ワークフローがなくては、業務の流れが分かりにくくなるだけでなく、自分の担当業務以外を把握することが出来ず、承認ルートが分からないなどの問題が起こる可能性があります。
実用的なワークフローを作成・運用する方法として、注目を集めているのがワークフローシステムです。
今回の記事では、ワークフローシステムについての基本的な情報と、導入メリットについて詳しくまとめました。
ワークフローシステムの導入を検討しているのなら、ぜひ参考にしてください。
ワークフローとは
ワークフローとは、業務の流れを分かりやすく時系列に並べたもので、業務フローと呼ばれる事もあります。
・誰が判断や処理を進めるのか
・どのような形で完了させるのか
などを明らかにすることで、業務に詳しくない方でも業務の流れが簡単に把握出来るようになるのです。
また、ワークフローによって業務の流れを可視化すれば、業務中にある課題が分かりやすく、業務改善の促進にもつながります。
例えば、下の画像は購買申請のシンプルなワークフローの例です。
ワークフローの内容によっては、承認者が増えたり、条件によって分岐したりするなど、よりワークフローが複雑に変化します。
次の画像は、購入を希望する物品・サービスの金額によって分岐するワークフローの例です。
このように、ワークフローは申請内容によって承認ルートが変わるものがあります。承認者が複数の部署にわたり、複数人いる場合は承認ルートがより複雑になります。
どのようなスタイルにすれば、最も分かりやすくワークフローがまとめられるかを考える必要があります。
ワークフローを紙の申請書で運用するデメリット
ワークフローにシステムやツールを使用していない場合は、従来どおり紙の申請書を使って回覧や承認が進められていると思います。
例えば、経費の申請を行うのであれば、「経費精算書」を作成して紙でプリントアウトし、一人目の承認者である課長に申請書を渡してチェックと承認をしてもらいます。その後、課長から決裁者である部長に申請書を渡してもらい、部長が決裁をします。申請者は、決裁済みの申請書が手元に返ってきて初めて決裁の完了を知ります。このような流れでワークフローは進められるのです。
しかし、紙を使った申請は非効率な面があり、次のようなデメリットが存在します。
デメリット1 承認者不在時に決裁が滞る
承認者のもとに申請書が届いたとしても、その承認者が出張や休暇などで不在の場合には承認することが出来ず、決裁そのものが滞ります。
別の承認者による承認が可能だとしても、不在の承認者で申請書が止まっていることが分からなければ、対応のしようがありません。そのため、デスク上で申請書が放置されるという問題が起こってしまうのです。
デメリット2 申請書を紛失する可能性がある
承認者が多く、複数の部署に渡って回覧が必要な申請の場合は、何人もの承認者の間を申請書が移動するうちに、申請書を紛失する可能性があります。
申請が決裁まで進まないだけでなく、情報漏洩のリスクなってしまいます。
取引先の情報が含まれた申請書を紛失するようなことがあれば、会社の信用問題になります。
デメリット3 決裁の進捗を確認しにくい
申請書がどの承認者まで進んでいるのかを確認するためには、各承認者に電話やメールなどで直接確認する以外に方法がありません。決裁に時間がかかっている場合など、申請書の承認状況を確認したい場合には、申請書を持っている人を探さなくてはいけないのです。この作業は非常に非効率です。
また、承認者本人に承認状況を直接確認することは、承認者が上司であるため、確認を急かすように捉えられるため確認するのに気が引けてしまう方もいるでしょう。
「いつ決裁が下りるか分からない」ような状態では、決裁完了後の取り組みの準備も進められません。
ワークフローシステムとは
ワークフローシステムは、より効率良く正確にワークフローを進めるために存在します。
ワークフローシステムを活用すれば、今まで紙の申請書で行っていた申請を電子化(申請フォーム)し、回覧・承認もシステム上で出来るようになるのです。
ワークフローシステムでは、入力内容の自動チェックや金額の自動計算が可能なだけでなく、「承認がどこまで進んでいるのか」「どこで滞っているか」などの確認も簡単に行えます。
また、インターネット環境が整えられていれば、どこにいても申請の回覧・承認が出来るため、出張時やテレワーク時にワークフローが滞ってしまうことがありません。
決裁が完了した申請を管理しやすいことから、過去の申請を検索する作業も簡単に行えます。
ワークフローシステムによって効率化される業務
ワークフローシステムを導入することで効率化出来る業務は、現在申請書を使用している業務に限りません。
今は申請書を使っていない業務にもワークフローシステムを導入すれば、業務が効率化するだけでなく伝達漏れや行き違いなどのトラブルも防げるようになります。
具体的には、研修報告書の提出や他部署への作業の依頼など、これまで書面・メール・口頭で行っていたやりとりをワークフローシステム上で行うことも可能です。
ワークフローシステムの導入メリット
ワークフローシステムを導入することで、企業が得られるメリットには次のようなものがあります。
メリット1 スピーディーに決裁が進む
申請書を次の承認者の席まで持っていって手渡ししたり、承認者が不在で申請書が放置されたりすることがなくなり、スピーディーに決裁が進みます。
ワークフローシステムには通知機能が付いているものもあり、自分が承認する申請書が回覧されてきた時に通知が来ることで、承認漏れや承認忘れを防止できます。
承認状況もすぐに確認出来るため、なかなか申請が進まない時には、該当の承認者に確認をすることで、申請が滞らないようにすることが可能になります。
メリット2 さまざまなワークスタイルに対応出来る
会社にいなくても申請・回覧・承認が出来ることから、テレワーク中や出張中でもワークフローを進められます。外回りの営業をしている方で、移動が多い場合でも、移動時間を使った申請・回覧・承認を行えます。
申請書の申請や承認のためだけに会社に出社するような非効率なことは起こりません。
メリット3 計算ミスやチェックミスが発生しにくい
ワークフローシステムでは、申請時に自動的に金額や申請内容の整合性をチェックすることができます。
もちろん詳細な申請内容については承認者が確認する必要がありますが、金額計算など簡単なチェックをシステムに任せることができれば、申請時のケアレスミスを防ぐことが出来ます。
メリット4 データを活用できる
決裁が完了した申請をデータとして残し、検索できるようにしておけば、似たような申請を行う際の参考資料として役立ちます。
紙で保管された申請書を探すのには手間と時間がかかりますが、データ化された申請であれば、検索機能を使うだけで簡単に必要な情報が手に入ります。
まとめ
ワークフローは、業務や承認を円滑に進めるために欠かせないものですが、紙の申請でなければならない理由は無いでしょう。
社内で申請書、報告書などの文書が必要な業務は、数えてみるとかなり多くの数があると思います。これらの業務を紙を使った申請から、システムを使った申請にできれば、必要な手間や時間が少なくなります。
また、働き方が多様化した今では社員全員が会社にいるとは限りません。ワークフローシステムを導入した方が、正確かつ効率良くワークフローが進められます。業務を効率化するために、ツールやシステムを積極的に取り入れてください。
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