解説
意図推定は、顧客が入力した文から「何をしたいのか」を判定し、あらかじめ定めた意図(インテント)のいずれかに分類する処理です。たとえば、「パスワードが分からない」「ログインできない」「再設定したい」を、いずれも「パスワード再設定」という同じ意図として扱います。表現が違っても同じ回答に到達できるようにする、従来型のチャットボットで使われてきた機能です。
一方で、近年は、LLM(大規模言語モデル)が文脈から意図を解釈する方式もあります。たとえば、チャットボット開発ツールのBotpressは、意図ごとに大量の学習例を用意する必要がある従来の分類器をやめ、LLMを中心とする方式に移行したと説明しています。
実務での使われ方
意図推定の精度を高めるには、実際の問い合わせ文を使います。主な取り組みは次のとおりです。
- 実際の問い合わせ文を学習データに使う
- 意図の粒度をそろえる(細かすぎると判別が難しくなる)
- 同義語辞書を整備する
- 判定できなかった入力をログから定期的に確認する
さらに、判定を外した入力は、改善の材料になります。特に、次の3種類の入力をログから抜き出すと、辞書に足すべき言い回しや、まだ用意していない意図が見えてきます。
- どの意図にも一致しなかった入力
- 低い確信度で無理に一致させた入力
- 回答後に有人へ引き継がれた入力
注意点
意図の粒度を細かくしすぎると、判定が当たりにくくなります。意図を細かく分けるほど回答は具体的になりますが、隣り合う意図の表現が似てきて、どちらとも取れる入力が増えます。たとえば、「解約したい」と「解約の手数料を知りたい」を別々の意図にすると、「解約について」という一言はどちらにも分類されえます。逆に、粗くまとめすぎると、返ってきた回答が用件とずれます。そのため、粗めの分類から始め、判定できなかった入力を見ながら分けていく進め方が扱いやすい方法です。
また、確信度が低いときは無理に回答させず、候補をいくつか示して選んでもらうか、有人へつなぐようにしておくと、誤った案内を減らせます。
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