採用ピッチ資料とは?ミスマッチ防止・応募者増になる運用方法を解説

企業がより良い採用活動のために作成している資料に、採用ピッチ資料というものがあります。採用ピッチ資料は、企業の認知度向上や採用活動の効率化に役立ち、求職者側にも一定のメリットをもたらすツールです。

今回は、効率的な採用活動に取り入れたい採用ピッチ資料のメリットや作成方法、運用方法などを詳しくご紹介します。

目次

採用ピッチ資料とは

資料送付に案内メールは重要です

採用ピッチ資料は、企業が求職者に向けて公開している、自社の紹介資料のことです。
そもそもピッチとは「短いプレゼンテーション」を指すビジネス用語です。「採用のための自社に関するプレゼンテーション資料」の意で、採用ピッチ資料という言葉は使われています。

近年、有効求人倍率は1.0を超え、就職先に対する求職者の選択肢は増加しました。企業が一方的に人材を選ぶのではなく、人材の方でも企業を選ぶ時代になってきているため、企業側でも人材に選ばれる努力をする必要が生じています。

そこで重要視されるようになったのが、採用ピッチ資料です。採用ピッチ資料は、求職者に自社への興味を持ってもらうために作られています。
その中身は企業の魅力や実績といった良い面だけでなく、抱える課題点についても触れるなど、実情に即した内容で構成されています。

採用ピッチ資料のメリット

採用ピッチ資料を作成し公開することは、求職者にとってだけでなく、企業にとってもメリットとなります。主なメリットを4つ見ていきましょう。

メリット1 企業の認知度や関心度アップ

採用ピッチ資料は、求職者の企業認知度や関心度向上に役立ちます。

採用ピッチ資料を読めば、求職者は企業のありのままの情報を知ることができます。今まで興味のなかった企業に対しても、採用ピッチ資料によって詳しい事業内容や取り組みを知ることで、関心を持ち求人に応募する人もいるでしょう。

特にWebで採用ピッチ資料を公開している場合には、より多くの人に資料を見てもらえるため、企業の大幅な認知度アップが見込めます。

メリット2 求職者に向けて均質的な説明ができる

採用ピッチ資料があれば、全ての求職者に向けて、同じ内容で企業の紹介や説明をすることができます。説明会でも採用ピッチ資料を用いれば、説明する人による内容の差が生じにくく、求職者は企業に対して共通理解を持つことができます。

また、既存社員にも採用ピッチ資料を確認してもらうことで、企業に対する社内全体の共通理解を促進することも可能です。

メリット3 面接の効率化

事前に求職者へ採用ピッチ資料を送付し確認してもらっておけば、面接時の事細かな会社説明は不要になり、効率的に面接を進めることができます。採用ピッチ資料によって、求職者と面接担当者の間にはある程度の相互理解が生じているため、面接での会話もスムーズに進められます。

また、面接時の質問によって、採用ピッチ資料の読み込み度や理解度を確かめることで、面接担当者は求職者の本命度を測ることもできます。

メリット4 スクリーニングが可能

スクリーニングとは、【選考・ふるい分け】という意味です。

求職者へ事前に採用ピッチ資料を送付し内容を確認してもらうことで、求職者は「自分が働きたい企業かどうか」「自分に合っている企業かどうか」を判断することができます。その後、求人応募の工程に進む求職者は、資料を通して企業について知った上で関心を持つ人だけです。

企業の詳細を知らずに面接を受けて「思っていたのと違った」と選考を辞退するようなことは避けられるので、求職者も企業も有益な選考に時間を割くことができます。

採用ピッチ資料に入れる項目

採用ピッチ資料の構成は企業によってさまざまです。ここでは、主要な項目を表でご紹介しましょう。

項目 内容
企業・事業紹介 事業内容/事業形態/ミッション/ビジョン/バリュー
組織・企業文化紹介 組織図/経営者紹介/社員紹介/組織図/自社文化/自社の特徴・魅力/自社の抱える課題
求人情報 募集職種/業務内容/条件/求める人物像/選考フロー
その他 給与体系/昇給実績/退職率/福利厚生 など

採用ピッチ資料の作成方法

採用ピッチ資料の作成は、以下のような手順で行われます。

1 目的を明確化

まずは、「採用ピッチ資料をなぜ作成するのか」という目的を明確化します。「企業の認知度を上げたい」「求人応募数を増やしたい」「優秀な人材を採用したい」など、目的は企業によってさまざまでしょう。
目的によって資料の内容や表現には違いが出てくるので、常に当初の目的を意識して資料作成を続けていく必要があります。

2 プロジェクトメンバーの選定

次に、採用ピッチ資料作成のためのプロジェクトメンバーを選定します。

ここでのポイントは、職種や役職に偏りのあるメンバー選定を行わないことです。採用ピッチ資料が偏った情報になってしまうと、正しい会社の実情が読み手に伝わらないためです。スキルやエンゲージメントなども勘案し、バランスの取れたメンバー構成になるよう意識しましょう。

