初めて動画制作に取り組む際、何から始めれば良いのか分からないことが多いでしょう。動画制作には必要な手順と知っておくべきポイントがあり、それらを守らなければ希望通りの動画を完成させることは難しいです。
この記事では、これから動画を作ろうとしている方に向けて、動画制作に必要な知識をまとめました。動画制作を成功させるための参考にしてください。
動画制作の手順とポイント
まずは、動画制作の手順とポイントを紹介します。この流れに沿って動画を作ると良いでしょう。
①企画・構成
どのような動画を制作するかを考え、シナリオや絵コンテを作成します。動画の出来を左右する最も重要な工程であり、慎重に取り組む必要があります。企画・構成が曖昧な場合、動画の完成度が下がりやすく、制作もスムーズに進められません。
企画・構成時に考えるべきポイントは以下の通りです。
- 誰に向けた動画か(ターゲット)
- 何を伝えるために制作する動画か(動画制作の目的)
- どのように伝えるのか
- 撮影のロケーション
- 撮影の日取り
- 動画の長さ
また、撮影に必要な人員や物資を把握し、動画内でのセリフや編集時に追加するテロップの内容も考えておきましょう。
②撮影
企画・構成で決めた内容を元に撮影を進めます。撮影はセッティング、テスト撮影、本番撮影のステップを踏むのが一般的です。外での撮影の場合、天候に左右されることもあるため、注意が必要です。
カメラを動かす撮影は難易度が高く、視聴者にとって見にくいものになる可能性があるため、基本的には三脚を利用してカメラを固定しましょう。同様に、ズームの使用も避けた方が良いです。被写体を大きく写したい場合は、カメラを被写体の近くに配置します。また、撮影の前後には数秒間の余裕を持たせてからセリフを話し始めたり、行動を起こしたりすると、編集がしやすくなります。
編集を容易にするため、1カットは短く分けて撮影すると良いでしょう。
③編集
撮影した動画を編集します。動画を繋ぎ合わせる、不要なシーンを削除する、後からセリフを追加する、テロップを入れるなどの作業が含まれますが、その内容は制作する動画によって異なります。
編集は、撮影した動画をより視聴者に伝わりやすい形に仕上げる作業です。編集次第で動画の質が大きく変わるため、希望する動画が形になるよう心掛けましょう。客観的な視点で動画を確認し、分かりにくい表現がないか、説明が不足していないかをチェックします。
テロップを入れる際には、配置や色に気を配り、文字が読みやすいように工夫してください。一般的に、人が1秒間に読める文字数は4文字程度とされているため、テロップは1画面あたり20文字以内に収めると良いです。
スマートフォンでの閲覧を想定している場合、文字サイズが小さくなりすぎないよう注意が必要です。また、画像・図・イラストを動画に加えることで、伝えたい内容がより分かりやすくなります。
④公開
完成した動画をツールやインターネットを使って対象者に公開します。公開前に内容を複数回見直し、誤りがないかを必ず確認します。特に、テロップの誤字や脱字、著作権や肖像権の侵害に注意しましょう。動画を公開するサービスによって、求められる動画ファイルの種類や掲載方法が異なるため、事前にどの媒体で公開するかを決めておくことが重要です。
動画制作の注意点
動画制作の手順とポイントを紹介しましたが、制作にはいくつかの注意点があります。それぞれの注意点を理解し、トラブルなく動画を完成させましょう。
1. 内容を詰め込みすぎない
視聴者に多くの情報を伝えようとするあまり、たくさんのメッセージを動画に詰め込むと、一貫性がなく、分かりにくい動画になってしまいます。1つの動画に複数のテーマを詰め込むのではなく、テーマごとに動画を分けた方が視聴者にとって見やすく、管理もしやすくなります。
2. 動画制作の目的・ターゲットがブレないようにする
企画・構成段階で明確にした動画制作の目的やターゲットが、工程を進めるうちに忘れられてしまうことがあります。それでは、希望する動画を形にすることは難しいでしょう。シナリオや絵コンテに動画制作の目的やターゲットを記載し、制作中に都度確認しながら進めましょう。
3. 工程の後戻りがないようにする
編集時に撮影漏れに気付き撮影をやり直したり、公開後に編集ミスに気付き修正したりするなど、工程の後戻りがないよう、各工程を細心の注意を払って進めましょう。工程の後戻りは、多くの時間と手間を要するため、企画・構成をしっかり行うことが重要です。
4. 客観的な意見をもらう
動画を制作している本人は、その内容について十分な知識がありますが、視聴者はそうではありません。自分だけの認識で動画を完成させると、視聴者に伝わりにくい動画になる可能性があります。関係者以外に動画を見てもらい、分かりやすい内容になっているか、客観的な意見をもらいましょう。
5. 動画制作に必要な費用と期間を初めに確認する
動画をいつまでに完成させるのか、利用可能な予算はどのくらいかを確認し、制作をスタートさせます。予算や期間によって、動画の制作方法や外注の有無が決まります。
クオリティアップのテクニック
視聴者目線で作るコツ
動画制作において最も重要なのは、視聴者の心を掴むことです。そのためには、視聴者目線で動画を作る必要があります。視聴者が何を求めているのか、どのような情報に興味を持っているのかを理解し、それに応えるような動画を作成することを心掛けましょう。
動的要素の適切な使い方
動画に動きを加えることで、視聴者の関心を引き、飽きさせない効果が期待できます。しかし、動きをただ入れるだけでは、かえって見づらくなってしまうこともあります。動的要素を効果的に使うためには、動きをつけるべき要素と、そうでない要素を理解し、適切な場所に適切な動きを加えることが重要です。
トーン&マナーに合ったエフェクト
エフェクトは動画に雰囲気や個性を与える効果がありますが、乱用すると逆に安っぽく見えてしまうこともあります。動画の内容やターゲット層に合わせたトーン&マナーで、適切なエフェクトを選びましょう。
動画制作にかかる費用
動画制作には、どの程度の費用が必要なのでしょうか?ここでは、動画制作にかかる費用についてまとめました。
自社で動画を制作する場合
自社で動画制作を行う場合、その方法によって必要な費用が異なります。動画撮影用の本格的な機材を購入する場合は、何十万円もの費用がかかりますし、使用する画像素材や音楽を購入することもあるでしょう。一方、スマホで撮影した動画を無料のツールで編集し、無料の素材のみを使用する場合、費用をかけずに動画を作ることも可能です。費用対効果を考え、適切な方法を選びましょう。
外注で動画を制作する場合
動画制作を外部に依頼する場合、依頼先や動画の内容によって費用が大きく変わります。シンプルで短い動画をフリーランスに依頼する場合は10万円前後、動画制作会社に依頼する場合は50万円程度が相場です。高品質な動画を求める場合、300万円以上かかることもあります。
予算に応じて制作可能な動画が異なるため、見積もりを依頼する際には、企画・構成段階で考えた目的やターゲットを明確に伝えることが重要です。
まとめ
動画制作の手順やポイント、注意点について説明しました。個人でも動画制作が一般的になった今、多くの企業がコーポレートサイトや社内教育に動画を取り入れています。スマホで撮影した動画をそのままマニュアルに利用できるツールも登場しているため、社内で動画を活用したい場合は検討してみると良いでしょう。