【例文・定型文付き】カスタマーサポートのメール返信のポイントを解説

カスタマーサポートのメールは、問い合わせ対応の中でも最も使用頻度の高いチャネルのひとつです。的確でスムーズなメール対応は顧客満足度を向上させる一方、書き方次第では企業の信頼失墜を招く危険性もはらんでいます。

本記事では、カスタマーサポートのメール対応を迅速かつ丁寧に行うための例文を紹介します。また、定型文の作成ポイントも解説しますので、カスタマーサポートの応対品質向上と業務効率化に役立ててください。

目次

カスタマーサポートがお客様にメール返信する際のポイント

カスタマーサポートがお客様へメール返信をする際には、おさえておきたい次の5つのポイントがあります。

・件名に問い合わせ内容を記載する
・問い合わせへの感謝を述べる
・誰にでも伝わる言葉を使う
・クッション言葉を活用する
・返信に時間がかかる場合は一次回答をする

的確で丁寧な対応を提供するために欠かせない要素のため、以下で詳しく解説します。

ポイント1 件名に問い合わせ内容を記載する

メールの件名に問い合わせ内容を記載しましょう。お客様は日々さまざまなメールを受信しているため、問い合わせ内容が明記されていないメールは見逃す可能性があります。
メールを見た瞬間に「問い合わせた件についての返信だ」と気付いてもらえるような工夫が必要です。

件名では問い合わせ内容を端的に、本文では改めて詳細に記載することがポイントです。

記載例
【件名】〇〇に関するお問い合わせにつきまして
〇月〇日にお問い合わせいただいた〇〇につきまして、以下のとおり回答いたします。

ポイント2 問い合わせへの感謝を述べる

お客様へメールを返信する際は、問い合わせに対する感謝の言葉をあわせて伝えましょう。まず感謝の意を示すことで、良好な関係を築くことができます。

例えば、『お問い合わせいただきありがとうございます。』や『ご質問ありがとうございます。』といった言葉で、お客様に気持ちよく返信を始めましょう。感謝の言葉は、お客様に丁寧な対応をしているという印象を与え、より良いコミュニケーションを促進します。

たとえクレームや苦情であっても、自社にとっては商品やサービス改善に役立つ貴重な「顧客の声」です。わざわざ時間を割いて意見を伝えてくれたことに対し、感謝を述べることを忘れないようにしましょう。

記載例
この度は〇〇のお問い合わせをいただき、誠にありがとうございました。

ポイント3 誰にでも伝わる言葉を使う

お客様への回答には業界の専門用語や、社内のみで使用されている言葉は使わないようにしましょう。

理解できない言葉が含まれた文章に、人はストレスを感じます。問い合わせがさらに増える事態も招きかねないため、誰もが理解できる言葉に置き換えたうえで詳細を説明する配慮が必要です。

そのため、専門用語や社内用語を避け、誰にでも理解できる言葉を選びましょう。お客様は、専門用語や社内用語に詳しくない場合もあります。そのため、分かりやすい言葉で説明することが重要です。

例えば、『〇〇機能』という用語を使う場合、『〇〇機能とは、〇〇ができる機能です。』のように、説明を加えることで、お客様が理解しやすくなります。

記載例
・「アポ」→「お約束、ご予約」
・お問い合わせいただきました製品の材質はPP(ポリプロピレン:プラスチックの一種)を使用しており~

ポイント4 クッション言葉を活用する

クッション言葉とは、お客様にお願いやお断りをする際に使用する、会話の頭に付け加える言葉のことです。クッション言葉を加えることで、丁寧かつ柔らかな印象を与えることができます。

例えば、『申し訳ございませんが』や『恐れ入りますが』といった言葉は、相手に直接的な言い方を避ける効果があります。また、『もしよろしければ』や『ご検討いただけたら幸いです』といった言葉は、相手に選択肢を与え、より丁寧な印象を与えます。

お客様に返信を依頼したいときや、要望に沿うことが難しいときに相手を不快にさせない手段として有効です。

記載例
・大変恐れ入りますが~
・お手数をおかけし大変申し訳ありませんが~
・ご多用中、大変恐縮ですが~

ポイント5 返信に時間がかかる場合は一次回答をする

返信に時間を要する問い合わせには、いったん一次回答を行います。

返信が遅い場合、お客様は「問い合わせが届いていないのではないか」「放置されているのではないか」と不安に感じるでしょう。一次回答を送ることで、お客様に対する対応の進捗を伝えることが重要です。一次回答では、問い合わせ内容を受信したことを伝え、対応状況や見込み回答日時を明確に示しましょう。

