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カスタマーサポートの退職理由とは?4つの原因と離職を防ぐ対策を解説

ヘルプドッグ編集部
カスタマーサポート担当者が辞表を手に涙を流す場面

カスタマーサポートの主な退職理由は、大きく4つあります。

クレームやカスタマーハラスメントによる精神的な消耗、同じ問い合わせを繰り返す毎日で成長を実感できないこと、人手不足によるひとりあたりの負担の増加、そして頑張りが評価や待遇に反映されず、この先のキャリアを描けないことです。いずれの理由にも、事業者側の工夫で減らせる要因が含まれています。

カスタマーサポートに多い4つの退職理由

お客様対応の担当者が職場を離れる理由は、性質の異なる4つに分けられます。

4つは別々に起きるより、人手不足が残業を生み、残業が消耗を深めるように、互いに影響し合いながら退職の引き金になります。

分類具体例
精神的な消耗理不尽なクレーム、カスタマーハラスメント、感情を抑えた応対の連続
業務の繰り返し同じ問い合わせへの対応が続く、新しい技能が身につく実感を持てない
人手不足による負担欠員の穴埋め、希望日に休暇を取れないシフト、残業の常態化
評価・待遇・キャリア応対の質が評価に反映されない、昇進の枠が少ない、給与が負荷に見合わない

国の統計でも、この仕事の離職の多さが確かめられます。2024年の1年間に全産業で離職した常用労働者の割合(離職率)は14.2%でした。これに対し、コールセンターの運営を専門に担う会社が含まれる「サービス業(他に分類されないもの)」では、フルタイムで働く一般労働者の離職率が19.0%にのぼり、調査対象の16産業で最も高くなっています。(出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」2025年)

先ほどの調査では、転職した人が前の勤め先を辞めた理由も集計されています。定年・契約期間の満了と「その他」の回答を除くと、男性で最も多いのは「給料等収入が少なかった」(10.1%)、女性では「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」(12.8%)と「職場の人間関係が好ましくなかった」(11.7%)が上位に並びました。

職場の人間関係は、職種を問わず起きる理由です。一方、冒頭に挙げた4つは、お客様と直接向き合うというカスタマーサポートの仕事の性質と結びついています。だからこそ、担当者個人の我慢に頼るより、仕事の組み立てを変えるほうが確実に減らせます。

カスタマーサポート担当者が新しい職場に前向きに踏み出す様子

入職の動機と退職理由のずれ

退職理由を考えるうえで、そもそも担当者がどんな動機でこの仕事を選んだのかも押さえておく必要があります。カスタマーサポートやコールセンターの仕事は、未経験から始められる求人が多く、シフトの調整も柔軟な職場が目立ちます。業界誌も、勤務時間の融通が効きやすいことを理由に、家庭や学業などと両立したい人の働き先となってきたと指摘しています。(出典:コールセンタージャパン・ドットコム「コールセンター白書Plus+ 第3回 オペレータの正社員化と変化する人材マネジメント」2026年)

つまり、多くの担当者が入職時に見ているのは、時間の融通と始めやすさです。理不尽なクレームを受け止める精神的な負荷や、評価・キャリアの示され方は、働き始めてから初めて直面します。入るときの魅力と、辞めるときの理由が、別の場所にあるのです。採用時の売り文句をいくら磨いても、退職理由は減りません。

しかも、この仕事を短期間だけ担う前提は崩れつつあります。先ほどの記事によると、2025年の調査では回答企業の56%がオペレーターとして自社の正社員を配置し、最も人数の多い雇用モデルでも自社正社員が37%と最多でした。長く働いてもらう前提に変わるほど、働き始めてから直面する4つの理由への手当てが、そのまま定着を左右します。

クレームやカスタマーハラスメントの矢面に立ち続け、精神的に消耗する

お客様の不満を最初に、直接受け止めるのがカスタマーサポートの役割です。感謝される場面がある一方で、理不尽な要求や暴言を浴びる場面も避けられません。この負荷が続くと、担当者は心の余力を失い、退職を選びます。対策の軸は、担当者一人に受け止めさせない体制と、衝突が生まれる接点そのものを減らす設計の2つです。

