テレアポは、電話を通じて営業を行う仕事です。会ったことのない相手とスムーズに会話を進めるためには、事前の準備が欠かせません。そこで、おすすめしたいのがトークスクリプトの活用です。トークスクリプトを準備しておくことで、テレアポをより効果的に進めることができます。
今回は、テレアポにおけるトークスクリプトのメリットや具体的な例文などを詳しくご紹介します。
テレアポのトークスクリプトを用意するメリット
トークスクリプトとは、話の台本のことです。トークスクリプトを活用し、どのような流れで話を進めるか決めておくことで、営業担当や営業組織は次のようなメリットを得ることができます。
営業担当が得られるメリット
- 勝ちパターンを学習できる: トークスクリプトを使うことで、効果的な営業トークを学び、自身のスキルに取り入れることができます。
- 個人のパフォーマンス向上: スクリプトに基づいて話すことで、慌てることなく自信を持って話ができ、パフォーマンスが向上します。
- 自信を持って話すことができる: 事前に準備されたスクリプトがあることで、安心して相手と会話を進められます。
営業組織が得られるメリット
- 全体的なパフォーマンス向上: 組織全体でトークスクリプトを標準化することで、営業の質が向上し、パフォーマンスが向上します。
- 新人の即戦力化: 新人もトークスクリプトを使うことで、すぐにテレアポを実践でき、教育の手間を減らし、即戦力として活躍させることができます。
テレアポのトークスクリプトの基本構成
ここからは、テレアポのトークスクリプトの基本構成について解説します。テレアポのトークスクリプトは、次のような7つのステップで構成するのが一般的です。
- 挨拶
- 自己紹介
- つかみ
- 相手の反応に答える
- 質問
- 判断させる
- アポイントをとる
それぞれのステップについて詳しく説明します。
1. 挨拶
相手が電話に出たら、まず行うのが挨拶です。この挨拶にはさまざまなフレーズがありますが、最初から「お忙しいところ失礼いたします」などの堅いフレーズは避けた方が良いです。相手に警戒心を抱かせてしまう可能性があるためです。
代わりに、「おはようございます。」「こんにちは。」など柔らかいフレーズを用い、相手に挨拶を返してもらうことで、穏やかな雰囲気を作るよう意識しましょう。また、声の印象も重要です。威圧感のない、感じの良い声で挨拶に臨むことが大切です。
2. 自己紹介
挨拶の次には、自分が誰なのかを自己紹介します。この時、会社名と名前だけを名乗っても、相手の印象には残りにくいので、どんな会社の人かイメージしてもらいやすい一文を加えることが重要です。
例えば、「〇〇のサービスを提供する〇〇社の〇〇と申します」「〇〇で業界No.1の実績を持つ〇〇社の〇〇と申します」など、扱う商品やサービス、その実績をアピールする一文を付け加えて、相手に会社をイメージしてもらいます。
3. つかみ
次に話すのが、つかみの一文です。自己紹介の後に「〇〇についてご案内したいのですが」と話に入るケースが多いですが、これではつかみとしては不十分です。もう一工夫して、相手の興味を引く必要があります。
例えば、「売上アップのお手伝いをしているのですが…」「営業力を高める方法をご提案しているのですが…」「お得なキャンペーンがございまして…」など、まずはメリットを小出しにして、相手に興味を持ってもらいましょう。
4. 相手の反応に答える
ここからは、相手の反応に答えながら話を進めていきます。もし「結構です」と断られた場合、すぐにそれを受け入れるのも、しつこくするのもNGです。相手に共感しつつ、次の話にうまく誘導することが重要です。
例えば、「そうですよね、おっしゃる通りです。ところで、〇〇についてはご存知でいらっしゃいますか?」といった形で、相手に共感した上で、質問型の別の話題に繋げます。
5. 質問
ここからは、質問を重ねながら相手の課題やニーズを引き出します。「営業活動について不満に思っていることはありませんか?」「在庫管理について困っていることはありませんか?」など、最終的に自社の商品やサービスに繋がるように意識しながら質問を進めます。
この質問は的確さが求められます。事前に相手のニーズを把握しておくことで、話を引き出しやすくなります。
6. 判断させる
テレアポでは、最終的には相手に判断させることが重要です。「決めるのはあなたです」「断ることもできます」という考える余地や断る余地を残すことで、相手に安心感を与えます。
