ドメインは、Webサイトがインターネット上のどこにあるかを示す名前です。「example.com」のような文字列が、これにあたります。FAQサイトを自社のドメインで公開すると、FAQサイトのURLを、自社サイトと同じドメイン名で揃えられます。
ドメインとは何か
普段ブラウザに入力する「https://example.com/faq/」のような文字列を、URL(ユーアールエル、Uniform Resource Locatorの略)と呼びます。このURLの中で、サイトの名前を表す「example.com」の部分がドメインです。
ドメインの仕組み
Webサイトのデータは、サーバーと呼ばれるコンピュータに置かれています。このサーバーは、「IPアドレス」という番号を持っています。IPアドレス(アイピーアドレス、IPはInternet Protocolの略)とは、サーバーの場所を示す番号で、「192.0.2.1」のような数字の並びです。数字の並びを覚えておくのは、人にとって大変です。そこで、この番号には、ドメインという読みやすい名前を結びつけてあります。
では、お客様が名前を入力したとき、ブラウザはどうやって目的のサイトを表示するのでしょうか。名前から番号を調べる役割を持つのが、DNS(ディーエヌエス、Domain Name Systemの略)です。DNSとは、ドメインの名前と、それに対応するIPアドレスの番号を結びつける仕組みです。お客様がブラウザにドメインを入力すると、DNSがその名前に対応する番号を調べ、その番号のサーバーにあるサイトを、ブラウザが表示します。

独自ドメインと共有ドメインの違い
ドメインには、2つの使い方があります。自社で取得する独自ドメインと、FAQツールを提供する会社のドメインを利用する共有ドメインです。
独自ドメインとは、自社で取得して、自社だけで持つドメインです。たとえば自社が「example.com」を取得すれば、FAQサイトを「faq.example.com」として、自社のドメインで公開できます。
共有ドメインとは、FAQツールを提供する会社のドメインを、自社のFAQサイトに利用する形です。この場合、FAQサイトのURLには、提供会社の名前が入ります。たとえばヘルプドッグでは、提供会社のドメイン「helpdog.ai」を使うため、FAQサイトのURLは「helpdog.ai」から始まります。ヘルプドッグは、この共有ドメインを「標準ドメイン」と呼んでいます。
両者の違いは、URLに自社の名前が入るか、提供会社の名前が入るかです。ヘルプドッグなら、FAQサイトを標準ドメインと独自ドメインのどちらでも公開できます。独自ドメインを選ぶと、FAQサイトのURLは「faq.example.com」のように、自社のドメインから始まります。
独自ドメインで運用するメリット

