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電話対応のNGワードとは?信頼を築くプロの表現と保留マナー

ヘルプパーク編集部
電話対応のNGワードとは?信頼を築くプロの表現と保留マナー

「悪気はないのに、なぜかお客様を怒らせてしまうことがある」「説明中に『えーと』『あのー』という口癖が出てしまい、自信がなさそうに見られてしまう」「保留時間が長くなり、焦って電話に戻ったらお客様が切ってしまっていた」

電話対応業務において、こうした悩みを抱える方は少なくありません。電話は対面と違って相手の顔が見えない分、言葉一つ、間(ま)一つが非常に敏感に伝わります。一生懸命説明しているつもりでも、ちょっとした表現の違いで「冷たい」「分かっていない」と受け取られてしまうと、心が折れそうになることもあるでしょう。しかし、それはあなたの性格や能力の問題ではなく、単に「言葉の選び方」のボタンの掛け違いかもしれません。

本記事では、無意識に使ってしまいがちな「NGワード」や「専門用語」に気づき、顧客に安心感を与えるプロの言葉選びと、信頼を損なわない保留のマナーについて解説します。

無意識に使っている?「NGワード」と専門用語の罠

専門用語の乱用は「突き放し」に聞こえる

オペレーターとして業務に慣れてくくると、社内で日常的に飛び交う用語をついお客様に対しても使ってしまいがちです。例えば、「エビデンス(証拠)」「デフォルト(初期設定)」「ブラウザ(閲覧ソフト)」といった言葉です。これらは社内では共通言語ですが、お客様にとっては理解不能な「宇宙語」である可能性が高いことを意識する必要があります。

専門用語(ジャーゴン)とは?
特定の業界や集団内でのみ通用する特殊な用語や言い回しのこと。外部の人が聞いても意味が分からず、疎外感や不快感を与える原因となる。

お客様が何かの操作に行き詰まっている時、オペレーターから「ブラウザを更新してください」と言われても、そもそも「ブラウザ」が何を指すのか分からなければ、お客様は混乱し、「突き放された」と感じてしまいます。

ここで必要なのは、「日常用語への翻訳」です。「ブラウザ」であれば「今ご覧になっているインターネットの画面」、「更新」であれば「読み込み直し」といったように、誰にでも分かる言葉に言い換えるスキルが求められます。「つまり、今見ている画面のことです」と、相手の理解度に合わせて噛み砕いて伝えることこそが、プロの翻訳スキルであり、優しさの表れです。

否定的な表現(D言葉)と「できない」の伝え方

無意識に使いがちな口癖の中に、お客様の神経を逆撫でする「D言葉」と呼ばれるものがあります。

D言葉とは?
「でも」「だって」「どうせ」「ですが」など、Dから始まる否定的な接続詞や言葉のこと。接客においては、言い訳や反論のニュアンスが含まれるためNGとされる。

お客様の要望に対して「でも、それは規則ですので」「だって、そう決まっていますから」とD言葉で返してしまうと、お客様は自分の意見を否定されたと感じ、感情的な対立を生みやすくなります。また、「できません」「無理です」という直接的な拒絶表現も、相手に強い拒絶感を与えます。

このような場合は、「クッション言葉」と「代替案」を活用しましょう。「あいにくですが(クッション言葉)、その対応はいたしかねます。代わりに〇〇という方法であれば可能ですが、いかがでしょうか(代替案)」と伝えることで、否定の衝撃を和らげることができます。「できない」事実を変えることはできなくても、伝え方を「肯定的な表現(YES, BUT法など)」に変えるだけで、お客様の納得感は大きく変わります。

信頼を削る「えーと」「あのー」と口癖の矯正

フィラー(言い淀み)が与える「頼りなさ」

電話対応中、言葉に詰まった時に「えーと、それは…」「あのー、確認します」といった言葉を無意識に発していませんか? これらは「フィラー」と呼ばれ、多用すると聞き手にネガティブな印象を与えます。

フィラーとは?
「えーと」「あのー」「まぁ」など、会話の合間に挟まれる意味のないつなぎ言葉のこと。言い淀み。

フィラーが多い話し方は、お客様に対して「この人は自信がないのかな?」「知識不足なのではないか?」という不安を与えます。また、話のテンポが悪くなるため、説明が実際以上に長く感じられ、イライラさせる原因にもなります。フィラーが出る原因の多くは、沈黙を恐れる心理にあります。無言の時間が怖くて、つい音で埋めようとしてしまうのです。

