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フリーダイヤル導入の費用は?0120と0800の違いを解説

ヘルプパーク編集部
フリーダイヤル導入の費用は?0120と0800の違いを解説

「お客様のためにフリーダイヤルにしたいが、コストが青天井になりそうで怖い」「『0120』と『0800』の違いがよく分からず、どちらを選ぶべきか迷っている」「導入したら電話が鳴り止まなくなり、現場がパンクするのではないか」。

CS(カスタマーサポート)の窓口設計において、フリーダイヤルの導入は大きな決断です。「通話料無料」はお客様にとって最高のサービスですが、受ける側の企業にとっては、「1分いくら」のチャリンチャリンと課金される音が聞こえるようなプレッシャーでもあります。現場を守りつつ、顧客満足度を上げるバランスこそが、管理者にとって最大の悩みどころでしょう。

この記事では、フリーダイヤル(着信課金番号)の仕組みとコスト構造、そして意外と知られていない「0120」と「0800」の選び方を解説します。これらを理解し、自社のCS戦略に最適な導入プランを判断できるようになりましょう。

フリーダイヤル(着信課金番号)の仕組みとは?

かけた人ではなく「受けた企業」が払う仕組み

一般的に「フリーダイヤル」と呼ばれている電話番号ですが、その仕組みを正しく理解しているでしょうか。これは、発信者(顧客)は無料で通話でき、着信側(企業)が通話料を全額負担するサービスの総称です。

着信課金番号とは?
電話をかけた側(発信者)ではなく、電話を受けた側(着信者)が通話料金を負担する電話番号サービスの総称です。「0120」や「0800」から始まる番号がこれに該当します。

ここで注意したいのが、「フリーダイヤル」という言葉は、実はNTTコミュニケーションズ株式会社の登録商標(サービス名)だという点です。そのため、KDDIであれば「フリーコール」、ソフトバンクであれば「フリーコールスーパー」といった具合に、各通信キャリアによってサービス名称が異なります。

しかし、一般のお客様にとっては「0120=フリーダイヤル(無料)」という認識が定着しているため、どのキャリアと契約していても、総称として「フリーダイヤル」と呼ばれることがほとんどです。基本的な仕組みはどのキャリアも共通しており、導入する際は、自社が契約している電話回線との相性や、オプション機能(通話録音やIVRなど)の充実度で選ぶのが一般的です。

「0120」と「0800」の決定的な違い

着信課金番号には、誰もが知る「0120」のほかに、もう一つ「0800」という番号が存在します。導入時にどちらを選ぶべきか迷う担当者も多いですが、機能や通話料の面では、この2つに決定的な差はありません。

「0120」は1985年に開始された歴史ある番号ですが、人気ゆえに番号が枯渇し、希望する番号(語呂合わせなど)を取得するのが極めて難しくなっています。そこで登場したのが「0800」です。こちらは比較的まだ空きがあり、好きな番号を選びやすいというメリットがあります。

しかし、CSの現場視点で見ると、「0800」には明確な課題があります。それは「認知度」です。「080」で始まるため、お客様が「携帯電話番号(080や090)」と見間違えてしまい、「知らない携帯から着信があった」と不審に思われたり、「携帯にかけるのは有料だ」と誤解されて電話を躊躇されたりするケースがあるのです。

また、「0800は携帯電話専用の番号だ」という誤解も一部にありますが、これは間違いです。固定電話からでも問題なく利用できます。信頼感と認知度を最優先するなら「0120」の空きを探し、番号の覚えやすさや取得しやすさを優先するなら「0800」を選ぶ、という判断基準を持つと良いでしょう。

項目0120(ゼロイチニーゼロ)0800(ゼロハチゼロゼロ)
知名度圧倒的に高い。「無料電話」といえばこれ、という安心感があります。0120に比べると低め。一見すると携帯番号(080/090)と見間違われることも。
桁数10桁(0120-XXX-XXX)11桁(0800-XXX-XXXX)
通話料着信側が負担着信側が負担

企業が導入する3つのメリットと「信頼性」

問い合わせのハードルを下げ、顧客接点を増やす

フリーダイヤルを導入する最大のメリットは、お客様からの問い合わせハードルが劇的に下がることです。「通話料がかかるなら、まあいいか」と諦めていた潜在顧客からの問い合わせや、既存顧客からの軽微な相談が増える傾向にあります。

一見すると、問い合わせが増えることは現場の負担増(コスト増)に見えるかもしれません。しかし、CSの現場では、この「ちょっと聞きたいだけ」のお客様こそが、実は一番のファン予備軍だったりします。有料通話だと諦めてしまう層を拾い上げることで、購入前の不安を取り除いたり、解約を考えているお客様を引き留めたりするチャンスが生まれます。