カスタマーサポートは「感情労働」の代表的な職種でもあります。感情労働とは、自分の感情を抑え、職務として求められる表情や言葉づかいを保ち続ける働き方を指し、米国の社会学者アーリー・ホックシールド氏が提唱しました(出典:『The Managed Heart』1983年)。腹が立っても、怖くても、応対中は丁寧な言葉を崩せません。この抑え込みを応対のたびに繰り返すことが、身体の疲れとは別の消耗を生みます。

カスタマーハラスメント被害の実態

被害の広がりは、労働組合の大規模調査で確かめられています。サービス業で働く組合員33,133人への調査では、46.8%が直近2年以内にお客様からの迷惑行為の被害にあったと答えました。内容は「暴言」が39.8%で最も多く、「威嚇・脅迫」14.7%、「何回も同じ内容を繰り返すクレーム」13.8%と続きます。行為の形態は対面が最多ですが、電話も18.8%を占めており、コールセンターや問い合わせ窓口も無縁ではありません。(出典:UAゼンセン「カスタマーハラスメント対策アンケート調査結果」2024年)

被害は、その場で終わりません。先ほどの調査では、迷惑行為を体験した後に「嫌な思いや不快感が続いた」と答えた人が50.5%と半数を超え、「特になかった」は5.8%にとどまりました。裏を返せば、9割以上の人に何らかの変化が残ったということです。同じ資料は、カスタマーハラスメントで精神疾患を発症し、退職につながったケースがあることにも触れています。

米国でも同様の傾向です。消費者1,000人への調査では、過去1年間に商品やサービスの問題を経験した人が77%と過去最高になり、問題を経験した人のうち64%が強い怒りを感じ、50%が声を荒らげたと答えました。声を荒らげた人の割合は、20年あまりの調査史上で最も高い水準です。(出典:米Customer Care Measurement & Consulting社・米アリゾナ州立大学「National Customer Rage Survey」2025年)

消耗が退職につながる流れ

問題は、1件ごとの応対では終わらないことです。応対そのものは数分から数十分で完結しても、浴びた言葉の記憶と緊張は勤務後も残ります。翌日また同じ電話を取るとき、「また怒鳴られるかもしれない」という身構えから1日が始まります。回復が追いつかないまま負荷が重なり続けると、出勤そのものがつらくなり、退職に至ります。

対策の空白も、この流れを速めます。先ほどの調査では、勤め先の迷惑行為への対策について「特に対策はなされていない」と答えた人が42.2%にのぼりました。会社としての備えがない職場では、理不尽な要求への対処が担当者個人の我慢に委ねられます。我慢で持ちこたえている状態は、限界が来れば退職に変わります。

辞表を手に泣くコールセンター担当者の退職場面

担当者を守るために事業者ができること

まず整えたいのは、一人に受け止めさせない体制です。どこまでが正当なクレームで、どこからが迷惑行為なのか、判断の基準を文書で定めます。基準を超えた場合は担当者がその場で上長に引き継げるよう、手順と権限をあらかじめ決めておきましょう。判断を現場任せにしないことが、「自分が悪いのかもしれない」という抱え込みを防ぎます。なお、2026年10月1日に施行される改正労働施策総合推進法により、カスタマーハラスメント防止のための体制整備はすべての企業の義務になります。(出典:厚生労働省「令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正について」2025年)

あわせて、衝突が生まれる接点を減らします。窓口の応対件数が減れば、理不尽な要求に行き当たる回数も減ります。よくある質問はFAQサイトやチャットボットで自己解決できるようにし、人が受ける応対を、個別の事情をくみ取る必要がある相談に絞る設計が有効です。

被害が起きた後のケアも欠かせません。先ほどの調査で「被害者へのケア」を実施している企業は9.2%にとどまりました。被害を受けた担当者への聞き取りと記録、必要に応じた応対からの一時的な切り離しを、決まった手順として用意しておきます。会社が守る姿勢を手順という形で示すことが、この理由での退職を減らします。

同じ問い合わせの繰り返しで疲れ、成長を感じにくい

カスタマーサポートに寄せられる質問の多くは、内容の似た定番のものです。1件ずつの応対は短くても、同じ説明を毎日繰り返すうちに、新しい技能が身についていく実感を持てなくなります。この状態で働き続けることが、仕事を続ける意味への疑問に変わり、退職につながります。対策は、繰り返しの部分を仕組みに任せ、人にしかできない仕事の割合を増やすことです。

