ServiceNowは、組織のIT業務を効率化するためのプラットフォームであり、社内で複数のシステムが存在する場合でも、それらを統合して管理することが可能です。このプラットフォームを使用することで、従来は手作業で行われていた業務をシステム化できるため、業務効率の向上が期待できます。
さらに、ServiceNowは優れたナレッジの蓄積を支援し、社内コミュニケーションの活性化にも寄与します。ナレッジベースやインシデント管理機能などを活用することで、情報の共有と活用がスムーズになり、問題解決の迅速化や意思決定の質向上につながります。
今回の記事では、ServiceNowについての基本的な情報をまとめました。もしServiceNowに興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
ServiceNow(サービスナウ)とは
ServiceNowは、ServiceNow社が開発・提供しているシステムで、複数のシステムを統合できるクラウドベースのプラットフォームです。多くの組織では、部署や担当業務ごとに異なる管理システムが導入されています。そのため、複数の部署が関与する業務を横断的に管理することが難しいことがよくあります。しかし、ServiceNowを利用することで、全社の業務を一元管理することが可能になります。
また、ServiceNowのワークフローのデジタル化機能により、企業全体の業務効率を向上させることができます。これにより、手作業で行っていた業務の自動化が可能になり、効率の向上が期待できます。ServiceNowは、このような優れた機能を持つことから、世界的に広く普及しており、日本でも多くの企業で導入が進んでいます。
ワークフローのデジタル化が求められている背景
現在、多くの企業ではワークフローのデジタル化が求められています。その背景にはいくつかの重要な要素があります。
DXの推進
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、社内に存在する非効率なプロセスをデジタル化し、業務全体の効率を向上させる取り組みです。労働者人口の減少が深刻な課題となっている今、経済産業省が「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」を公開するなど、社会全体でDXの推進が求められています。ServiceNowを導入することで、企業は自社に最適な方法でDXを進めることが可能です。
ニューノーマルな時代に新しい働き方が求められている
コロナ禍の影響でリモートワークが広がり、今後も場所や時間にとらわれない働き方を求める人材が増えています。これに対応するために、多くの企業はオンライン環境さえあれば業務をスムーズに進められる仕組みを整えています。ワークフローのデジタル化により、オンラインでの承認作業が可能となり、リモートワークなどの柔軟な働き方を支援します。
ServiceNowでできること
ServiceNowの導入により、企業は以下のようなメリットを享受できます。
ナレッジの共有と業務の標準化
組織内で優れたナレッジが共有されることで、業務の属人化が防がれ、誰もが高品質な業務を遂行できるようになります。
働き方の多様性と業務効率化
多様な働き方に対応しながらも、システムの活用により業務の効率化を進めることができます。これにより、社員から満足度の高い職場環境と評価され、人材流出を防ぐ効果も期待できます。
これらの理由から、ServiceNowの導入は単に業務効率の向上にとどまらず、組織全体に大きなメリットをもたらします。
ServiceNowの導入メリット
ServiceNowの導入メリットには次のようなものがあります。導入メリットを知った上で費用対効果を考えるべきです。
メリット1: 業務を効率化する
ServiceNowを導入することで、組織内で乱立しているシステムを統合できます。また、ワークフローをデジタル化することで、現在のワークフロー内の問題点や課題が明確になり、必要な業務改善が実現するでしょう。さらに、システムコストの低減にも役立ちます。
メリット2: 業務の属人化を解消する
特定の担当者しか業務を進められない状態を「業務の属人化」と呼びます。業務の属人化が発生している企業では、担当者不在時に業務が滞ったり、顧客対応が適切にできなかったりします。ServiceNowで業務を標準化することで、担当者以外の社員も業務を遂行できるようになります。
メリット3: 働く場所にとらわれない働き方を実現する
ServiceNowでワークフローがデジタル化されていれば、承認者がリモートワーク中や出張中でも問題なくフローを進められます。リモートワークやフレックスタイム制などの柔軟な働き方を前提にする場合、ワークフローのデジタル化は欠かせない取り組みです。
メリット4: 従業員のモチベーションを高めて人材流出を防ぐ
デジタル化されたワークフローの導入により、働く場所にとらわれない働き方が実現できれば、社員のモチベーションは向上します。多様な働き方が認められることで、会社へのロイヤルティも向上するでしょう。社員が満足できる職場環境を提供することで、離職者を減らし、優れた人材の流出を防ぐことができます。
ServiceNowの主な機能
ここではServiceNowの主な機能について説明します。自社にとって必要な機能を考えてみてください。
機能1: ワークフローのデジタル化機能「フローデザイナー」
ServiceNowのワークフロー作成機能は、複雑なプログラミングなしで誰でも簡単にワークフローをデジタル化できる仕組みが整っています。また、外部サービスを一つのワークフローに統合できる「インテグレーションハブ」機能も搭載されています。
機能2: 業務の可視化「リアルタイムレポート」
レポート機能を利用すれば、全ての社員の業務進捗が可視化され、遅延やトラブルを即座に発見できます。さらに、オペレーションを数値化することで業務改善にもつなげることが可能です。機器ごとのインシデントも一元管理でき、適切なフォローが実現します。
機能3: さまざまなデバイスに対応可能なインターフェース
ServiceNowはパソコンだけでなくスマホでも利用できるため、隙間時間を活用して各種申請が行えます。カスタマー向けサービスのように分かりやすく直感的な操作が可能なため、多くの社員がシステムをすぐに使いこなせるでしょう。
ServiceNowを導入する際のポイント
ServiceNowの導入時には次のポイントに注意が必要です。
ポイント1: ライセンスの購入先を考える
ServiceNowは直販以外にパートナー企業経由でライセンスを購入する方法があります。導入に際して手厚いサポートを希望する場合、サポートが充実しているパートナー企業からのライセンス購入がおすすめです。多くのパートナー企業では、導入後にも万全のフォローアップ体制を提供しています。
ポイント2: 導入後の社内トレーニング体制を整えておく
ServiceNowは導入して終わりではなく、全社員が操作方法を理解し、機能を使いこなせるようにすることが重要です。
導入時には、社員へのトレーニング体制を整えておくことが求められます。外部パートナー企業によっては社内トレーニングを提供している場合もあります。
ポイント3: 導入コストの確認
ServiceNowの導入コストは、直販かサポート企業経由かで異なります。また、サポート企業によって提供されるサービス内容次第でプランも異なります。
自社の予算に合わせて、必要なサービスを見極めながらコストを検討することが必要です。
まとめ
ServiceNowを活用することで、企業内に散在しているシステムを一元化でき、デジタルワークフローの作成にかかる手間を大幅に削減できます。その結果、新しい働き方の推進や業務効率化など、多くのメリットを享受できるでしょう。
新しいシステムの導入時には、導入前に自社に必要な機能とサポートをしっかりと検討することが重要です。そうすることで、導入後に形骸化するリスクを回避し、実際に有効に活用できる環境を整えることができます。