3 自社の魅力や課題を抽出

プロジェクトメンバーが決まったら、自社の魅力や課題を抽出していきます。
メンバーでワークショップなどを実施し、各自の考える自社の魅力や課題をできるだけ具体的に挙げていきます。
挙がった魅力や課題はグループ分けし、まとめていきましょう。

4 採用コンセプトと載せる内容・構成の決定

最初に決めた目的にも関係してきますが、「自社に対して読み手にどんなイメージを持ってもらいたいか」という採用コンセプトを決定します。採用コンセプトは、キャッチコピーのように短く簡潔に表すのがおすすめです。

その後、コンセプトに沿って、採用ピッチ資料に載せる内容や構成、表現などを決めていきます。

5 資料作成

実際の資料作成に入っていきます。目的やコンセプトを踏まえて作成し、パッと見た時のビジュアル面にも気をつけましょう。
読み手の求職者を魅了する資料になるよう、内容も見た目も意識することが大切です。

6 運用開始、随時見直しとアップデートを重ねる

採用ピッチ資料が完成したら、自社のWebサイトで公開したり求職者へメール送付したりと、資料の運用を始めていきます。

採用ピッチ資料は一度完成して終わりではなく、随時見直しとアップデートを重ね、最新の情報を発信できるようにしておかなくてはなりません。そのためには、運用組織や担当者もあらかじめ決めておくと良いでしょう。

採用ピッチ資料の運用方法

提案資料をチームで見直す

採用ピッチ資料は、どのように運用するかという点も重要です。主な運用方法をご紹介します。

①Webサイトで公開する

最も一般的な運用方法が、Web上での公開です。Web上の資料は多くの人が手に入れやすく、拡散もされやすいので、より広く求職者に自社のことを知ってもらいやすくなります。

また、より拡散性の高いSNSを活用するのもひとつの方法でしょう。

②求人の応募者に送付する

求人に応募してきた応募者に対し、メール等で送付するのも採用ピッチ資料の有効な運用方法です。
面接前に採用ピッチ資料を確認してもらうことで、事前のスクリーニングを行うことができ、面接もスムーズに進められます。

③スカウトメールへ添付する

スカウトメールとは、自社への就職検討を促すために、就職・転職サイトを通して企業から求職者へと送られるメールのことです。

このスカウトメールに採用ピッチ資料を添付すれば、今までその企業のことを知らなかった求職者が企業の魅力を知り、関心を持って求人に応募してくれる可能性が高まります。

④リファラル採用に活用する

自社の社員に人材を紹介してもらう採用手法は、リファラル採用と呼ばれます。

紹介される側の求職者に会社の魅力を知ってもらうことはもちろん、紹介する側の社員に自社の魅力を再認識してもらい自信を持って知人を紹介してもらうためにも、採用ピッチ資料は役立ちます。

⑤社内広報資料として活用する

採用ピッチ資料は、採用活動だけでなく社内広報資料として活用するのもおすすめです。
既存社員が、採用ピッチ資料を読むことで自社の魅力や目指すビジョンを再認識すれば、会社に対するエンゲージメントは高まり、会社全体が同じ方向を向いて歩んでいくことができます。

採用ピッチ資料の事例

最後に、企業が公開している実際の採用ピッチ資料の事例を2つご紹介します。

丸紅株式会社

大手総合商社丸紅の採用ピッチ資料は、事業内容の紹介にフューチャーしています。自社社員の働く様子や思いをメインに取り入れながら、幅広い事業内容を、魅力的にイメージしやすく表現しています。
「読んでみよう」と思わせる、雑誌のようなビジュアルも特徴です。
https://www.marubeni-recruit.com/assets/pdf/marubeni_recruiting21.pdf

Panasonic株式会社

電気機器メーカーPanasonicも、採用ピッチ資料を自社のWebサイトで公開しています。
会社全体のことがわかる親しみやすいメイン資料の他に、より詳細を把握できる事業や部署ごとの資料も用意されています。
https://recruit.jpn.panasonic.com/library/

まとめ

採用ピッチ資料は、これからの採用の形に合った採用ツールです。「求人応募者が少ない」「選考の途中辞退者が多い」など、採用にあたって課題を抱えている企業では、採用ピッチ資料の整備を検討してみてください。

また、作成した採用ピッチ資料を最大限に有効活用するために、セールスイネーブルメントツールの使用がおすすめです。
セールスイネーブルメントツールを使えば、求職者が採用ピッチ資料のどこのページを閲覧したかが把握できるため、求職者の興味関心を面接前に知ることができます。さらに、全く読まれないページなども分かるため、採用ピッチ資料のアップデートにも役立つでしょう。

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