定番の質問が集まり続ける構造

パスワードの再設定、届け先の変更、支払い方法の切り替え、初期設定の手順といった質問は、お客様が入れ替わっても内容が変わりません。商品やサービスの仕様が同じである限り、疑問も同じ形で生まれるからです。問い合わせるお客様にとっては初めての質問でも、受ける担当者にとっては今日何度目かの質問になります。

この構造は、担当者の努力では変えられません。どれほど丁寧に答えても、翌日にはまた別のお客様から同じ質問が寄せられます。答えるほど問い合わせが減っていくという手応えがないまま、応対の件数だけが日々の成果として残ります。

同じ問い合わせが次々と押し寄せてオペレーターが対応しきれない様子

繰り返しが退職につながる流れ

入社してしばらくは、商品知識や応対の言い回しを覚えるたびに、できることが増えていきます。ところが定番の質問への答えをひと通り覚えると、その先で新しく身につくものが見えなくなります。日々の仕事は回っているのに、半年前の自分と比べて変わった点を挙げられない。同じ説明を繰り返した一日の終わりには、達成感より徒労感が残ります。

こうした日々が続くと、「この先も同じ毎日が続くのか」という問いが頭から離れなくなります。転職を考え始めるきっかけは、大きな出来事とは限りません。変化のない毎日そのものが、静かに退職へ向かわせます。

繰り返しを減らし、成長につながる仕事を割り当てる

打ち手は2段階です。1段階目は、定番の質問を人が受けない設計に変えることです。定番の質問への答えをあらかじめFAQサイトにまとめておけば、お客様はAIチャットボットやサイト内の検索から、その場で答えを見つけられます。AIカスタマーサポートシステム「ヘルプドッグ」のように無料で使えるサービスもあり、費用の負担を抑えて始められます。

2段階目は、繰り返しに使っていた時間を、成長につながる仕事に振り向けることです。問い合わせの記録を集計して発生の原因を特定する、FAQの記事を書いて見直す、新人向けの応対ガイドをまとめる。いずれも、応対の反復では身につかない技能が求められる仕事です。答えても減らなかった問い合わせが、自分の書いた記事で実際に減っていく。この手応えは、担当者が失いかけていた成長の実感を呼び戻します。

繰り返しを仕組みに任せた分、担当者の時間は判断・改善・教育に使えます。この配分の変更が、成長を感じられないことを理由とした退職を減らします。

人手不足でひとりあたりの負担が増え、残業が常態化する

欠員が出ても採用で埋まらない状態が続くと、残った担当者に仕事が集中します。希望日に休めず、退勤時刻が読めない働き方は、それ自体が次の退職の理由になります。人手不足が退職を生み、退職がさらに人手不足を深めます。この悪循環を断つには、人が対応する問い合わせの件数そのものを減らす必要があります。

欠員が埋まらないまま仕事が集中する

採用で欠員を埋めるという前提は、業界全体で崩れつつあります。先ほどの業界誌の記事も、オペレーターの正社員化が進む背景として採用難と人手不足を挙げていました。コンタクトセンターに関する国内調査でも、働き手の減少が2030年ごろに深刻になるとされる「2030年問題」への対策として、FAQサイトやボットなど、お客様が自分で解決する仕組みの強化を挙げた企業が47.5%にのぼりました。採用だけでは人員を保てなくなる将来を、半数近くの企業が見込んで動いています。(出典:ナイスジャパン「コンタクトセンターCX調査2025」2025年)

欠員が続く職場では、まずシフトが動かせなくなります。誰かが休めば別の誰かが穴を埋めるため、希望日の休暇を言い出せなくなり、体調が優れなくても出勤する空気が生まれます。応答までの待ち時間も延び、待たされたお客様の最初のひと言は厳しくなります。担当者は、件数の増加と、厳しい言葉から始まる応対の増加を、同時に引き受けることになります。