単なるコストセンターと捉えるのではなく、「顧客接点を増やすための投資」と考えることが重要です。たった1本の電話が、将来のLTV(顧客生涯価値)を大きく左右する可能性があるのです。フリーダイヤルはその入り口を広げるための強力なツールと言えます。

企業の「信頼性」とブランドイメージの向上

「0120」の番号を持っているということは、それだけで企業としての「信頼の証」になります。社会的に「0120=しっかりしたサポート体制がある企業」という認知が確立されているためです。

特に、通信販売や高額な商材を扱う企業にとっては、フリーダイヤルの有無が成約率(コンバージョン)に直結することもあります。お客様は、万が一トラブルがあった際に「ちゃんと連絡がつくのか」「誠実に対応してくれるのか」を無意識にチェックしています。

Webサイトやパンフレットに「0120」が記載されているだけで、「いつでも相談できる」という安心感を与え、怪しい業者ではないという証明(トラストマーク)のような役割を果たします。ブランドイメージを向上させ、競合他社との差別化を図る上でも、着信課金番号の導入は有効な戦略の一つです。

オフィス移転でも番号が変わらない(番号ポータビリティ)

実務的なメリットとして見逃せないのが、オフィス移転時の対応です。通常の固定電話番号(03や06など)は、管轄の電話局が変わるような移転をすると、番号が変わってしまうリスクがあります。長年親しまれた番号が変わることは、顧客にとって大きな不便となり、機会損失にも繋がります。

番号ポータビリティとは?
ここでは、電話会社や設置場所(住所)を変更しても、同じ電話番号を継続して利用できる仕組みのことを指します。着信課金番号の場合、物理的な回線に紐付くのではなく、仮想的な番号として設定されるため、移転の影響を受けにくい特長があります。

着信課金番号であれば、裏側で設定されている「着信先(実際の電話回線)」を変更するだけで、表向きの「0120番号」はそのまま継続利用できます。東京から大阪へ本社を移転したとしても、お客様は同じ番号にかければ繋がります。パンフレットや名刺、Webサイトの記載をすべて修正する手間やコストを考えると、事業拡大や移転の可能性がある企業ほど、早めに着信課金番号を取得しておくメリットは大きいと言えます。

気になるコスト(導入費用・通話料)の目安

初期費用と月額基本料の相場

導入を検討する際、最も気になるのがコストでしょう。実は、フリーダイヤルなどの着信課金サービスの導入自体は、それほど高額ではありません。

キャリアやプランによって異なりますが、初期費用(工事費)は数千円程度、月額基本料も数千円程度からスタートできるケースがほとんどです。多くの企業が二の足を踏むのは、この固定費の部分ではなく、通話量に応じて発生する「通話料(従量課金)」の部分です。

導入時には、基本料に含まれるオプション機能(時間外アナウンスや振り分け設定など)の内容をよく確認しましょう。安価なプランでは必要な機能が別料金になっていることもあります。自社の運用スタイルに合わせて、トータルコストで比較検討することが大切です。

通話料は「誰が」「どこから」かけるかで変わる

着信課金番号のコスト管理において最も重要なのが、「どこからの着信か」によって料金が大きく変わるという点です。一般的に、固定電話からの着信は比較的安価(数円/分)ですが、携帯電話からの着信は割高(数十円〜百円以上/分)になる傾向があります。

近年は固定電話を持たず、携帯電話のみを利用するユーザーが増えています。そのため、何も対策をせずに導入すると、携帯電話からの着信比率が高まり、想定以上の請求額に驚くことになりかねません。予算に限りがある場合は、「携帯電話からの着信を許可するかどうか」を設定で選ぶことも可能です。

現場視点で言えば、盲点となりやすいのが「携帯電話からの長電話」です。例えば、クレーム対応などで20分、30分と話し込んでしまうと、たった1件の対応で数千円のコストが発生することもあります。だからこそ、フリーダイヤルを導入する際は、現場のオペレーターに対して「保留時間を短くする」「手際よく的確に案内する」といったコスト意識教育をセットで行う必要があります。これは単なる節約ではなく、お客様の時間を奪わないための品質向上施策でもあります。

フリーダイヤル・フリーコール主要3社の比較表

▼各社公式サイトの2026年3月時点の情報を参照しています。

運営会社サービス名公式料金ページURL
NTT Comフリーダイヤルhttps://www.ntt.com/business/services/voice-video/freedial-navidial/freedial/price.html
KDDIフリーコールDXhttps://biz.kddi.com/service/free-call/charge/
ソフトバンクフリーコールスーパーhttps://www.softbank.jp/business/service/voice/freecall-super/
項目NTTコミュニケーションズ(フリーダイヤル)KDDI(フリーコールDX)ソフトバンク(フリーコールスーパー)
初期費用(税込)2,200円〜2,200円〜1,100円〜
月額基本料(税込)1,100円〜1,100円〜2,200円(割引あり)
通話料:固定から8.8円〜 / 3分8.8円〜 / 3分8.8円〜 / 3分
通話料:携帯から17.6円〜 / 1分17.6円〜 / 1分11円〜 / 30秒