例えば、「必要かどうかは〇〇様が判断されることですので、ゆっくりお考えください」「もし必要でなければ、断っていただいて構いません」などの一言で、相手が安心して話を聞けるようにします。
7. アポイントをとる
ここまでの流れで相手が提案内容に興味を持った場合、より詳しい情報を提供する旨を伝え、アポイントを取ります。このアポイントは具体的な日時まで決めておくことが大切です。
例えば、「今週でしたら、明日と明後日ではどちらがよろしいですか?」「明日なら午前と午後、どちらがよろしいですか?」など、具体的な日時を提示しつつも、相手に選択肢を与えることで、アポイントが取りやすくなります。
テレアポのトークスクリプトの例文ここまでの構成をもとにしたトークスクリプトの例文をご紹介します。
「おはようございます。
在庫管理サービスを提供しております、株式会社◯◯の〇〇と申します。担当の方をお願いいたします。」
(要件を聞かれる)
「インターネットショッピングの利用が増える中、在庫管理の重要性は増しております。この在庫管理の課題を解決しながら、コストも下げられる仕組みのご紹介です。」
(興味を持ってもらえれば話を進め、ここで断られた場合は資料送付の許可をもらって電話を切る)
「現在、在庫管理について困っていることはありませんか?」
(在庫管理のミスが多く、業務に時間もかかっている旨の返答)
「そうですよね、在庫管理は大変な仕事ですし、人の手で進めるとどうしてもミスが出たり時間がかかったりしてしまいますよね。
この在庫管理を、ミスなく、時間や人的コストもかけず、さらに従業員の方に負担もかけずにできれば良いと思いませんか?」
(相手の反応に応じて、サービスの簡単な説明を行う)
「よろしければ、ご訪問させていただいて詳しいご説明をさせていただけませんか。もし必要ないようでしたら、その場で断っていただいて構いませんので。」
(訪問許可を取得)
「ありがとうございます。では、今週の火曜日か金曜日でしたら、どちらがご都合よろしいでしょうか?」
(具体的な日程を決め、再度会社名と氏名、感謝を伝え電話を切る)
テレアポの成功率を高めるコツ
最後に、テレアポの成功率を高めるためのコツを6つご紹介します。これらのコツを意識することで、相手に話を聞いてもらえる確率やアポイント取得の確率を向上させることができます。
相手が忙しい時間帯は避ける
営業電話は、相手が忙しい時間帯には迷惑になる可能性が高いため、避けるようにしましょう。始業開始から1時間、昼休憩、終業時間帯など、忙しい時間を避けることで話を聞いてもらえる確率が高まります。
しつこい売り込みをしない
しつこい売り込みは、逆に悪印象を与えてしまいます。相手の状況やニーズを理解し、しつこくならないように心がけましょう。
相手の抱える悩みに寄り添う
相手の悩みに寄り添い、共感を示すことが大切です。相手が抱える課題に対して適切な提案を行うことで、信頼を得られる可能性が高まります。
断る理由になるようなことを話さない
余計な情報を提供することで、相手に断る理由を与えてしまうことがあります。トークは簡潔に、相手にとってメリットを感じられる内容に集中させましょう。
具体的な事例を紹介する
成功事例や具体的な活用シナリオを紹介することで、相手に提案内容の現実味を感じてもらい、関心を引きやすくなります。
「絶対に」は言わない
「絶対に売上が上がります!」「絶対にご満足いただけます!」といった言葉は、相手に警戒心を与える可能性があります。代わりに、「お役に立てる可能性があります。」など、仮説的な表現に留めることで、相手が安心して話を聞けるようにしましょう。
まとめ
トークスクリプトは、テレアポの成功率を高めるための効果的な手段です。トークスクリプトを用意することで、テレアポ担当者の不安や苦手意識が軽減され、自信を持って話ができるようになります。
もしテレアポでアポが取れない、うまく話せないと感じているならば、まずはトークスクリプトを活用してみてはいかがでしょうか。
さらに、テレアポの成功率向上を目指すのであれば、営業ツールの導入も検討しましょう。顧客の興味や関心を可視化できるツールを活用すれば、適切なアプローチタイミングでの営業活動が可能になります。
個人の努力だけでなく、全社共通のトークスクリプトの作成や営業ツールの導入といった組織全体での取り組みも重要です。テレアポの成功率向上を組織全体の課題として捉え、効果的な解決手段を考えることが成功の鍵となります。インサイドセールスの効率化やテレアポの成功を目指すなら、営業ツールやセールスイネーブルメントツールの導入をぜひご検討ください。