自社の商品やサービスに対する評価やニーズの調査、または従業員満足度の調査など、アンケートを実施したい場面はいくつかあるでしょう。
これまでアンケートは紙で実施されるのが一般的でしたが、今ではwebでのアンケートのメリットやアンケート作成ツールが認識されるようになり、web上でアンケートを実施することが増えてきています。
ここでは、webでのアンケートが簡単に実施できるアンケート作成ツールについて、解説していきます。
Webアンケート作成ツールとは
Webアンケート作成ツールとは、Web上でアンケートの作成やアンケートの実施などを行うことができるツールのことをいいます。
Webアンケート作成ツールには「アンケートフォーム作成タイプ」と「ネットリサーチタイプ」の2種類があります。
①アンケートフォーム作成タイプ
アンケートフォーム作成タイプは、利用者のニーズに合ったアンケートを作成できるツールタイプです。
アンケートで欲しい情報は企業や団体によって異なりますので、「利用頻度」「満足度」「要望」「氏名」「性別」「住所」など必要とする内容を選択してアンケートを作成するのがこのタイプです。
また回答方法も、「はい」「いいえ」などを選択する「ラジオボタン」や「セレクトボックス」、複数の選択肢から複数の回答を選ぶ「チェックボックス」、自由に入力する「テキストボックス」などから選択できます。
アンケートフォーム作成タイプを利用すればアンケートの作成はもちろん、アンケートフォームのURLを利用したアンケートの配布、アンケート結果の集計機能なども備わっているツールが多いため、作成から集計まで行うことが可能です。
②ネットリサーチタイプ
ネットリサーチとはネットを利用した市場調査のことで、調査会社が保有するモニターに回答を依頼することでアンケート調査を行うことができるタイプです。
調査会社がもつモニター情報をもとに回答者の条件を指定することができますので、例えば性別や年齢で指定したり、「特定の動画を見た人」を条件に指定したりすることができます。
具体的な条件をもとにアンケートを行いたい場合や、アンケートの回答者を集められない、調査を素早く進めたいという場合はネットリサーチタイプを選択したほうが良いでしょう。
ただし、ネットリサーチタイプはほぼ有料で、設問の量やサポート、オプションに応じて料金が変動します。
Webアンケート作成ツールの導入メリット、効果
アンケートは従来の紙で行うものとWeb上で行うものの大きく2種類に分けられるかと思いますが、Web上で行うと紙と比較して多くのメリットがあります。
1 簡単に作れる
Webアンケート作成ツールはテンプレートが用意されているものが多いため、テンプレートに沿って選択をしていくことで簡単にアンケートを作成することができます。
また、画像のアップロードやデザインを選択することができるツールもありますので企業などの雰囲気に合ったアンケート画面にすることもできるでしょう。
2 コストがかからない
アンケート作成後に発行されるURLやQRコードを使用してアンケートの共有をすることができるので、広い範囲から回答を得ることができます。
紙のアンケートの場合は印刷や配布が必要となりますので、印刷代や配布にかかる費用がかかってしまいますが、Web上でアンケートを行えばこれらの費用と時間をカットすることができます。
ネットリサーチタイプを利用した場合は一定の料金がかかりますが、それでも自社で一から対象人物を選んではアンケートを行う手間や費用を考えれば、費用対効果を得られる可能性が高いのではないでしょうか。
3 精度の高い回答を得ることができる
紙のアンケートだと空欄や不備のある状態で回答が提出されてしまう可能性があります。
Webアンケートの場合、空欄や不備のある回答では提出できないように設定することができますので、紙のアンケートと比較してかなり精度の高い回答を得ることができます。
4 データ集計の時間がかからない
Webアンケートはすぐに回答がデータ化されるので集計作業をする必要がありません。
データ化された回答はリアルタイムで確認することができますので、回答の傾向も把握しやすくなります。
回答データはCSVデータとしてダウンロードすることやGoogleスプレッドシートにエクスポートすることができるので、入力作業も必要ありません。そのため詳しい分析も簡単にできるようになります。
Webアンケート作成ツールの主な機能
Webアンケート作成ツールには多くの種類がありますが、多くのツールに搭載されている主な機能について確認しておきましょう。
①アンケートフォーム作成機能
アンケートの設問や回答タイプを指定して、アンケートを作成します。ツールによっては、テンプレートが容易されているツールもあります。
②回答募集サポート機能
アンケートはURLやQRコードが発行され、そこから回答することができます。
発行されたURLやQRコードはホームページやメール、SNSなどで公開し、企業に関心がある人だけでなく広い範囲にアンケートを配布することが可能になります。
③データ集計機能
ツールによって異なりますが、自動集計されたアンケート結果はリアルタイムに確認することができ、その多くは図表やグラフで見ることができます。
また、「年齢別の満足度」などクロス集計も行えるツールもありますので、自分で集計する手間が省け、分析もすぐに行うことができます。
④セキュリティ機能
SSL暗号化通信や個人情報の閲覧制限など高いセキュリティ機能を備えているツールもあります。
