解説
プロンプトエンジニアリングは、指示文(プロンプト)の書き方を工夫して、生成AIから狙いどおりの出力を引き出す取り組みです。役割の与え方、手順の示し方、出力形式の指定、回答例の提示といった要素を組み合わせて、生成AIの応答のばらつきを抑えます。サポート領域では、AIチャットボットの回答方針を指示文で決める作業が該当します。
実務での使われ方
顧客向けのボットでは、口調と断り方を指示文であらかじめ決めておきます。何を答えるかと同じくらい、どのように答えるかが問われるためです。敬体を使うのか、謝罪をどこまで入れるのか、判断できない質問にどう返すのかを指示文に書いておかないと、回答ごとに印象が揺れてしまいます。さらに、答えを持たない質問に推測で応じさせない指示と、有人対応へ引き継ぐ条件の指示は、ハルシネーションを防ぐうえで有効です。
注意点
モデルを変えると指示文の効き方が変わるため、指示文を作り込みすぎないようにします。指示文の工夫には、特定のモデルの癖に合わせた調整という側面があります。そのため、新しい世代のモデルへ切り替えると、以前は効いていた書き方が効かなくなったり、逆に不要になったりします。たとえば、Anthropicは、以前のモデル向けに強い口調で書いた指示が、新しいモデルでは過剰に作用する場合があると案内しています。したがって、細かな言い回しを積み上げるより、守らせたい方針を短く明確に書いておくほうが、移行時の修正は少なく済みます。
また、すべての課題が指示文の工夫で解決するわけではありません。応答速度や費用の課題は、使うモデルを変えたほうが改善しやすい場合もあります。
出典
- Prompt engineering overview(Anthropic)
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