カスタマーサポート現場の人員不足と担当者の孤立した状況

負担の集中が次の退職を生む悪循環

一人が辞めると、その仕事は残った担当者に振り分けられます。負担が増えた誰かがまた辞め、教育が追いつかないまま新しい人が現場に立ち、早期離職につながります。退職のたびに、残った人の仕事が増え、採用と教育のやり直しの費用もかかります。米国の調査では、担当者1人が入れ替わるたびに、採用・研修の費用と独り立ちするまでの生産性の低下をあわせて、1万〜2万ドルの損失が生じると試算されています。(出典:米McKinsey & Company社「Boosting contact-center performance through employee engagement」2018年)

この悪循環は、クレームやカスタマーハラスメントによる精神的な消耗、同じ問い合わせの繰り返しという、ここまで述べた2つの退職理由とも絡み合います。人が足りない職場では応対を急ぐ場面が増え、お客様との行き違いが生まれます。FAQの見直しや教育に時間を割けないため、同じ質問への応対も減りません。1つの退職理由が、別の退職理由を深刻にするのです。

人が受ける件数を減らし、特定の担当者に偏らせない

対策は2つあります。人が対応する問い合わせの件数を減らすことと、残った件数を特定の担当者に集中させないことです。

件数を減らす柱は2つあります。定番の質問を自己解決に回す設計は、前の章で述べたとおり、人が受ける件数を減らします。あわせて、電話だけに頼らず、メールやフォームでの受付を広げることも有効です。電話は応対中ずっと手がふさがりますが、メールやフォームなら、件数の波を見ながら時間を選んで返信できます。急ぎの用件に人を集め、急がない用件は落ち着いた時間帯に処理できるようになります。

特定の担当者に集中させないためには、まず応対の記録を全員が見られる形で残し、誰でも途中から引き継げるようにします。担当者ごとの対応件数と時間を測定し、集中が見つかればシフトで是正します。休暇の予定は先にシフトへ組み込み、残りの枠で応対の当番を決めましょう。

人手不足そのものを一社で解消することはできません。しかし、同じ人数でどれだけの件数をどう受けるかは、組み立てで変えられます。この見直しが、働き方の重さを理由にした退職を減らします。

頑張りが評価されにくく、この先のキャリアが描けない

応対の仕事には、良い仕事ほど記録に残らないという性質があります。丁寧な応対はお客様が満足して静かに終わり、感謝の言葉は電話の中で消えます。一方で、クレームや対応漏れは記録に残り、報告にあがります。減点は見え、加点は見えない。この非対称に、昇進の枠の少なさが重なると、担当者はこの先の自分の姿を描けなくなります。対策は、応対の質を評価に組み込むことと、昇進以外に進む道を用意することの2つです。

丁寧な応対が数字に表れない

多くの職場で、応対の指標は応答件数と平均処理時間です。この2つだけで評価が決まる職場では、逆転が起きます。お客様の事情を聞き取り、時間をかけて丁寧に応対するほど処理時間は延び、数字のうえでは評価が下がるのです。手を尽くした担当者ほど報われない仕組みは、働く意欲を静かに削ります。

給与への不満も、この構造と切り離せません。負荷の高い応対をこなしても、その質が測定されていなければ、昇給の根拠になりません。頑張りが数字にならない職場では、頑張りが給与にもならないのです。

昇進の枠が少なく、その先を描けない

カスタマーサポートの組織は、多数の担当者に対して、現場の管理・教育を担うスーパーバイザー(SV)のポストが少数という形が一般的です。昇進の椅子は限られています。

先ほどの米国の調査では、昇進の機会が従業員満足度の14%を占めることが示されました。同じ調査で、退職の可能性が高い担当者の半数近くは、SVへの昇進を望んでいないか、望んでも自分には機会がないと考えていました。昇進が唯一の行き先である職場では、昇進を望まない人と、枠に入れない人の両方が、目指す先を失います。1年後も5年後も同じ役割と同じ給与だと分かったとき、人は職場の外に目を向けます。

質を評価に組み込み、昇進以外の道をつくる

第一に、応対の質を評価の材料にします。応対記録の定期的な確認に加え、お客様からの感謝の言葉や、込み入った相談を解決した経緯を記録として残し、件数・時間の指標と組み合わせて評価します。AIカスタマーサポートシステム「ヘルプドッグ」のような問い合わせ管理の仕組みを使えば、誰がどの問い合わせをどう解決したかが記録に残り、担当者一人ひとりの貢献を評価の材料にできます。評価の理由は本人に具体的に伝えます。「あの応対の、この説明が良かった」と言われて初めて、担当者は自分の仕事が見られていると実感できます。