⑤管理機能
部門ごとにアンケート内容を共有することができるツールもあります。例えばアンケート内容が「フォトコンテスト」だった場合に、メンバー全員が写真を見ることができるようになるなどアンケートの中身を複数人で共有することができます。
Webアンケート作成ツールの選定ポイント
ここまで何度か述べたように、Webアンケート作成ツールには多くの種類があります。
その中でどのツールを選ぶのか、選択する際のポイントを押さえておきましょう。
ポイント1 設問数の上限
Webアンケートツールの多くは設問数と回答数が制限されています。
中には無料の基本プランの段階から設問数の上限なしというものもありますが、その場合は画像の貼り付けができない、独自ドメインを利用することができないなど有料プランにならないと思うようなアンケートフォームを作ることができないといった結果となることがあります。
まずは自社が求めるアンケートの設問数がいくつあるのかを確かにして、設問数に応じた費用がいくらになるのか、継続して利用するのかなどをはっきりさせておきましょう。
ポイント2 対象者をはっきりさせておく
アンケートの対象が企業なのかそれとも顧客なのか、社内向けなのか、その対象者によって必要な機能が変わります。
社内に向けたアンケートであれば簡単な機能を備えていれば十分ということもあるでしょうし、企業に向けたアンケートの場合はアンケート結果に応じて紹介したい自社のパンフレットを見てもらうことができる機能があれば後の商談に繋がる可能性があるでしょう。
このように対象者に応じたツールを選択する必要があるのです。
ポイント3 必要な機能が備わっているか
ここまで見てきた内容と重複する部分がありますが、自社が行いたいアンケートに必要な機能が備わっているかどうかというのが重要なポイントです。
例えば画像を添付することができない、回答に応じて質問を分岐する機能がついていないので回答者に1から10まで全部答えてもらわなければならない(回答者の負担が増える)、自社のサイトとアンケートのデザインがあまりにもマッチしないといったことでは必要な機能を備えていないということになってしまいます。
アンケートの内容と対象が定まったら、必要な機能が備わっているかどうか確認しておきましょう。
主要のWebアンケート作成ツールの比較
Googleフォーム
GoogleフォームはGoogleが提供するサービスで、無料でアンケートを作成することが可能です。
お客様アンケートやイベント出欠確認など、2021年3月時点で17種類のテンプレートが用意されているため1からフォームを作ることなく簡単に作成することができます。
Googleドキュメントなどと同じくオンライン上で保存されるため、複数人で同時に編集することも可能ですので、作業を効率的に進めることができます。
回答が行われた後は自動的に集計、グラフ化されるため分析も簡単です。
また、Googleスプレッドシートに回答を表示することや、ダウンロードも可能となっていますので基本的な機能は揃っていると言えます。
https://www.google.com/intl/ja_jp/forms/about/
SurveyMonkey
SurveyMonkeyは、アメリカのSurveyMonkey社が開発したツールです。
1日2,000万件の質問が行われており、顧客満足度の調査など顧客に対するアンケートはもちろん、従業員に対するアンケートも行うことができます。
また、テンプレートの種類も200以上とかなり豊富で、質問サンプルも多く用意されています。
アカウントの登録だけで始めることができる個人向けの無料プランもありますが、質問は1アンケートにつき10問、回答は40件までしか受け付けることができません。
他にもサポートを受けられない、デザインのカスタマイズができないなど多くの制限を受けることになりますので、条件に合わない場合は有料プランを選びましょう。
・チームアドバンテージ:4,600 円 /月(1ユーザー)
・チームプレミア:11,050 円/月(1ユーザー)
・エンタープライズ:要問い合わせプレミア以上になると高度なアンケート分岐が行える、アンケート回答者を回答後に自社サイトにリダイレクトすることができるなどの機能が備わります。
MOMONGAアンケート
MOMONGAアンケートは、iPad向けのアンケートアプリで、6,000社を超える企業の導入実績があります。
iPadなのでアンケートの作成・集計はいつでもどこでも行えますし、名刺を撮影してデータ化することができる、手書きのメモを残しておけるなど、アンケートだけでなくビジネスに必要な様々な機能が搭載されています。
また、MOMONGAアンケートには資料閲覧機能が搭載されているため、回答者が商品の写真や説明用の動画を見ることができます。そのため回答者が趣旨を理解した上で回答することができるということも大きなポイントです。
・フリープラン:0円/月
・オープンプラン(3カ月間〜):11,000円/月
・クローズドプラン(3カ月間〜):33,000円/月
・イベントパック:165,000円(短期間のイベントなどでの利用がおすすめのプラン)
https://www.it-momonga.com/enquete/
まとめ
Webでのアンケートはツールを利用すれば、意外と簡単に作成できることがわかりました。
ご紹介したツールの選定ポイントを参考に、アンケートツールの活用を検討しみてはいかがでしょうか。