FAQサイトを公開しても問い合わせが減らないとき、その原因は大きく4つに分かれます。最初のつまずきは、FAQサイトの存在がお客様に知られておらず、見てもらえないことです。
見てもらえても、検索して目的の答えが出てこなければ、お客様はそこで離れてしまいます。答えが見つかっても、回答が長くて読み切れなければ、最後まで読まずに問い合わせ窓口へ向かいます。
そして、一度は整っていた内容が古いまま放置されていると、お客様は誤った情報を受け取り、FAQサイトそのものを信頼しなくなります。自社にどの原因が当てはまるかを見極めれば、優先順位をつけて改善できます。
失敗1:FAQサイトの存在がお客様に知られていない
問い合わせがなかなか減らないとき、回答は用意できているのに、FAQサイトの入口がお客様に伝わっていないことがあります。サイトのどこからFAQサイトへ進めるのかが分からなければ、お客様は人が対応する問い合わせ窓口に直接たずねます。

主な原因
お客様がFAQサイトに気づけないのは、サイト内の案内が足りないからです。
トップページや会員ページにFAQサイトへのリンクがなければ、その存在が伝わりません。また、問い合わせフォームへ進む途中でFAQサイトを案内していなければ、お客様はFAQサイトを見ないまま、フォームから質問を送ります。会員への案内メールやお知らせでFAQサイトにふれていなければ、困ったときに使える場所として知ってもらえません。
対策
まず、ページの上下に常に表示されるヘッダーとフッターに、どこからでもFAQサイトへ進めるリンクを置きましょう。
問い合わせフォームの送信ボタンの手前に「送信の前にFAQサイトをご確認ください」と添えれば、フォームに進む前に自分で解決できるお客様が増えます。会員への案内メールにFAQサイトへのリンクを入れておくと、困ったときに思い出してもらえます。
こうした導線をサポート全体のどこに置くかをあらかじめ決めておけば、問い合わせが特定の窓口に集中することを防げます。
失敗2:検索しても目的の答えが出てこない
お客様がFAQサイト内で検索しても、欲しい回答が表示されず、関係のないFAQ記事ばかり並ぶことがあります。回答そのものは用意できているのに、検索とうまく結び付かないため、お客様は自分で解決できないまま問い合わせ窓口へ向かいます。

主な原因
1つ目は、FAQ記事の質問文が社内で使う言葉で書かれていて、お客様が実際に入力する言葉と一致しないことです。お客様が「退会」で探しても、記事に「解約」としか書いていなければ、検索しても表示されません。
2つ目は、検索の仕組みが言葉のゆれに対応できないことです。たとえば同じ操作でも、お客様は「キャンセル」と入力し、記事は「取り消し」と書いているように、同じ意味でも別の言葉が使われます。文字が違うと結果に出ない検索では、お客様は目的のFAQ記事を見つけられません。
対策
まず、お客様が実際に入力する言葉を、FAQ記事の質問文にも書き添えましょう。同じ意味の言い方が複数あるなら、それらを書いておけば、どちらで検索しても表示されます。
あわせて、入力の途中で関連する候補を出すサジェスト機能(入力中に近い言葉を一覧で示す仕組み)を使うと、お客様は言葉を全部打ち込まなくても候補から選べます。
お客様が入力する言葉のゆれに左右されず目的のFAQ記事が見つかるよう、ヘルプドッグのAI検索「先回りスマート検索」は、言い換えや、ひらがな・カタカナ・送り仮名の違いを辞書で結びつけ、表記がそろわない検索でもヒットできます。このようなAI検索機能を有したカスタマーサポートシステムに頼るのも手です。
最後に、検索したのに結果が一つも出なかった言葉(検索0件のワード)を定期的に確認し、不足しているFAQ記事を追加していけば、見つからない検索を一つずつ減らせます。
失敗3:回答が長くて読み切れない
検索で目的のFAQ記事を開いてもらえても、お客様が回答を読み進めるうちに離れてしまうことがあります。知りたい答えがどこに書いてあるか分からないと、お客様は途中で読むのをやめ、結局その内容を問い合わせ窓口にたずねます。