導入前に知っておくべき「現場」への影響と対策

問い合わせ急増による「あふれ呼」対策

通話料が無料になれば、当然ながら電話の件数は増えます。ここで問題になるのが、オペレーターの人数に対して着信数が上回り、電話に出られない状態、いわゆる「あふれ呼」です。

あふれ呼(あふれこ)とは?
コールセンターなどで、回線数やオペレーター数を超える入電があり、電話がつながらない(話中になる、または待ち呼状態になる)現象のことです。

「せっかくフリーダイヤルにしたのに、全然つながらない!」というお叱りを受けては本末転倒です。こうした事態を防ぐために、事前の対策としてIVR(自動音声応答)の導入を検討しましょう。

IVR(自動音声応答システム)とは?
「お電話ありがとうございます。〇〇に関するお問い合わせは1番を……」のように、音声ガイダンスによる案内で、発信者の用件に応じて着信先を振り分けたり、自動回答を行ったりするシステムのことです。

IVRを活用すれば、簡単な用件は自動音声で案内したり、「ただいま混み合っております」とアナウンスしてWebサイトへ誘導したりすることができます。すべての電話を人が取るのではなく、システムの力で交通整理を行うことが、現場のパンクを防ぐ鍵となります。

いたずら電話・間違い電話のリスク管理

問い合わせのハードルが下がるということは、同時に「間違い電話」や「いたずら電話」のリスクも高まることを意味します。無料だからと気軽にかけ直してくるケースや、無言電話などが続くことも稀にあります。

こうしたノイズは、現場の士気を下げ、本当に困っているお客様への対応時間を奪ってしまいます。多くの着信課金サービスには、「迷惑電話お断り機能(特定の電話番号からの着信を拒否する)」や、「非通知着信の拒否設定」、「公衆電話からの着信拒否」などのオプションが用意されています。

導入前に、「どのような着信を拒否するか」という運用ルールを決めておきましょう。現場のスタッフを守るための盾を用意しておくことも、管理者の重要な責務です。

まとめ

フリーダイヤル(着信課金番号)は、顧客満足度を高め、企業の信頼性を向上させる強力なツールですが、魔法の杖ではありません。あくまで「入り口を広げる施策」の一つです。

「0120」を選ぶか「0800」を選ぶか、携帯電話からの着信を許可するかどうか。これらはすべて、自社の予算と顧客層に合わせて戦略的に決定する必要があります。

そして何より重要なのは、導入後に「増えた問い合わせをどう効率よく捌くか」という視点です。IVRによる振り分けや、オペレーターのスキルアップ教育など、受け入れ体制を整えることこそが成功の鍵です。入り口を広げた分、中身(対応品質)も磨き上げ、お客様との良好な関係を築いていきましょう。

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FAQ・よくある質問

Q1

0120と0800の違いと使い分けの基準は?

A

機能や通話料に決定的な差はなく、主な違いは「認知度」と「番号の取得しやすさ」にあります。0120は「無料電話」としての認知が確立されている反面、番号の空きが少ない状態です。一方、0800は空きが多く好みの番号を選びやすいですが、携帯番号(080)と見間違われ、顧客が有料と誤解して電話を躊躇するリスクがあります。信頼感を優先するなら0120、番号の取得しやすさを優先するなら0800という基準が実務的な判断の軸になります。

Q2

フリーダイヤルの通話料が想定以上に膨らむ原因は?

A

最大の要因は、携帯電話からの着信比率の高さと通話時間の長さです。固定電話からの通話料が数円/分程度なのに対し、携帯電話からは数十円〜百円以上/分と割高になります。固定電話を持たないユーザーが増えた現在、何も対策しないと携帯からの着信が大半を占めるケースもあります。クレーム対応などで20〜30分話し込むと1件で数千円になることもあるため、携帯着信の許可設定の見直しと、オペレーターへのコスト意識教育をあわせて行うことが重要です。

Q3

フリーダイヤル導入後のあふれ呼を防ぐ方法は?

A

IVR(自動音声応答システム)の導入が有効な手段です。通話料が無料になると入電数は増加しやすく、オペレーター数を超える着信が発生する「あふれ呼」が起きやすくなります。IVRを使えば、簡単な問い合わせを自動音声で処理したり、混雑時にWebサイトへ誘導したりと、人が対応する前段階で交通整理ができます。すべての電話を人が受けようとする設計では現場がパンクするため、システムと人員の役割を分担する運用設計が不可欠です。

ヘルプドッグ編集部
筆者

ヘルプドッグ編集部

セルフサポートやカスタマーサポート運用に関する知見をもとに、現場で役立つ情報をわかりやすく発信しています。 実際の運用課題や改善事例を踏まえながら、自己解決率向上とサポート業務の効率化につながるヒントをお届けします。