例えば、『お問い合わせいただきありがとうございます。ご質問の内容を確認いたしました。〇〇について調査し、明日中に回答させていただきます。』のように、具体的な対応状況をお伝えすることで、お客様は安心感を得られます。

問い合わせを受けた段階で迅速に一次回答を行い、改めて連絡する旨を伝えることで企業の信頼向上につながります。

記載例
お問い合わせいただきました〇〇についての回答につきましては、社内の関係部署に確認のうえ、〇日までに改めて連絡いたします。

【ケース別】メール返信の例文

メール返信の例文を、次の6つのケース別に紹介します。

・商品やサービスに関する質問への回答例文
・クレームや要望に返信する場合の例文
・問い合わせ内容を確認する場合の例文
・問い合わせへ一次回答する場合の例文
・お礼に対しての返答例文
・謝罪の意を伝える場合の例文

シーンにあわせた適切な返信をするために、ぜひ参考にしてください。

例文1 商品・サービスに関する質問への回答

商品やサービスに関する質問への回答は、以下のポイントを重視して作成します。

・具体的な商品やサービス名に加え「何の問い合わせへの返答なのか」を明記する
・問い合わせに対する回答をはっきりと記載する

<例文>
【件名】〇〇に関するお問い合わせにつきまして

この度は〇〇のお問い合わせをいただき、ありがとうございます。
△△カスタマーサポート担当の〇〇と申します。
〇月〇日にお問い合わせをいただきました〇〇の件につきまして、以下のとおり回答いたします。
~回答内容~
回答内容につきまして、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
今後とも△△をよろしくお願いいたします。

例文2 クレームや要望へ返信する場合

クレーム対応は初速が肝心です。丁寧かつ迅速な対応を心がけ、メールは以下の点に注意して作成します。

・クレーム発生の要因と、今後の対応や対策を記載する
・自社に落ち度があるのかを把握する

過去に同様のクレーム・要望があるか確認のうえ回答することで、スムーズな案内が可能になります。

例文
【件名】〇〇についてのお詫び

この度はお問い合わせをいただき、誠にありがとうございます。
カスタマーサポート担当の〇〇と申します。
〇〇に関しましてご不便をおかけしており、大変申し訳ございません。
~回答・要因説明~
今後は〇〇の確認を徹底し、〇〇の改善に努めてまいります。
この度は貴重なご意見をありがとうございました。
今後とも△△をよろしくお願いいたします。

例文3 問い合わせ内容を確認する場合

お客様からの問い合わせ内容に確認すべき事項がある場合は、さらなる情報提供を丁重に依頼します。以下のポイントに気を付けてメールを作成しましょう。

・クッション言葉を入れる
・お客様が回答しやすいよう、聞きたい内容を箇条書きにする

例文


【件名】【返信をお願いいたします】〇〇に関するお問い合わせ

この度はお問い合わせをいただき、誠にありがとうございます。
カスタマーサポート担当の〇〇と申します。
〇月〇日にお問い合わせいただきました件について、〇〇を確認するため、
以下の情報をお知らせください。
・会員番号
・注文番号
ご多用中大変恐縮ではございますが、本メールにご返信いただけますと幸いです。
ご確認のほどお願いいたします。

例文4 問い合わせへ一次回答する場合

すぐに返信できない問い合わせに一次回答を行う場合、以下を必ず明記しましょう。

・すぐに回答できない旨を理由とともに伝える
・回答の期限を設定する

待たせてしまうことへのクッション言葉も用いることで、より丁寧な印象を与えます。

例文
【件名】〇〇に関するお問い合わせにつきまして

この度はお問い合わせをいただき、誠にありがとうございます。
カスタマーサポート担当の〇〇と申します。
〇月〇日にお問い合わせをいただきました〇〇の件につきまして、弊社にて状況を確認のうえ、本日より△営業日以内に改めてご連絡いたします。
お時間をいただき大変恐縮ですが、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

例文5 お礼に対しての返答

お客様からのお礼を伝えられた場合は、過度に謙遜せずポジティブな言葉で感謝を述べましょう。

例文
【件名】〇〇への御礼


この度はお褒めのお言葉をいただき、誠にありがとうございます。
今後もお客様のご期待に応えられるよう尽力いたします。
変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

例文6 謝罪の意を伝える場合

トラブルが発生した際のお詫びのメールは、以下のポイントに注意して作成します。

・丁寧かつ迅速な対応をする
・原因と対策を明確に記載する

対応の仕方によっては更なる苦情に発展する恐れがあるため、責任者と共同で作成することをおすすめします。

例文
【件名】〇〇に関するお詫びとご報告

この度は〇〇に関しまして多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
深くお詫び申し上げます。
~状況説明~
今後は同様の事象が発生しないよう、社内で再発防止を徹底する所存です。
ご不便やご迷惑をおかけいたしましたことを心より重ねてお詫び申し上げます。
今後とも△△をよろしくお願いいたします。