主な原因
FAQ記事を読み切ってもらえない理由は、大きく二つあります。
一つは、回答が長く、前置きや背景の説明が先に置かれていることです。お客様は急いで答えを知りたいのに、結論が文章の後ろにあると、そこへ進む前に読むのをやめます。
もう一つは、社内で使う専門用語がそのまま書かれていることです。お客様になじみのない言葉が続くと、意味を読み取れず、読み進められません。
対策
まず、回答は結論から先に書きましょう。お客様が最初の一文で答えを受け取れれば、後ろの説明を読まなくても解決します。次に、社内の専門用語は、お客様がふだん使う言葉に置き換えます。専門用語がどうしても必要なときは、その場で短く意味を添えます。
回答が長くなる場合は、見出しや箇条書きで区切り、お客様が知りたい部分だけを拾い読みできるようにします。
失敗4:内容が古いまま放置されている
公開した時点では正しかったFAQ記事も、サービスの料金や仕様が変わると、内容が実際と合わなくなります。記事を直さずにおくと、お客様は古い案内のとおりに進めてうまくいかず、結局その点を問い合わせることになります。

主な原因
FAQ記事が古いまま残るのは、誰がいつ記事を見直すかが決まっていないからです。
サービスを変更しても記事の修正が後回しになり、そのまま忘れられます。また、日々の問い合わせ対応に時間を取られていると、すでに公開した記事の見直しまで手が回りません。
料金改定や仕様変更があったときに、どの記事を直すかを社内で連絡する流れもなければ、変更が記事に反映されません。
対策
まず、FAQ記事を見直す日を、あらかじめ予定として決めておきましょう。たとえば三か月に一度など時期を固定すれば、見直しが予定に入り、忘れずに取りかかれます。
次に、料金やサービスの内容を変更するときは、関係するFAQ記事も同時に直す手順を社内で決めておきます。変更を決めた人から記事の担当者へ連絡する流れにしておけば、記事だけが古いまま残ることを防げます。
あわせて、どの記事が古くなっているかを、お客様の反応から見つける方法もあります。記事が役に立ったかどうかを答えてもらう評価ボタンや、FAQサイトを見たあとに寄せられた問い合わせの内容を確認すると、実際と合わなくなった記事に気づけます。
まとめ
ここまでの4つの失敗は、別々に起きるとはかぎりません。
たとえば、検索しても目的のFAQ記事が出てこないうえに、開いても回答が長くて読み切れず、内容も古い、という状態が同時に起きることがあります。こうして失敗が重なると、お客様はFAQサイトで解決できなくなり、やがて使われなくなります。
ですから、一度直して終わりにせず、この4つの観点で定期的にFAQサイトを点検しましょう。当てはまる症状が見つかったら、影響の大きいものから順に直していけば、お客様が自分で解決できる状態を保てます。

私はよく、お客様にこうお伝えしています。
FAQサイトが使われなくなる理由は、記事の中身だけではありません。トップページから目的の情報をさがしにくかったり、入力した言葉では検索に出てこなかったりすることも、同じように原因になります。
そのため、Q&Aやマニュアル・手順書は、用意して終わりではありません。用意したものを、お客様が見つけられる状態にする。そこまで設計して、はじめて役に立ちます。
これは、お店と同じです。あなたがお店に立ち寄ったとき、欲しい商品がすぐに見つかれば、うれしいはずです。だからお店は、どう並べればお客様が手に取りやすいか、迷わず売り場へ行けるかを工夫します。
FAQサイトも変わりません。答えを用意するだけでなく、お客様がその答えに迷わず行けるよう、見つけやすさまで整える。そうしてはじめて、FAQサイトはお客様に使われ、信頼されていきます。