これを矯正するためには、「沈黙を恐れず、一呼吸置く」勇気を持つことが大切です。質問されたら、焦って「えーと」と言い出すのではなく、一拍置いてから「はい、確認いたします」と明確な言葉を発するように意識しましょう。プロの話し手は、この「間(ま)」を効果的に使い、落ち着いた印象を演出しています。

語尾を伸ばす「~ですねー」の馴れ馴れしさ

フィラーと並んで注意したいのが、語尾を伸ばす話し方です。「そうですかー」「わかりましたー」「あー、なるほどですねー」といった語尾の伸ばし癖は、本人が親しみやすさを出そうとしているつもりでも、お客様には逆効果になることが多いです。

ビジネスの場において、語尾を伸ばす話し方は「幼稚である」「真剣味がない」という印象を与えかねません。さらに悪い場合、「馬鹿にされている」「馴れ馴れしい」と受け取られ、クレームに発展することさえあります。特に、年配のお客様や深刻なトラブルを抱えているお客様に対しては、不謹慎極まりない態度と映るでしょう。

語尾は「です」「ます」と言い切ることで、言葉に力が宿り、誠実さや知性が伝わります。「そうですか」と短く止めるだけで、相手の話を真摯に受け止めている印象になります。自分の通話録音を聞き返し、語尾が伸びていないかチェックすることは、即効性のある改善策の一つです。

顧客を待たせない「保留」のルールと時間感覚

「少々お待ちください」の限界(30秒ルール)

電話対応において、調べ物や確認のために保留を使うことは避けられませんが、その「長さ」には厳格なルールが必要です。一般的に、保留音を聞かされている側の体感時間は、時計の針が進む実時間の「3倍」長く感じると言われています。つまり、たった1分の保留でも、お客様は3分待たされたようなストレスを感じるのです。

ここで意識すべき基準が「30秒ルール」です。

30秒ルールとは?
電話対応における保留時間の目安。保留が30秒(長くても1分)を超える場合は、一度保留を解除して状況を伝えるか、折り返し対応に切り替えるべきというマナー。

現場でよく見られる失敗は、解決策が見つかるまで粘ってしまい、結果的に3分以上お客様を放置してしまうケースです。お客様が不安になるのは「待たされていること」そのものよりも、「忘れられていないか」「放置されていないか」という点です。

もし30秒ですぐに答えが出ない場合は、一度保留を解除して「お待たせしており申し訳ございません。確認に少々お時間がかかっておりますので、もう少しお調べしてもよろしいでしょうか」と中間報告を入れましょう。

あるいは「時間がかかりそうですので、分かり次第こちらから折り返しお電話いたします」と提案する判断も重要です。「調べています」と伝えるだけで、お客様の不安は解消されます。

保留明けの第一声「お待たせいたしました」のトーン

長い保留時間の後、受話器に戻った第一声で何を言っているでしょうか。「はい、もしもし」や「お待たせしましたー」と軽い調子で話し始めてはいないでしょうか。保留明けの第一声は、待ってくれたお客様への感謝と謝罪を伝える重要な瞬間です。

ここでは必ず、「大変お待たせいたしました」という言葉から入りましょう。そして、その時の声のトーンにも注意が必要です。事務的に言うのではなく、申し訳なさと、待っていてくれたことへの感謝を込めて、普段より少し低めの落ち着いたトーン、あるいは逆に明るくハリのあるトーン(内容による)で、はっきりと発声します。

この第一声の印象が良いと、お客様の「待たされたイライラ」がリセットされ、その後の説明をスムーズに聞いてもらえるようになります。逆にここが雑だと、説明の内容が正しくても、「待たせたくせに悪びれていない」という感情的な反発を招いてしまいます。

好印象を与える「笑声」とメラビアンの法則

表情が見えないからこそ「声の表情」を作る

対面コミュニケーションでは、見た目や表情が第一印象の多くを決めると言われますが、電話対応においてはその条件が大きく異なります。ここで重要になるのが「メラビアンの法則」の応用です。