問い合わせ管理・チャットボット・FAQを一元管理できるカスタマーサポートツールの管理画面

第二に、SV以外の役割を用意します。FAQ記事の執筆と見直しを担う担当、新人教育の担当、問い合わせの記録を集計して商品やサービスの改善につなげる分析の担当。いずれも応対の経験がそのまま生きる役割です。役割には名前を付けて社内に示し、処遇にも反映します。こうした役割は、前の章で述べた成長の実感にもつながります。

昇進のポストを増やせない規模の会社でも、この2つは実行できます。評価とキャリアの問題は、突き詰めれば、この仕事を続ける理由を会社が示せるかどうかの問題です。示せない職場から、担当者は離れていきます。

まとめ

私が支援してきた現場でも、疲弊して離職したカスタマーサポート担当者がいました。背景にあったのは、同じ質問が毎日寄せられ、答えられるのに、「この繰り返しを明日もあさっても、1か月後も1年先も続けていくのか」と、この先のキャリアへの信頼を失ったことです。その方は、用意された台本を読み上げる対応を続けるより、疑問や課題をお客様ご自身が納得のいく形で解決できる仕組みを作りたい、そうした仕組みづくりに携われる場所で働きたいと話していました。

この言葉が示すとおり、担当者が求めているのは、自分の仕事が形になって残る実感です。そして本記事で挙げた4つの退職理由は、いずれも仕事の組み立てで減らせます。業務の属人化を防ぎ、問い合わせそのものを減らすために、業務の手順書化・マニュアル化を進め、FAQサイト・AI検索・AIチャットボットといった無人サポートの仕組みを導入する。こうした仕組みは、お客様の自己解決を助けると同時に、貴重な経験とノウハウを持った人材の流出を防ぎます。

退職の連鎖は、最初の一人が辞める前に手を打てるかどうかで変わります。担当者の頑張りに頼る前に、繰り返しは仕組みに任せる。それが、人が辞めない現場づくりの出発点です。

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FAQ・よくある質問

Q1

担当者が退職を考え始めたサインには、どのようなものがありますか?

A

休暇や退勤時刻の希望が急に変わる、会議や雑談での発言が減る、改善の提案をしなくなる、といった変化が手がかりになります。ただしサインだけで判断せず、定期的な面談で本人の言葉を聞く場を設けておくことが確実です。兆候が出てからではなく、出る前から面談の習慣があることが、話してもらえる前提になります。

Q2

カスタマーサポート職の離職率の「平均値」はありますか?

A

国の統計は産業単位の集計のため、カスタマーサポートという職種単位の公的な平均値は公表されていません。自社の状態を測るには、外部の平均と比べるより、自社の離職率と在籍期間を毎年同じ方法で記録し、推移を見るほうが実用的です。

Q3

担当者が2〜3人の小規模チームでも、本記事の対策は実行できますか?

A

実行できます。むしろ一人の退職の影響が大きい小規模チームほど効果があります。優先順位は、①迷惑行為への判断基準と引き継ぎ手順の文書化、②定番質問のFAQ化、の順をおすすめします。どちらも費用より先に、時間を確保できるかどうかが成否を分けます。

Q4

退職を申し出た担当者を引き止めることはできますか?

A

申し出の時点では、転職先が決まっているなど、意思が固まっている場合が少なくありません。慰留の条件提示で残ってもらえたとしても、退職を考えた原因が職場に残っていれば、時間の問題になります。申し出への対応より、本記事の4つの理由を申し出が出る前に減らしておくことに力を注ぐべきです。

堀辺 憲
筆者

堀辺 憲 noco株式会社 代表取締役

クボタ、住友スリーエム、DeNAなどを経て2017年にnoco株式会社を創業。AIサポートシステム「ヘルプドッグ」等の開発プロデューサーを務める。数多くの企業のサポート部門・現場業務のDXを支援してきた実績から得た、カスタマーサポート領域およびナレッジマネジメントに関する深い知見をもとに、CS基盤の構築・改善に直結するノウハウを解説する。