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新人教育に役立つ用語集の作り方!FAQ検索ヒット効果も解説

ヘルプパーク編集部
新人教育に役立つ用語集の作り方!FAQ検索ヒット効果も解説

「担当者によって言葉の使い方がバラバラで、お客様を混乱させてしまっている」「新人研修で、業務内容よりも社内用語(隠語)の意味ばかり質問される」……そんなお悩みをお持ちではありませんか? さらに、一生懸命作ったFAQも「お客様が使う言葉と、私たちが使う正式名称が違って検索にヒットしない」という言葉の問題が起きているとしたら、とてももったいないですよね。

カスタマーサポート(CS)にとって「言葉」は、お客様と心を通わせ、問題を解決するための最大の武器です。しかし、その武器の手入れ(定義)が曖昧だと、意図せず間違った使い方をして、お客様との関係やオペレーター自身の自信を傷つけてしまうことがあります。「あれ、これってどういう意味だっけ? AさんとBさんで言っていることが違うな……」と現場が迷う時間は、積み重なると大きなロスになってしまいます。

この記事では、単なる言葉の意味を羅列した単語帳ではありません。新人教育(オンボーディング)を劇的に加速させ、さらにはお客様の検索失敗(0件ヒット)まで防ぐことができる「用語集」の作り方と、現場で定着させる運用のコツを解説します。言葉の定義を整えて、迷いのないクリアなサポート環境を一緒に作っていきましょう。

なぜ今「用語集」が必要?定義の統一がCS品質を決める

担当者による「ゆらぎ」を防ぎ、顧客の誤解をなくす

皆さんのチームには、同じ機能やサービスなのに、人によって呼び方が違うものはありませんか? たとえば「アカウント」のことを、ある人は「ID」と呼び、別の人は「ユーザー名」と呼ぶような状況です。 このように、同じ物事を指しているのに表現がバラバラになってしまうことを「表記ゆれ」と言います。

用語集(グロッサリー)を作成する最大の目的は、こうしたチーム内での認識のズレ、いわゆる「ゆらぎ」をなくし、「用語定義の統一」を図ることにあります。 「用語定義の統一」とは、特定の言葉が何を指し、どのような範囲で使われるかを明確に決めることです。ここが曖昧なままだと、お客様への案内内容に矛盾が生じ、「さっきの担当者はこう言っていたのに」というクレームに繋がりかねません。また、グロッサリーとは、特定の分野や製品に関する用語とその定義をまとめたリストのことを指しますが、CSにおいては単なる辞書以上の意味を持ちます。

現場で特に注意が必要なのは、「社内では当たり前に通じるけれど、お客様には全く通じない言葉」の存在です。開発チームが使う略称や、社内だけで通じるプロジェクト名などがこれに当たります。用語集を作る際は、単に言葉の意味を書くだけでなく、「この言葉は社内用」「お客様へ伝える際はこの言葉に言い換える」といったルールを明記することが重要です。つまり、用語集は社内目線(専門用語)とお客様目線(一般的な言葉)をつなぐ「翻訳辞書」の役割も果たすのです。この翻訳機能が機能して初めて、誰が対応しても同じ品質で案内できる強固なサポート体制が整います。

新人教育(オンボーディング)が劇的に楽になる!

先輩の背中を見るよりも「このページを見て」と言える安心感

CSの現場は、業界特有の専門用語や、その会社独自のサービス名、さらにはシステム上の略語が日常的に飛び交う場所です。新しく入ったメンバーにとって、業務フローを覚える以前に、この「言葉の壁」が独り立ちへの大きな障壁となることが少なくありません。 ここで役立つのが、整備された用語集です。新人教育、いわゆる「オンボーディング(組織の一員として定着し、戦力化するプロセス)」において、用語集は教育担当者の負担を大幅に減らす強力なツールとなります。

従来は、新人が分からない言葉があるたびに先輩に質問するか、あるいは「なんとなく文脈で察する」しかありませんでした。しかし、これでは教える側の時間を奪いますし、新人も「こんな初歩的なことを聞いていいのかな」と委縮してしまいます。また、ベテラン社員だけが感覚的に知っている知識やノウハウである「暗黙知」を、言葉として書き出し形式知化することで、誰でもアクセスできる情報に変えることができます。 「分からない言葉が出てきたら、まずはこの用語集を見てみてね」と案内できる場所があるだけで、新人の心理的な安全性はぐっと高まります。

現場での運用ルールを定着させるコツとして、新人さんには「もし用語集に載っていない言葉があったら、追加するから教えてほしい」と伝えておくことをおすすめします。私たちベテランにとっては当たり前すぎて、用語集に入れるまでもないと思っている言葉こそが、実は新人にとっての躓きポイントだったりするからです。新人の「わからない」という感覚は、用語集をより良く育てるための貴重な肥料になります。こうして現場のみんなで用語集をアップデートしていく文化ができれば、教育コストは削減され、チーム全体の知識レベルも底上げされていくはずです。