FAQサイトを独自ドメインで公開すると、共有ドメインのままでは得られない利点が2つあります。お客様が自社の公式ページだと判断できることと、FAQツールを乗り換えても自社のドメインを使い続けられることです。
お客様が公式ページだと見分けられる
独自ドメインでFAQサイトを公開すると、URLに自社のドメイン名が入ります。お客様は、ブラウザのアドレス欄に表示されたURLを見るだけで、そのFAQサイトをその会社が運営しているとわかります。
共有ドメインのままだと、URLには提供会社の名前が入ります。そのため、お客様には、どの会社が運営しているFAQサイトなのかが、URLからは分かりません。自社のドメイン名でURLが揃っていれば、お客様は表示された案内を、その会社の正式な情報として安心して閲覧することができます。
これは、お客様を詐欺から守るうえでも役に立ちます。昨今、本物の会社になりすまし、よく似た偽のサイトへ誘い込むフィッシング詐欺が増えています。フィッシング詐欺とは、本物そっくりの偽サイトにお客様を誘導し、パスワードやクレジットカード番号などを盗み取る手口です。
FAQサイトをふだんから自社のドメインで提供していれば、お客様は「この会社のページはこのドメイン」と認識をそろえることができ、見慣れたドメインかどうかが、本物と偽物を見分ける手がかりの一つにもなります。
ツールを乗り換えても自社のドメインを使い続けられる
独自ドメインは、自社が取得して保有します。そのため、FAQツールを別の会社のサービスに乗り換えても、「faq.example.com」のような自社のドメインは、そのまま使い続けられます。お客様に知らせてきたFAQサイトのURLを、変えずに済みます。
ただし、記事一つひとつのURLは、FAQツールが決めています。たとえば「faq.example.com/hc/helpdog-support」のうち、「/hc/helpdog-support」の付け方は、ツールごとに異なります。そのため、別のツールに乗り換えると、記事ごとのURLは変わることがあります。
このとき、自社でドメインを保有していて、移行先のツールがリダイレクト機能に対応していれば、古いURLを開いたお客様を、新しいURLへ自動で送る「リダイレクト(転送)」を設定する方法がとれます。リダイレクトとは、前のURLにアクセスした人を、自動で新しいページへ移動させる仕組みです。これを設定すれば、お客様がブックマークした古いリンクや、ほかのサイトに貼られたリンクからでも、新しいページが開きます。
検索エンジンの中で高まってきた評価を新しいURLへ引き継げるかは、リダイレクトの種類によって変わります。リダイレクトには、恒久的な移転に使う「301リダイレクト」と、一時的な移転に使う「302リダイレクト」があります(このほかにも種類があります)。
301リダイレクトは、ページが新しいURLへ恒久的に移ったことを検索エンジンに伝える方法で、検索エンジンは新しいURLを正式なURLとして扱います。これにより、それまでの評価が新しいURLへ引き継がれます。
一方、302リダイレクトは一時的な移転に使うもので、元のURLが正式なURLのまま残るため、ツールの乗り換えのような恒久的な移転には向きません。移行先のツールで301リダイレクトを設定できるかを、確認しておきましょう(出典:Google「Redirects and Google Search」)。
共有ドメインは、いま使っているFAQツールの提供会社が保有するドメインです。そのため、そのツールを解約すると、これまで使ってきたURLそのものを失います。古いURLからお客様を転送する設定もできないため、共有している記事のURLも、検索エンジンで培った評価も、引き継げません。
独自ドメインを使うときの注意点
独自ドメインでFAQサイトを公開するには、共有ドメインにはない準備と費用が必要です。使うFAQツールが独自ドメインに対応しているか、ドメインの取得と更新にかかる費用、DNSの設定の3つを、公開する前に確認し、準備しておきましょう。
使うFAQツールが独自ドメインに対応しているか確認する
独自ドメインでの公開は、すべてのFAQツールでできるわけではありません。独自ドメインを扱えないツールもあります。そのため、独自ドメインで運用したい場合は、検討しているツールが対応しているかを確かめておきましょう。
対応しているツールでも、独自ドメインをどの形で使えるかは決まっています。ドメインには、「example.com」そのものにあたるルートドメインと、その前に文字を足した「faq.example.com」のようなサブドメインの2つがあります。
ヘルプドッグの場合、「example.com」そのもの(ルートドメイン)は使えないため、FAQサイトは「faq.example.com」のようなサブドメインで公開します。
ドメインの取得と更新に費用がかかる
独自ドメインは、自社で取得します。取得するときに費用がかかり、その後も、使い続けるあいだは更新の費用がかかります。更新は1年ごとなど、決まった期間で必要になります。更新を忘れると、ドメインを使えなくなり、FAQサイトが表示されなくなることがあります。
費用は、ドメインだけではありません。独自ドメインでFAQサイトを公開するときは、SSL/HTTPS証明書も必要になります。SSL/HTTPS証明書とは、お客様のブラウザとFAQサイトの間でやり取りする情報を暗号化し、URLを「https://」で安全に表示するための仕組みです。これがないと、ブラウザに「保護されていない通信」と警告が表示され、お客様を不安にさせます。
証明書は、無料で自動的に用意できるサービスもあれば、自分で取得・更新する費用と手間がかかる場合もあります。
DNSの設定ができる担当者か委託先が必要
独自ドメインでFAQサイトを公開するには、DNSの設定が必要です。さきほど説明したとおり、DNSは、ドメインの名前とサーバーのIPアドレスを結びつける仕組みです。独自ドメインを使うときは、自社のドメインとFAQツールのサーバーが結びつくように、このDNSへ設定を加えます。
この設定には専門の知識が要ります。そのため、DNSの設定や管理ができる担当者が社内にいるか、外部の会社に委託できる体制を、用意しておきましょう。ヘルプドッグで独自ドメインを使う場合も、DNSの設定・管理ができる担当者、または委託先が必要です。

まとめ
独自ドメインでFAQサイトを公開すると、お客様はそのページを、自社の正式な案内として信頼します。海外の調査でも、ドメイン名が会社名と一致しているほうが安心だと答えた人が、4人に3人(74%)にのぼりました(出典:GoDaddy「Consumer Pulse」調査 2025年)。私自身、ドメインが自社の名前でそろっているかどうかで、お客様の受け取り方は変わると感じています。
信頼に加えて、情報を自社の資産として残せることも、独自ドメインを選ぶ大きな理由です。FAQサイトで高まってきた検索評価や、お客様に知らせてきたURLを、ツールを変えても失わずに済みます。
ただし、独自ドメインの公開には、DNSの設定をはじめとした技術的な準備が必要です。誰がドメインを管理するかを決めないまま始めると、設定や更新が進まなくなります。準備を整えてから進める慎重さが要ります。
FAQサイトを長く運用していくなら、独自ドメインでの公開を前向きに検討する価値があります。まずは、自社で使えるドメインと、DNSを設定できる担当者か委託先があるかを確認するところから、始めてみてください。