メラビアンの法則とは?
コミュニケーションにおいて、言語情報(7%)、聴覚情報(38%)、視覚情報(55%)が相手に与える影響の割合を示した法則。電話対応においては視覚情報がゼロになるため、聴覚情報(声のトーン、話し方)が印象決定の極めて大きな割合を占めることになる。

電話では相手の姿が見えないため、お客様はあなたの「声」だけを頼りに、どんな人物かを想像します。そのため、声に表情を持たせる「笑声(えごえ)」の技術が不可欠です。

笑声(えごえ)とは?
電話越しでも、まるで相手が笑顔で話しているかのように感じられる、明るく柔らかな声のトーンのこと。

笑声を出すための最も簡単な方法は、実際に口角を上げて笑顔を作って話すことです。姿勢を正し、口角を上げると、声帯の形が変わり、自然と声のトーンが明るく響くようになります。たとえ相手に見えていなくても、笑顔で話せばその「雰囲気」は必ず声に乗って伝わります。

早口にならないための「間(ま)」の取り方

緊張している時や、急いで説明しようとする時、人は無意識に早口になりがちです。しかし、早口の対応は「事務的」「早く切りたいと思っている」と誤解されるリスクがあります。落ち着いて聞き取りやすい話し方をするためには、意識的に「間(ま)」を取ることが有効です。

具体的には、句読点の部分でしっかりと一呼吸置くイメージです。「〜ですので、〜となります」と一気に話すのではなく、「〜ですので、(一呼吸)〜となります」と区切ることで、お客様が情報を消化する時間を作ることができます。

ただし、注意点として、あまりにゆっくり話しすぎると、今度は「尊大だ」「馬鹿にしている」と感じられる場合があります。理想的なのは、お客様の話すスピードに合わせる「ペーシング」です。早口のお客様には少しテキパキと、ゆっくり話すお客様にはゆったりと合わせることで、波長が合い、心理的な距離を縮めることができます。

まとめ

電話対応における言葉選びは、単なるビジネスマナーではありません。顔が見えない相手に対する想像力であり、「思いやり」の表れです。専門用語を日常用語に翻訳すること、不安を与えないようフィラーを減らすこと、そして保留中のお客様の気持ちに寄り添うこと。これらはすべて、相手を尊重する姿勢から生まれます。

まずは、無意識に使っていた「えーと」を一回減らすこと、そして保留明けに心を込めて「大変お待たせいたしました」と言うことから始めてみてください。その小さな変化は、電話線の向こう側にいるお客様に必ず伝わり、あなたの対応を「ただのオペレーター」から「信頼できるプロフェッショナル」へと変えていくはずです。

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FAQ・よくある質問

Q1

電話対応でD言葉を避けるための言い換え方法は?

A

クッション言葉と代替案をセットで使うのが基本です。「でも」「だって」といったD言葉は、お客様に反論や言い訳のニュアンスを与えます。代わりに「あいにくですが、その対応はいたしかねます。代わりに〇〇であれば可能ですが」と組み立てると、断る事実は変わらなくても、お客様の納得感が大きく変わります。

Q2

電話対応で保留が長引いたときの対応手順は?

A

30秒から1分を超えそうなら、一度保留を解除して中間報告を入れます。お客様が不安を感じるのは「待たされること」より「忘れられていないか」という点です。「確認に時間がかかっています」と一言伝えるだけで不安は和らぎます。さらに時間がかかる場合は、折り返し対応に切り替える判断も重要です。

Q3

フィラーと語尾伸ばしの違いと、それぞれが与える印象の違いは?

A

フィラーは「えーと」「あのー」など会話の合間に挟まるつなぎ言葉で、知識不足や自信のなさを連想させます。語尾伸ばしは「わかりましたー」のように語尾を間延びさせる癖で、幼稚・馴れ馴れしいという印象を与えます。どちらも信頼を損ないますが、フィラーは沈黙を恐れる心理から生まれ、語尾伸ばしは親しみを出そうとした意図が裏目に出るケースが多い点が異なります。

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筆者

ヘルプドッグ編集部

セルフサポートやカスタマーサポート運用に関する知見をもとに、現場で役立つ情報をわかりやすく発信しています。 実際の運用課題や改善事例を踏まえながら、自己解決率向上とサポート業務の効率化につながるヒントをお届けします。