検索インデックスとして活用!検索ヒット改善で「見つかるFAQ」へ

お客様の「俗称」と「正式名称」を紐付ける

用語集は、人間が読んで理解するためだけのドキュメントではありません。実は、FAQシステムやヘルプセンターにおける「検索インデックス」としても極めて重要な役割を果たします。

検索インデックスとは?
検索エンジンが情報を探し出しやすくするために作成するデータベースの見出しのようなものです。お客様がFAQで検索をした際、求めている回答にたどり着けるかどうかは、このインデックス(キーワード)の設定にかかっています。

私たち事業者は、サービスや機能を正しい「正式名称」で呼びます。しかし、お客様は必ずしも正式名称を知っているわけではありません。感覚的な言葉や、他社サービスでの呼び方、あるいは「俗称」で検索することが多々あります。 例えば、正式名称が「退会」である機能に対し、お客様は「解約」「やめる」「キャンセル」「アカウント削除」といった様々な言葉で検索ボックスに入力します。もしFAQシステムが「退会」という言葉しか登録していなければ、これらはすべて「検索結果0件」となってしまいます。これを防ぐための「0件ヒット対策」として用語集が活躍します。

用語集を作成する際は、一つの正式名称に対して、同じ意味を持つ別の言葉である「類義語(シソーラス)」を紐付けて管理するようにしましょう。「退会」の項目に「解約」「キャンセル」も併記し、FAQシステムの検索キーワード設定に反映させるのです。 こうすることで、お客様がどの言葉を使っても、裏側で用語集がクッションとなり、正しい「退会」の記事へ誘導することが可能になります。用語集は単なる辞書ではなく、お客様の言葉を理解し、正解へと導くための「架け橋」となるのです。

実用的な用語集の作り方|「五十音順」と「NGワード」

探しやすいレイアウトと、使ってはいけない言葉の定義

いざ用語集を作ろうとしたとき、高機能なツールは必ずしも必要ありません。スプレッドシートや社内Wikiでも十分ですが、大切なのは「誰もが直感的に探せること」と「守るべきルールが明確であること」です。 構成の基本は、やはり「五十音順」です。カテゴリ別に分ける方法もありますが、言葉の意味を知りたいときは、その言葉がどのカテゴリに属するかさえ分からない場合が多いからです。「あいうえお順」であれば、新人もお客様も迷うことなく目的の言葉にたどり着けます。

そして、実用的な用語集にするためにぜひ盛り込んでいただきたいのが、「NGワード」の定義です。 NGワードとは、お客様に対して使用してはいけない言葉や、誤解を招く表現のことです。例えば「絶対」「必ず」といった断定的な表現や、差別的な意味を含む可能性のある言葉、あるいは競合他社の商標などが含まれます。用語集には、正しい言葉の意味だけでなく、「この言葉は使わない」という禁止ルールも併記することで、コンプライアンス(法令順守)を守るための手引きとしても機能します。

また、用語集を作ったものの「どこにあるかわからない」となっては宝の持ち腐れです。現場での導線設計として、用語集ページへのリンクは、ヘルプセンターや社内ポータルのフッター(最下部)など、どのページからでもワンクリックでアクセスできる場所に設置することをおすすめします。「困ったらここを見ればいい」という、情報の避難所のような存在にしておくことが、活用率を高めるコツです。

まとめ

用語集は、単に言葉の意味を並べたリストではありません。「言葉の定義」を揃えることで、チームの結束を高め、お客様に安心を届けるための重要な土台です。 新人教育の教材として「言葉の壁」を取り払い、FAQの検索対策として「お客様の言葉」を拾い上げる。まさに一石三鳥のツールと言えるでしょう。

「用語集を作るなんて大変そう」と思われるかもしれません。でも、たかが言葉、されど言葉です。まずはチーム内で「よく使うけれど、人によって定義が曖昧な言葉」を5つ書き出すところから始めてみませんか? その5つの言葉を整えるだけでも、日々のコミュニケーションロスは確実に減っていくはずです。


基礎知識についてもっと知りたい方はこちら

「カスタマーサポート基礎知識まとめ|体験設計と指標」を読む

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ヘルプドッグ編集部
筆者

ヘルプドッグ編集部

セルフサポートやカスタマーサポート運用に関する知見をもとに、現場で役立つ情報をわかりやすく発信しています。 実際の運用課題や改善事例を踏まえながら、自己解決率向上とサポート業務の効率化につながるヒントをお届けします。