやマニュアル作成ツールを活用して社内の情報を電子化し、効率良く業務を進められるようにしてください。