企画書は、自分が提案するアイデアを相手に伝えるために必要不可欠なものです。どんなに優れた企画であっても、企画書が分かりにくければ、その内容を多くの人に認めてもらうことができず、実行に移される機会を失ってしまうでしょう。
企画書の役割が非常に大きいことから、企画書作成に苦手意識を持っている方も少なくありません。
この記事では、企画書の書き方とポイントを分かりやすく説明します。これから企画書を作成したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
企画書とは
企画書とは、イベントや新商品開発などを行う際に、自分のアイデアと計画を具体的に記載した書類のことです。企画の魅力や期待できる成果・効果を、読む相手に伝えるためにさまざまなシーンで作成されます。
ただ予定やフローを記載するだけでは、企画書としては不十分であり、企画書の目的である「行動につながる」ものにはなりません。読むだけで企画の魅力・内容・詳細が伝わる企画書を作成することが必要です。
企画書と提案書の違い
企画書と似た言葉に「提案書」があり、この2つの違いが分からないという方も多いようです。簡単に説明すると、企画書は社内で利用するためのもので、提案書は顧客に対して提出するものです。
両方とも自分のアイデアを伝えるための書類であることに違いはありませんが、その提出先が異なる点に注意が必要です。さらに、提案書は大まかな方向性を示したもので、企画書は具体的なフローを記載するものです。一般的には、提案書を顧客に提出し、提案が通った後に社内で詳細な企画書を作成し、プロジェクトを開始する流れになります。
企画書を作成するポイント
企画書は分かりやすく、伝わりやすいものでなくてはなりません。また、作成に多くの時間をかけられない場合もあります。ここでは、効率よく優れた企画書を作成するためのポイントを紹介します。
1つの企画書には1つの企画
基本的なルールとして、1つの企画書に複数の企画を詰め込んではいけません。焦点がぼやけてしまい、何を伝えたいのかが分かりにくくなるためです。1つの企画につき1つの企画書を作成することを覚えておいてください。
内容が伝わるタイトルにする
企画書を読む際にまず目に入るのが「タイトル」です。タイトルから企画が推測できるようにすれば、「何のための企画書か」を一目で伝えることができます。例えば、「イベント企画書」ではなく「新商品A販促イベントの企画書」のように、具体的なタイトルにしましょう。
簡潔で分かりやすい文章にする
伝えたいことが多く、企画書が長文になってしまうことがありますが、長すぎる説明は読み手に「分かりにくい」と感じられることがあります。明瞭かつ簡潔な文章を心掛けましょう。
ターゲット・コンセプトを明確にする
どのような企画にもターゲットが設定されていると思います。大まかな設定ではなく、できるだけターゲットを絞り込んで企画書を作成しましょう。例えば、商品開発の企画であれば、「若い女性」よりも「20代女性・独身・流行り物が好き」といった具体的なターゲット設定を行うと、取るべきアプローチが見えやすくなります。ターゲットが明確になれば、コンセプトもよりはっきりとしてきます。
ターゲットへのアピール方法・必要な費用を考えておく
企画を提供する相手に、どのようなアピールを行うのか、アピールのために必要なツールは何かを決めておきます。ターゲットに企画の魅力を伝える方法を考えるとよいでしょう。アピール方法が明確になれば、企画に必要な費用も計算しやすくなります。
企画書の基本構成
企画書には基本的な構成があり、それを把握した上で作成すると、より伝わりやすい企画書に仕上がります。
1. 現状分析
企画を実行する前の現状と、企画を行うことで期待できる効果を記載します。また、企画のターゲットについても説明しましょう。
2. 企画の内容・目標
企画の具体的な内容を説明します。商品・イベント・プロジェクトなど、企画に応じた伝わりやすい書き方を工夫してください。目標は売り上げや効果に関するもので、可能な限り数字を使った分かりやすい表現を心掛けましょう。
3. 企画を行う手段
企画を実行するための手段を記載します。ターゲットへのアピール方法や実施方法を具体的に説明しましょう。
4. 必要な費用・人員
企画を実行するために必要な費用と人員を記載します。
5. スケジュール
企画に必要な日数や具体的なスケジュールを説明します。
さまざまな企画書の書き方例
ここからは、具体的な企画書の書き方の例を紹介します。企画書作成時に利用されることが多いパワーポイントとワードの2種類に分けて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
パワーポイントを使った企画書の書き方例
パワーポイントを使った企画書では、図やイラストを使用して視覚的に伝わりやすい企画書を作成できます。白黒印刷で利用する可能性も考慮し、適切な色使いを心掛けましょう。
- 1ページ目
タイトル、企画社名、作成日を記載します。
例: 「新商品Aパッケージ案の企画書 株式会社〇〇開発部 2024年3月10日」 - 2ページ目
現状分析や企画の内容、目標を記載します。
例: 「新商品Aの発売に向けて、他社製品と比べて際立つデザインと『新商品』であることがアピールできるパッケージを作成し、売り場で手に取ってもらいやすくする。」 - 3ページ目
企画を行う手段や必要な費用を記載します。
例: 「具体的なパッケージ案をイラストや画像で説明し、アピールポイントを紹介。作成に必要なデザイン外注費用も記載。」 - 4ページ目
企画のスケジュールや必要な人員を記載します。
例: 「パッケージデザイン決定2週間、校正および納品2日、サンプル到着2週間前後、パッケージ決定(計1ヶ月前後)」
ワードを使った企画書の書き方例
ワードを利用した企画書は、文章がメインの説明に最適です。なるべく1ページに収めるようにすると良いでしょう。
- 宛先
〇〇部〇〇課長 - 提出日
2024年3月10日 - 作成者
営業部 〇〇 - タイトル
「新商品A販促イベントの企画書」 - 現状分析
「新商品Aは発売から3ヶ月が経過しましたが、知名度が低く、目標売り上げを達成できていません。SNSでの反響は良いものの、口コミが広がりにくい状況です。」 - イベントの内容と目標
「新商品Aのターゲット層である20代独身女性を対象に、オフィス街の退社時刻に合わせてサンプル配布と製品体験ブースを設置。使用感を確認してもらい、購入につなげます。自宅でのサンプル利用も含め、2回の体験を通じて購入意欲を高めます。」 - イベントの概要
「開催会場:〇〇駅前〇〇ビル〇〇スペース(〇〇駅直結)
自由に商品を眺めたり使用したりできるスペースを設置し、デモンストレーターによる説明とサンプリングを行います。出展費用:〇〇万円/週」 - スケジュール
「ブースデザイン:2週間
デモンストレーターの手配と教育:1週間
ブース準備とオペレーション確認:2日」
まとめ
企画書の基本構成と書き方のポイント、さらに具体的な企画書の例を紹介しました。企画書は、企画の魅力を伝えるために欠かせないツールです。優れた企画書を作成し、自分のアイデアを効果的にアピールしましょう。