メール定型文を作成する際のポイント

カスタマーサポート業務において、メールの定型文やテンプレートを作成することで業務効率化が図れます。経験の浅いオペレーターを即戦力化することにも役立つため、ここではメール定型文作成においてのポイントを解説します。

ポイント1 定型文は現場の声にもとづいて作成する

定型文は、直接お客様とのやり取りをしている現場担当者の意見を反映して作成しましょう。お客様の要望や好まれる表現などは、日々窓口としてお客様と接している担当者が一番熟知しています。

そのため、定型文を作成する際には、担当者にヒアリングを行い、現場の声を反映することが大切です。お客様からよく寄せられる質問や、お客様が困っている点などを把握することで、より効果的な定型文を作成することができます。繰り返しになりますが、応対品質向上のためには現場の声を欠かさずに取り入れましょう。

ポイント2 定型文を使いやすいように工夫する

作成した定型文を実際に活用するのは現場担当者です。そのため現場が使いやすいように仕組みを整える必要があります。

メールサービスにカテゴリ別の定型文を登録しておくと、同じような文章を記載する手間が省けて業務効率化が期待できます。また、お客様の名前や問い合わせ内容などを自動で入力できる機能を導入することで、より効率的な対応が可能になります。

メール対応にカスタマーサポートツールを導入する場合は、ツールを活用した業務を浸透させるべく社内研修を行うのも効果的です。

ポイント3 定型文は常に更新・見直しを図る

定型文は一度作成して終了ではなく、状況にあわせて日々ブラッシュアップしていく必要があります。

お客様から寄せられる問い合わせ内容は、時間の経過とともに変化するでしょう。提供する情報が古かったり、現状のサービス内容と適合していなかったりする場合トラブルに発展する恐れがあるため、作成した定型文を定期的に見直す機会を設けることが大切です。

例えば、お客様からのフィードバックを参考にしたり、サービス内容の変更に合わせて定型文を修正したりすることで、より効果的な定型文を維持することができます。また、定型文の利用状況を分析し、不要な定型文を削除したり、新しい定型文を追加したりすることで、より効率的な運用を実現することができます。

お客様の反応がよかったメール対応を定型文に反映させることも効果的であるため、現場の声を反映しつつ常に磨きをかけていきましょう。

クレーム発生時のカスタマーサポートのメール対応ポイント

クレーム対応は顧客満足度を維持し、企業の信頼を守るために非常に重要です。以下に、カスタマーサポートのメール対応においてクレームが発生した際の返信対応のポイントをまとめました。

1. 迅速な対応

クレームを受け取ったら、できるだけ早く返信します。迅速な対応は、顧客に対して真摯に対応している姿勢を示します。

2. 丁寧な謝罪

まずは顧客に不快な思いをさせたことに対して、丁寧に謝罪します。謝罪は誠実な気持ちを込めて行い、具体的な問題に言及することが大切です。

3. 共感の表明

顧客の気持ちに寄り添い、共感を示すことで、顧客との信頼関係を築きます。例えば、「ご不便をおかけして申し訳ございません」といった表現を用います。

4. 問題の確認

クレームの内容を正確に把握し、問題が何であるかを明確にします。顧客からの情報をもとに、詳細な状況を確認します。

5. 解決策の提示

具体的な解決策を提示します。問題を解決するためにどのような対応を行うかを明確に説明し、顧客が納得できるようにします。

6. フォローアップの約束

問題解決後もフォローアップを行い、顧客に対して進捗を報告します。これにより、顧客は安心感を得ることができます。

7. 定型文の活用

迅速かつ一貫した対応を行うために、クレーム対応用の定型文を用意しておきます。ただし、個々のクレームに合わせてカスタマイズすることを忘れずに。

8. 内部共有と改善

クレームの内容を社内で共有し、再発防止のための改善策を講じます。これにより、同じ問題が繰り返されないようにします。

まとめ

カスタマーサポートのメール返信においては、基本のマナーを徹底しつつ、現場が活用しやすい定型文を整えていくことが大切です。定型文を活用することで、業務効率の改善と応対品質の向上が期待できます。

カスタマーサポートのメール返信におけるベストプラクティスと、まさに使える例文や定型文作成のポイントを理解することで、効果的なメール対応が可能になります。これらのポイントを踏まえて、顧客満足度やブランドイメージの向上を目指しましょう。

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